PCB廃棄物処理事業評価検討会〜中間とりまとめ〜


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1.検討の目的と進め方
1.1 検討の目的
しろまる PCB廃棄物については、その処理体制の整備が著しく停滞し、長期にわたり
処分されず、処分の目途無く事業者により保管が継続される中で、紛失等が発生
している。この結果、PCBによる環境汚染が進行することによって、我が国で
大量に保管されているPCB廃棄物に起因した環境汚染が将来の世代及び地球規
模に及ぶ可能性があることが直視されなければならない状況にある。
しろまる このため、PCB廃棄物の処理責任を有する保管事業者に対し、平成28年7
月までに、そのPCB廃棄物を環境上安全に処理をしなければならない義務を課
した上で、中小企業者である保管事業者の負担軽減による円滑な処理を進めるた
めの支援を国及び都道府県で行うとともに、国が環境事業団を活用して、PCB
廃棄物の全国的な処理体制を整備することとされた。
しろまる 現在までに、環境省は、立地場所地方公共団体の尽力をいただきながら、北九
州市をはじめ、豊田市、東京都、大阪市及び室蘭市において、環境事業団の拠点
的な広域処理施設の整備のための準備を進めてきているところであるが、これら
の事業においては、中小企業者の負担軽減を図って円滑な処理を進めるため、公
費を投入することとなる。
しろまる このような公費投入を伴う事業であることを踏まえ、環境省においては 「行、政機関政策評価法」に基づき、国民的視点に立って、環境事業団を活用したPC
B廃棄物処理事業の客観的な評価を行い、安全・確実な処理体制を早期に確立す
ることを前提としつつ、効率的で質の高い事業を実施していくとともに、国民に
対する説明責任を果たしていく必要がある。
しろまる 本検討会では、環境省が行うPCB廃棄物処理事業の評価について、多様な意
見を反映し、客観的かつ厳格な実施を確保するため、評価の考え方や方法等につ
いて、国民的な視点に立って多角的に検討することを目的とする。
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1.2 検討の進め方
しろまる 本検討会では、環境事業団による拠点的な広域処理施設の整備及びその施設に
おける処理事業について、地域に受け入れられる情報公開性の高さと環境の保全
・安全性の確保を前提としつつ、1事業の評価の方法、2費用対効果分析による
事業評価の実施、3その他事業の効率性や有効性の向上に役立つこと、4国民理
解を得るための説明のあり方などについて検討する。
しろまる そして、検討会の対象とする事業評価は、PCB特別措置法の制定及び環境事
業団法の改正に基づきPCB廃棄物問題を解決すべく環境事業団を活用したPC
B廃棄物処理事業を行うこととされたことから、PCB廃棄物処理事業をより効
率的に行うという観点から、効率性に関する評価を中心として行う。
しろまる さらに、PCB廃棄物問題を解決するためにPCB廃棄物処理事業に対する国
、 、
民の理解を得るということが必須となるが 国民の理解を得るという観点からは
PCB廃棄物処理事業の必要性、有効性、公平性、優先性などの多角的な視点か
らの評価が極めて重要であるため、これらの視点からの評価に関する検討及び国
民に対する説明のあり方に関する検討を行う。
しろまる 検討会の3月中間取りまとめにおいては、効率性の観点からの評価に関する事
項を中心としつつ、あわせて、必要性、有効性、公平性、優先性などの多角的な
視点からの評価に関する基本的な考え方をとりまとめ、及び今後検討を深めるこ
とが必要な課題を整理する。
しろまる さらに、課題とされた事項について考え方等の検討をはじめとし、より厳密か
つ多角的な事業の評価の方法、国民理解を得るための説明のあり方、より効率性
や有効性の高い事業の進め方等について検討を継続していく。

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