舞台は、ウイルスの蔓延で人口が激減し、延命措置として上層階級の人間だけに病の身代わりになってくれる「それ」の保有が許された世界。死が身近に迫る新次は、臨床心理士。まほろに自分の「それ」に会わせてほしいと懇願する。新次の「それ」は、自分と同じ姿をしながらも、異なる内面を持ち、純粋で知的であった。「それ」と対面した新次は、次第に「それ」を殺してまで、自分は生きながらえるべきなのか、心が乱されていき...。
映画『徒花-ADABANA-』は、上層階級の人間たちが病に侵された時、全く同じ見た目の自分である"それ"が提供され、病の身代わりになってくれたら...そんなそう遠くない現代を舞台に描いたSF作品。監督は甲斐さやか。主演は井浦新。