事 務 連 絡
平成 31 年3月 19 日
各 都 道 府 県 消 防 防 災 主 管 部
東京消防庁・各指定都市消防本部
消防庁危険物保安室
平成 30 年度火災危険性を有するおそれのある物質等に関する調査検討会
における検討結果について(情報提供)
現行の消防法(昭和23年法律第186号)では危険物に該当しない物質で、火災危険性
又は消防活動阻害性を有するおそれのある物質が流通すると、火災の発生、消火活動
に当たる消防隊員の受傷等の危険性が増大することが考えられます。
これらの物質による災害の発生を未然に防止するとともに、万が一、災害が発生した場
合においても安全に消火活動を行うことができるよう、消防庁では「平成30年度火災危険
性を有するおそれのある物質等に関する調査検討会」を開催し、今般、報告書を取りま
とめました。
各都道府県消防防災主管部長におかれましては、貴管内の市町村(消防の事務を処
理する一部事務組合等を含む。)に対してもこの旨周知していただきますようお願い
します。記1 報告書の概要
新たに危険物として指定する物質及び消防活動阻害物質として指定する物質はあ
りません。詳細は、別添のとおりです。
2 報告書の掲載場所
「平成 30 年度火災危険性を有するおそれのある物質等に関する調査検討報告書」
の全文は、消防庁ホームページに掲載しています。
(http://www.fdma.go.jp/neuter/about/shingi_kento/h30/h30kasaikikensei/index.html)
<問合せ先>
消防庁危険物保安室 危険物判定係
担当:内藤、小島、中原
T E L:03-5253-7524
F A X:03-5253-7534殿 火災危険性を有するおそれのある物質等に関する調査検討報告書の概要
「火災危険性を有するおそれのある物質」(注記)1及び「消防活動阻害物質」(注記)2を早期に把握する
とともに危険性の検証を行うことにより、危険物等の保安の確保に資することを目的として、消
防法上の危険物又は消防活動阻害物質に該当するか否かについて検討を行った。
2 検討会委員名簿(五十音順)
3 検討会開催状況
座 長 役 職
田 村 昌 三 東京大学 名誉教授
委 員 役 職
朝 倉 浩 一 慶應義塾大学 理工学部 教授
新 井 充 東京大学 環境安全研究センター 教授
岩 田 雄 策 消防研究センター 危険性物質研究室長
芝 田 育 也 大阪大学 環境安全研究管理センター 教授
鶴 田 俊 秋田県立大学 システム科学技術学部 教授
三 宅 淳 巳 横浜国立大学 先端科学高等研究院 副研究院長・教授
八 木 伊 知 郎 一般社団法人日本化学工業協会 環境安全部 部長
1 目的
【第1回検討会】 平成30年5月14日開催
・火災危険性を有するおそれのある物質及び消防活動害性物質の調査方法の決定
【第2回検討会】 平成30年9月5日開催
・火災危険性を有するおそれのある物質及び消防活動害性物質の候補物質の決定
【第3回検討会】 平成31年3月1日開催
・報告書(案)の審議
(注記)1 火災危険性を有するおそれのある物質
次のいずれかに該当する物質
1 危険物に該当しない物質のうち、危険物としての性状を有するおそれのある物質
2 危険物に該当する物質のうち、他の類の性状を有するおそれのある物質
(注記)2 消防活動阻害物質
火災予防又は消火活動に重大な支障を生ずる物質で、消防法第9条の3に規定する物質
(例:圧縮アセチレンガス、液化石油ガス等の火災危険の大きいガス、シアン化ナトリウム、
フッ化水素、アンモニア等の毒物・劇物等)1別添
4 調査検討の結果2消防活動阻害物質に関する調査検討
しろまる 対象物質の調査・分析
毒物及び劇物指定令の一部を改正する政令(平成30年政令第197号)により、毒物
又は劇物に指定された物質等のうち、表IIの2物質について調査・分析を実施した。
しろまる 消防活動阻害物質に指定する条件
流通量を考慮し、次の1から4のいずれかに該当するものを消防活動阻害物質に
指定する(危険物に該当するものを除く。)。
表II 候補物質
しろまる 検討結果
本年度の候補物質とされた2物質は、いずれも上記の条件を満たさなかったため、
消防活動阻害物質に指定すべき物質はなかった。
1 常温で人体に有害な気体であるもの又は
有害な蒸気を発生するもの
2 加熱されることにより人体に有害な蒸気
を発生するもの
3 水又は酸と反応して人体に有害な気体を
発生するもの
4 注水又は熱気流により人体に有害な粉体
が煙状に拡散するもの
しろまる 対象物質の調査・分析
国内外の事故事例データベース、化学物質や危険物輸送に関する文献等から対象物
質を抽出し、流通量、用途等を踏まえ、本年度の候補物質とされた表Iの3物質につ
いて調査・分析を実施した。
表I 候補物質
しろまる 危険物に指定する条件
次の1及び2をいずれも満たす場合、危険物に
指定する。
しろまる 検討結果
本年度の候補物質とされた3物質は、いずれも上記の条件を満たさなかったため、
危険物に指定すべき物質はなかった。
火災危険性を有するおそれのある物質に関する調査検討
1 危険物確認試験において、危険物としての
性状を有していること。
2 年間生産量等が一定量以上であること。
No 物質名称 化学構造式 状態
1 水酸化リチウム 固体22-エチル3,7-ジメチ
ル-6-[4-(トリフル
オロメトキシ)フエノキ
シ]-4-キノリル=メチ
ル=カルボナート
固体

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