平成28年4月14日に熊本県熊本地方を震源とする地震が発生し、益城町で震度7を観測した。さらに、4月16日にも熊本地方を震源とする地震が発生し、益城町で再び震度7を観測したほか、西原村でも震度7を観測した。一連の地震活動において震度7を2回も観測したことは史上初めてのことであった。
被災地の消防団は、自ら被災した団員がいたにもかかわらず、震災直後から昼夜を分かたず消火活動、安否確認、救助活動、避難誘導、警戒活動等を行うとともに、その後も避難所運営の支援を行うなど、地域の安心・安全を守るために幅広く活躍した。
八代市及び益城町では、消防職員とともに消火活動を実施したほか、倒壊家屋等からの救助活動においても、消防職員とともに、益城町で51人、西原村で15人、南阿蘇村で5人を、それぞれ救助した。
平成28年8月30日に台風第10号が上陸し、やがて温帯低気圧に変わったが、北海道及び東北地方では記録的な大雨となった。
北海道帯広市をはじめとするとかち広域消防事務組合管内では、8月30日から土のう積み、警戒活動、避難誘導、避難所支援活動等を実施した。また、31日以降は、消防職員とともにボートによる救助活動により10人を救助したほか、安否確認や捜索活動を実施した。
岩手県久慈市では、8月29日午後から土のう積みを実施するとともに、30日から水門点検、警戒活動、避難誘導等を実施した。また、床上浸水した家屋等から、消防職員とともにボートによる救助活動により6人を救助したほか、ポンプ車等を使った排水作業を実施した。加えて、31日以降は、安否確認、被害状況の調査、警戒活動、排水作業及び清掃作業を実施した。
岩泉町では、8月29日から警戒活動を開始し、30日には、土のう積み、避難誘導、水バケツによる消火活動等を実施し、増水した川の中で流された高齢者を助け上げ、消防職員とともに救助したほか、31日以降は、警戒活動や安否確認を実施した。また、30日及び31日には、消防職員とともに建物の2階に取り残された住民計5人を救助した。消防団員は自らも被災者でありながら、「自分たちの町は自分たちで守る」という郷土愛護の精神のもと、その後も常備消防をはじめとした関係機関とともに、昼夜を分かたず行方不明者の捜索活動を行った。
平成28年12月22日、新潟県糸魚川市において大規模火災が発生した。消防本部と消防団が連携し、ほぼ全ての消防力を投入して長時間にわたり懸命に活動し、県外の隣接消防本部及び県内の消防本部の応援も受けながら消火活動を行った。強風下での木造の建築物が密集した地域における火災に対し、延焼拡大を阻止しながら、約40,000m²に及ぶエリアを、出火から約11時間後には鎮圧し、約30時間後には鎮火することができた。また、その後も消防本部とともに警戒巡視活動を実施するとともに、避難の声かけ等も行った。
なお、放水活動に用いた消防団の保有する可搬ポンプの約3割に不具合が発生した。
さらに活動中に消防団員15人が受傷した。消防団の防火帽には顔面を保護できるシールドがなく、強風により目に異物が入り11人が受傷した。このほか、消防団員に支給されていた長靴(踏み抜き防止板入り)を履いていなかったために、釘の踏み抜きにより2人が受傷した。
梅雨前線や台風3号の影響により、西日本から東日本を中心に局地的に猛烈な雨が降り、特に7月5日から6日にかけて、福岡県朝倉市朝倉、大分県日田市日田などで、最大24時間降水量が統計開始以来の1位の値を更新する記録的な大雨となった。
各消防団は、避難誘導・救助活動、安否確認や行方不明者の捜索など、地域の安心・安全を守るための幅広い活動を実施した。なお、大分県日田市において、巡回活動中の消防団員1人が崩土に巻き込まれ犠牲となった。