消防危第50号
平成7年5月31日
各都道府県消防主管部長 殿
消防庁危険物規制課長
「引火」の取扱い並びに合成樹脂の不燃性及び難燃性の試験方法について
(通知)
不燃性溶剤を含有する物品の「引火」の取扱い並びに粉粒状又は、融点の低い合成樹脂の不燃性及び難燃性の
試験方法について下記のとおり定めたので、その運用に遺憾のないように配慮されるとともに、貴管下市町村に対し
てもこの旨示達され、よろしくご指導願いたい。記1 クリーブランド開放式引火点測定器による引火点測定試験における「引火」の取扱い
試験炎からの火炎伝播が試料カップの試料表面付近の少なくとも一部分に生じた場合に、これを引火と認めるも
のとする。
なお、不燃性溶剤を含有する物品においては、これを含有しない場合と比較して平均値として測定された確認試
験結果に差異が生じる可能性も考えられるが、これについては、安全側の評価を行うよう取り扱うものとする。
2 粉粒状又は融点の低い合成樹脂の不燃性及び難燃性の試験方法指定可燃物における合成樹脂の不燃性及び
難燃性の判断については、「消防法施行令の一部改正に伴う運用について」(昭和54年10月2日付け消防予第184号
消防庁予防救急課長通知)に示す酸素指数法によっているところであるが、この方法により難い粉粒状又は融点の
低い合成樹脂については、別記1の試験方法によるものとする。
なお、当該粉粒状又は融点の低い合成樹脂に係る確認試験結果の報告様式及び危険物データベースに登録を
申請するための確認試験結果報告書(データベース登録用)様式の別添試験データについては、別記2によるものと
する。
別記1 粉粒状又は融点の低い合成樹脂の試験方法
1 装置
試験装置
試験片支持具を除き日本工業規格(以下「JIS」という。)K7201(1976)「酸素指数法による高分子材料の燃焼試験
方法」に規定する試験装置による。
また、試験片支持部は、図1に示す形状を有するステンレス製の支持台の上部にアに規定する断熱材を置き、そ
の断熱材の上部にイに規定する試料セルを置いたものとする。
ア 断熱材
最高使用温度1260°C、かさ密度0.15g/cm3、熱伝導率0.06kca /mh°C(400°C)の特性を有し、直径25mm、厚さ
1mmの円形セラミックパーパー又はこれと同等以上の断熱性能を有するもの。
イ 試料セル
石英ガラス製で、外径20mm、深さ2mm、厚さ1mmのカップ状のもの。
2 試験の実施手順
(1) 試料は、温度20±2°C及び相対湿度65±5%において24時間以上状態調節する。
また、試験場所は、温度20±5°C及び相対湿度65±20%とする。
(2) 試料セルに試料をセル上端面まで充てんし、試料量を天秤を用いて測定する。
(3) 断熱材を支持台上に置き、その中央に(2)で秤量した試料を充てんした試料セルを載せる(図2)。
(4) 燃焼円筒をかぶせ、その内部を選択した酸素濃度の雰囲気に調整する。なお、燃焼円筒内の総流量は11.4
/minであることを確認し、酸素と窒素の流量の割合の平衡を継続して保つようにしなければならない。
(5) 炎の長さを20から30mmに調節し、試料セル上8mmの高さに点火器の先端を保持して試料に接炎し、十分に
着炎したことを確認した後点火器の炎を取り去る。
(6) 燃焼後の残量を天秤で測定し、その酸素濃度における燃焼率(%)を次式により求める。
燃焼率=×ばつ100
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(7) 酸素濃度を約1%の間隔で変化させて、燃焼率が増大しはじめてから、ほぼ一定の値となるまでの範囲につい
て、(2)から(6)の操作を繰り返す。
(8) その後、燃焼率の最大一定値(最大燃焼率)を用い、次式によりそれぞれの換算燃焼率(%)を求める。
換算燃焼率=×ばつ100
(9) 得られた換算燃焼率と酸素濃度の関係を図上にプロットして最も適合するS字曲線を当てはめ、換算燃焼率
が50%となる酸素濃度をもって、その試料の酸素指数とする(図3)。
なお、明確なS字曲線が得られない場合には酸素濃度を変化させる間隔を小さくしてさらに試験を行う。
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