令和元年東日本台風等において明らかになった、警戒レベル4の「避難勧告」及び「避難指示(緊急)」の意味が正しく理解されていない等の課題を踏まえ、令和3年5月に改正された災害対策基本法では、避難勧告及び避難指示が「避難指示」に一本化される等、避難情報のあり方が包括的に見直された。
また、令和3年7月から8月にかけての大雨では、土砂災害警戒情報(避難情報に関するガイドライン(令和3年5月内閣府。以下「避難情報ガイドライン」という。)において、避難指示の発令基準例とされている警戒レベル4相当情報)が発表されているにもかかわらず、避難指示が発令されない状況で、人的被害を伴う甚大な土砂災害が発生する事案が複数発生した。
市町村においては、これらの状況を踏まえ、同法や内閣府が定める避難情報ガイドラインを踏まえ、適切な発令基準の策定、運用が求められる。こうした取組を支援できるよう、消防庁では内閣府と連携して避難情報ガイドラインのより一層の周知を図るとともに、発令を行う市町村長の災害対応力強化のための研修を行うなど、引き続き避難情報の適時適切な発令に向けて取り組む。
令和3年5月に災害対策基本法の改正に伴い避難情報が大きく見直されたことを踏まえ、「避難勧告等に関するガイドライン」が名称を含めて改定され、「避難情報に関するガイドライン」として公表された。
消防庁では、内閣府とともに令和3年5月に地方公共団体へ通知を発出し、ガイドラインの主な見直し内容を周知するとともに、新たな避難情報等に関する居住者等への積極的な周知等を依頼した。
災害発生時には、市町村長はリーダーシップを十分発揮し、的確な災害対応を行う必要がある。消防庁では、災害の警戒段階から発災後に至る重要な局面ごとに講師が市町村長に情報を提供し、的確かつ迅速な判断・指示を求める1対1の実践的な意思決定のシミュレーションを行う、「市町村長の災害対応力強化のための研修」を実施している。