消防危第 52 号
平成 4 年 6 月 18 日
各都道府県消防主管部長 殿
消防庁危険物規制課長
タンクコンテナ等による危険物の仮貯蔵について(通知)
危険物を収納したタンクコンテナ又は箱型のコンテナ(ドライコンテナ、リー
ファーコンテナ等)(以下「タンクコンテナ等」という。)を、荷積み待ち等に
より一定の場所に相当時間とどめる場合は、消防法(昭和 23 年法律第 186 号)第
10 条第 1 項ただし書の規定により所轄消防長又は消防署長の承認を受けて仮貯
蔵が行われているところであるが、近年、技術革新、国際間の流通の活性化等に
伴い、タンクコンテナ等による危険物の輸送が増加しており、今後もその傾向が
続くものと予想される。
このため、タンクコンテナ等の安全性及びその輸送行程の複雑さに鑑み、タン
クコンテナ等による危険物の仮貯蔵における技術上の基準等について別紙のとお
り指針を定めたので、今後はこの指針を参考にし、下記に留意のうえ各地の実情
に即して仮貯蔵の承認に係る事務を迅速に遂行するよう貴管下市町村に示達さ
れ、よろしく御指導願いたい。記1 申請者が同一であれば、同一時期に同一場所で複数のタンクコンテナ等を仮
貯蔵する場合は、1 の仮貯蔵とすることができること。
2 タンクコンテナ等の安全性及び輸送行程の複雑さを考慮し、仮貯蔵の承認に
係る事務の迅速化を図ること。
3 仮貯蔵の承認申請書に添付する書類については、次に掲げる事項を記載した
書類とするが、必要最小限にとどめ、申請者に過重な負担をかけないようにす
ること。
(1) 屋外での仮貯蔵
当該仮貯蔵場所を含む敷地内の主要な建築物その他の工作物の配置及び周
改正 令和4年12月13日消防危第275号
囲の状況を表した見取図
(2) 屋内での仮貯蔵
(1)に定めるもののほか、建築物の仮貯蔵に供する部分の構造を表わした図
4 原則として仮貯蔵承認期間を過ぎて同一場所で仮貯蔵を繰り返すことはでき
ないこと。ただし、台風、地震等の自然災害、事故等による船舶の入出港の遅
れ、感染症等の影響により、船員や港湾労働者の確保ができないなど、港湾の
稼働状況が悪化した結果による船舶の遅延、鉄道の不通等の申請者等の責によ
らないやむを得ない事由により、仮貯蔵承認期間を過ぎても同一の場所で仮貯
蔵を継続する必要が生じた場合は、繰り返して同一場所での仮貯蔵を承認でき
るものであること。
5 次の場合においては、新たな仮貯蔵又は仮取扱いの承認は要しないものであ
ること。
(1) 複合輸送において、船舶から貨車又は貨車から船舶ヘタンクコンテナ等を
積み込むために、桟橋、岸壁若しくはコンテナヤードと同一又は隣接した敷
地の鉄道貨物積卸場との間において、一時的にタンクコンテナ等を車両に積
載して運ぶ場合
(2) コンテナ船又は貨車の到着前に積載式移動タンク貯蔵所の設置又は変更許
可を受けた場合において、コンテナ船又は貨車の到着後に完成検査を受ける
ためタンクコンテナを埠頭、コンテナヤード等に一時的にとどめる場合
(3) 車両の駐停車が禁止されている等の事由により、コンテナヤード等で完成
検査を受けることができない場合において、完成検査を受けるためタンクコ
ンテナを車両に積載して同一又は隣接した別の場所に移動する場合
別紙
タンクコンテナ等による危険物の仮貯蔵における技術上の基準等に係る指針
第1 屋外における仮貯蔵
1 仮貯蔵場所
(1) 仮貯蔵場所は、湿潤でなく、かつ、排水及び通風のよい場所であるこ
と。
(2) 仮貯蔵場所の周囲には、3メートル以上の幅の空地を保有すること。た
だし、危険物の規制に関する政令(昭和34年政令第306号。以下「政令」
という。)第9条第2項に定める高引火点危険物のみを貯蔵する場合又は
不燃材料(危険物の規制に関する規則(昭和34年総理府令第55号)第10条
に定める不燃材料をいう。以下同じ。)で造った防火上有効な塀を設ける
ことにより、消防長又は消防署長が安全であると認めた場合は、この限り
でない。
(3) 仮貯蔵場所は、ロープ等で区画するか、白線等で表示すること。
2 標識及び掲示板
(1) 標識
仮貯蔵場所には、見やすい箇所に「危険物仮貯蔵場所」である旨を表示
した標識を設けること。
(2) 掲示板
仮貯蔵場所には、仮貯蔵期間、危険物の類、品名、貯蔵最大数量、貯蔵
する危険物に応じた注意事項(「火気厳禁」、「禁水」等)、管理責任者
及び緊急時の連絡先を表示した掲示板を設けること。
3 消火設備
仮貯蔵場所には、貯蔵する危険物に応じて政令別表第5に掲げる第4種又
は第5種の消火設備を、その能力単位の数値が危険物の所要単位の数値に達
するように設けること。
4 仮貯蔵中の火災予防に係る事項
(1) 仮貯蔵場所には、「関係者以外立入禁止」の表示を掲げる等関係のない
者をみだりに出入りさせない措置を講じること。
(2) 仮貯蔵場所には、みだりに空箱その他の不必要な物件を置かないこと。
(3) 仮貯蔵中は、危険物以外の物品を貯蔵しないこと。
(4) タンクコンテナ等を積み重ねる場合は、同じ類の危険物を貯蔵するタン
クコンテナ等に限るものとし、かつ、地盤面からタンクコンテナ等の頂部
までは6メートル以下とすること。
(5) タンクコンテナ等の相互間には、点検のための間隔を設けること。
(6) 危険物の管理責任者は、適宜巡回し、タンクコンテナ等の異常の有無及
び (1)から(5)までを確認すること。
第2 屋内における仮貯蔵
1 仮貯蔵場所
(1) 仮貯蔵場所は、壁、柱、床、はり及び屋根が耐火構造(建築基準法(昭
和25年法律第201号)第2条第7号の耐火構造をいう。)又は不燃材料で造
られ、かつ、出入口に防火戸(建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)
第109条第1項に規定する防火戸をいう。)を設けた専用室とすること。
(2) (1)の専用室の窓にガラスを用いる場合は、網入ガラスとすること。
2 その他
前記第1の2から4までの例によること。

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