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EHECのアウトブレイクについて

WHO/Europe 2011年6月9日

アウトブレイクはドイツを中心に続いており、このアウトブレイクを引き起こした腸管凝集性でベロ毒素産生性の特殊な大腸菌(EAggEC VTEC)O104:H4の性状と感染源について調査が続けられています。

溶血性尿毒症症候群(HUS)

6月8日15:00中央ヨーロッパ時現在、ドイツはHUS722症例(うち死亡18例)を報告しており、前日より33例の症例が増加しました(死亡者の増加はありません)。69%は女性であり、87%は20歳以上の成人で、人口100,000人あたりの最大の罹患率は、20歳〜49歳の範囲に認められます。発症日は、5月1日から6月6日の間です。

腸管出血性大腸菌(EHEC)

6月8日15:00中央ヨーロッパ時現在、2086例のEHEC感染(HUSを呈していないもの)をドイツは報告し(うち死亡8例)、前日より127例の症例と2例の死亡例が増加しました。60%が女性で、88%が20歳以上の成人です。発症日は、5月1日から6月6日の間です。

ロベルト・コッホ研究所は、現在のHUSとEHECの届出データは、血性下痢症で救急外来した患者数のサーベイランスで得られたデータと同様に減少傾向を示していると述べています。しかし、この減少が生野菜の消費量の変化に起因する、または(および)感染源が消滅しつつあることに起因するのかはまだ明らかではありません。

その他の国における状況

6月8日現在、欧州内では13カ国が合計35例のHUS(死亡1例)と61例のEHEC(死亡例なし)を報告しています。報告されたHUSは前日より2例増加し、EHECは3例減少しています。改訂された欧州連合(EU)の症例定義を用いたために、すでに報告された症例の中には除外されたものがあります。

さらに、アトランタのアメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、このアウトブレイクに疫学的リンクを有する米国内のHUS3症例(確認済み1例と疑い症例2例)とEHEC(HUSを呈していないもの)の疑い症例1例についてすでに公式発表しています。6月7日に、カナダ公衆衛生局は、ドイツ北部への渡航歴があり、ドイツ国内で確認されたO104大腸菌感染症に疫学的リンクを有する、1例のO104大腸菌感染症(HUSを呈していないもの)の疑い症例を報告しました。

感染者が存在する全ての国の患者数を以下の表に示します。

図.感染者が存在する全ての国の患者数

1例を除けば、全てのHUSとEHEC症例は、病原体への暴露後通常3-4日間(2-10日の範囲)の潜伏期間においてドイツに渡航したか住んでいた人のものです。アウトブレイクの原因は、血清型O104:H4あるいはより正確に腸管凝集性ベロ毒素産生性大腸菌(EAggEC VTEC)O104:H4株であることが確認されました。

感染源については調査中です。

補足

EHECとHUSの届出上の分類は排他的なもので、数字が重複してはならないものです。急激なアウトブレイクの際の数字は暫定的なものであるため、種々の事情により変更されることがあります。

上記の情報を提示するにあたって、WHOは加盟国とテクニカルパートナー(欧州委員会、欧州疾病対策センターや複数のWHOの協力機関)の情報提供に対して謝意を表します。

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