第3回

地域総合防災力の充実方策に関する小委員会
日時:平成20年3月27日(木)
10:00〜12:00
場所:虎ノ門パストラル 新館6階「ロゼ」 -2-午前10時00分 開会
1.開 会
しろまる大塚課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただいまより第3回地域総合防災力
の充実方策に関する小委員会を開催いたします。
本日は、お忙しい中、ご出席いただきまして、まことにありがとうございます。しばら
くの間、事務局のほうで進行を務めさせていただきます。
2.委員等の紹介
しろまる大塚課長補佐 まず、本日は、青山委員と重川委員におかれましては、所用のためご欠
席をされております。また、本日は、審議会会長でいらっしゃる吉井会長にもご出席いた
だいておるところでございます。
配布資料確認
しろまる大塚課長補佐 続きまして、本日の配付資料をご確認させていただきます。資料、上か
らまず議事次第。委員名簿。配席図。その下が、本日の資料でございますけれども、まず「(協議用メモ)
」と書いた資料、本体の資料と、あとその下に参考資料をつけさせていた
だいております。
それでは、これより小委員長に議事の進行をお願いしたいと存じます。秋本小委員長、
よろしくお願いします。
3.議 事
・防災力の担い手をどのように考えるか
・時間経過に応じたそれぞれの活動をどのように考えるか
・担い手それぞれの充実強化をどのように図るか -3-・担い手間・地域間の連携協力のあり方をどう考えるか
・物的基盤をどのように整備するか
・人的能力をどのように向上させるか
・情報受発信能力をどのように向上させるか
・具体的方策を推進するための制度をどのように整備するか
しろまる秋本小委員長 皆さん、
おはようございます。
お忙しいところ、
ご出席いただきまして、
ありがとうございます。
きょうは、今紹介がありましたように、消防庁、事務局のほうで資料の整理もしていた
だいておりますので、まずはその説明を伺って、その上でいろいろまた自由なご意見をい
ただくようにしたいと思います。
では、お願いします。
資料説明
しろまる長谷川総務課長 総務課長でございます。
お手元に資料がお配りされておりますので、私のほうからご説明させていただきたいと
思います。課がまたがるものですから、総務課のほうでご説明させていただきまして、ご
質問があった場合には、必要に応じて担当課長のほうからお答えさせていただきたいと、
こういうことでよろしくお願いします。
それから、冒頭、恐縮でございますが、お手元に配席図があると思いますけれども、き
ょうは、国会等の関係がございまして、次長、審議官等が欠席になっておりまして、その
関係で若干配席も変わっておることをご了承賜ればと、このように思います。
それでは、お手元の「
(協議用メモ)
」をご説明申し上げたいと思います。まず、この資
料は、ここに、冒頭書いてございますけれども、本日の会議においてご議論いただくため
に、参考として作成したものということでございまして、今後報告書を取りまとめるに当
たっての議論のたたき台というような位置づけでお示ししているものでございます。最終
的に、これにこだわるというものではございませんので、皆様方から忌憚のないご意見を
賜りまして、
今後のスケジュール感としましては、
夏前ぐらいに次の会議を開いたときに、
骨子といいますか、報告書の案といいますか、きょうのご議論を踏まえたものをお出しし -4-まして、またもう一度たたいていただいた上で、報告書に仕上げていくというようなこと
を想定いたしておるものでございます。
それでは、順次、簡単にご説明申し上げたいと思います。まず、
「はじめに」ということ
で、先般も、3月7日に式典がございましたけれども、常備消防がスタートして60周年
を過ぎましたけれども、この間、着実に発展をしてきたということを付言いたしておりま
す。その上で、今後も常備消防について高度化、広域化等が必要であるということ。それ
から、他方で、平時の防災活動や自然災害の発生時の活動は、地域密着型、地域総合型の
防災力が重要であるということに付言をいたしております。
それから、地域防災の担い手となり得るものはさまざまなものが考えられるけれども、
総合的な防災力を向上させるためには、それぞれの担い手の強化が必要であるし、またそ
れぞれの担い手の連携、協力が不可欠であるというふうに述べております。その上で、特
に消防行政機関であると同時に、住民活動組織の側面を持つ消防団の役割は重要ではない
かということに触れておるところでございます。
次に、2として「基本的な考え方」
ということに触れまして、
恐縮ですが、
4ページに、
3としまして「防災力強化のための具体的方策」ということで、分けて記述をしていると
ころでございます。
まず、
基本的な考え方としまして、
ポイントが4つございます。
「防災力の担い手をどの
ように考えるか」
。ポイントの2が、災害が起こったときの「時間の経過に応じたそれぞれ
の活動をどのように考えるか」。ポイントの3が
「担い手それぞれの充実強化をどのように
考えるか」
。そして、ポイントの4として、
「担い手間あるいは地域間の連携協力のあり方
をどのように考えるか」というふうに、基本的な考え方を整理いたしておるところでござ
います。
「防災力の担い手をどのように考えるか」でございますが、まず、地域の防災力を担う
主体としましては、これまでご議論いただきましたように、公設の消防機関である常備消
防、消防団。
「消防機関」という表現を使った場合には、常備消防と消防団と両方含めて考
えている記述でございます。そういった消防機関だけではなくて、婦人防火クラブ、青少
年消防クラブ、自治会・町内会等を基礎とした自主防災組織、あるいは企業・団体等のい
わゆる自衛消防のような防災組織などがあると。さらには、住民やボランティアグループ
なども、ひとたび災害が発生すれば、担い手となり得ると、こういうことでございます。
そして、消防活動に限定するのではなく、地域の安心・安全をどのように確保するかと -5-いった課題に視野を広げようというのが、総合的な防災力の充実強化ということでござい
ますので、今回の検討に当たっては、こういったいわゆる消防関係だけではなくて、国、
地方団体の関係の行政機関というものも大きく関係してくるということを触れております。
それから、
ポイントの2としましては、
時間経過に応じたそれぞれの活動でございます。
地域防災のあり方を考える際には、防災活動に災害発生前の活動、それから発生直後の応
急対策、それから発生した後の復旧・復興といった、時間経過に応じた局面が存在すると
いうことに着目する必要があるだろうということでございます。
このうち平時の活動のうち、例えば防火指導や広報等の活動は、当然常備消防も行って
いるわけでございますが、場合によってはその業務の特性に応じて、担い手間で役割分担
を行う視点があってもいいのではないかということでございます。
それから、災害発生直後の応急活動に着目しましては、一般に応急活動は常備消防が中
心となりますけれども、特に大規模な災害の場合には、消防団や自主防災組織の参画も不
可欠であるということはご案内のとおりでございまして、特に住民との一体的な活動が必
要となる避難誘導とか、避難所の運営、こういったことについてはより一層の消防団、自
主防災組織等の役割が期待されるということに触れております。
また、復旧・復興過程におきましては、個々のインフラの復旧にとどまらず、まちづく
り等の観点から、いわゆる関係の行政機関等と一体となった取り組みが必要であるという
ことでございます。
それから、ポイントの3は、それぞれの担い手をどう充実強化を図るかという観点でご
ざいます。まず、常備消防につきましては、大規模、複雑化する災害事故、あるいは社会
情勢の変化に伴って、消防活動の中身が変わってきているということを踏まえる必要があ
るだろうということでございます。
それから、昨年のカラオケボックスの火災や温泉施設の爆発などがございましたが、新
たな形態の施設への災害というようなことが起こっておりまして、こういったことに対し
てあらかじめ予防活動等の体制の強化も必要ではないかという視点を触れております。
おめくりいただきまして、先ほどもちょっと触れましたけれども、これまで常備が主体
で行っておりました業務の中に、平時の地域における防火指導や防火管理講習会などとい
う活動があるわけですけれども、こういったものは場合によっては消防団等、関係団体の
協力を得るといった役割分担の視点も必要ではないかということに触れております。
次に、消防団でございますが、大規模災害時における避難誘導や被災者の生活支援など -6-の活動、こういったことは常備消防だけではなく、その地域に根差した消防団の活動が欠
かせないということで、今後とも制度、装備面にわたって消防団の充実強化が必要ではな
いかということでございます。
それから、消防団員の増加。これ、減少しているということですので、消防団員の増加
を図るためには、国民に消防団の存在をもっとPRしていくべきではないか。そして、サ
ラリーマン団員が増えている現状を踏まえて、活動しやすい環境づくりが必要ではないか
ということでございます。
次に、自主防災組織でございますけれども、婦人防火クラブ等の連帯感が強い組織とい
うことですので、避難所の運営や常備消防や消防団員ではできないような地域ぐるみの活
動が期待できるということでございます。こうしたことから、リーダーの育成とともに、
関係団体が必要な情報を確実に入手・把握できる環境の整備も必要ではないかということ
が、たしかいろいろご議論があったのではないかと思います。
それから、自主防災組織から将来の消防団員などの地域防災を支える人材を育てていく
ということで、
「青少年消防クラブ」
とここでは書いておりますが、
いわゆる少年消防クラ
ブ、幼年消防クラブ等の育成活動の活性化が必要であって、このためには子供たちにとっ
て魅力ある組織づくりが必要ではないかということでございます。
また、幼児期から社会人まで、年齢に応じた防災教育が必要ということから、特に、先
ほど申し上げました幼年消防クラブ、少年消防クラブは中学校までということですので、
高校生のかかわりをどうするのかということも検討する必要があるということでございま
す。
それから、
ポイントの4といたしまして、
「担い手間・地域間の連携協力のあり方をどう
考えるか」ということで、地域におきましては、いろいろな活動が一体的に行われており
ますので、そういった観点からコミュニティー組織を活用することが重要ではないかとい
うことでございます。
そして、地域にはさまざまな団体が、消防防災という観点で連携協力できる仕組みとい
うのを考えていってはどうかということでございます。
それから、担い手間、地域間で連携協力していこうとする場合、消防機関としての側面
と、それからいわゆる自治組織としての側面を持つ消防団が、常備消防と自主防災組織等
の活動等を橋渡しする役割が期待できるんじゃないかということに触れております。
それから、消防団と自主防災組織、それから昨年、消防法改正で、大規模な施設には自 -7-衛消防組織が義務づけられておりますけれども、そういったものとの連携強化を行うため
に、特に消防団が自主防災組織とか、自衛消防組織について教育、訓練を行う等、いわゆ
るリーダーシップを発揮することが必要ではないかということに触れております。
それから、地域防災はどうしても、ここでもご議論ございましたけれども、縦割りに陥
りがちでございますので、それぞれの行政機関同士も連携を図っていただくことが必要で
ございまして、特に災害時の要援護者の情報把握の面で連携が欠かせないということでご
ざいます。
そして、さらに福祉分野など、既存の組織や活動に、消防も積極的にかかわりを持って
いく必要があるんじゃないか。そういったことで、地域の安心・安全を一層高めるという
ことができて、消防に対する住民の信頼も高まっていくんじゃないかということに触れて
おります。
次に、大きく3としまして、
「防災力強化のための具体的方策」でございますが、ポイン
トの5として、
「物的基盤をどのように整備するか」
。ポイントの6としては、次のページ
ですが、
「人的能力をどのように向上させるか」。ポイントの7として、
「情報の受発信能力
をどのように向上させるか」。ポイントの8として、
そのために制度をどのように整備する
かということで、記述をいたしております。
まず、物的基盤でございますけれども、地域の防災力を向上させるためには、道路・河
川等のインフラとか、あるいは避難広場とか、防災緑化等の、あるいは公共施設の耐震化
等のいろいろな防災対策が必要なんですけれども、直接的な防災のための整備だけじゃな
くて、いわゆるまちづくりに関して、地域の安全を向上させるという視点といいますか、
そういったことをまちづくり全体に、あるいは地域政策に展開していくことが必要ではな
いかということでございます。こういうふうに書きますと、ここまで我々ができるかとい
う問題があるんですけれども、視点としてそういうことが必要ではないかということでご
ざいます。
それから、多様化・高度化する消防活動を可能とするために、装備の充実は常備消防も
消防団も必要なんですけれども、とりわけ近年は救急救助の需要が著しく増加しておりま
すので、これまで消火が中心でありました消防団も救急や救助の活動ができるような、そ
ういったことで、例えば今般お配りしていただいているような多機能型車両の配備など、
資機材整備が消防団にも望まれるのではないかということございます。
それから、
ポイントの6としまして、
「人的能力をどのように向上させるか」
ということ -8-です。当然のことながら人づくりは欠かせないということでございまして、消防防災のプ
ロである消防職・団員の研修や、あるいは一般の自主防等を想定して、一般向けの研修等
が必要ではないかということでございます。
そこで、
消防職・団員の研修のためには、
施設の確保充実を進めるとともに、
地域連携、
先ほど来申し上げておりますように、消防機関と地域を結ぶ連携の旗振り役が期待できる
消防団について、特に幹部向けの研修の機会を設けることが必要ではないかということで
ございます。
そして、地域の総合的な防災力を強化するためには、消防機関だけでなく、一般住民を
含めた地域ぐるみの体制が不可欠でございまして、そういった意味で、一般の住民の中に
も防災リーダーを育てることが大事で、それによって大規模災害時における消防機関と住
民との橋渡しができるんじゃないかということを考えております。
この一般住民向けの研修につきましては、これまでいろいろな防災に関する研修会が行
われておりますけれども、今申し上げましたような、特に地域の防災リーダーを育てると
いう観点が必要ではないかという視点でございます。
そして、この住民向けの防災リーダー研修を実施するに当たりましては、先ほど来申し
上げておりますけれども、地域における担い手連携という観点から、地域で活動する消防
団や消防職員を例えば講師として活用することが有効ではないかということでございます。
それから、いわゆる団塊の世代が退職、リタイヤしていく時代に今なっているわけです
けれども、こういった方々を地域防災にも積極的に参加していただくのが期待できるんじ
ゃないかということから、防災機関はこうしたマンパワーを有効に活用することができる
ような仕組みについても考えていくべきじゃないかということでございます。
それから、地域全体のレベルアップを図るためには、先ほどもまた申し上げましたよう
に、青少年に対する防災教育の充実ということが大事でして、とりわけ大規模災害時にお
いて中高生が担い手となることも想定されまして、そういった実践的な訓練も必要ではな
いかということでございます。
ポイント7としましては、
「情報の受発信能力をどのように向上させるか」
ということで、
まず、消防は、ご案内のとおり、災害が起こりますと、まず119番がかかってきますの
で、これを通じて初期的な情報収集ができる立場にございますから、そういった意味で、
地域の防災機関の中核としての役割を今後とも果たしていかなければならないということ
でございます。 -9-それから、災害の被害状況を把握しようとしますと、119番だけではもちろんだめで
すので、そういった意味で、地域の状況を正確に把握できるのは、地域に張りついていろ
いろ情報収集をしていただける消防団が大事でございますから、迅速・的確な消防活動に
大きく寄与する消防団からの情報発信をより活用すべきではないかということでございま
す。
それから、消防をはじめ防災機関や団体は、先ほど来、これも問題意識があって書いて
いるわけですけれども、災害時の要援護者に関する情報が、持っているところからちゃん
と情報がもらえるようにするべきではないかということでございます。
最後に、ポイントの8としましては、具体方策を推進するための制度をどうするかとい
うことで、地域防災力の向上に当たって鍵となるのはどうも消防団でないかということか
ら、この辺について、法律、組織、財政制度についてもう少し検討する必要があるんじゃ
ないかという視点でございます。
とりあえず前回までの私どもの説明、あるいは皆様方、委員の先生方からのご発言等を
踏まえて、事務局のほうで並べてみたというような性質のものでございますので、ごらん
いただければと思います。
それから、参考資料でございますけれども、ちょっと分厚い参考資料がございますが、
これは、これまでここでお出ししました資料がございましたけれども、それを中心にしな
がら、ものによっては新しい形に変えたものもございます。
さっとおめくりいただきますと、1ページが消防組織の概要の図でございます。これは
以前にお出ししたものだと思います。それから、2ページは、同じく市町村の消防組織を
常備と非常備に分けて分類して、仕組みをお示ししているものでございます。この前に出
したものだと思います。それから、3ページは、消防の仕事が広がってきたということを
お示しした資料でございまして、
ちょっと前に出したのを若干直してございますけれども、
基本的には同じ資料でございます。4ページも、これも前にお出しした資料でございます
が、
平常時と非常時で、
防災に対する考え方が異なっていると。
地域から積み上げるもの、
あるいは場合によっては国のほうからお願いしていくものがあるということを切り分けた
ものでございます。
5ページは、消防防災行政が変革期にあるということについて、この前にお出しした資
料だと思います。
それから、6ページは、緊援隊(緊急消防援助隊)の仕組みについてご説明したもので
-10-
ございます。
7ページは、消防本部と常備化率を書いておりまして、本部の数は減ってきているとい
うことをお示しした資料でございます。
それから、8ページは消防職員の数と、中央公務員全体の数を比較したものでございま
して、公務員全体は、ご案内のとおり、行革で非常に削減されているわけですけれども、
消防職員についてはニーズがあるということで、各市町村で頑張って確保していただいて
いる状況を挙げております。
9ページは消防の広域化の資料でございます。これは以前お出ししたものから少しリバ
イスしたものでございます。
それから、10ページは消防団の現況についての資料でございます。以前お出ししたも
のだと思います。
11ページは、サラリーマン化が進んでいるということを示した資料でございまして、
これも以前お出ししたものと基本的に同じだと思います。
12ページは、自主防災組織の数の推移、率の推移等をお出ししたものでございます。
それから、13ページは、大規模な地震が今後想定されるということについてご説明を
した資料でございまして、地域ごとに大きな地震を想定したものを書いてございます。
14ページは、ちょっと切り口が違いますけれども、住宅火災が増えているということ
について言及した資料でございまして、特に高齢者の死者が増えているということでござ
います。
それから、15ページは、そのために住警器(住宅用火災警報器)の普及促進を法律に
基づいて進めているということをご説明した資料でございます。
それから、16ページは、これもまた切り口が違いますけれども、大規模な建築物が非
常に増えているということをお示しした資料でございまして、書いてございませんけれど
も、これを受けて、昨年、消防法を改正して、大規模な建築物に地震防災対策を義務づけ
る制度改正が行われたところでございます。
それから、17ページは、危険物施設、石油タンク等の事故が増えているということを
示した資料でございまして、これにつきましては先般審議会の本体のほうでご答申いただ
きまして、今回消防法と消防組織法をあわせてですけれども、改正をお出ししたところで
ございます。
それから、
18ページは、
救助が増えているということをお示しした資料でございます。
-11-
出場件数、それから活動件数、それぞれ増えてきているということでございます。若干最
近ちょっと減っている部分もございまして、この辺、分析がはっきりわかりませんが、交
通事故が若干減っているとか、そういうことが影響したのかなと思っております。はっき
りまだ分析されておりませんが、そんな状況でございます。
19ページは、救急が増えているという図でございまして、これも、17年まで、統計
をとってからずっと一貫して増えておりました。10年前に比べると6割増でございます
が、18年は若干減りましたけれども、これ、はっきりわかりませんが、例えばインフル
エンザが少なかったとか、そういうことでございまして、19年はまたちょっと増加傾向
になっているところでございます。
それから、横長の、これは初めてお出ししているんじゃないかと思うんですが、横長の
資料、これまでご説明したりしたことを、わかりやすくなったのか、わかりにくくなった
のかちょっとはっきりしないんですけれども、お手元に基礎的なことを整理させていただ
いたものをおつけいたしております。ご議論の参考にということですが、表側に、左のほ
うに常備消防、消防団、自主防災組織、自主防災組織のうちでも婦人防火クラブと少年・
幼年消防クラブ、そして企業等の自衛消防組織というのを書きまして、表頭に、表の上の
ほうに、それぞれ法制度はどうなっているか、補助金や支援策はどうなっているか、教育
訓練はどうなっているか、それから基本的な数字はどうなっているか、それぞれの分類で
どういう活動が行われているか等々を書かせていただいたというものでございます。ご説
明は省略いたしますけれども、ご参考にいただければと、このように申し上げるところで
ございます。
事務局からのご説明は以上でございます。
しろまる秋本小委員長 大変要領いい説明をしていただいて、いきなり、すぐ議論しましょうと
いうことにしていいかどうかというぐらいにあれなんですけれども、もう一つ、お手元に
「青少年消防組織のあり方に関する研究会中間報告」というのをお配りしております。こ
れは日本消防協会とか、日本防火協会とかが事務局をしながら、金井委員にも委員として
ご参加いただいているんですが、平成19年度から始めまして、その中間報告というもの
であります。
これ、全国の少年消防クラブについて、すべて、組織がどうなっている、活動がどうな
っている、その資金はどうなっているといったようなことの照会をやったのが一つと、そ
れから、世界的に見て、私どもはどうもドイツがなかなか熱心にやっているように思いま
-12-
したので、ドイツに調査に行っていただきまして、その報告というのがこの中間報告であ
ります。
ここの71ページに、
中間報告なりの中間的なまとめをしておりまして、
「少年消防クラ
ブの課題とその方策について」ということでありますが、71ページ、2ページにかけて
書いてあります。子供たちに消防とか、防災とかについてもっと関心を持ってもらうため
には、これから何が必要かといったようなことを幾つか、いろいろな角度から書いていま
して、消防署、消防団とのかかわり、あるいは学校教育とのかかわり。そして、また予算
的なものというのも現実問題としては無視できないといったようなこと。
そして、少年消防クラブの中の問題でいうと、年齢的には今は小学校の上級生、あるい
は中学校の低学年くらいですけれども、ドイツは17歳までを対象にしている。これは、
体は大人というような子供たちを対象にした少年消防クラブという活動をしておりまして、
これも大変参考になったわけですが、これから先、日本の少年消防クラブというのはこの
点をどう考えるか。
そういったようなことを詰めていこうとすると、具体的な活動として一体何を考えてい
くかというのが、次の大きな課題であるというようなことを整理してあります。というこ
とで、ご参考までにこれもつけさせていただきました。
ということで、用意した資料の説明はひととおり終わったんですが、最初に、総務課長
からもお話がありましたように、この用意していただいているメモは、これまでご意見と
して出されたものなどをもとにしながら、これからご相談いただくときの対象になるので
はないかと思われるものを一応整理してもらっておりますので、これによりながらという
ことだけではなくて、これ以外のことも含めて自由にご議論いただいたらよろしいかと思
うんですけれども、どうしましょうかね。
ポイント1とか、2とかといって、議論の対象になると思われるものを幾つか、中ぐく
りぐらいにしたものを提示しながら整理してありますけれども、こんなような整理の仕方
ということでよろしいかどうか。全体として、これは全く視点が欠けているというような
ことがもしあるとすれば、その辺についてのご意見もいただければと思いますが。
それから、あと、その辺のところのご意見をいただきながら、どうしましょうかね、ポ
イント1とかということで一応整理をしてありますので、文章もご覧いただきながらとい
うことになると、ポイント1とか2とかいったようなことで、ちょっとくくりながらご意
見をいただくということにいたしましょうか。
-13-
全体のことについてのご意見ももちろん結構なんですが、ポイント1とか2とか、この
辺のところを中心にしながらご意見をいただいたらどうかと思いますが、いかがでしょう
か。
山﨑さん、どうぞ。お願いします。
しろまる山﨑専門委員 審議会の会長もいらっしゃっていますので、今までの繰り返しになる部
分もありますが、ぜひ、これからの防災力ということで、考えていただきたい視点を幾つ
か申し上げたいと思います。
まず、1つは広域化ですけれども、これは消防の広域化というだけじゃなくて、市町村
の広域化の中で防災を、例えば応急対応の避難指示とか避難勧告は、旧市町村単位みたい
なところで細かくやるというようなところが多くなっていますので、これはいいんじゃな
いかというふうに思っているんですが、一番、それぞれの皆さんが困っているのが、無線
のデジタル化に向けて、それぞれの地域防災行政無線をどうやってつないだらいいのかと
か、あるいは更新の予算が大変に難しくなっているみたいなところがあって、広域化の中
でそれぞれの地域の情報をどうやって収集するのかということと、それから、例えば孤立
した集落にどういうふうに情報を伝達するのかというようなところが大変大きな課題にな
っています。今防災対策を考えていく上で、それぞれの現場で一体何が起こっているのか
という情報収集というのはとても大切な視点だと思いますので、この広域化に伴う情報の
収集と伝達みたいなことについては、特段に、国は何を支援する必要があるのかというこ
とも含めて、ぜひご検討いただきたいというふうに思います。
2つ目は、予防活動の体制を強化すべきであると書いてありますけれども、これも、人
口30万人単位で消防本部をつくっていくという大方針の中で、ぜひ、火災原因調査みた
いなものも、消防自身の手でやっていく体制をつくってほしいということです。
このところの、例えば去年の温泉施設の爆発事故とか、宝塚のカラオケ火災、その前の
年の九州の小規模な福祉施設の火災みたいなものを見ていますと、町の中で起こっている
ことに対する消防の対応がどうしても後手に回って、対策が後からついていったという印
象をぬぐえませんので、火災原因調査とか、それから査察要員を専門化して、町の中の動
きを重点的に査察をして、問題がありそうだというところについてローラー作戦をしなが
ら、そこの問題について解決していくというような視点がないと、これだけ目まぐるしく
世の中の建物の使用の仕方とか、24時間働いているような人たちが暮らしている中で、
社会の安全を守っていくというのはとても難しいことだと思いますで、ぜひこの点にも議
-14-
論を進めていただきたいと思います。
それから、3つ目は、地域の防災力の中で、いろいろな既存の組織や活動との連携と書
いてありますけれども、これ、福祉だけじゃなくて、いろいろ現場で話を聞いてみると、
放火が少ないところは路上犯罪も少なくて、少年犯罪も少なくて、そこはやはりお祭りが
盛んだとか。福祉の問題だけじゃなくて、地域のコミュニティーの強さというのは、防火
も防犯も、少年犯罪も、それからお祭にも全部行き渡りますので、そういう視点の中で、
地域づくりにどういうふうに消防行政がかかわっていくのかということが、結果として地
域を災害に強い地域にしていくという視点に私はつながると思いますので、その辺も配慮
していただければありがたいなと思います。
以上です。
しろまる秋本小委員長 いずれも大きな、大事な問題ですね。今ご発言いただきましたので、そ
の点を中心にしながら、少し議論をしていくことにいたしましょうか。
最初の情報関係のことについては、何か消防庁のほうからご発言になるようなことはご
ざいますか。特にデジタル化を進めていく過程で、広域的な通信だけではなくて、それぞ
れの地域的な情報の発信なり、指令なりといったようなことがどうなっていくか。
しろまる金谷防災課長 防災行政無線のほうのデジタル化と、それからいわゆる消防のほうの消
救無線のほうのデジタル化と、両方ございますけれども、消救無線については緊急消防援
助隊の使用するデジタル無線について補助の仕組みはありますが、防災行政無線のほうの
デジタル化、今の財政措置としては消防防災設備整備費、補助金の対象ではないんですけ
れども、できるだけ強化した形でやっております。ただ、そういった広域的なものと、そ
れから地域的なものということになりましたときに、やはり地域の情報がどう入ってくる
か。今、現状でいいますと、地域からの情報というのは、末端までつながっているものは
非常に少ないと。それで、消防団等におきましては、一部受令機あるいは無線機等を持っ
ているところがございますが、それらがそれぞれの分団単位というようなところまで行っ
ているところはあまり多くはないというのが現状です。ところによっては、数少ないんで
すけれども、ございますけれども、多くの場合は現在は大体携帯等における情報収集、あ
るいは情報伝達ということをやっておる。
それから、同報無線については、結局、基本的には一方向の話になっておりまして、デ
ジタル化になればそれが双方向にはなってくるということでございますが、けれども、や
はり最終的な拠点局はどこにあるかというふうなことによって、そこの部分は収集力とい
-15-
うふうな観点では非常に厳しいというのが現状ではないかというふうにも思っています。
しろまる秋本小委員長 情報関係のことについては、ポイント7というところでわざわざ項目を
1つ立てていただいていて、この小委員会の中でも重視をするという姿勢にはなっている
んですが、デジタル化ということを詰めていくのに、今どちらかというと常備の無線のデ
ジタル化かもしれないんですね。消防団まで含めた消防防災活動全体のデジタル化という
ところが、消防団が持っている無線まで含めてというようなところまでなってきています
か。
しろまる金谷防災課長 消防団の場合には、普通の消救無線の場合の端末を持っておられるケー
スと、それからあと、団波という消防団に対する一定の周波数が与えられているんですけ
れども、多分そちらのほうを活用されているところはたしかあまり多くはないというふう
には聞いています。
それで、デジタル化に伴っては、最終的には消防団に関連する団波系統のものについて
もデジタル化というようなものは同様の形で進めていくといいますか、28年までの中で
仕組みが変わっていくというふうなことになっておりますので、そちらのほうには当然デ
ジタル化ということはまず、やっていかなきゃいけないということとしてはかぶさってき
ています。ただ、それをどう整備していくかいうことについては、特段の方向性といいま
すか、現状においてそういった消救無線を含めた、あるいは消防団無線を含めた現状とい
うのは、消防団においてはあまり行き渡っていないというのが現状ですので、そういった
中で、仕組みとしてはデジタル化ということにはなってくるわけですけれども、それをど
うしていくかというところについては十分な方向というのはございません。
しろまる秋本小委員長 これはこれからどうしていきますかね。常備の無線はデジタル化した。
団のほうはそこまでなっていない。そうすると、常備と団との間の情報の連絡というのは
支障を来すことはまずないのかと。それから、無線自体が全体としてデジタル化していか
なきゃならないとなったら、
消防団のほうのもやらなきゃいけない。
そうすると、
それは、
さっきの山﨑委員の発言じゃないけれども、相当多額のお金を要することになるのではな
いか。それは一体どうするといったような。まあ、これからですかね。
しろまる長谷川総務課長 ですから、多分今の視点をここに盛り込んでいただく中で、今防災課
長がご説明しましたように、消防団のほうにはなかなか、常備が持っている無線の子機す
ら行っていないという状態ですから、むしろそういうものを広げていただいて、常備と団
との連携をもっと強化するんだというような方向性みたいなのが一つあるのかなという感
-16-
じが私はいたしますけれども、そういった視点をもしよろしければまた盛り込んでいくと
いうような感じになるのかなと思いますが。
しろまる秋本小委員長 上田委員、
団の日ごろの活動をなさっておられて、
情報関係というのは、
何かご意見はございますか。
しろまる上田委員 消防隊員のほうには、全体ではメールで行き渡るようにはされておるんです
が、私の消防団においては、団員には携帯。今までは無線を持っておったんです。ところ
が、それは持ち運びしていないものですから。常にそれぞれの団員は外へ出ておるもので
すから、日常は。それで携帯電話にメールで送ると。どこどこが火事だと。出なけりゃな
らないのか、出るかというのは自分で判断して、出るということになっているんです。
ただ、先般、富山県で、入善という町で高波被害があったんですが、波ですからものす
ごい騒音というか、音がすごいものですから、波の音がすごくて、消防ポンプが避難誘導
に巡回したんですけれども、家の中にいる皆さん方は全然聞こえなかったということで、
逃げおくれたという問題も発生したんです。
いずれにしろ、消防団員のほうはそういう形で瞬時にして手元の携帯に伝わる形になっ
ておりまして、出られる者はすぐ出動するという形になっておるんですが、一般市民にお
いては、災害の種類によって異なるのかもしれませんが、高波が押し寄せておっても、家
の中におって、避難しなければならないということが後ほどわかってきて、どうにもなら
なくなって、家の中でじっと静かになるのを待っておったということがありました。
こういう問題も、消防ポンプが巡回して回った、消防ポンプそのものは高波で流された
って、100メートルぐらいポンプが流されて、幸い消防団員がうまく、高波が来たとき
にさっと逃げたものですから、ポンプ自動車だけが流されたということで、けが人はなか
ったんですが、こういうような状況であって、一般市民にどうしたら早く、避難しなきゃ
ならないんだぞという警告を早く伝えるかというのは、これは一つの大きな問題点であっ
たんじゃなかろうかなと、このように思っております。
しろまる秋本小委員長 ほかの方、どうですか。何か、情報関係で。どうぞ。
しろまる石垣専門委員 我々の地域は、災害があって、出動を要請したら、常備消防から団長へ
連絡し、それから分団へメールとか携帯で送るというような組織をつくっております。ま
た、どこの自治体でも情報化が進んでおりまして、家庭にほとんど、告知放送ぐらいある
のではと思います。市のほうから一斉にするとか、それから、川の水位情報というにつき
ましては、個人で通信のほうで見えるようにだんだんやっておるわけで、そういう方向に
-17-
しなけりゃ、
個人も、
放送してもなかなか伝わらないというのは現状でありますし、
また、
台風やいろいろな災害があったら、現地に行けないというのがかなり出てくるわけです。
それと、地域にアマチュア無線を持っておられる方がかなりおりますので、その方々と
協定して、連絡を取り合うようなこともやるのはやっております。少しでも早く市民の方
に情報提供をしようというようにしておりますし、そこから先は地域の代表が安否確認役
をするような組織をしておるんですけれども。
しろまる秋本小委員長 ほかにご発言、情報関係でございませんでしょうか。
しろまる小川委員 小川でございます。今、防衛省から来たもので、頭の中が自衛隊の話になっ
ちゃっていて、切りかえるのが大変だったんですが、今のお話、上田さんのお話から始ま
って、
伺っていたんですが、
先ほど朝の会議でもあったようなテーマと重なるなと思って、
これは自衛隊の話ですが、お聞きしたのは、例えば携帯でメールでという話がありました
ね。ところが、例えば消火活動で水を常にかぶるという可能性がある。あるいは、水害の
とき、やはり水が増水しているところで活動しなければいけない場合がある。それで水に
ついちゃったら、全部アウトですね。瞬間。そのときにどういう手立てで情報の伝達をす
るのかといったようなことについては、どういう工夫をしていらっしゃるんですか。
いや、
自衛隊も一つの手立てを失った場合、
戦場でどうするかという話があるわけです。
それはやはり、常に訓練はしているけれども、十分じゃないんです。自衛隊の場合は、戦
争が起きなければこれは出動することはないけれども、消防は常に、常在戦場ですから平
時が戦場なんです。
だから、そこで通信機能。これは個々の消防組織の判断に任せて、一番手軽で、安上が
りで、確実に使えるものということで、携帯で、あるいはメールでということになってい
るんだと思いますが、それのバックアップとか、あるいはそれが失われたり、能力が欠け
てしまったときの措置をどのように考えるかというのは、何か工夫というのはあるのでし
ょうか。ちょっとご質問です。
しろまる秋本小委員長 お答えをできる方がいるかどうかあれなんですけれども、これまでの経
験でいうと、小川委員のご指摘の点で一番みんな苦労しているというところではないかと
思います。それで、市長さんからお話がありましたように、それぞれの地域で複合的な、
いろいろな多重の情報手段を持つように努力はしていますけれども、なかなか100%対
応するというのが、これまでの経験の中では難しかったということなんだろうと思います
けれども。
-18-
しろまる石垣専門委員 私、新見市ですけれども、つい最近新見で大火があって、7軒全焼した
わけですが、そのときに1人亡くなられたんですけれども、そのときに一番困ったのが、
午前零時ごろから朝まで、携帯電話を使っていたら電池が切れて、連絡ができなくなりま
した。いろいろ反省して、この携帯を何個か置いて、時間をずらしていこうという反省も
あるんですけれども、初めて火災で携帯を使って、失敗したという例であります。
しろまる秋本小委員長 ほかにもいろいろお話があるかもしれませんが、携帯電話というのは、
私の経験だと、
阪神淡路大震災の直後ぐらいは非常に有効だとみんな思っていたんですが、
それが、今お話がありましたような自然現象もあるし、それからとにかくパンクしてしま
うという、そういうことを迎えたというので、携帯にばかり依存するわけにいかないとい
うのがおそらくみんなの実感だろうと思います。だから、それにかわるものが一体どうな
のか。
それから、先ほどからの情報ということの中に、消防機関同士での情報とか、あるいは
もうちょっと広げた行政機関まで含めた機関同士の情報ということと、それから一般の住
民の皆さんに対しての情報連絡なり、周知の仕方なりということと、いろいろな種類があ
るんだろうと思うんですけれども、それらを総合的にちゃんとやらなきゃいけないんだろ
うなと思います。
と同時に、さっきの上田委員の話じゃありませんが、一生懸命伝えるつもりでもなかな
か伝わらないということと、伝わっているけれども実際の行動には結びつかないという。
そこはどうするかといったら、これまでの経験で言うと、やはり消防団の人が一軒一軒回
って、そして例えば避難なら避難をしなきゃいけないよ。一緒に行こうといったようなこ
とがないと、現実の行動には結びつかないとか。
だから、いろいろなレベルのことがあるんだろうと思うんですけれども、特に山﨑委員
からお話がありました、広域化して、通信手段も高度化する。しかし、全体としての広域
化、高度化に対応することができるかどうかというのが、これからの大きなおそらく宿題
だといってもいいんだろうなという気がいたします。したがって、この委員会の報告の中
でも、そういったことを視野に入れた何らかの意見を出すということを考えていったほう
がいいんじゃないかなと思います。
それらか、
2つ目のご指摘にありました常備消防の活動のあり方云々なんですけれども、
これ、小林消防総監の東京消防庁というのは日本の中でもけた外れな組織能力を持ってい
ますので、あまり全国共通傾向の話にはならないかもしれませんが、何か、小林委員、ご
-19-
意見ございますか。
しろまる長谷川総務課長 予防の話です。
しろまる小林委員 予防の話ですね。予防の話については、各本部もかなり苦労はしているのが
実態なんですけれども、問題は地域によって行政需要があまりに違い過ぎる。それが一律
にできないという、そこが問題なんだろうなと。その部分については、全消会としてもで
きるだけ情報交換とか、また能力の向上というんですか、その地域に新しくこんな高層の
建物ができちゃったので、これはどういうふうに予防対策していったらいいだろうかと。
といっても、今まで経験のない人ばかりでは対応できないと。そういったときに、ほかの
本部からも応援的に、いろいろアドバイスできるような仕組みだとか、そういったことを
やっていけばいいのかなと。全国一律同じレベルというのはなかなか難しいのではないの
かなというふうに思っております。
しろまる秋本小委員長 今進めている消防の広域化というのは、言いかえれば消防組織を少し大
きくしていこうということで、その大きなねらいの一つはおそらく専門化、高度化に対応
しきれるような組織体制にしていこうということだと思います。したがって、その中で火
災原因調査であるとか、あるいはきめの細かい予防的な活動であるとかいうことが、従来
よりはできるようにしようというねらいだと思うんですが、私はもうひとつ、これは個人
的な意見ですけれども、この中にも、別のところで、それほどはっきりは書いていません
けれども、常備消防の機能をどう考えていくか。
これ、定数はまずは増えないと思っておかないといけない。その中でいろいろな活動を
していこうとすれば、ということは、常備消防の持っている機能をより高めていく。それ
は予防活動、火災原因、その他。そうしようとすれば、現在やっている常備消防の仕事の
中で、これは必ずしも常備でなくてもいいじゃないかというものはできるだけ、例えば消
防団だとか、
婦人防火クラブとかいう人たちの協力を得るという方向を考えていかないと、
対応しきれないんじゃないかなという気が実はしています。
あまり何でも消防団と言われると、それこそちょっとパンクするぞというご意見もある
と思うんですけれども、その辺を何とかうまく機能分担をしていきながら、常備でなけれ
ばできないという活動を充実させていくということが必要じゃないかなという気がしてい
まして、この地域の総合防災力の充実というところの中では、それぞれの担い手のレベル
アップということで考えていく必要があるんじゃないか。
そういうことは、
その後ろには、
機能分担の見直しといったことも出てくるのではないかというような気がしております。
-20-
常備消防の出場件数などを見ると、
広報指導というものの出場件数が非常に多いんです。
こういったものについては、もう少し消防団とかほかの機関だとかいうようなところに譲
って、そして常備はほんとうに月給をもらっている職員としてしっかり勉強して、しっか
りやるというようなことの役割分担の見直しなどというのも少しできないかなという気が
いたしておりますけれども。
今の予防に関して、常備のことですが、ほかにご意見などございませんでしょうか。
しろまる坪田専門委員 今のことと関連するかどうかわかりませんが、5ページの一番下のとこ
ろに、団塊の世代の積極的な参画が期待ということで、そういったマンパワーを有効に活
用するような仕組みを整備すべきであるとありますが、どういうことをイメージされてい
るのか。
それから、もう一つは消防団員の、どこかで説明があったかと思うんですが、年齢制限
というのは、上限というのはあるのでしょうか。そこをお聞きしたいと思います。
しろまる金谷防災課長 年齢制限ですけれども、基本は条例で定めることになっておりまして、
定年制というところを導入しているところもございますが、非常に少ないという実態でご
ざいます。したがいまして、むしろそれで、現実には、後をやってくれる方がおられない
ので、いつまでも頑張っていただかざるを得ないというふうな状況が多いです。一部にお
いては定年制、あるいは上限を定めていなくても、いわゆる慣例的に何歳でやめられると
いうところがございますが、それは少数でございまして、むしろそういったものがない、
あるいはやめられないというようなのが多いというのが現状でございます。
しろまる秋本小委員長 今の定年の話ですか。
しろまる上田委員 それも含めて。先ほどから秋本さんからお話がございました、消防署と消防
団の役割をなるべく明確にしたほうがいいと思うんです。私の消防団を例に例えればちょ
っとあいまいになっているんです。消防署員のやることと、消防分団のやることと。あな
たの分団にこの地域のエリアで防火水槽はここにありますよと。消火栓はここにあります
よ。それから、一軒一軒の火元調査をちゃんとやってくださいということは、少し明確に
なっていないんじゃないか。やるようにお願いはしとるんですけれども、着実にやっとる
かというと極めてあいまいなんです。こういう問題は明確にしたほうが、責任を持たせる
という面でも大変大事なんじゃないかなと、このように思っております。
消防の広域化になれば、もっと消防署員がレベルアップをしてもらわなきゃならない。
従来のようなやり方、力ではちょっと心もとない面もありますので、こういう点も考える
-21-
もっと専門的な知識を消防署員が持っとっていただいて、日常の予防化というのは、消防
分団にしっかりこういうこと、こういうこと、こういうことはしてもらいたいということ
を明確に、仕事を与えるべきであると、このように思っております。
それから、消防団員の年齢ですが、私のところは、消防団員は60歳、幹部は65歳と
いうことになっておりまして、市の条例で決めておりますが、中には、先般も女性消防団
員が知事に申しておったんですが、60歳、もっとやりたいと。子供も成長して大きくな
ったら、体に時間があるんだから、私はもっと年齢を延長してもらいたいと。60歳にな
ってもまだ大丈夫だよということを言っておる女性消防団員もおったので。当時、採用の
時はなるべく若い人がいいと言って採用したんですが、現実は若い人は入れないんです。
子育てとか、仕事とか、皆さん大変なので、それにまだ消防団員になれといったら、家族
もあまりいい顔をしないし、無理かな。
やっと子供の育児から手が離れて、そういう年代になると入ろうかなと思うのがかれこ
れ50近くである。50近くになって入ったって、10年そこそこやったら定年だよと言
われるよりも、もっとやりたいと。そして頑張りたいというような団員もおるので、それ
ぞれの人によって違うんだろうと思いますが、あえてもっと、高齢化社会だし、消防団員
の年齢を高めたほうがいいんじゃないかな、このようなことを思っております。
それから、先ほどありました団塊の世代をどうするかということですが、要は消防の分
団に入りますと、大体消防の分団長というのは55歳前後です。そうすると、60歳の人
は、消防団員には、命令というのはおかしいけれども、指導するのにちょっとやりにくい
なと。年上だし、近所の年上の人に「あんた、こうしてやれよ」となかなか言いづらいと
いう問題があるので、団塊の方々は自主防災へ入っていただいて、しっかり頑張っていた
だく。あなた方は今まで勤めておって、地域のために働いていないじゃないかと。これか
ら地域へ入って、自主防災で活躍くださいというようなことをしっかり、私は、責任を持
っていただくような仕組みを考えたらどうかなと、このようなことを思っております。
いずれにしろ、若い人はなかなか入ってくれないなら、一定の年齢の人も、高い人も消
防団の年齢制限がもう少し緩和して、高めてもいいんじゃないかなと、このような思いを
いたしております。
しろまる秋本小委員長 仕組みというところについては何かございますか。
しろまる長谷川総務課長 申しわけございません。まだアイデアベースでございまして、ただ、
問題意識としましては、そういう希望とか意欲のある人が存在していると。これだけ受け
-22-
皿が要るということは、
結局受けられる何らかの組織化みたいなことが必要じゃないかと、
発想でございますけれども。まだ具体的にああしたい、こうしたいということではござい
ません。
ただ、1点ございますのは、今、上田先生からもお話がございましたけれども、消防団
の場合には、通常の消防団員はヒエラルキーがあるものですからあれなんですけれども、
場合によりましては機能別消防団という機能別分団をつくって、そちらに入っていただく
ということもひとつ考えられるかなということはちょっとございます。
しろまる秋本小委員長 説明は以上ですけれども、何かご意見、このことについて、こういうよ
うな方向でとかいうようなご意見がもしございましたら、いただけるとありがたいです。
しろまる髙梨委員 先ほどの予防関係のことでいくと、山﨑委員のほうから都市型の特に施設関
係の査察とかが不十分ではないかというお話が出ましたけれども、地方では、土砂災害な
どの危険箇所について、災害が起きてから知ったということがあります。こんな状況にな
っていたのかというのを、消防署の方が通報があって、現場に行ってみて初めてわかった
といったようなことがあります。消防の現場でもかなり事務系の仕事が増えているため、
外に出られないという話をよく聞きますが、地域の状況がどうなっているのかという変化
をキャッチしておく必要があるのではないかなという感じがします。
2ページ目のところに新たな形態のということが出ていますが、その上の消防活動の中
身の中に、自然災害への備えといったものも入るのかどうかということです。
それから、あと、常備消防のほうからいくと、まず、1つ大きな問題として、避難指示
権が市町村長にあるということで、消防のほうで直接避難指示を出せないという部分をど
うとらえるかということがあると思います。かなり、防災分野よりも、消防のほうがそう
いう意思決定に長けている部分もあるので、非常にこれは大きな問題だと思います。
それから次に、消防団などの活動分野のことがかなり大きい問題として出てくると思う
んですが、特に危険を伴うような作業とか、消防署のほうがかかわれないようなものが、
消防団のほうに負担が非常に行っています。例えば復旧・復興過程まで消防のほうもかか
わってきていると思いますが、危険な箇所の応急処置とか、そして個々人の家の屋根のシ
ート張りとか、屋根の上に上るのは、自衛隊の方もされないということで、ボランティア
の方もできないということになると、消防団に回っています。消防団はかなりそういう、
他の機関ができないいろいろなものが全部、消防団のほうに行っていて、そこをどうする
のかという問題があります。
-23-
先ほど課長がおっしゃっていた機能消防団ということに絡むと思うのですが、東京都の
ほうなどでも大工さん救助隊などを組織化しています。大工さんや工務店などが入れば、
救助のほうもできるし、屋根のシート張りといったようなことでもできるということで、
ちょうど危険領域のところでのすき間の部分を埋めるような組織をひとつ充実していくこ
とが必要ではないかということが挙げられます。それから、OBを活用するといったよう
なことが先ほど出ていましたが、消防の組織に係る事務処理業務などを一般の人には任せ
られないといったようなことがありますので、このような分野でかなりOBの方の活用と
いったようなことが考えられます。
たとえば、ほかの防災関係の日赤の支部とかの非常に小さいところでは、登録したボラ
ンティアに、災害対策本部運営時の事務的な部分の補助を担ってもらったりしています。
消防でもそのようなかなり専門的な部分での活用、留守番消防とかでカバーしていってい
ただくことはできないんだろうかと。
大きなところではそういうところで。
しろまる秋本小委員長 幾つか問題提起がありましたが、防災関係の避難指示権限というのは消
防にはなくて、そのことが問題だというようなことがありますか。
しろまる金谷防災課長 実際には、災害の地域において、情報を一番持っているのは消防のほう
だと思いまして、実際、災対本部、あるいはカバーできるような避難指示、避難勧告をし
なければならないときというのは、基本的には消防長もその本部員の一員となってやって
いただくと。そして、また、そこに当然情報提供というふうなものもやっていく。それか
ら、私どももいつも、逆に消防職員の方々に申し上げているのは、そういった避難勧告、
避難指示という、いわゆるトップマネジメントの指示をする、それは市町村祖長であって
も、それを参謀といいますか、的確な情報を上げて、的確な判断を求める。そういうふう
なのは、逆に言えば消防しかないということで、そういったところの活動というのは非常
に重要だということ、これは例えばいろいろな講習会、あるいはものの本なんかでも書い
たりして、それは連携するようにというふうなことを言っております。
今お話のあった避難勧告、避難指示も、まさに現場における応急対応というか、そうい
うふうな話になりますと、これは消防職員そのものにまた一定の権限がございますので、
個別のものについてはそういったことができると思いますし、それから、避難勧告、避難
指示ということについては、まさに地域全体の状況を集約して、把握してやっていくとい
うことで、今申し上げたような形でやっておるということでございます。
-24-
それ以外のことについて......。
しろまる髙梨委員 火災もあるんですが、そのほかは? 自然災害とか。
しろまる秋本小委員長 火災以外のときですか。
しろまる髙梨委員 現場指示権はあるけれども...。
しろまる金谷防災課長 現場指示権。
しろまる長谷川総務課長 火災以外はないよ。
しろまる金谷防災課長 火災以外はないですね。
しろまる秋本小委員長 現実には、市長さんもいらっしゃいますけれども、消防関係が持ってい
る情報を市町村長さん、あるいは市町村の防災部局とよく連携をとって、支障のないよう
にということでおそらくやっているんでしょうね。
しろまる石垣専門委員 災害が来ましたら、自然災害でも、また火災でも一緒ですけれども、市
長が災害対策本部の本部長になるわけですが、本部へ来ていただいて、協力してやってお
る。そこでお互いに連絡をし合って、情報交換して、やっておるのが現実でございます。
それから、災害へ行きましても、常備消防は本来いつまでもつくわけじゃないわけで、
一時ついて、ある程度安定したら、今度は通常の業務につかないと、次の災害があったら
いけんのでということ。その後は非常備、消防団が来て、一緒になって後を見る。それか
ら、復興は、土木災害等自治体は業者にすべて発注する。それから、屋根等いろいろなも
のがありますね。先ほどお話がありましたように、だれでも簡単に上がれません。ですか
ら、そういう建築業者が屋根へ上がりシートを張ったりなどを、現実にやっておるという
ような状況でございます。
それから、私が、一番、災害に遭ったときに困ったのが、行政でも手が出せない場合が
あります。そうかといって、よそからも応援に来ていただけない。そういうときは、やは
り自衛隊が一番有効なんです。ですから、自衛隊といろいろなことを協議しながらやって
いかなければ、
住民は救えません。
消防団とか、
常備消防とかは、
これは限度があります。
やはり自衛隊にお願いしなければなかなか救えないという気がいたします。昨年も、自衛
隊等に協力していただき市民を含めて防災訓練をやっておるというような状況です。
しろまる秋本小委員長 髙梨委員からご指摘のありましたようなこと、いろいろな実態があるだ
ろうと思いますので、その辺は、制度改正までは行くかどうかあれだけれども、支障のな
いようにやっていかなきゃいけないですね。
何かご説明がありますか。
-25-
しろまる長谷川総務課長 いや、説明があるわけではございませんけれども、いろいろご発言と
か、それからご指摘をいただいておりまして、正直申し上げまして、ここの報告書ですべ
てを解決するということはできないかもしれませんけれども、できる限り視点は取り入れ
て、書き込んでいくことはさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと
思います。
しろまる秋本小委員長 どうぞ。
しろまる小林委員 今までの議論の中で、消防団とかそれぞれの役割の明確化というお話がある
んですけれども、私自身が思っておりますのは、あまり役割を明確化するのはいかがなも
のかと。というのは、消防の行政というのは、そもそもが公権力を行使するまさに行政と
いう部分と、もう一つの指導行政という部分があるんです。その指導行政の最たるものが
防災だとか、防火だとかいう、その部分になってきますので、そうしたときに、これはあ
れだ、これはあれだと分けるよりも、今現実問題として、私どもは団の方、それから地域
のボランティアの方、そういった方々について、我々としては協力をお願いすると。マン
パワーとしての協力をお願いしているというのが実態なんです。
ですので、あまりそういったものを......、といいますのは、あまり明確化してしまいま
すと、団の方々にものすごい義務が行ってしまう。負担が行ってしまうと、これ以上無理
だと。
よくあるのは、
火災などでも、
昔は実は消防隊は次の火災に備えて、
すぐに戻れと。
残りの後始末は消防団がやれみたいな、そういう風潮があったんですけれども、そうしま
すと団の方は夜通し現場にいて、次の日に仕事があるというと、彼ら自身の生活に影響し
てしまうということで、東京は、今は、消防団の方はあしたの仕事もあるでしょうから、
早く引き揚げてくださいと。あとは我々がやりますというような形に変わってきている。
むしろ我々、団の方とか、防災のボランティアの方々にお願いしているのは、例えば応
急手当の普及だとか、そういったことはまさにそういった方々にできる話なので、どんど
んやっていただいている。消防職員がいなくたって、団の中で講習をどんどん進めてくだ
さいと。その講習の修了書は出しますよというような形で、役割はそういった中でフォロ
ーして、お互いが助け合っていくような関係づくりというのが一番重要なのではないのか
なというふうには思っておるんですけれども。
しろまる秋本小委員長 おそらく上田委員がおっしゃったのは、そういう、最後ごろにおっしゃ
ったような意味の役割分担ということだろうと思いますけれども。
それと、地域によって常備の体制とか何かが全く違うから、そういう地域、地域での協
-26-
議が必要になってくるんでしょうね。
しろまる上田委員 誤解があってはいけないと思うんですが、実を言いますと、地域に火災が出
たという場合、今言われた消防署は鎮火しますと引き揚げていきますと。あとは、消防団
員が一昼夜というか、あしたの朝まで番をするということをやったり、いろいろな復旧ら
しきものもやるわけなんですが。ただ、地域によって、そんなに火災の後始末が出るわけ
じゃないんでして、何年に1件か、1年に1件か2件あれば大変な数なんですが。
しかし、そのことによって地域の皆さんの消防団に対する見る目が変わってくる。やは
り働いている姿を地域住民に見せないと、常備消防団がしっかりしとるじゃないかと。広
域化になったじゃないか。よくなったよね。じゃ、消防団はなくたっていいんじゃないの
というような誤解を招く可能性は、多分に今あると、このように思っております。そうじ
ゃないんだと。地域は自分たちの手で守るんだという、コミュニティーをきちんと築き上
げるためには、災害の現場、火災の現場で、消防団の働いている姿を見てもらうことが地
域住民の理解力が高まるという点が1つ。
例えば、
消火栓とか、
防火水槽の点検や家々の火元調査もやれば。
ただ大変なんですが。
消防団員だって大変なんですけれども、そういうことはちゃんとしてほしいよということ
をお願いしておけば、消防団に入った皆さんは何をするんだろうかなと、あいまいな面も
多分に出てまいっている。
サラリーマンですから、自営の方であると大体責任は、消防団に入ったらこんなもんだ
ぞと親から聞かされているからわかっとるんだけれども、サラリーマン化しちゃうと、そ
んなこと、おれがしなきゃならんのかなというような声も巷に出てくるものですから、入
ったらこういうことをやらなきゃならんのですよね。だけれども、地域の皆さんはそれを
見て、消防団はよく頑張ってくれているな。ありがたいなという気持ちが大切だなと、こ
う思って申し上げたのです。
しろまる秋本小委員長 常備消防の体制がほんとうに地域によってものすごく差があるものです
から、上田委員がおっしゃったような、地方の場合は、ある程度消防団が動かないと、常
備の体制がまだ十分でないというところが結構あるだろうと思います。
いろいろ話があちこち行きましたが、山﨑委員がご指摘になった3つ目の点の、福祉関
係とかそういうことだけじゃなくて、コミュニティーの全体の、そして視点が防火とか、
防犯とか、いろいろ幅広く安全確保につながるような活動という視点をというようなご趣
旨じゃなかったかと思うんですけれども、これはまさにこの小委員会のテーマの基本問題
-27-
になってくるかと思います。
そのことに関連して何かご意見などがございましたら、お願いしたいと思います。
今整理をしていただいてります協議用メモで、
「担い手」
という言葉を使って、
これは従
来、防災とかいうことで議論するときに、議論の対象になっているような人よりも、もっ
と幅広く、あまりふだん関係ないなんて思われる人までひっくるめて、防災の仲間にして
しまおうかというような感じなんですけれども、そういう視点でやっていこうと。
それから、取り上げる活動というのが、それぞれの担い手の活動の通常の活動の中で、
安全とか、防災とかということの視点をいつも取り入れてもらって、それぞれでやってい
ただきたいということと、それから、もう一つ、消防機関、常備だとか、消防団とかいう
のはまさにプロですから、防災とか安全のプロの目から見て、いろいろなところにご意見
を申し上げるとか、あるいはかかわりがあまりないかなと思われるところにもかかわりを
持っていって、一つの防災グループをつくっていくとかいうような連携の要役をするだと
かいったようなことまで含めて、考え方としては持ったほうがいいのではないかなどとい
うように、
この小委員会をそもそもつくったときの発想がそういうことなんですけれども、
現実にはなかなか大変なんでしょうけれども。
吉田委員なんか、婦人防火クラブという観点からいろいろなかかわりをお持ちだと思い
ますが、防火というより、もっといろいろ幅広い活動にもなっているんじゃないかなと思
いますけれども、いかがでしょうか。
しろまる吉田専門委員 私たち婦人防火クラブは、自分の家から火事を出さない。自分の地域は
自分たちで守るんだという観点から活動をやっております。
うちのほうですと、さっきからいろいろな情報公開、それからどういう連絡網を取るか
という話はなされておりますが、うちのほうの防火クラブは、その観点から、火事が出た
という連絡が入れば、会長が地域の班長さんを通し連絡をして、炊き出しをやりますよと
いう感じでやるんですが、1人だけが連絡をとるということは大変なんです。うちのほう
では、順番に連絡をとっていきます。会長から副会長、副会長から班長さん。そして、会
員の皆さんに連絡をとって、大きな火事であれば詰所、公会堂なり、そういうところで炊
き出しをやりますが、小さいところの火事の場合は、1軒ぐらいが燃えたときには、会長
宅でやったり、そのときの連絡は全部そのようにとって、皆さんが全部集まるんです。そ
のところに。
そういう連絡網をとっているものですから、さっきお話がありました消防団との連絡。
-28-
携帯電話や何というのもありますが、そういう連絡網も一つの活動の中に入るのかなと、
このように思っております。
今は、防火クラブは煙探知機、住宅用警報器を一生懸命に啓蒙しておりまして、全戸に
つけようという運動をしておりますが、私は宮城県なんですが、宮城県は最初に1個運動
から始まったわけです。というのは値段も高い。どういう値段で出てくるかもわからない
ということで、
1個をつけようと。
1個つけたときには5,000円ということでいただき
ましたけれども、最近、5月31日までに宮城県は義務化がされます。今年になって、役
員会を開きまして、1個では足りない。3個つけようということで、2個追加運動を始め
ました。今注文を取って、私は岩沼なんですが、岩沼の場合はかなりの数で今まとまって
いるそうです。
ぜひ、そういう連絡網、それから皆さんに啓蒙するということは、口伝えで、皆さんで
話し合ってやらないといけないのかなと、このように思っているところでございます。
しろまる秋本小委員長 消防団とか常備消防、消防署とかとよく連絡をとりながら、当然やって
おられるわけですよね。
しろまる吉田専門委員 はい。それで、うちのほうの消防団、それから警察署、防犯協会、交通
安全協会が協定をしまして、安心・安全まちづくりという委員会をつくっておりまして、
それらで全部、災害のことをひっくるめて話し合っております。
しろまる秋本小委員長 災害、言葉があまりよくありませんけれども、いろいろ、もしも災害が
あったときに、お手伝いをしてあげなきゃいけない人たちというのが、どういう人がおら
れるのかというのがわかっていないとやりにくいんだけれども、個人情報保護とかという
ことで難しい場合があるんですけれども、現実には、今、それぞれの地域の知恵でやって
いるんでしょうけれども、こういうことについて制度的にはどう考えておけばよろしいん
ですか。
しろまる金谷防災課長 災害時におきます要援護者の方々をどう対応するか。まさにおっしゃる
ように、わかっていないと対応ができないということで、今、これは国全体で、要援護者
の方々の避難支援ということについて計画をつくってくださいと、こういうようなお話を
しております。その中で、特に今のお話のありましたような個人情報の関係で、いろいろ
方法がありまして、一つはご同意をいただく。あるいは、手挙げ方式と言っているんです
けれども、応募じゃないですけれども、ご自身から申し出していただく。あるいはすべて
をという話になりますと個人情報保護の問題になってまいりますので、これにつきまして
-29-
は、今多くの場合、個人保護条例等によりまして、いわゆる例外規定、あるいは個人情報
保護審議会のほうの例外として認めていただくと、そういうふうな手続の中で、一応仕組
み上はできるというふうなことを整理して、全国にPRをさせていただいております。
ただ、現実の問題として、それはわかっているけれども、住民の皆様方のちゃんとした
ご同意といいますか、そういったものがないとなかなか難しいということで、実際上、な
かなかそこが進みづらいような状況にあるのは事実です。国としてやっておりますのは、
少なくとも個人個人まではいかないまでも、全体としての計画というふうなものをぜひつ
くってくださいと、このような形で今、国のほうのモデルをつくって、各市町村のほうに
お願いをしていると、このようなのが現状でございます。
実際、福祉部局のほうではほぼそういった方々の名簿というのは持っておられるわけで
すけれども、それらを防災部局とどう共有するか。あるいはそれらを具体的に動いていた
だく地域の防災組織のほうとどう共有していくか、そういったところでいろいろご苦労、
まさにご苦労が多いというところはあると思います。
それから、それとまた直接的な話ではないんですが、例えば昨年の能登半島地震のとき
には、阪神淡路大震災以降の教訓として、いわゆる地域の安全マップ的な地図をつくって
おられまして、そういったものが機能して。これは民生委員の方が中心となってやってお
られるんですけれども、それが機能して、非常に短時間で高齢の方を含めて、要援護者の
方々の安否確認ができたという話もまた聞いております。
私どもとしても、そういったものを含めながら、さっき申し上げたような制度的なもと
しては、今の個人情報保護条例の例外規定、あるいは審議会等のご同意というふうなこと
を啓発、普及していると、このような状況でございます。
しろまる秋本小委員長 話が全体に及んでおりますので、全体を通じていろいろお気づきのこと
がございましたら、ご発言をいただきたいと思います。
しろまる斎藤専門委員 前回、小川先生がご指摘していただいたと思うんですけれども、そもそ
もコミュニティーが成り立っていないようなところをどうするかという視点が、例えば賃
貸のアパート、ワンルームマンションとか、そもそも自治体すら加入していないような人
たちが結構住んでいるような地区をどうやって高めるかというのが、結構穴なのかなと。
というのは、コミュニティー組織を活用というのが提案ですが、そもそもコミュニティー
組織をどうするかという話が一つ、視点として大事なのかなというのが第1点。
もう一つは、大規模災害というのと、通常の火災というのことの対応を、無理に一緒に
-30-
書いているような気がするんです。大規模なときはやはり電気も通じないとか、自然災害
でも、台風が来たら停電している、通信も使えない中でどうやって高めて、もちろん日ご
ろの取り組みは大事だというんですけれども、そうじゃないようなときは、いわゆるほん
とうの緊急時と。それじゃなくて、日ごろからできるだけ火災とか、そういうものを減ら
すという、いわゆる減災の部分のところと分けてやったほうが、受け取った方が非常にわ
かりやすいのかなということだと思うんです。
それと、実際に今の国と地方の予算制度、財源、税源移譲等の関係が整理されないと、
なかなか、国のほうで大事だ、大事だと言っても、自治体自体が疲弊しているというよう
な中でどうやるんだというのが絶対自治体のほうから出てきますので、その辺の話も、も
ちろん地方の財政が非常に厳しいということは書いてあるんですが、じゃ、国が補助して
くれるんですかという話に必ずなってくると思いますので、その辺をどうするか。あるい
は将来的に道州制とかが今議論されていますけれども、そういったときに、じゃ、地域の
防災力というのはどこか本来担うべきなのかというような、将来的な課題も必要かなとい
う。
感じたままでございますけれども、ご意見......。
しろまる秋本小委員長 ものすごく大事な問題ですね。
市長さん、何かご発言ございますか。国と地方などというお話が出ましたけれども。
しろまる石垣専門委員 私、皆さんの意見を聞いて、これはそういう地域があるからそれをどう
にかしようということだと思うんですけれども、消火栓の位置がわからないとか、いろい
ろなことを言われるんですけれども、非常備でも消防団というのは皆確認して、最低1カ
月に1回ぐらい点検して、水でも出してみるわけで、図面に皆位置を入れてありますし、
消防団員でもすべての方が大体わかっておるわけです。そういうところがもしあるような
ら、徹底しなければ、せっかく行政が整備しても、役に立たないと思うんです。お話を聞
いていて。
消防庁のほうから徹底して、
指導しなければ消防団や人が火災現場に行っても、
なかなかいいことにはならないと思います。
通信についても、そういう地域が多いかもしれませんけれども、おくれた地域は徹底し
て県なんかが指導してやっていかなければ、それを野放しにしておったら、火事が行けば
行き放題、災害が行けば行き放題となるので、それは自治体の考えがかなり違っとるんじ
ゃないかというような気がする。
我々の地域は、消防団も一生懸命出て、それこそ2日でも3日でも、休んででも出てく
-31-
るような地域ですので、今皆さんが議論されるのとかなり食い違うんです。だから、そう
いう地域があるようなら、ほんとうに徹底してやらなければ、なかなか災害が防げないの
じゃないか。自然災害、災害等でも業者へ振り分けたり、業者と協定しており、次々に命
令すればすぐに済むことです。きょう議論して、そういう地域があるんだろうかなと不思
議に思うようなことです。大都市の大きな災害は別ですけれども、5万人や10万人の都
市でしたら、それぐらいのことは処理できると思います。
それから、焼き出された方、いろいろなことがあるわけですが、それはそれで今度は福
祉のほうが全部対応するようになっております。家を一戸一戸歩いて対応しておるという
のが現実なんです。地域の方とかいろいろな人とやっておるので、自治体でしっかり消防
庁でも行ってもらったり、いろいろなことをしなければ、差がかなりついとるんじゃない
かという。きょう来て、非常に疑問を持ったんですけれども。
しろまる秋本小委員長 特に大都市でコミュニティーというようなものがなくなってしまってい
るのではないかというところで、安全を確保するというのは非常に難しいのではないか。
消防団員を確保するのも難しい。これ、どちらが先かという話になりかねないんですけれ
ども、
必要であるとするならば、
安全とかいうことを一つのきっかけにしながら、
完全な、
何でもできるコミュニティーではないけれども、安全にはつながるようなコミュニティー
づくりというようなことをむしろ考えるべきではないのか。
そうすると、そういう今のことにつながるような人間集団を一体どうやってつくってい
くのか。防災訓練といったものをたまにはやってみるかというようなことなども、今まで
何にもやっていないところに何かのきっかけができるというようなことはできないかとい
うような、防災とか、安全とかをきっかけにして、何かの安全コミュニティーに進んでい
くという。そのためには、その地域の人たちがそれについての意識を持ってもらえるか、
もらえないか。関東大震災というのがあったら一体どうなるかとなったら、ほんとうにお
互い助け合う仕組みがある場合と、ない場合とで、生きるか死ぬかの分かれ目になります
よといったようなことなどというのを、どういうふうにしてみんなにわかってもらうか。
私は、これは個人的なことになりますけれども、この協議用メモの中にも、市民の中の
防災リーダーづくりをどうするかということが書かれてありますけれども、こういったこ
とはほんとうに組織的に、本気になってやるというぐらいのことをここで考えたらどうか
なという気がいたします。
というのが、たまたま消防団長さんたちと一緒にサンフランシスコへ行きましたら、あ
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そこは日本と同じでたびたび地震が起こる。
そこで毎年2,000人程度の市民防災リーダ
ーづくりというやつを、2日間ぐらいのコースでやっている。それを10年続けている。
そうすると、2万人ぐらいの市民防災リーダーというのが、どの程度に一人一人やれるか
というのは個人差があるでしょうけれども、少なくともそういうことについて問題意識を
持っている人というのはできているはずなんです。
研修が終わったら、赤いヘルメットをあげて、ベストをあげて、修了証書をあげて、そ
れから数年間はニュースレターを送ってというようなことをしている。そういうことをど
ういう金でやっているのかと聞きましたら、FEMAの金でやっているというんです。連
邦政府危機管理庁の金でやっているという。
そういうようなことというのを、
日本の場合、
全く同じようにやる必要はないですけれども、何か考えたほうがいいのではないかなとい
う気がします。
それで、この委員会の報告の中で一体どこまで書けるかというのは、これ、書いてみな
がら考えなければいけませんけれども、そういう市民防災リーダーといったようなものを
どんなふうにして詰めていくのか。
人づくりをしていくのか。
まさに仕組みをどうするか。
その中で先生の役をするのは、私はやはり常備消防、あるいは消防団の人が先生役をでき
るだけやっていく。そうすることによって、日ごろの防災活動とか、防火活動とかいうこ
とのつながりも、縁ができてくるということにもなるんじゃないだろうか。だから、コミ
ュニティーの問題というのは非常に大きな、基本的な問題ですけれども、多少時間がかか
っても、地道なことを一歩一歩やっていかないといけないんじゃないか。
そして、損か得かみたいな話になるとちょっと変な感じになるかもしれませんが、こう
いうことをきちんとやっていれば助かる。手抜きをしていれば助からないということを実
感持ってわかっていただけると、大分違ってくるかなと思ったりもするんです。
もう一つ、国と地方の問題がありましたけれども、そもそも防災とか、地域防災という
ことについて、一体だれが責任を負うのかといったようなたぐいの議論をどう考えるか。
これは、いろいろご意見があるかもしれませんが、地域防災だったら地域の責任で、国は
知らないと言って済むわけもない。逆に、地域の問題ではあるけれども、防災という、国
民の安全は国の責任だと言って済むわけもない。お互い、私は、逃れられないんだろうと
思うんです。ただ、その中でどういう協力関係をしていくかというのが、それぞれ、国で
できること、県でできること、市町村でできることというのをそれぞれ分担しながら協力
していくということにしないと、国民のためにならないんだろうと思うんです。
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そのときに財政問題をどう考えるかというのは、特に今、国も地方も財政は大変苦労し
ていますから、
これは、
なかなか簡単に意見は一致しないと思うんですが、
私個人的には、
さっきのみんなの共同責任だよなと思うことからすると、お互い知らん顔ばかりしていて
いいのかなというようには思いますけれども、
これからの課題なんじゃないかと思います。
私のほうで引き取って、話をしてしまうのも遠慮しなきゃいけないなと思うんですけれ
ども。
しろまる小林委員 地域の防災リーダーというものについて、今どこの地域も地域の防災リーダ
ーはまさに消防団ということで、みんなに意識づけをしておるんですけれども、そうした
ときに、今サンフランシスコで言われている防災リーダーと、それから消防団たるボラン
ティアとしての、アメリカにもそういうボランティアがありますね。そういったもののす
み分けというのは何かあるんでしょうか。
しろまる秋本小委員長 サンフランシスコの場合は、消防団に相当するものがあるのかというこ
とをしつこく何回も聞きましたけれども、ないですね。
しろまる小林委員 ああ、ないんですか。
しろまる秋本小委員長 それで、一般の市民の中で、その地域の中の、いわばいざという時はリ
ーダー役になるような人を育てるということにしている。ただ、私が言っている市民防災
リーダーというのは消防団とはまた違ったというか、要するに大災害でも、もし起こった
らとか、あるいは日ごろの活動のきめ細かい活動とかということで考えたら、消防団だけ
でも絶対足りないと思うんです。そうすると、婦人防火クラブの吉田委員のような方々が
一生懸命やってくださるとか、あるいは町内で何かあったときは、すぐお互いに助け合う
とかいったような、もう一つより地域的な防災リーダーといったような人たちがおそらく
必要になってくるんだろうと思うんです。だれか一人、息がとまった。倒れたというとき
に、すぐ隣にいて助けてくれる人がいないと、ほんとうに大変なことになるよというよう
なたぐいのことをちゃんとやってくれるような人というようなことです。
しろまる髙梨委員 多分ということなんですけれども、サンフランシスコの例とかは、日本の自
主防災組織を参考にして、導入されていったというものではないでしょうか。そうですよ
ね。ロサンゼルス消防局の方が日本で開催された国際シンポジウムなどに来られた際に、
日本の自主防災組織という良い組織があるということを知られ、アメリカにはそういう地
域集団、地域防災組織というのがないということで導入されて、CERT(サート)という組織
をつくり、それが全米に広がっていったというものだと思います。その中で防災リーダー
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育成をしているという話を聞いていますので、かなり消防団とは違って、住民レベルでや
ってもらうというものですが、日本を参考にしてつくっているものです。
ただ、日本の場合は自主防災組織の育成をかなり市町村が主になってやっていて、県の
ほうも多少の補助をしたりしているんですが、国のほうから直接というのがないんではな
いかなということですよね。仕組みが違うという。
しろまる秋本小委員長 言いたいことを言っていただきましたね。なんて。
(笑)
しろまる小川委員 私は、ロサンゼルスのノースリッジ地震の1年後にリサーチをして、本を書
いた人間なんですけれども、あのとき、一つは、赤十字のあり方が日本と違うというのが
よくわかりました。日本は赤十字は病院を設けてやるわけですが、向こうの赤十字はそう
いった格好じゃない。ただ、大災害などが起きたとき、1日の訓練でボランティアをどん
どん現場に出していく。そして、そのボランティアに登録された人たちについては、定期
的な訓練をやるといったような格好がある。それが消防団のような格好につながっている
かどうかというと、日本のほうがはるかに組織化されて立派なんですが、そういったこと
があったのをちょっと思い出しました。
ただ、
先ほど情報の受発信能力をどうするかという問題にも関連して、
思い出したのは、
一番ベーシックな短波の送受信装置を赤十字も持っている。独自にボランティアのネット
ワークを機能させたりするために使っていた。それが消防とうまく連携をとりながら、動
くような格好になっていたのを思い出しました。
ただ、そういう中で、地域総合防災力ということですから、常備消防に直結する話ばか
りをしてはいけないと思うんですけれども、やはり、先ほど来出ているいろいろなテーマ
ということに対して、独自に、例えば総務省消防庁で研究開発をするような取り組みがあ
ってもいいんじゃないかなと思ったんです。研究開発というと、装備品を開発するんじゃ
ないかということを頭に浮かべると思うんですが、そういうことじゃなくて、例えばコミ
ュニティーが崩壊している地域において、地域総合防災力を発揮するためにどういうモデ
ルがあるんだろうかとか、そういったことについて、例えば消防研究所であるとか、ある
いは東京消防庁さんも研究組織を持っていますね。そういったところで何か研究し、一つ
のモデルを開発して、
実際に機能するかどうかをテストしてみることはできないだろうか。
さっき、吉田委員さんがお話しになって、炊き出しの話がありましたでしょう。私は横
浜の周辺部に住んでいるんですが、うちのあたりはほんとうにコミュニティーが崩壊して
いるんです。炊き出しと言われても、炊き出しの道具がないんです。大体自分の家で米を
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炊いているところすら、ほとんどないんじゃないですか。そうなってくると、もうどうす
るんだ。でも、そういうところで、例えば自衛隊の野外炊具が来るまでは何でカバーする
のかとか、いろいろなモデルがあっていいと思うんです。そういったことを研究してみる
必要があるのかなと思いながら、聞いていました。
それから、もう一個、携帯が水につかったらどうするんだなんて、変な話をしたんです
けれども、一番ベーシックな短波を使ったような送受信機について、独自に安上がりに、
必要な機能を備えたものを開発することはできないだろうかといったようなことを思った
んです。例えば、自衛隊は全然だめなんですが、日本にいる米軍の通信機能というのは六
重になっているんです。通常は通信衛星で、一番効率のいいのをやっているんですが、こ
れが戦争になると完全にアウトにされるということを前提に、
ずっと何重にもなっていて、
一番ベーシックなところは、アンテナを担いできて、立てれば、4,000キロぐらいは届
く短波になっているんです。それで最後の線を守っている。そういったものを使ったもの
で、自主防災組織の人も使えるようになっている。あるいは、消防団も持っている。常備
消防も持っているような、簡単なものができないだろうか。安上がりに。といったような
ことを考えてしまった。
これ、先ほど言っていた別の役所の会議でもそういったのがあって、総理官邸で閣僚が
あちこちに散らばっているのに、通信がまともにできないんです。日本は。だから、危機
があったら終わりの国なんです。ただ、移動閣議装置なんていうのも、会社に研究開発し
てくださいというと、完成品ワンセット1,000万円はくだらないですね。ところが、ハ
イテク少年を集めてやらせれば、秋葉原に行っていろいろなものを集めてきて、かっこう
は不格好な状態でも、必要な機能を3つか4つ備えたものが50万円以内でできる。そう
いう世界があるんです。だから、そういったものを独自にやっていって、やりくりができ
る家計のような、組織として取り組んでいくことはできないだろうかと思ったりしたわけ
であります。
ちょっとくだらんことを申し上げましたが、いろいろなことを感じたものですから、一
言申し上げました。
しろまる秋本小委員長 どうですか。
しろまる長谷川総務課長 すいません、すべてにお答えができませんけれども、最後にお話がご
ざいました無線の話のうち、先ほど、山﨑先生がお話しになった、消防救急無線のデジタ
ル化に関しましては、これは28年までにしなければいけないということで、実は共通仕
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様というのを現在作成中でございまして、仕様も、各地方の皆様から高いというご指摘が
かなりあったものですから、
なるべく安い、
いわゆる簡素な、
機能は必要最小限に絞って、
必要があればオプションで増やしていただくというタイプの共通仕様を作成中でございま
す。ただ、これは消防機関同士ですので、常備消防と、行っても団までかなと思いますけ
れども、そういったものは現在つくっている作業はしているところでございます。
それから、先ほど自主防の助成の話がちょっと出ましたけれども、最後に横長の資料を
つくってございましたが、その中に「なくなった」という記述がありまして、この横長の
資料の2つ目に「補助金支援策等」という欄がございまして、常備消防の欄には緊援隊の
補助金と消防防災施設の整備、ちょっとこれは額が逆になっておりますけれども、緊援隊
が50億で、施設の補助金が32億なんですが、そういったものがありますけれども、消
防団につきましては、消防団分という補助金があったんですが、これが三位一体で一般財
源化されて、今はないということで、自主防につきましても額は微々たるものですが、あ
ったんですけれども、これも三位一体でなくなったと。
なくなったというのは、私どもとして、むしろ地方のほうで、自主的におれたちがやる
からということでなくなったという整理にはなっているんですけれども、それでよかった
のかどうかという問題はあるのかもしれません。ということでございます。ご報告だけで
す。
しろまる石垣専門委員 ちょっとすいません。今のデジタル化ですが、これ、ほんとうに多額な
費用がかかるんです。これをしても、県庁所在地と市町村をつなぐだけなんです。市町村
にはメリットがありません、これが一番問題なんです。情報を取るなら、市町村と県と取
るのは簡単に、いろいろなことでできるわけです。一番必要なのが災害の現場なんです。
これの議論が一つもない。これを議論して、今のデジタル化へどうつなぐかということを
やっていかなければ、私は、効果がないんじゃないか。もう一つ踏み込んで検討していた
だきたいのです。
しろまる秋本小委員長 今、小川委員のほうから、地域防災について調査研究のたぐいをもっと
やるべきではないのかというようなご指摘もありましたけれども、どういうふうに考えて
いきますかね。
しろまる小川委員 これは、よく調査研究というと、どこかのシンクタンクに投げてとかいう話
になって、金がかかる話になるんです。ただ、そういう話を頭に思い描いているわけじゃ
なくて、研究機関を消防庁としても持っているわけですから、そこでその機能を生かして
-37-
何かできないだろうか。もちろんここにいらっしゃるような委員の先生方もそこに加わっ
ていただくとか、いろいろなやり方があるんですけれども。
コミュニティーが崩壊したところで、
防災能力を一定のレベルに維持していくためには、
多分いろいろなモデルを思い描いてみる必要があるんじゃないかと、そういう感じがする
んです。そういった意味合いでございます。すいません。
しろまる秋本小委員長 どうぞ。
しろまる上田委員 今ほど、三位一体改革のときの、大変、あのときは地方に任せることは地方
に任せたらどうだということを、この消防の20億円、18年で20億円になっておりま
すね。18年度の予算で20億。現状は、三位一体改革以前と、三位一体改革後の地方自
治体、市町村の消防関係予算がどのように変化しているのかわかりませんが、少なくとも
我々の見える範囲内ですと、大変、消防ポンプ自動車の更新等々、資材にかかわる金は、
機材にかかわる金は削減の方向に流れておるんじゃないかなと、このように思っておりま
す。
例えば消防団員の報酬なんかでも、あれは報酬審議会にかかっちゃう。消防団員の報酬
は。大体議員の報酬を上げなきゃならないなと思って報酬審議会が開かれるんですが、今
は議員の報酬を上げるような時期じゃございませんから、開かれない。あわせて消防団員
の報酬もずっと据え置きです。
過去おそらく十何年来、
町によって違うかもしれませんが、
一般論から言えば、十数年は据え置きになっているというような状況でございます。
一方では、国民法の問題、まちづくり安全条例なんかというのはどんどんつくられてく
る。自主防災組織もつくりなさいという。そういう問題が非常に。仕事の量はどんどん、
どんどん増えていって、安全・安心まちづくりが大事だというのは、これは大変大事なこ
とであると思います。一方では、それに伴って、消防団員の役割がだんだん、だんだん膨
らんでくるという状況で、金がもらえるからやるというものでもないですし、消防団の精
神からいえばそういうものではないということは重々消防団員もわかっているんですけれ
ども、どうなんだよなと。これ、大変だなと。資機材も十分に出してくれないし、消防団
員の報酬もずっと十数年同じだよね。そのうちに消防協会に補助金がわずかながら出てい
るんです。市が。ずっと毎年5%か、10%削減の方向でしょう。わずかの金しか出てい
ないのに、削減の方向で。聖域なき削減ですから、全部来ちゃうという状況でございます
から、消防協会の支部の予算は毎年厳しい状況に置かれる。
であるから、消防団員の会費を上げなきゃならない。会費を。例えば年間1,400円な
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ら1,600円にしようと。団員掛ける200円が上がれば、団員の数だけ、1,000人
おれば20万円ですか。上がる。それで何かやろうやないか。今までやっていることをや
めるわけにいかないのうと。団長も格好がつかんだろうというようなことになりまして、
団員は会費を上げて、現状はやっているという現実の姿になっているんです。
いわんや、
財政力指数というか、
いろいろな財政厳しい市や町がたくさんありますから、
そういうところはほんとうに一体どうなっておるんかなというようなことが心配になって
なりません。一方では、大変大事だ、大事だと言いながら、財政の状況はだんだん、だん
だん消防にかかわる予算は削られているという現状を、
消防庁のほうではお調べになって、
どのような状況になっておるのかわかりませんが、全国の流れはどうなっておるのか、こ
こでわかればお聞かせ願いたいと、こう思いますが。
しろまる秋本小委員長 答えがあります?
関連して? はい。
しろまる山﨑委員 消防団について、私も結論がないのでなかなか発言できないでいたんですけ
れども、地域の中で仕事の役割がすごく増しているんです。きちんとした組織でもって、
地域の中でもって、期待できる組織としての消防団の役割というのはものすごく重要にな
っていて、火事や水害だけじゃなくて、お祭りの警備だとか、催し物の警備だとか、行方
不明者が出たときの捜索だとか、あと山火事の人海戦術だとか、土のう積みだとか、とに
かく人手がかかるところでもって組織だってやってほしということになると、必ず消防団
に声がかかるんです。
にもかかわらず、それぞれのところへ行くと、消防団を知っている人はほんとうに少な
いんです。どうして少ないのかなと思って、聞いてみると、昔は刺し子のはんてんなんか
を着て現場へ出ていましたから、消防団がいるとわかったんだそうですが、今消防団の装
備がとても新しくなって、常備消防とあまり区別がつかないものだから、要するに消防が
来ているという認識になっているところが多いんです。ですから、これ、やはり私は、先
ほどからの地域のコミュニティーの問題の中で、消防団というのはやはり地域のコミュニ
ティーの防災力の要ですから、これはかけ声だけでもって何とかしようということは難し
い時期に入っているんだと思うんです。
昔はおじいちゃんが子供に、子供が孫に消防団の役割を伝えていけましたけれども、今
はもうそういう力はないですから、消防団というのはどういうものかということを例えば
学校に教えるとか、あるいは消防団が活動しているときには、消防団活動中という大きな
-39-
ランプを上げるとか、例えば処遇の面にしても、それぞれの市町村とか公的な仕事に就く
ためには、消防団を3年やったら有利だよというような仕組みをつくるとか、処遇とか、
位置づけとか、環境整備の面も含めて、消防団はかけ声だけでもって何とかなるという段
階じゃないということを、今お話のあった処遇の面も含めて、考える必要があるんじゃな
いかと思うんです。
いろいろな人にお話を伺うと、いや、おれたちは金のためにやっているわけじゃないと
おっしゃいますけれども、危険なところへ1年間に70回も出ていって、なかなかモチベ
ーションは維持できないですよね。自治体によっては、年の報酬はあるけれども、手当ゼ
ロというところもありますし、それも含めて消防団の位置づけとか環境整備をもう少し踏
み込んで考える必要が、私はあるんじゃないかと思います。
しろまる秋本小委員長 消防庁のほうで何か、さっきの上田委員からのお尋ねなどについて話が
あればあれですけれども、具体的な数字まではなかなかないかもしれませんね。ただ、傾
向としては、上田委員がおっしゃるようなことがある感じであれば、その程度でも。
しろまる長谷川総務課長 すいません。消防の決算ですけれども、決算額はやや微減、全体でや
はり微減ということで。年によって若干上下ありますけれども、そういう傾向は見られる
ところでございます。
しろまる金谷防災課長 報酬の件でございますけれども、これは地方財政計画交付税単価で決め
ておりまして、一応3万6,000円ということで。ただ、これはこの5年ぐらい据え置か
れておりました。ただ、私ども、その中で、地方公共団体、市町村のほうでご支給いただ
いている額が実は団員さんでも2万6,000円ぐらいということで、
そこに相当差がある
ということで、逆にそういったところをもっと上げてくださいというのは、ここ数年ずっ
と通知を出し続けておりまして、実際にもいろいろな場でお話をしております。
現実に、平均でいいますと500円とか300円とか、そういうレベルなんですけれど
も、毎年、この四、五年ぐらいは、市町村トータルでは上がってきております。ただ、そ
れでもまだまだ乖離があるということですので、それは、逆に各市町村のほうで、それに
応じた形で引き上げていただきたい。
ただ、
そういった状況の中にはあるんですが、
今年、
人勧も5年ぶりに上がったということもございまして、特に若い方々、団員の確保という
ことがございまして、今交付税は審議中でございますけれども、3万6,500円、ささや
かではございますけれども、今年引き上げました。
しろまる上田委員 年俸ですからね。
-40-
しろまる金谷防災課長 もちろん。だから、ささやかな、ほんとうにささやか。ただ、現実に措
置している額よりもまだまだ少ないという各市町村の現実があるというのも。だから、逆
に、これはぜひ市町村のほうで頑張っていただいて、上げていただければというのはあり
ます。
それから......。
しろまる秋本小委員長 なかなか国の財政措置の中で、
ベースがとにかく3万6,000円、
年俸
ですから。上げるとするとどのぐらいかといっても、今の話のように......。
しろまる金谷防災課長 ささやかであるということは申し上げて......。
しろまる秋本小委員長 やっと上げて500円という感じですよね。
しろまる金谷防災課長 それから、あと、もう一つ、資機材の消防車両とか、そういったもの、
補助金がなくなったということがございますんですが、これは一応措置としては、まさに
補助金相当額の起債を入れて、100%交付税に参入するという、特別な地方債も入れら
れるような仕組みとか、あるいは、もともとなんですけれども、非常に措置率の高い起債
が入るようになっています。
ただ、それでも現実に減っているというのは、現状ございまして、これは消防救急課の
ほうになりますけれども、しっかりとそういった財政措置もあるから、ちゃんとやってく
ださいというような通知でありますとか、この中にございましたが、多機能型車両等につ
いても、これもそういった措置があるので、わりと安く入りますから、ぜひ導入について
はそういうことをご活用くださいと、そのような通知も出させていただいているという、
そういう状況でございます。
しろまる秋本小委員長 時間が大分押し迫ってまいりました、まだご発言なさっていない方を優
先的に......。じゃ、短く。
しろまる石垣専門委員 すいません、今、交付税を団の分にカウントしておると言われるんです
けれども、
これは交付税で、
補助金で来んでしょう。
交付税で入れられておるんでしょう。
カウント。
これは意味がないですよ。
積算基礎一つない。
実際来るのが少ないんですから。
それは言われても、信用しません。この際はっきり言います。
しろまる秋本小委員長 はい。
しろまる石垣専門委員 だから、
こういうことはきちんと積算基礎をしてやっていただかないと、
どこの自治体も信用していないですよ。すべて。毎年、減ってきているのですから。カウ
ントは皆、する、すると言って、全然増えていない。ということです。
-41-
しろまる秋本小委員長 はい。
そうしたら、まだご発言いただいていない方もいらっしゃいますので、吉井会長なり、
金井委員なり、何かご発言がございましたら。
しろまる金井専門委員 コミュニティーのお話が出ておりますけれども、私どもは子供を通して
年賀状等を出しております。それにはやはり個人情報がございますので、ご了解を得てか
ら、火の元に気をつけてくださいねというようなことを、子供たちを通して年賀状を出し
ております。そういうことで、子供を通してのコミュニティーづくりをしてまいりたいと
思いますので。
以上でございます。
しろまる秋本小委員長 どうぞ。
しろまる吉井会長 大変おもしろい議論で、途中で何度か発言しようと思ったんですけれども、
何度も発言すると申しわけないので、最後に一言だけということで。
一つ、一番おもしろかったというか、私が関心を寄せたのは、秋本小委員長のお話です
けれども、消防というもののあり方を構造的に変えなきゃいけないんじゃないかというこ
とを、間接的に言われたところがあるんじゃないかと思います。非常に安全・安心に対す
るニーズが強くなって、しかも高度化という、非常にきめ細かなサービスを要求されると
いう時代になって、それに対応するのに四苦八苦していて、消防の広域化、あるいはその
他の政策もかなりそれに対応することに四苦八苦しているというのが現状だと思う。その
中で、財政の制約があって、どうするかというときにいろいろなことが出てきているとい
うことだと思うんです。
そうすると、やはり常備消防というのは、どう見ても、これは高度ニーズに対応するた
めの専門化を図らざるを得ないというところがあって、専門化すれば当然狭いエリアでは
だめで、どんどん、どんどん広域化の流れは進んでいくだろうと。県域ぐらいまではすぐ
に進んでしまうんではないか。通信の問題を考えると既にその域に達していて、これをも
っとブロックまで広がっていく可能性もあると。そうすることによって、高度なサービス
がわりあい、比較的にローコストでできるようになるということは間違いないと思います
けれども。
そのときに地域の安全・安心をどうするかといったときに、やはり専門化をして特化を
すると、地域の非常に急激に増えるような災害時のニーズなんかには対応できなくて、そ
こを消防団というものにすがらざるを得ないという。つまり、戦後に消防団に、あるいは
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戦前に消防団に依存した社会的な構造とは全く違った形で、新たに組み直すという必要性
が出てきて、それが消防団に対するさまざまな期待になっている。ところが、それを担う
消防団の実力はどうかというと、
いろいろな制約条件、
給与の問題ももちろんそうですし、
それ以外の、どういうメリットがあるのかとか、モチベーションはあるのかということを
含めて、なかなか難しい局面になっている。
しかも、片一方では、民間が例えば救急なんかをやれるところがあると。そうなると、
その間、つまり非常に高度化したニーズに対応する常備消防と、現実にあるニーズとのす
き間を消防団が相当埋めていかないといけない。それは、相当構造的な改革をしなきゃい
けないんじゃないか。
私、前から、消防団は消防救急団にしたほうがいいんじゃないと言っているのは、そう
いう救急サービスの需要というのは非常に多いわけですけれども、そのうちのかなりの部
分は、例えばイタリアなんかでも行われていますけれども、民間でできる部分、ボランテ
ィアができる部分がかなりあって、民間の企業では難しいという領域で、しかもそういう
ボランティアを半分絡めたような、ちょうど消防団のような組織が担える部分がかなりあ
るんじゃないか。そういう意味で、その辺を少しちゃんと研究したほうがいいんじゃない
かなという気が、一つ、いたしました。
それから、山﨑さんが言われた通信の問題ですけれども、これは、いろいろな新しいメ
ディアが出てきて、
使い分けしていかなきゃいけないということは確かなんですけれども、
その中で一番強力なメディアとして出てきたのが携帯だろうと思うんです。コンピュータ
ーの世界は10年で100倍の性能アップになるというのははっきりしているわけで、こ
れから10年間で100倍になるわけです。性能的には。そうなると、その中で携帯がど
ういう形で進化するかわかりませんけれども、これを相当活用していく。あるいは、もう
ちょっと無線LANと組み合わせるとか、さまざまな形があると思うんですけれども、小
川さんがおっしゃられたように、防水面とかバッテリー面で弱点があることも確かなんで
す。
逆に言うと、例えば消防団だったら、消防団にとってベストな、理想的な携帯というの
は何なのかというのを研究して、実はそれが一般の人にとっても非常に使いやすいという
か、求められている携帯になるということで。例えば消防団が携帯を使うとしたら、こう
いう携帯だったら使えるというのを出せば、相当説得力があるのかなという気がいたしま
す。
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それから、連携という問題で、これ、消防団の活動、いろいろな日常活動もあるんです
けれども、結局やはり一番魅力的なふだんの活動というのは何なのかということを考えて
いく必要があって、救急ももちろんそうなんですけれども、地域の安全・安心ということ
で防災と防犯を絡めるとか、あるいは福祉と絡めるとか、さまざまなものがあるんですけ
れども、今まで主たる任務が消防団なり防災であって、従がほかのものを探そうと思って
いたんですけれども、発想を変えて、逆に、ふだんは福祉中心でいいけれども、災害時に
は防災をやってくれというような人をうまくネットワーク化しないと、これはさまざまな
ところで試みがありますけれども、そういうことをやっていく必要があるんじゃないかと
いう。
地域防災の中心になる担い手のリーダーの育成ということが、秋本先生がおっしゃられ
たところですけれども、実はそのようなリーダー育成はかなり行われていて、私も年に何
回か動員されているんですけれども、そういうボランティアなり、地域でリーダーになれ
るような人を育成する機会というのはたくさんあるんです。既に例えば防災士だと2万人
を超えていますし、ほかの、私がかかわっているボランティア団体も、数千人の規模でそ
ういう人を育成しているんです。ただ、その人たちが地域に根づかないんです。そこの根
づく職場役というのが今なくて、リーダー候補はたくさんいて、特に20代から30代の
人で、それなりの人もいるんです。そういう人たちを巻き込むような仕組みということが
重要だと思います。
最後に、
長くなっちゃったんですけれども、
企業の話が出てこなかったんですけれども、
企業のコミットも相当地域防災に役に立つということで、これは阪神の事例を出すまでも
なく、さまざまなところで活躍しているんですけれども。私も実は横浜のほうでそういう
ことにちょっとかかわっていますけれども、企業のほうもやる気はあるんです。住民のほ
うも、そういう資源を企業が持っているのはいいなというふうに思っているんですけれど
も、実は両方とも思っているだけで、積極的にやる人は実はいないんです。企業も言われ
ればやるけれども、そういう気はあるんだけれども、言ってこないのでやらないと。地域
の住民のほうも、そういう形で、あそこにありそうで、やってくれればいいなと思ってい
るんだけれども、自分のほうからやってくれとは言わない。つまり、そこもコーディネー
ターというか、職場役の人がいないんです。
だから、そういう職場役の人が地域のコーディネーターだったり、あるいはほかの名前
でもいいんですけれども、そういう職場役というのが一番欠けているなというのが私の印
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象で、
その辺を少しずつやっていけば、
確かに今情勢としてはそういうものが育成される、
そういう機会が生まれているのではないか、そういう気がいたしました。
以上です。
しろまる秋本小委員長 まだいろいろご意見があろうかと思いますけれども、予定の時間を超え
ましたので、
きょうの小委員会の会議はこの辺で終わりにさせていただきたいと思います。
4.その他
しろまる秋本小委員長 今後のことについての何か連絡がありますか。
しろまる大塚課長補佐 それでは、最後に事務局のほうからご連絡でございます。
本日は、皆様、ご協力ありがとうございました。
次回の開催ということでございますが、冒頭、総務課長から申し上げましたとおり、次
は新年度に入りまして、
大体6月ごろをめどに開催させていただきたいと考えております。
改めて日程照会をさせていただきますので、どうぞ、またよろしくお願いします。
5.閉 会
しろまる秋本小委員長 どうも、きょうはありがとうございました。
正午 閉会

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