設計コンセプト
この住宅は夫婦+子供2人+母1人の二世帯住宅。「このまちに住み続けたい」というクライアントの想いをかたちにするため、現代のライフスタイルに更新する建替え計画である。
敷地は南に宮島を望むことができるひな壇状の宅地で、古くからある集落のため、人が通れるだけの幅の道が網の目のようにつながる地域である。当該敷地の前面道路も狭く、急勾配であった。
そこで、圧迫感の抑制、子供達の安全、採光等を考慮して建物ボリュームを北西側へまとめて計画。道路側の東、隣地建物の影となる南側を空地とし駐車スペースとする配置計画とした。室内の主要な動線をらせん状に計画。玄関から、居間、階段、二階廊下まで、らせん状に構成することで、ひとつながりの空間でありながら、室内全体を一挙に見せず、奥行きやシーンの変化を感じさせる空間構成とした。また、各居室からはテラスともつながり、行止りのない回遊性のあるプランニングを行った。無垢フローリングや吸放湿性の高い粘土塗料等、自然素材を多用した。
全ての居室がテラスに接し、明るく健康的な所が気に入っていただいた。子供達はテラスを介し、自由に動き回れる家を楽しんでいる。