消 防 特 第 3 7 号
令 和 3 年 2 月 18 日
各都道府県消防防災主管部長殿東京消防庁・各指定都市消防長
消防庁特殊災害室長
( 公 印 省 略 )
林野火災に対する警戒の強化について
林野火災対策の推進につきまして、平素から御尽力を賜り感謝申し上げます。
例年、空気が乾燥し強風の吹く春に、たき火、火入れ、放火(疑いを含む)等
の人的要因を原因とした林野火災が全国各地で多発します。これから春を迎え
るにあたり、
出火防止及び火災拡大防止のため、
林野火災に対する警戒を強化す
ることが重要と考えます。
つきましては、
貴職におかれましても、
気象状況等地域の事情を踏まえながら、
下記事項を参考のうえ、
報道機関と連携を図り、
住民に対する広報活動を行うな
ど林野火災対策の推進について、
特段の御配慮をお願いするとともに、
各都道府
県におかれましては、
貴都道府県内の市町村
(消防の事務を処理する一部事務組
合及び広域連合を含む。)に対して、この旨周知下さるよう併せてお願いいたし
ます。
また、林野の焼損面積が 20 ヘクタール以上の火災については、
「林野火災対
策資料の提出について」
(昭和 55 年 3 月 11 日付け消防地第 81 号)に基づき、
林野火災対策資料の提出をお願いいたします。
なお、
本通知は、
消防組織法第37条の規定に基づく助言として発出するもの
であることを申し添えます。記1 林野火災予防の徹底について
(1)ハイカー等の入山者及び地域住民等に対し、新聞、テレビ、ラジオ、広報
誌、ホームページ等を通じ、たき火の火の始末の徹底、たばこの投げ捨て、
火遊びの禁止等について広報すること。(2)火入れの実施者及び作業者に対し、
火気取扱いに関する届け出などの市町
村条例の遵守、
初期消火の準備、
気象状況等を踏まえた火入れの実施等につ
いて指導すること。
なお、
火入れに係る留意事項等については、
森林火災対策協会が作成した
「火入れ作業の手引き」
(http://www.center-green.or.jp/ffca/)を参考に
されたいこと。(3)林業関係者に対し、
日頃からの森林保全管理などの林野火災予防を適切に
図るよう注意喚起するとともに、
林内作業者に対し、
火気管理の徹底につい
て指導すること。
2 防災関係機関による警戒の強化について
防災関係機関は、
出火防止と火災拡大防止のため、
広報車や防災行政無線の
活用等による火災予防の呼びかけ、
水利の確認、
林野火災発生危険の高い地域
における巡視及び警戒の強化を図ること。
3 関係機関等との連携強化について
日頃から、
関係機関及び民間事業者との連携を強化し、
円滑な消防活動が行
われるよう万全を期すこと。
4 林野火災の早期拡大防止について
林野火災が発生し、拡大のおそれがある場合には、近隣の市町村に対し、時
機を失することなく応援要請を行うなど、火災拡大の防止対策を早期に図る
こと。
5 空中消火の積極的な活用について
消防防災ヘリコプター等を活用した消防活動は、林野火災対策として非常
に有効な消防戦術の一つであるが、
その活動は昼間に限られ、
気象条件にも左
右されるものである。
こうしたことに鑑み、消防防災ヘリコプター等に対する応援出動について
は、
「林野火災に対する空中消火の積極的な活用について」
(平成 26 年 5 月 16
日付け消防特第 90 号・消防広第 117 号)を参考のうえ、時機を失せず、状況
に応じ集中的かつ効果的な空中消火活動が可能な機数を要請すること。
なお、平成 21 年3月 30 日付け消防応第 103 号に基づき配布した消防防災
ヘリコプターの効果的な活用に関する検討会・報告書における
「市街地空中消
火戦術マニュアル」
及び
「空中消火部隊の指揮、
統制及び通信マニュアル」
は、
林野火災についても有効であることから活用されたいこと。
6 情報収集・連絡体制の整備について
林野火災のうち、
1 焼損面積 10 ヘクタール以上と推定されるもの
2 空中消火を要請又は実施したもの
3 住家等へ延焼するおそれがあるもの
4 報道機関に大きく取り上げられる等社会的影響度が高いと認められる
場合
について、火災・災害等即報要領に基づき迅速な報告に努めること。その際、
ヘリコプターテレビ電送システム等による画像情報などの提供にも留意する
こと。
また、
休日、
夜間に、
林野火災が発生した場合であっても、
迅速な情報収集・
連絡、指示が行えるよう適切な体制を確保するよう努めること。
【問い合わせ先】
消防庁特殊災害室 山外 平原
電 話:03-5253-7528(直通)
F A X:03-5253-7538
E-mail: tokusaishitsu@soumu.go.jp
消 防 特 第 9 0 号
消 防 広 第 1 1 7 号
平成 26 年 5 月 16 日
各都道府県消防防災主管部長殿東京消防庁・各指定都市消防長
消防庁特殊災害室長
消防庁広域応援室長
林野火災に対する空中消火の積極的な活用について
林野火災対策の推進については、平素からご尽力いただき感謝申し上げます。
春先は空気が乾燥し、例年 3 月から 5 月は林野火災が発生しやすい時季ですが、特に本
年は乾燥気象が続き、1件あたりの焼損面積が拡大傾向となっております。
林野火災の応急対応等については、
「林野火災に対する警戒の強化について」
(平成 26 年
1 月 16 日付け消防特第 3 号)、「林野火災に対する警戒強化及び空中消火の積極的な活用に
ついて」
(平成 21 年4月 15 日付け消防特第 69 号、消防応第 138 号)等により、消防防災
ヘリコプターの迅速な要請に加え、状況に応じて自衛隊ヘリコプターの派遣要請も行って
いただいているところですが、先般発生した大規模な林野火災では、大規模特殊災害時に
おける広域航空消防応援によるヘリコプターの要請から自衛隊ヘリコプターの派遣要請ま
でに数時間要する事案も見受けられました。
林野火災の消火活動には早期消火・延焼拡大防止の観点より迅速な応急対応や資源の集
中的投入が求められることから、特に空中消火について下記の事項にご留意のうえ、引き
続き林野火災対策に万全を期していただきますようお願いします。
(別図参照)
また、各都道府県におかれましては、貴管内市町村及び消防本部に対してこの旨周知い
ただきますよう併せてお願いいたします。記参考
1 消防防災ヘリコプターの要請
(1)消防本部は、林野火災を覚知した場合、当該消防本部の属する都道府県内の消防防
災航空隊へ速やかに第一報を入れ、当該航空隊が出動に備えた消火資機材の装着や準
備を早期に行えるようにすること。
(2)市町村長は、延焼拡大の危険性、陸上消防部隊の燃焼地点への接近の困難性、人命
や家屋への被害拡大の危険性等から判断し、ヘリコプターによる空中消火活動が必要
と判断した場合は、当該市町村の属する都道府県の知事又はヘリコプターを有する政
令市の市長に対し、消防防災ヘリコプターの要請を速やかに行うこと。
(3)市町村長は、延焼状況から被害の拡大が予測され、(2)により出動した消防防災
ヘリコプターだけでは消火が困難と判断した場合は、消防組織法第39条に基づく消
防相互応援協定による要請を速やかに行うこと。ただし、火災規模等から、更に大規
模な被害へと拡大する危険性が高く、(2)及び当該要請による消防防災ヘリコプタ
ーだけでは消火が困難と見込まれる場合には、直ちに都道府県知事に対し、(4)の
消防組織法第44条に基づく大規模特殊災害時における広域航空消防応援によるヘリ
コプターの要請を求めること。
(4)市町村長は、更に大規模な被害へと拡大する危険性が高く、(2)及び(3)によ
り出動した消防防災ヘリコプターだけでは消火が困難と判断した場合は、都道府県知
事に対し、消防組織法第44条に基づく大規模特殊災害時における広域航空消防応援
によるヘリコプターの要請を求めること。
2 自衛隊ヘリコプターの要請
市町村長は、1(3)により出動した消防防災ヘリコプターだけでは消火が困難と
判断し、又は困難と見込まれる場合には、時機を逸することなく、自衛隊ヘリコプタ
ーの派遣要請を都道府県知事に求める等、速やかに災害拡大防止策を講ずること。
ただし、1(2)による活動体制時においても、火災規模等から、更に大規模な被
害へと拡大する危険性が高く、1(2)及び1(3)による消防防災ヘリコプターだ
けでは消火が困難と見込まれる場合は、直ちに自衛隊ヘリコプターの派遣要請を都道
府県知事に求めること。
また、自衛隊が正式派遣要請受理後、速やかに消火活動を実施できるよう、林野火
災を覚知した時点から適宜情報提供を行う等、自衛隊と緊密な連携を図ること。
【問い合わせ先】
消防庁特殊災害室 宮崎課長補佐、橘高係長
電話 03-5253-7528(直通)
、Fax 03-5253-7538
広域応援室 山尾専門官、小泉係長
電話 03-5253-7527(直通)
、Fax 03-5253-7537
林野火災におけるヘリコプターによる空中消火体制について
林 野 火 災 発 生
消防防災ヘリ 自衛隊ヘリ
(1)都道府県管轄内の消防防災航空隊へ第一報
連絡:消防本部→都道府県管轄内の消防防災航空隊
自衛隊への情報提供
連絡:
消防防災航空隊→自衛隊
(2)都道府県管轄内の消防防災ヘリの要請
要請:市町村長(消防長)→(1)の消防防災航空隊
(3)航空消防相互応援協定による応援要請
(消防組織法第39条)
要請:市町村長(消防長)
→他都道府県の消防防災航空隊 自衛隊ヘリの派遣要請
(自衛隊法第83条)
要請の求め:
市町村長→都道府県知事
要請の求め: 災害派遣要請:
都道府県知事→自衛隊
(4)大規模特殊災害時における広域航空消防応援の要請
(消防組織法第44条)
要請:災害発生都道府県知事→消防庁長官→応援都道府県知事
( 別 図 )
延焼拡大・陸上部隊の接近困難・
人命や家屋への被害拡大の危険性が
ある場合
延焼状況から被害の拡大
が予測され(2)により出動
した消防防災ヘリだけでは
消火が困難と判断した場合
更に大規模な被害へと拡大
する危険性が高く、(2)及び
(3)により出動した消防防災
ヘリだけでは消火が困難と判
断した場合
火災規模等から、
更に大規
模な被害へと拡大する危険
性が高く、(2)及び(3)による
消防防災ヘリだけでは消火
が困難と見込まれる場合
(参考)令和元年中林野火災に係る出火件数及び原因
 月別出火件数は、5月、4月、3月の順に多く
なっている。
(注記)例年3月〜5月に多く発生
 降水量が少なく空気が乾燥し強風が吹く時期であ
り、火入れが行われたり、山菜採りや森林レクリ
エーションなどで入山者が増加していることが主
な理由
 R元年中の林野火災出火原因の大部分→人的要因
(下図参照)168126180308 3099154627 39563601002003004001月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
林野火災の月別出火件数(R元年中)
たき火
433 件
(31.1%)
火入れ 262
件 (18.8%)
放火(疑い含
む) 107 件
(7.7%)
たばこ 76 件
(5.5%)
マッチ・
ライター
31 件
(2.2%)
その他
482 件 (34.7%)
1,391件
(100.0%)
R元年 林野火災出火原因
林野火災出火原因の大部分
→人的要因

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /