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今年度実施する調整力の公募調達について
資料7
平成30年5月29日(火) 2本日の報告の内容
 調整力公募については、2年連続で旧一電(発電・小売部門)以外による応札、落
札が少なかった。
 こうしたことを踏まえ、発電事業者、小売事業者、DR事業者に対して、現在の公募調
達においてどのようなネックがあるのか等についてアンケート調査を実施した。その結果及び
改善の具体策について御議論いただきたい。
 また、電源I揚水の運用の在り方について御議論いただきたい。
公募調達に関するこれまでの経緯
平成28年 7月 「一般送配電事業者が行う公募調達に係る考え方」を本会合にて取り纏め
10月〜 第1回公募調達の実施(平成29年度向け)
平成29年 4月〜 発電事業者等へのアンケート調査に基づき、改善策の検討を要請。一般送配電事業者による公募の改善。
10月〜 第2回公募調達の実施(平成30年度向け)
10月上旬〜11月上旬 電源I-a、I–b入札募集
11月中旬〜12月中旬 電源I’入札募集
調整力の公募調達の概要
電源Iについては、一般送配電事業者がその必要量を明示して募集し、落札した事業
者に対して、その契約容量に応じたkW価格を支払う。また、運用段階で調整指令を
出した場合には、その指令量に応じたkWh価格を支払う。
小売電源のゲートクローズ後の余力を活用する電源IIについては、必要量を明示せず
募集して契約。運用段階で調整指令を出した場合に、その指令量に応じたkWh価格
を支払う。kW価格は支払わない。
電源Iの入札・契約
• 電源I:一般送配電事業者が調整力専
用として常時確保する電源等
• 入札者は、ユニットを特定した上で容量
(kW)単位で入札
• 原則、容量(kW)価格の低いものから落札
• 定期検査実施時期等の調整
電源IIの募集・契約
• 電源II:小売電源のゲートクローズ後の余
力を活用する電源等
• 容量(kW)価格の支払いは発生しない
ため、募集時にkW価格は考慮されない
• 要件を満たしているかを確認してユニットを
特定するのみ
電源I、IIの実運用電源II電源II電源I電源II
電力量(kWh)
価格
・・・
一般送配電事業者は電源IとIIの中から電
力量(kWh)価格の低い順に指令(メリット
オーダー)
必要な量の
電源に対し
て指令
電源Iの費用精算
• 落札時に決定した、容量(kW)価
格を受け取る
• 指令に応じて発電した電力量に応じて、
電力量(kWh)価格で費用精算
• 発電不調等があった場合のペナルティ
を精算
電源IIの費用精算
• 指令に応じて発電した電力量に応じて、
電力量(kWh)価格で費用精算
(調整力提供者は毎週、各ユニットの電力量
(kWh)価格を登録)22017年10月 第23回制度設計専門会合
事務局資料
平成30年度向け調整力公募概要(募集区分)
周波数制御用 需給バランス調整用電源I【I-a】
・発動時間:5分以内
・周波数制御機能(GF・LFC)あり
・専用線オンラインで指令・制御可
・最低容量:1万kW (注記)
【I-b】
・発動時間:15分以内
・周波数制御機能(GF・LFC)なし
・専用線オンラインで指令・制御可
・最低容量:1万kW (注記)
【I’】
・発動時間:3時間以内
・周波数制御機能(GF・LFC)なし
・簡易指令システムで指令
(経過措置:オフライン)
・最低容量:0.1万kW電源II【II-a】
・発動時間:5分以内
・周波数制御機能(GF・LFC)あり
・専用線オンラインで指令・制御可
・最低容量:1万kW (注記)
【II-b】<当年度から追加>
・発動時間:15分以内
・周波数制御機能(GF・LFC)なし
・専用線オンラインで指令・制御可
・最低容量:1万kW (注記)
【II‘】<当年度から追加>
・発動時間:1時間未満
・周波数制御機能(GF・LFC)なし
・簡易指令システムで指令
・最低容量:1万kW (注記)
ロースペック・低速発動
ハイスペック・高速発動3(注記)最低容量は各社の系統状況に応じて設定
2017年10月 第23回制度設計専門会合
事務局資料
平成30年度向け調整力公募概要(募集量)
 各一般送配電事業者は、周波数調整機能の有無等により電源等の区分を設定し、調
整力の必要量を算定した上で公募調達を実施。
しろまる2018年度(平成30年度)向け調整力の公募にかかる必要量等の考え方について(平成29年9月13日)一部加工
電源I
電源I ×ばつ103%
エリア供給力
電源II
電源III
周波数制御機能あり(電源I-a)
周波数制御機能なし(電源I-b) 周波数調整・需給バランス調整
に対応するための調整力
10年に1回程度の猛暑や厳寒に対応するための調整力
(注記)電源ごとの募集量
北海道 東北 東京 中部 北陸 関西 中国 四国 九州 沖縄
電源Ia 36.0 93.9 320.0 156.3 33.0 152.0 73.5 31.7 102.4 5.7
電源Ib - - 53.0 14.7 2.0 26.0 - 3.6 - 24.4
電源I‘ - 8.2 34.0 31.2 - 27.0 - - 31.8 -
単位:万kW
注1)電源II(IIa、IIb、II‘)については、容量の上限を設けずに募集。
(応募された電源が要件を満たしていれば契約する。)
2017年10月 第23回制度設計専門会合
事務局資料を一部加工4 5
平成30年度向け調整力の公募結果
 前回の公募よりは増えたものの、引き続き旧一電(発電・小売部門)以外の電源の落札、応募
が少なかった。
前年度 当年度 増減
1,022.8 1,004.5 さんかく18.3
1,048.3 1,081.9 33.6
旧一電以外 - - -
1,025.8 1,008.9 さんかく16.9
旧一電以外 - - -
113.2 123.7 10.5
114.0 158.8 44.8
旧一電以外 1.0 1.4 0.4
110.5 120.8 10.3
旧一電以外 - 1.4 1.4
132.7 132.2 さんかく0.5
63件
165.4
55件
175.4
さんかく8件10.0旧一電以外
43件40.346件50.43件10.141件
132.0
46件
132.25件0.2
旧一電以外
22件27.137件36.815件9.7募集容量
応札容量
落札容量
電源I’募集容量
応札容量
落札容量
電源I-a電源I-b募集容量
応札容量
落札容量
応札容量・落札容量(万kW)
前年度 当年度 増減
414件 402件 さんかく12件
14,252.5 13,920.4 さんかく332.1
33件 33件 -
874.6 865.9 さんかく8.7
14件 14件
375.2 375.2
1件 1件
1.4 1.4
電源II-a電源II-b電源II'ーーーー旧一電以外
応募容量
応募容量
旧一電以外
旧一電以外
応募容量
応募容量(万kW)
2018年1月 第26回制度設計専門会合
事務局資料
1.アンケートを踏まえた公募の改善について
2.揚水発電の調整力の運用について6 7
アンケート概要
しろまる目的
調整力の分野における新規参入の促進方策の検討や需給調整市場についての検討に繋げる
しろまる実施期間
平成30年3月15日〜3月23日
しろまる調査対象
・小売電気事業者:64社
(平成29年度上期の供給量が1億kWh以上の事業者)
・発電事業者 :72社
(平成29年度供給計画における平成28年度末時点の発電出力合計が10万kW以上の事業者)
・DR事業者 :29社
(DR推進協議会参加事業者及び平成28年度、平成29年度VPP実証参加事業者)
しろまる調査内容
・応札の有無、応札しなかった場合はその理由、各電源区分について改善が望ましい点 等
しろまる回答数
95社(回答率:約58%)
 2年連続で旧一電(発電・小売部門)以外による応札・落札が少なかったことを踏まえ、さらな
る新規参入促進のためにどのような課題が存在しているのか等を明らかにするため、アンケート調査
を実施した。 8アンケート結果概要(発電、小売事業者の応札不参加理由)
 旧一電以外の発電・小売の多くは、応札可能な電源を有していないか、有していても小
売向けの供給を優先しているため調整力公募に応札していないという回答であった。
 それ以外では、I-a,b及びII-a,bについては、専用線オンライン設備がネックという意見
が多く見られた。
電源用途について決定権がある16社の回答
アンケート回答者数
(旧一電以外の発電・小売)65発電事業者であるが電源用途
について決定権がない24小売事業者であって電源用途
について決定権がない25電源用途について
決定権がある16I-a I-b I' II-a II-b II'
応札した 0 1 4 0 1 0
応札していない 16 15 12 16 15 16
小売向けの供給を優先しており調
整力の提供は困難であるため
12 12 10
オンライン設備 9 9 13 12
簡易指令システム 9
周波数調整機能 6 6
応動時間 4 2 4 2
出力変化速度 5 2 5 2
継続時間 1 2
最低容量が大きすぎる 3 2 0 3 3 2
提供期間が長く、期間中に常時
調整力を提供する余力が無い
2 2 0 3 4 3
公募期間が短い 0 1 0 2 1 0
その他 2 2 3 4 4 5 9アンケート結果概要(DR事業者の応札不参加理由)
 DR事業者からは、公募の要件がネックになって電源I′の応札を控えたという意見は少
なかった。
 電源II′については、kWh収入だけではビジネスが成立しないことから応札を検討して
いないという理由が多かった。
(注記) 電源II′は現時点で応札がない
I′ II′
応札した 7 0
応札していない 5 12
回答があったDR事業者
12社の応札状況
応札しなかった理由、ネックとなるとして挙げた主な項目
電源I′、II′共通
• VPPビジネスの課題を整理し、事業性向上の検討を行っている
最中であるため
• 契約容量、継続時間等に対応することが困難なため 等
電源I′について
• 需要家獲得不調のため
• 収益性を見通すことが困難
• 継続時間が長い 等
電源II′について
• kW収入がないため、経済性が成立しない
• 最低容量達成が困難
• オンラインシステム対応がとれていないため 等 10アンケート結果概要(改善要望事項)
 改善を望む点としては、設備要件、ペナルティ、募集スケジュール等について意見が寄せ
られた。
意見概要
募集要件に関する意見
【21件】
必要機能ごとに電源区分を細分化すべき
調達期間を年間1回でなく、細分化してはどうか
電源Iーa、bにおいても専用線を要件とせず、別の仕様やオフラインを認めるべき
電源Iーa、bにおいてもDRも入札できるよう、継続時間を短縮すべき
本年の需給逼迫を踏まえ、継続時間の在り方を検討すべき
最低容量を小さくすべき
ペナルティに関する意見
【7件】
電源I′について、エリアによっては1%でも未達だとペナルティが発生することを緩和してほしい
スケジュールに関する意見
【6件】
新電力は専用線の投資が必要となることから、公募スケジュールを前倒しすべき
スケジュールを早期確定すべき、スケジュールが途中で変更されることのないようにすべき
DRの需要家確保に関する意見
【4件】
応札後に需要家重複が判明した場合、送配電から重複DRに対して一報する仕組みが必要
電源IIへの応札インセンティブに関
する意見
【3件】
電源IIはkWh収入だけの対価では不十分 11アンケート結果を踏まえた分析
調整力公募に対する応札が少ない理由
 旧一電以外の発電・小売が調整力公募に応札しない主な理由は、「電源の活用方法について決定権
がない」、「小売り向けへの活用を優先している」であった。
 それ以外の理由としては、電源Iーa及びIーbについては、専用線オンライン設備が大きな障壁となっ
ていることが示唆された。事業者によっては、設備関係のその他の要件も障壁になっていることが伺えた。
 また、主にDR事業者から、設備関係以外の応募要件やペナルティについて、改善要望があった。
対応の方向性
 調整力公募への応札をすぐに増やすことは難しいと考えられるが、需給調整市場創設後も現行の公募方
式がベースとなる見込みであることを踏まえ、中長期的な視点で、できる部分から改善を進めていく。
 設備要件や応募要件について、発電・小売・DR事業者の声を踏まえてできるところから着実に改善
→ 次ページ以降に詳細を記載
 旧一電以外については、まずは電源活用に自ら決定権を持つ者を増やすことが重要
→ 電源の切り出しの促進
 旧一電(9社)の間での競争の促進
→ 需給調整市場の創設による広域調達の実現 12改善要望に対する検討状況
 前回(昨年7月)及び今回のアンケートで寄せられた改善要望の主なものについて、
一般送配電事業者における検討状況は以下の通り。一般送配電事業者においてでき
るだけ速やかに検討が進むよう、状況を注視していく。
検討項目 一般送配電事業者における対応状況
要件に関する意見
電源の区分を細分化し、それぞれに必要な要件に限定すべき 需給調整市場の制度設計の中で検討
調整力の必要量は月ごとに異なるため、調達期間を細分化すべき需給調整市場の制度設計の中で検討
電源Iーa、bにおいても専用線を要件とせず、別の仕様やオフ
ラインを認めるべき
Iーbについて、簡易指令システムの活用が可能か、引き続き検
討(13ページ)
電源I′におけるオフラインの許容を暫定措置と決めるのではなく、
簡易指令システムの正常動作を確認してからにすべき
簡易指令システムの実装が完了し、当該システムを用いた応札
可能件数にも制限がないことから、原則オフラインでの応札は認め
ないこととする
電源Iーa、bにおいてもDRも入札できるよう、継続時間を短
縮すべき
継続時間が短い場合も応札は可能(継続時間は価格要素評
価項目であり、要件ではない)
最低容量を小さくすべき
電源Iーa、b、IIーa、b、II′については今年度実施分から
対応予定
ペナルティに関する意見
電源I′について、エリアによっては1%でも未達だとペナルティが発
生することを緩和してほしい
今年度実施分から対応するよう検討(14ページ)
募集スケジュールに関す
る意見
公募スケジュールを前倒しするか、長く取るべき 今年度実施分から対応予定
DRの需要家確保に関
する意見
応札後に需要家重複が判明した場合、送配電から重複DRに
対して一報する仕組みが必要
今年度実施分から対応するよう検討(15ページ) 13アンケートを踏まえた改善事項(通信方式について)
 電源Iーbや電源Iーaについても、簡易指令システムを用いた応札を認めてほしいと
いう意見があった。
 簡易指令システムについては、現在資源エネルギー庁が、電源Iーb相当に対応可能
か実証事業を実施中。一般送配電事業者はその結果及びサイバーセキュリティの観点
の議論を踏まえて、調整力の要件を検討する方針。
2018年3月 第7回 エネル
ギー・リソース・アグリゲーション・ビジ
ネス検討会 資料6 14アンケートを踏まえた改善事項(ペナルティについて)
 電源I′については、指令量を下回ると1回分のペナルティが課せられる仕組みとなってい
るエリアがある。DR事業者からは、少しでも未達だと1回分のペナルティとなるのは厳し
いという意見が寄せられた。
 応札事業者においては、100%達成できる前提で応札容量を算定する必要がある
一方、各社がペナルティを避けるための余力を持つことで、全体として過剰な能力となら
ないよう、例えば、未達量が一定量までは徐々にペナルティが大きくなる仕組みが考えら
れるのではないか。
指令に対して1%でも未達だとペナルティ
・・・東京電力PG、九州電力
指令に対して90%未満だとペナルティ
・・・東北電力、中部電力、関西電力
(注記)その他の送配電事業者においては、電源I′の募集がない
ペナルティ料金計算式(東京電力PGの例)
各社の電源I′におけるペナルティの判定基準
ペナルティ料金 =
12回(年間発動回数の上限)×ばつ1.5
ペナルティの改善イメージ
ペナルティ水準
未達率
未達率に応じて徐々に
ペナルティが大きくなる
未達率が一定水準を超え
ると最大のペナルティ10% 15
アンケートを踏まえた改善事項(DR需要家重複時の対応について)
 DRによる応札については、リストに記載された需要家に重複があった場合、重複する需
要家は両者から除外することとされている。(さらに、その除外によって応札容量を満たせ
なくなる場合は、応札全体が無効となる。)
 アンケートで寄せられた意見として、需要家の重複が判明した時点で、一般送配電事業
者から当該応札者に対して重複があった旨一報し、当事者間で調整する仕組みを構築
してほしいというものがあった。
 DRリソースのさらなる拡充を通じた競争促進の観点から、重複が判明した時点で一般
送配電事業者が応札者に連絡し、一定期間(例えば1週間など)の間に需要家に再
確認することを可能とする仕組みを設けてはどうか。(需要家が抜けた応札については、そ
の分を応札容量から減らして評価する。)
需要家A
需要家B
・・・
需要家X
需要家Y
需要家Z
需要家ア
需要家イ
・・・
需要家X
応札者α需要家リスト 応札者β需要家リスト
応札後に需要家X
の重複が判明
現在
一般送配電事業者は、応札者α及び応札者βの需要家リス
トから需要家Xを除外。それによって応札時の容量を満た
せなくなる場合には、その応札全体が無効となる。
改善案
応札者α及び応札者βに対して、一般送配電事業者から需
要家Xが重複している旨通知。応札者α及びβは、一定期間
以内に需要家Xがどちらの応札者のリソースとなるかを再
確認する。
1.アンケートを踏まえた公募の改善について
2.揚水発電の調整力の運用について16 17
揚水発電の調整力の運用について
 揚水発電の調整力については、調整力提供者(発電・小売)がポンプアップを行うとし
ているエリアと、送配電事業者がポンプアップを行うとしているエリアがある。
 調整力の広域調達の実現に向けて、中長期的には統一化が必要。
各社の揚水機のkWh単価の設定パターン(各社からの回答のまとめ)
上げ指令単価設定の考え方 下げ指令単価設定の考え方 会社
1 調整力提供
者がポンプアッ
プを実施(費
用負担)
運転予定石油火力機の上げ指令単価の最
低値÷揚水効率
運転予定石炭火力機の下げ指令単価の最
高値f社(電源I、II)2ポンプアップ原資となった発電機の上げ指令
単価÷揚水効率
同左
h社、a社
(電源I、II)3送配電がポン
プアップを実施
(費用を負担)マージン(注記) さんかく(マイナス)マージン(注記)i社(電源I、II)
4 諸経費(消耗品費等)
さんかく(マイナス)諸経費(消耗品費等)
ー下げ調整による発電効率低下影響b社(電源I、II)
5 変動費(消耗品費等) 同左e社(電源I、II)
6 ゼロ円 同左
g社、d社
(電源I、II)
(注記)マージンの額はi社が独自に設定
2018年3月 第28回制度設計専門会合
事務局資料より抜粋 18電源Iである揚水の運用のあり方について
(注記)1月に東京エリアに対して行われた需給逼迫融通は、さまざまな要因によりエリア内の電源IIの余力が減少し、ポンプアップが十分
にできず、調整力の揚水の上池が不足したことが要因。送配電事業者がポンプアップする事業者においては、こうした場合に、調整
力提供者に対し時間前市場等を活用してエリア外からkWhを調達しポンプアップすることを依頼できる仕組みを導入してはどうか。
 ポンプアップをどちらが行うかについては、調整力市場の競争が限定的である現状では、そ
れぞれ長所短所があり、本年度の公募においては、どちらかに統一しないことでよいか。
 なお、各一般送配電事業者には、それぞれの方式の短所をカバーする工夫などを進める
よう求めることとしたい。
調整力提供者がポンプアップ 送配電がポンプアップ
具体的な運用 調整力提供者が、自社の電源あるいは市場か
ら調達した電源でポンプアップする
送配電が、他の電源Iあるいは電源IIを活用
してポンプアップする
効率性・中立性の観
点からの特徴
kWh価格の競争を通じて(各コマで価格
が低い調整力から稼働)、コストを削
減・効率化。
市場が競争的でない場合、価格が高止
まりするおそれ。
送配電が最適運用することを通じて、
コストを削減・効率化。
送配電の運用が効率的でない場合、コ
ストが高止まりするおそれ。
運用面での特徴 ポンプアップのタイミング調整のため
に送配電と調整力提供者との連絡調整
が必要となる。
(あるいは、電源Iの調達サイクルを短期間
化するなど、ポンプアップ時は他の調整力を
確保する仕組みが必要となる。)
送配電のみでポンプアップのタイミン
グを決めるため、安価な電源IIが活用
できる時間帯にポンプアップするなど
の工夫が容易。
他エリアの電源の活
用可能性
市場から調達することで他エリアの電
源を活用することも可能
エリア内の電源I・IIしか活用できな
い。(注記) 19今回の分析からの示唆:電源Iとしての揚水の活用のあり方
 今回の事例を教訓とすべき点は多岐にわたるが、調整力確保の観点からは、揚水を電
源Iとして活用するにあたっては、以下についてさらに検討を深めることとしてはどうか。
〇電源Iの長時間使用に伴う課題について
 揚水については、今回の事象を通じて長時間継続運転した際の課題が明らかとなった。
 こうした課題にも対応できるよう、調整力公募における要件の在り方も含め、今後精査が必
要ではないか。
〇電源Iの揚水のポンプアップについて
 東京電力PGは、電源Iの揚水について、一般送配電事業者(東京電力PG)がポン
プアップする契約としている。(東京電力PGは、電源IIの余力を活用してポンプアップす
る。)
 そのため、域内の電源IIの余力の量がポンプアップ速度の上限となるため、今回の事象にお
いては、広域融通の要請に至ったと考えられる。
 一方で、一般送配電事業者から電源Iの調整力提供者にポンプアップを要請し、要請され
た電源Iの調整力提供者が必要な電力を調達してポンプアップする事例もある。効率性も
踏まえつつ、どのような方式が望ましいか、検討を深めていくこととしてはどうか。
 上述2点について、安定供給への影響も考慮しつつ、関係機関等と連携しながら、監視等
委員会においてさらに検討を深めることとしてはどうか。
2018年3月 第28回制度設計専門会合
事務局資料より抜粋

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