平 成 2 7 年 3 月 3 日

消 防 庁平平成成2277年年度
度消
消防
防防
防災
災科
科学
学技
技術
術賞
賞の
の作
作品
品募
募集集消防庁では、消防防災科学技術の高度化と消防防災活動の活性化に寄与することを目
的として、
「消防防災科学技術賞」の作品募集をいたします。
なお、募集の詳細につきましては、応募要領(別添)をご参照ください。【【募
募集
集区
区分
分】】(1) 消防職員・消防団員等による応募
・「消防防災機器等の開発・改良」
・「消防防災科学に関する論文」
・「原因調査に関する事例報告」
(2) 一般による応募
・「消防防災機器等の開発・改良」
・「消防防災科学に関する論文」【【表
表彰
彰及
及び
び賞
賞】】審査の結果、優秀な作品には表彰状及び副賞を消防庁長官より授与します。【【応
応募
募受
受付
付期
期間
間】】平成27年4月1日(水)〜5月8日(金)
<問い合わせ先>
消防庁消防研究センター
研究企画室:渡邉、和田
TEL:0422-44-8331
FAX:0422-44-8440
平成 27 年度消防防災科学技術賞
応募要領
消 防 庁 消 防 研 究 セ ン タ ー
1. 趣旨
消防防災機器等の優れた開発・改良を行った者、消防防災科学に関する優れた論文を著した者及び
原因調査に関する優れた事例報告を著した者を消防庁長官が表彰することにより、消防防災科学技術
の高度化と消防防災活動の活性化に資することを目的として実施するものです。
2. 主催
消防庁
3. 応募方法
3.1 応募者の区分
応募者の区分は次のとおりとします。
(1)消防職員・消防団員の部
消防職員、消防団員の個人又は団体
(都道府県消防防災主管課、都道府県消防学校等、消防防災に係わる公共機関の職員を含む。)(2)一般の部
(1)以外の個人又は団体
消防職員・団員とそれ以外の者とが共同で応募する場合は、
主たる応募者の所属によるものとします。
3.2 募集区分
作品の募集区分はそれぞれ次のとおりとします。
(1)消防職員・消防団員の部の募集区分
1消防防災機器等の開発・改良
消防防災活動において活用するために創意工夫された機器等を開発又は改良したもの。
2消防防災科学に関する論文
消防防災活動における問題点を技術的な観点から解決又は考察したもの。
3原因調査に関する事例報告
消防機関において実施された原因調査で、消防防災科学技術の観点から解決又は考察したもの。
(2)一般の部の募集区分
1消防防災機器等の開発・改良
消防防災活動において活用するために創意工夫された機器等を開発又は改良したもの。
2消防防災科学に関する論文
消防防災活動における問題点を技術的な観点から解決又は考察したもの。
別添
3.3 応募方法
応募書類は、別紙「応募書類作成要領」に則って、日本語で作成してください。
応募書類は、紙媒体を正本、その書類の電子データを含む CD 等(USB メモリ不可)を副本とし、
その両方を送付してください(一個人又は一機関が複数の作品を送付する場合は、それらの作品
を一枚の CD 等にまとめても結構です。)。
電子データは Microsoft Word など、編集可能な形式で送付してください(PDF 形式は不可)。応募書類以外の資料(カタログ、動画等)は送付されても審査の対象とはなりません。なお、受
領した応募作品は返却しません。
〈送付先〉
〒182-8508 東京都調布市深大寺東町 4 丁目 35 番 3 号
消防庁消防研究センター 研究企画室
3.4 応募受付期間
平成 27 年 4 月 1 日(水)〜5 月 8 日(金)
(平成 27 年 5 月 8 日の消印有効とします。)
3.5 応募にあたっての注意事項等
(1)共通事項
・過去に本表彰事業に応募されたものと同一の作品は対象外とします。
・一次審査を通過した応募作品は、受賞候補作品として、作品名、所属、氏名、作品概要が消防
庁のホームページ上で公開されます。また、最終選考の結果、受賞が決定した作品は、全文が
冊子にまとめられるとともに一般に公開されます。作品内の個人情報等の取扱いには十分注意
してください。なお、これら公開にあたり、改めての意思確認は行いません。
・必要に応じて、所属組織内で事前の了解を取ることをお薦めします。
(2) 「原因調査に関する事例報告」の場合
・係争中の事例ではないこと。
・応募者の区分が「消防職員・消防団員の部」に該当しない方は、
「原因調査に関する事例報告」
の募集区分には応募できません。
4. 審査及び評価のポイント
4.1 審査
・審査は紙媒体で提出された作品に基づき行われます。
・審査は、有識者で構成される選考委員会によって行われます。
・審査は、応募者の氏名・所属等を伏せずに行われます。
・7 月頃に、審査過程にある受賞候補作品を消防庁のホームページ上で公開します。
・過去の表彰作品一覧は、こちらからご覧いただけます。
(URL)http://nrifd.fdma.go.jp/exchange_collaborate/hyosho/index.html
4.2 評価のポイント
応募作品の審査にあたっては、消防活動に関わる現場の視点を重視します。
また、それぞれの募集区分における評価のポイントは次のとおりです。
(1)「消防防災機器等の開発・改良」の場合
技術的な創意・工夫を有するもの、
安全性が担保されているもの、
普及を推奨できるもので、
今後の消防防災活動において活用が見込まれるもの。
(2)「消防防災科学に関する論文」の場合
技術的な創意・工夫を有するもの、
先見性を有するもの、
適切な検証がなされているもので、
今後の消防防災の分野において応用・発展が見込まれるもの。
(3)「原因調査に関する事例報告」の場合
技術的な創意・工夫を有するもので、今後の原因調査業務の高度化、予防対策又は警防対策
への寄与が期待できるもの。
5. 表彰について
5.1 受賞者の決定
受賞者は、9 月頃に決定され、公表される予定です。なお、応募者には結果を通知します。
5.2 表彰の件数
表彰の件数は次のとおりです。
優秀賞
消防職員・消防団員の部における消防防災機器等の開発・改良 5 件以内
消防職員・消防団員の部における消防防災科学に関する論文 5 件以内
消防職員・消防団員の部における原因調査に関する事例報告 10 件以内
一般の部における消防防災機器等の開発・改良 5 件以内
一般の部における消防防災科学に関する論文 5 件以内
奨励賞
消防防災機器等の開発・改良、消防防災科学に関する論文及び原因調査に関する事例報告
3 件以内
5.3 表彰式について
受賞者には、表彰式にて消防庁長官より表彰状及び副賞が授与されます。
5.4 受賞作品の講演、掲載等
・受賞作品については、第 63 回全国消防技術者会議(11 月下旬開催)において、受賞者から発
表していただく予定です(ポスター又は展示発表を含む)。・受賞者、受賞作品(本文、図表及び写真)を消防庁及び消防研究センターの広報媒体等に掲載
します。掲載にあたり、改めての意思確認は行いません。
6. 個人情報の取扱いについて
応募書類に含まれる個人情報については、作品の審査、表彰作品の発表及び事務局からの連絡業
務においてのみ利用し、応募者本人の同意がある場合を除き、主催者以外の第三者に提供・開示す
ることはありません。
7. 問合せ先
その他、ご不明な点がございましたら、下記の問合せ先までお問い合わせ下さい。
消防庁消防研究センター 研究企画室
〒182-8508 東京都調布市深大寺東町 4 丁目 35 番 3 号
電話 0422-44-8331(代表) FAX 0422-44-8440
メールアドレス hyosho2015@fri.go.jp
消防研究センターホームページ http://nrifd.fdma.go.jp/
応募書類作成要領
本要領に違反した場合減点の対象となります。
以下の内容を熟読の上、
要領に沿って作成してください。
(注記)募集区分ごとの様式を、消防研究センターホームページからダウンロードできます。
URL: http://nrifd.fdma.go.jp/
 応募作品は、1.表紙、2.概要、3.本文、4.図、表及び写真で構成されるものとする。
 A4 判(縦長)用紙 片面 に 横書き、余白は天地各 23 ミリ、左右各 25 ミリ とする。
 作品に通しのページ番号(現在のページ数/全ページ数)右下に記すこと。
1.表紙(必須。様式は各募集区分で共通です。)
以下の項目について記載すること。
(1) 募集区分
(2) 応募者の区分(消防防災機器等の開発・改良、消防防災科学に関する論文のみ)
(3) タイトル
(4) 応募者
(i)個人の場合
・所属・氏名をふりがな付きで記載すること。
・複数名で応募する場合は応募者全員を記載すること。その際、主たる応募者を一番はじめに
書くこと。
(ii)団体の場合
・団体名をふりがな付きで記載すること。
(5) 他の公募等への応募状況について
応募内容又は応募作品と関連した内容について、応募者(連名を含む)が学会等での発表、原稿
の投稿、他の表彰への応募あるいは受賞をした場合は、それについて記載し、原稿あるいは応募
書類等を添付してください。
(6) 連絡先(勤務先・自宅の別を明記)
連絡担当者氏名・所属、郵便番号、住所、電話番号、ファックス番号、eメールアドレス
2.概要(必須。様式は募集区分ごとに異なります。)・1 ページとする。
・日本語で作成すること。・「概要」と頭書する。
・募集区分に応じて求められている事項を記入すること。
消防防災機器等の開発・改良 次の 5 点について記入すること。
(1) タイトル
(2) 「開発」
、もしくは「改良」の区分
別紙
(3) 機器の利用分野
(4) 要旨(これまでの問題点と開発・改良による効果を含め 280 字以内で記入)
(5) 先行する開発・改良との相違(ある場合のみ)
これまでの表彰作品事例などを確認すること。
(例 消防庁 HP、
一般財団法人全国消防協会 HP)
消防防災科学に関する論文 次の 3 点について記入すること。
(1) タイトル
(2) 要旨(280 字以内)
(3) 先行研究との相違(ある場合のみ)
これまでの表彰作品事例などを確認すること。
(例 消防庁 HP、
一般財団法人全国消防協会 HP)
原因調査に関する事例報告 次の 3 点について記入すること。
(1) タイトル
(2) 調査を行った機関(協力した機関も含む)
(3) 要旨(280 字以内)
(注記)要旨は、HP 公表時に作品概要として使用します。
3.本文(必須。様式は各募集区分で共通です。)
・8 ページ以内(参考文献は含めない)
・日本語で作成すること。
・1 ページ 1050 字詰め(35 字/行、30 行/ページ)とする。
・最初にタイトルを書く。
・図表、写真を本文中に挿入しない。
(図表、
写真は別に添付する。
「4.図、
表及び写真」
を参照。)・参考文献がある場合は、本文末尾に記載すること。
4.図、表及び写真(様式は各募集区分で共通です。)
・8 ページ以内(1 ページに複数の図表の貼付も可。)
・図、表及び写真には連番を振った上、それぞれに説明書きを付けること。
・消防防災機器等の開発・改良 必須。ただし、図若しくは写真のいずれかのみでもよい。
・消防防災科学に関する論文、原因調査に関する事例報告 任意。
5.その他の注意事項
・受賞した作品は原文のまま一般に公開されるため、作品内の個人情報等の取扱いには十分注意
すること。
・作成要領に則って作成された書類以外(動画、カタログ、機器の実物等)は提出されても審査
対象にはなりません。
平成26年度
消防防災科学技術賞
(消防防災機器等の開発・改良、消防防災科学論文及び原因調査事例報告に関する表彰)
受賞作品概要
(受付整理番号順)
1 優秀賞(24編)
A: 消防職員・消防団員等による消防防災機器の開発・改良(5編)
(1)多機能型乳幼児救助用担架兼用縛帯の開発
二村 勝彦(松本広域消防局)
3歳までの乳幼児を安全に搬送及び救助できる資器材がない
ため、背負い搬送、縦抱き搬送、横抱き搬送、担架搬送、垂直・
水平及び座位による吊り上げ・吊り下げを可能とする、多機能
型乳幼児救助用担架兼用縛帯の開発を行った。サイズ変更及び
耐加重を向上することにより、小児、成人にも対応可能となる。
(2)「改良型フェイスマスク」について
佐藤 香美、濱本 佳幸、山城 和久、中本 満繁(呉市消防局)
フェイスマスクの装着は、頸椎損傷疑いの傷病者において、
頭部を挙上し固定することで悪化させてしまうおそれがある。
傷病者の頸椎保護を目的とした「マルチフィットマスク」及び
酸素の「濃度調節アダプター」の2つ機能をもつ、装着が容易
なフェイスマスクの改良を行った。安全でスピーディーかつス
ムーズな救急活動を行う事が可能となった。
(3)地図検索システムの開発
勝原 盛、杉本 強(留萌消防組合消防本部)
災害発生地域の地理に精通していない職員であっても、出
動場所の特定に遅れが生じることがないようにするための地
図検索システムの開発を行った。119 番通報の場所の検索時
間を短縮するとともに、特定した場所の地図をプリントアウ
トすることにより現場見取り図を携行可能とし、さらに、タ
ブレットの使用により出動車両内からの利用も可能となっ
た。
改良型フェイスマスク
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参考
(4)防火帽用防爆型 LED ライトの開発
大場 淳一、松本 宏芳、京屋 範子 (横浜市消防局)、
寺嶋 徹(株式会社住田光学ガラス)
活動中の隊員が照明を確保しつつ両手を自由に使用できるよ
うにするために、
防火帽と一体化した LED ライトを開発した。防火帽のつば下に貼り付けることによりライトの破損や受傷の危
険性を低減させ、ガラス封止 LED(GLED)を利用することで高温
環境下でも対応可能であり、
小型かつ全方向に光の配光があるた
め自己周囲を一定の明るさの確保ができるようになった。
本質安
全防爆構造の型式検定に合格したことで、
危険場所においても使
用できる資機材とすることができた。
(5)ヘドロの巻き上げを防止する台座の開発
水門 浩一(神戸市消防局)
水難救助における危険要因の 1 つである、
海底からのヘドロの巻
き上げによる視界の悪化を防止する台座の開発を行った。台座を使
用することによりヘドロに接触することがなくなるため視界の悪化
を防ぎ、また、体をコントロールするための難しい技術が不要とな
り、検索活動に集中することが可能となったことから、より安全な
救助活動が出来るようになった。
2 / 12
B: 消防職員・消防団員等による消防防災科学論文(5編)
(1)剥離可能な遮光塗料での太陽光発電システムの遮光手法の研究
松本 龍一、髙倉 誠二、平井 武(北九州市消防局)
消防活動中の消防隊員の太陽光発電システムによる感電を防
止するために、農業用ビニールハウスの遮光用として市販され
ている塗料を利用し、高所作業車塔上や三連梯子上からの吹き
付け作業による太陽光パネル遮光手法を考案し、塗料の遮光性
能等の検証実験を行った。実験結果から、水性絵の具で着色す
ることでさらに遮光効果を高めることが確認できた。
(2)救急車の視認性を高めるための反射材の使用についての考察
吉沢 彰洋(北アルプス広域消防本部)
救急車の他車からの視認性を高めるために、また、赤色灯を
補完し得るものとして反射材に注目し、国内での活用事例を調
査・分析し、その普及にむけた課題を考察した。さらに、海外
での使用例も調査し、その効果を検証した。
(3)道路狭あい地域における消防戦術について 〜逆引きによる消火栓への水利部署に関する
検証〜
眞野 恭輔、山口 明、東 尚志、神村 善正、辻倉 章人(京都市消防局)
道路が狭あいな地域においては、消防車が進入できない、消
防水利が偏るなどの問題があることから、代用吸管では届かな
い消火栓に、65 ミリホースを使い逆引きによる水利部署を行
い、その有効性についての検証を行った。その結果、消火栓の
静圧を考慮すると、逆引きホース3本までであれば十分に有効
放水が確保できることが認められた。
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(4)予防業務における人材育成の変革:新任建築検査員が的確に検査を実施するためのチェッ
クリストを核とした教育ツールの構築
奥田 里衣子、井上 伸幸、大和田 菜央(京都市消防局)
ベテラン職員の大量退職とともに予防担当職員が減少するな
か、高い専門性が求められる消防用設備、建築同意及び危険物
の各領域に関する業務において、経験不足の若手職員のレベル
低下が危惧される。建築業務に焦点を当て、検査現場で使用す
る検査チェックリストを柱とする、施工状況等の状態が分かる
写真資料など教育資料としても活用可能な建築検査マニュアル
を作成し、実際の検査現場で試用したところ、一定の効果が得
られた。
(5)圏外におけるスマートフォンを使った GPS 位置情報の消防活動での有効活用についての研究中塚 文博、水野 仁(姫路市消防局)
通話サービスエリア外(圏外)において、スマートフォンの
持つ GPS 機能が、救助などの消防活動において有効かどうかの
検証実験を実施した。その結果、災害発生場所がサービス圏外
である場合でも、スマートフォンのもつ GPS 機能によって自分
の位置が確認可能で、被害の調査、被災者の救護、救援物資の
配布など災害活動がスムーズに実施できることが示された。
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C: 一般による消防防災機器の開発・改良(4編)
(1)NFシステム(閉鎖型水噴霧設備)の開発
藤野 健治(株式会社三菱地所設計)、柳田 充(斎久工業株式会社)、
保戸塚 昭夫、千葉 亮太郎(千住スプリンクラー株式会社)、
吉葉 裕毅雄、有田 靖道(能美防災株式会社)
自走式駐車場などに設置されている消火設備で使用されてい
る泡消火薬剤・泡消火剤水溶液は環境に悪影響を与えるととも
に、その処理は困難を伴うことから、水を火災抑制剤として使
用し、環境にやさしく安全性に優れた、設置コスト・維持管理
も安価で容易になる火災抑制システムを開発した。
(2)ペットボトルを利用した訓練用人形の開発
齊藤 智夫、永山 政広(特定非営利活動法人ライフ・コンセプト100)
自主防災組織で実施される負傷者の救出・救助、
搬送等の防災
訓練において、
訓練人形が普及することを目的に、
身近にある古
着やペットボトルなど使用済み製品を利用し、
安価で、
短時間に、
誰でも製作可能な救助訓練人形を開発した。
(3)耐外力向上スプリンクラーヘッドの開発
菊池 哲郎、竹内 孝、狩原 幸典、菊池 正勝(千住スプリンクラー株式会社)、
秋本 和幸、中村 雅之、亀石 博隆、村上 匡史(能美防災株式会社)
近年、スプリンクラーヘッドについて、工期の短縮や作業の効率化が進み、
慎重な取扱いが要求されるものよりも、多少の外力を受けても使用可能なもの
が求められている。ヒートコレクタを椀状にすることにより強度をあげ、さら
にシリンダーと一体にして熱伝達ロスを低減することなどにより、耐外力性能
の向上と作動信頼性を確保したスプリンクラーヘッドの開発を行った。
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(4)静電気障災害を防止する「防爆構造の接地確認装置」の開発
野村 信雄、山田 文男、鈴木 輝夫、橋元 文秋、廣田 友樹(春日電機株式会社)
可燃物質を取り扱う製造・生産現場等での静電気障災害の防止、
及び現場の安全衛生対策のために、金属製の容器や器具などの静
電気放電の発生源となるものが、確実に接地に接続されているこ
とを可視化する「接地確認装置」の開発を行った。日本国内では
初めての本質安全防爆検定合格品であり、可燃性物質を扱う工程
でも安全に使用できるものとした。
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D: 一般による消防防災科学論文(0編)
該当なし
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E: 消防職員による原因調査事例報告(10編)
(1)ガステーブル内部でのトラッキング現象
浦 宏、砂場 浩司、上村 拓矢、柳 雅昭(北九州市消防局)
共同住宅の台所に設置されたガステーブルから出火した事例
である。調査・鑑識見分から、ガステーブル内部からの出火で
あると考え、再現実験を行った。原因は、配線被覆が劣化・損
傷し、接続コネクター樹脂の一部が炭化(グラファイト化)し
て発熱し、付着していた「ほこり」又は「動植物油等」に着火
したものと推定した。ガステーブルメーカーに対し、販売及び
交換する「電装ユニットへの接続コネクター」を耐油・防水性
を有するものへ変更する等、検討するように要望書の提出を行
った。
(2)小型模擬火災室を使用した出火原因等の究明事例について
永松 拓也、古畑 慎平(大阪市消防局)
耐火構造の建物で火災が発生した場合、木造の建物に比較して特
異な焼き状況を示すことがある。本事案は、鉄筋コンクリート造の
共同住宅で発生した火災で、実況見分を行った結果、火災室の入口
玄関付近と、そこから約5m離れた居室開口部付近の2箇所に強い
焼き状況が認められた。再現実験と電気実験を行い、科学的かつ合
理的に原因究明を行った。
(3)製品の火災事例による安全装置の考察
塩谷 誠、渡部 聡、竹内 尚史(埼玉西部消防局)
3つの火災事例の調査を基に、製品の電気回路を守るだけで
なく、
製品から発生する火災を防止する役割をしているヒュー
ズについて着目し、適正な安全装置を製品へ装備することが、
製品から発生する火災を予防するために、
有効であることを考
察したものである。靴箱分電盤8 / 12
(4)リコールにつながった食器洗い乾燥機の調査報告
中島 資朗(太田市消防本部)
専用住宅の台所に設置された食器洗い乾燥機から出火した事
例である。
鑑識見分から食器洗い乾燥機ヒーターのリード線カシ
メ部に若干の隙間があり、
リード線に電気痕があることが認めら
れた。
メーカーとの考察の結果、
リード線のカシメ強度不足のた
め接触抵抗が増大し、
被覆のチューブが発火すると判定した。製品の構造が不完全と判断し、リコール対応となったものである。
(5)車両の前照灯(ハロゲンバルブ)の取り付け不良による出火事例
真鍋 達也(名古屋市消防局)
普通乗用自動車の前照灯付近から出火した事例である。助手
席側の前照灯において、ハロゲンバルブがソケットから外れた
状態で確認され、ソケットの一部が溶融し、ハロゲンバルブに
ついてもパッキンが2個付いた状態であったという実況見分か
ら、ハロゲンバルブの取り付け不良が判明した。
(6)耐熱ガラスも溶かす電子レンジの調査報告
村田 雄二、松下 哲也(名古屋市消防局)
量販店舗で、タイマーが動いていた電子レンジから白煙が出
ていた事例である。現場の状況から、レンジ内のターンテーブ
ルが傾斜していたことから、ターンテーブルを傾斜させた状態
で実験を行った。実験結果から電子レンジは、正常な使用では
発熱の変化は見られなかったが、ターンテーブルを傾けるなど
条件が揃えば短時間で発火する可能性があることが証明され
た。何らかの原因でターンテーブルが回転ローラーから外れ、
傾斜した状態になるとマイクロ波が集中する箇所が発生し、そ
のまま放置すると耐熱ガラスを溶かす温度に達し、可燃物があ
れば1分以内で発火することがわかった。焼けの方向9 / 12
(7)焼肉用カセットガスこんろの安全性について
堀田 晃史、平松 吉隆、山田 茂、原 孝一、武藤 順保(名古屋市消防局)
カセットボンベ破裂事故の事例である。カセットこんろ本
体のスイッチを【消】の状態(ガスの供給停止)にしたにも
かかわらず、カセットボンベが破裂したもので、過去の事例
とは異なり、普通の状態(正常な取扱方法)で使用していた。
原因は、カセットボンベのガスを効率的に気化させるための
装置(ヒートパネル)が、トレーに落下した油などが燃えた
炎によって加熱され続け、ヒートパネルがカセットボンベを
加熱し続けることによるものだった。
(8)リンに起因するトラッキング火災
北東 昭人、小椋 幸浩、樋口 仁司、小寺 弘之、杉山 昌彦、
松宮 隆、多田 和容、木村 章成(枚方寝屋川消防組合消防本部)
エアコン室外ユニットが一部焼損した火災事例である。出火
原因は、制御基板を保護する樹脂製ケース(海外製)に含まれ
る難燃剤の「リン」が加工不良であったことから高温高湿環境
によりブリードアウト現象(樹脂やゴム等に含まれる難燃剤や
添加剤等が浮き出ることがある現象)が生じ、樹脂表面に浮き
出たリン電解液が制御基板上に付着して発生したトラッキング
現象である。原因究明後、類似火災防止に向けてメーカーと協
議を重ねると共に、当消防本部ホームページの「火災事例」に
本事例を掲載し市民に対して広報を行った。
(9)亜酸化銅増殖発熱現象による火災を生じさせた製品欠陥(不良)の追究
池田 雅孝、武田 光広(神戸市消防局)
神戸市の一戸建住宅浴室内において、浴室暖房機1台を含む
天井 0.4 m2が焼損した事例である。浴室暖房機内部のヒーター
近くに設置されたヒューズにおいて亜酸化銅が生成され、さら
に通電に伴う亜酸化銅増殖発熱現象により亜酸化銅の生成が継
続し、その過程で生じるジュール熱によって周囲の部品類が過
熱されて、溶融、着火に至ったものと、原因を推定した。消防
と製造会社等の合同見分で、ヒューズ部分において、亜酸化銅
増殖発熱現象が生じた痕跡を確認した。
10 / 12
(10)ガスフライヤーの油漏れによる出火と機器改修事例
伊藤 克成、北村 正太(京都市消防局)
ガスフライヤー設備からの出火事案である。詳細な火災調査により、フラ
イヤーの不具合箇所を発見し、構造に起因する出火危険が判明した。製造業
者及び飲食店舗側を指導した結果、系列店舗に設置されていた同機種フライ
ヤーすべての改修に至り、同様火災の再発防止につなげたものである。
11 / 12
2 奨励賞(3編)
(1)消防用ホース固定金具の開発
鈴木 雅也、小川 知也、彦坂 正人(豊橋市消防本部)、
松下 直弘(豊橋市消防団)
サラリーマン消防団員の比率が70%を超える当市にあって
は、ホース乾燥塔にホースを吊り下げた後、急な天候の悪化に
より強風になった場合に、速やかにホースを降ろす等、対応で
きる団員が少ない状況にある。強風下で吊り下げているとホー
スと乾燥塔に縛り付けたロープが緩み、やがて外れてしまい、
ホース継ぎ手金具が振れ、
周囲にも危険を及ぼす可能性がある。
吊り下げられたホースの下端を容易に固定できる消防用ホース
固定金具を考案し、これによりホースが緩んでしまった場合も
簡単にホースが外れず、団員が対応するまでの間、安全性を確保することが可能となった。
(2)片手操作できる聴診器アタッチメントの考案
前田 健人、文岡 直樹(湖南広域消防局)
現状使用している聴診器は両手で両耳に装着しており、片手
が塞がっている状態での装着が不便であった。片手で素早く装
着でき、現行の聴診器に取り付けられる、軽くてかさばらない、
また、聴診器本来の目的を損なうことがない、洗浄可能な聴診
器アタッチメントの開発を行った。
(3)可燃性固体の燻焼試験法に関する研究
桑名 一徳、内田 洋輔、飯塚 洋行、(山形大学)、
櫛田 玄一郎(愛知工業大学)
火災時に多く発生する可燃性固体の燻焼(表面燃焼)試験法
について、簡便で汎用性の高い方式を提案した。プレートヒー
ターを用いることにより、強制対流による空気供給が不要で、
空気流速の影響を受けることなく可燃性固体の燻焼性そのもの
を評価することが可能な試験法を、数値シミュレーションと実
験によって検証した。
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