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消防危第 5 号
平成 7 年 2 月 3 日
各都道府県知事 殿
消防庁次長
危険物の規制に関する政令の一部を改正する政令の公
布について(通知)
危険物の規制に関する政令の一部を改正する政令(平成 7 年政令第 15 号)が、本
日公布され、平成 7 年 4 月 1 日から施行されることとなった。
今回の改正は、製造所及び一般取扱所の容量が指定数量未満の液体危険物タン
クを完成検査前検査の対象から除外すること、国際的基準に適合した旨の表示がさ
れているタンクコンテナについて完成検査前検査を不要とすること並びに強化プラス
チックで造った地下貯蔵タンクに強化プラスチックを間げきを有するように被覆したも
のを設置する地下タンク貯蔵所並びに天然ガス充てん設備を設ける給油取扱所に係
る位置、構造及び設備の技術上の基準を新設すること等をその内容とするものであ
る。
貴職におかれては、下記事項に留意のうえ、その運用に遺憾のないようにされると
ともに、貴管下市町村に対してもこの旨示達され、よろしくご指導願いたい。
なお、本通達中においては、法令名について次のとおり略称を用いたので承知され
たい。
消防法(昭和 23 年法律第 186 号)...法
危険物の規制に関する政令の一部を改正する政令(平成 7 年政令第 15 号)...改正令改正令による改正後の危険物の規制に関する政令(昭和 34 年政令第 306 号)...令記第 1 完成検査前検査に関する事項
1 製造所及び一般取扱所の液体危険物タンクに関する事項
従来、液体危険物タンクを有する製造所、貯蔵所及び取扱所は、その有する液
体危険物タンクについて完成検査前検査(水張検査又は水圧検査)を受けなければな
らないこととされていたが、今回の改正により、製造所及び一般取扱所の液体危険物
タンクで、その容量が指定数量未満のものについては、完成検査前検査の対象から
除外することとされたこと。
これにより、容量が指定数量以上の液体危険物タンクを全く有しない製造所及
び一般取扱所については、完成検査前検査を受けなければならない製造所等から除
外されたこと(令第 8 条の 2 第 1 項)。また、容量が指定数量以上の液体危険物タン
クを一つでも有している製造所又は一般取扱所についても、完成検査前検査を受け
なければならない工事は、容量が指定数量以上の液体危険物タンクの設置又は変
更の工事とされ、容量が指定数量未満の液体危険物タンクについては、完成検査前
検査を受けなければならない工事の対象から除外されたこと(令第 8 条の 2 第 2 項)。
完成検査前検査の対象から除外された液体危険物タンクに係る技術上の基準
(水張試験又は水圧試験に関する部分に限る。)については、完成検査の際、設置者
等が実施した水張試験又は水圧試験のデータを基に、その適合性を判断することと
なること。
2 国際輸送用タンクコンテナに関する事項
従来、タンクコンテナは、車両に積載され、指定数量以上の液体の危険物の輸
送に用いられる場合、移動タンク貯蔵所の液体危険物タンクとして、完成検査前検査
を受けなければならないこととされていたが、今回の改正により、国際海事機関が採
択した危険物の運送に関する規程(IMDG コード)の水圧試験の基準に適合した旨の
自治省令で定める表示がされているものについては、令第 8 条の 2 第 3 項第 4 号に
規定する事項について、完成検査前検査を受ける必要がないこととされたこと(令第 8
条の 2 第 4 項第 3 号)。
第 2 地下タンク貯蔵所の位置、構造及び設備の技術上の基準に関する事項
1 地下貯蔵タンクの設置方法に関する事項
従来、二重殻タンクとして規定されていた、鋼板で造った地下貯蔵タンクに鋼板
を間げきを有するように取り付け、かつ、危険物の漏れを常時検知するための設備を
設けたもの(以下「鋼製二重殻タンク」という。)及び鋼板で造った地下貯蔵タンクに強
化プラスチックを間げきを有するように被覆し、かつ、危険物の漏れを検知するため
の設備を設けたもの(以下「鋼製強化プラスチック製二重殻タンク」という。)に加え、強
化プラスチックで造った地下貯蔵タンクに強化プラスチックを間げきを有するように被
覆し、かつ、危険物の漏れを検知するための設備を設けたもの(以下「強化プラスチッ
ク製二重殻タンク」という。)に係る規定が新設されたこと。これにより、地下貯蔵タンク
の例によるものとされる製造所、給油取扱所及び一般取扱所の地下タンクとして、強
化プラスチック製二重殻タンクを設置できることとされたこと。
これに伴い、地下タンク貯蔵所の位置、構造及び設備の技術上の基準について
は、地下貯蔵タンクの形態に応じて、令第 13 条第 1 項から第 3 項まで、次のように
整理して規定されたこと。なお、従前規定されていた地下タンク貯蔵所については、
下記 3 に係る事項を除いて、技術上の基準に変更はないこと。
(1) 第 1 項
一重殻タンクを設置する地下タンク貯蔵所(第 3 項に定めるものを除く。)に係る
位置、構造及び設備の技術上の基準について規定したものであること。
(2) 第 2 項
二重殻タンクを設置する地下タンク貯蔵所に係る位置、構造及び設備の技術
上の基準について規定したものであること。
(3) 第 3 項
従来どおり、一重殻タンクを危険物の漏れを防止することができる構造により
設置する地下タンク貯蔵所に係る位置、構造及び設備の技術上の基準について規定
したものであること。
2 強化プラスチック製二重殻タンクに関する基準
強化プラスチック製二重殻タンクを設置する地下タンク貯蔵所の位置、構造及び
設備の技術上の基準として、当該二重殻タンクを直接埋設する場合にあっては令第
13 条第 1 項第 1 号ロからニまで、第 3 号から第 5 号まで、第 6 号(水圧試験に係る
部分に限る。)及び第 8 号から第 12 号まで、タンク室に設置する場合にあっては第
13 条第 1 項第 2 号から第 5 号、第 6 号(水圧試験に係る部分に限る。)、第 8 号から
第 12 号まで及び第 14 号までに定める基準の例によることのほか、次の基準が新設
されたこと。
(1) 地下貯蔵タンクは、貯蔵し、又は取り扱う危険物の種類に応じて自治省令で
定める強化プラスチックで気密に造ることとされたこと(令第 13 条第 2 項第 2 号ロ)。
この規定は、危険物と直接接触する地下貯蔵タンクの材質が強化プラスチックである
ことを踏まえ、危険物の性質に適応した強化プラスチックを用いる必要があることから
定めることとしたものであること。
(2) 地下貯蔵タンクは、自治省令で定めるところにより強化プラスチックを間げき
を有するように被覆し、かつ、危険物の漏れを検知するための自治省令で定める設
備を設けるものとすること(令第 13 条第 2 項第 1 号ロ)。
(3) 強化プラスチック製二重殻タンクは、自治省令で定めるところにより、当該二
重殻タンクに作用する荷重に対して安全な構造とすることとされたこと(第 13 条第 2
項第 3 号)。
この規定は、強化プラスチック製二重殻タンクの材料である強化プラスチックは、
鋼板と比べて、板厚、形状等について設計の自由度が大きく、多様な強化プラスチッ
ク製二重殻タンクが造られる可能性があることを踏まえ、これについて安全構造を確
保する観点から、性能基準を定めることとしたものであること。
3 二重殻タンクの位置等に関する事項
令第 13 条第 2 項において例によることとされている同条第 1 項第 1 号ロからニ
まで及び第 2 号から第 4 号までの規定の適用については、「当該タンク」又は「地下
貯蔵タンク」とあるのは「二重殻タンク」と読み替えることとされたこと(令第 13 条第 2
項各号列記以外の部分後段)。これにより、二重殻タンクの令第 13 条第 1 項第 2 号
から第 4 号までの規定の適用については、地下貯蔵タンクからではなく、二重殻タン
クの外側から、それぞれ距離を算定することとされたこと。
第 3 給油取扱所の位置、構造及び設備の技術上の基準に関する事項
天然ガス自動車等に燃料を充てんする設備を設ける給油取扱所に係る位置、構
造及び設備の技術上の基準を新設すること。なお、天然ガス自動車等に燃料を充て
んする設備を設ける給油取扱所は、給油取扱所において消防法上の危険物ではな
いが、爆発等災害を発生させる危険性を有する天然ガスを取り扱う設備を設けるとい
う特殊な給油取扱所であるため、具体的な基準は省令で定めることとされたこと。ま
た、併せて規定の整備を行ったこと(令第 17 条第 4 項、第 27 条第 6 項関係)。
第 4 施行期日及び経過措置
1 施行期日
この政令は、平成 7 年 4 月 1 日から施行することとされたこと(改正令附則第 1
項関係)。
2 経過措置
(1) この政令の施行の際現に法第 11 条第 1 項の規定による許可を受けて設置
されている製造所、貯蔵所又は取扱所の構造及び設備で、この政令の施行の際現に
存するものについては、令第 13 条第 2 項(令第 9 条第 1 項第 20 号ハ(令第 19 条第
1 項において準用する場合を含む。)又は令第 17 条第 1 項第 6 号イ若しくは第 2 項
第 2 号においてその例によるものとされる場合を含む。)においてその例によるものと
される令第 13 条第 1 項第 2 号から第 4 号までの規定にかかわらず、なお従前の例
によることとされたこと(改正令附則第 2 項関係)。
すなわち、この政令の施行の際現に許可を受けている製造所、地下タンク貯蔵
所、給油取扱所若しくは一般取扱所の鋼製二重殻タンク又は鋼製強化プラスチック
製二重殻タンクで、現に存するものについては、当該二重殻タンクに限り、従前の基
準に適合していればよいものであること。
(2) 罰則の適用に関する経過措置
この政令の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例
によることとされたこと(改正令附則第 3 項関係)。

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