四国支部活動方針(案)


令和6年度事業計画
ロシアや中東地域の地政学リスクに起因して国際エネルギー情勢が不透明感を増す中で、
わが国では、再生可能エネルギー発電賦課金の値上がりや円安傾向などもあり、エネルギー
コストの一段の上昇が危惧されるところです。
また、その一方で、世界各地で異常気象が発生し、昨年の世界の平均気温は統計開始以
降で最も高くなるなど、地球温暖化への懸念は一層高まっており、世界規模で「脱炭素」をさ
らに加速させることが急務となっております。
わが国においては、国の主導により、「気候変動問題への対応」、「エネルギー安定供給の
確保」、「経済成長」の同時実現に向け、化石エネルギー中心の産業構造・社会構造をクリー
ンエネルギー中心に転換する「GX (グリーントランスフォーメーション)」が進められておりま
すが、GXは経済社会システム全体の変革であり、一部の産業や企業のみではなく、あらゆる
分野・層での取り組みが必要です。
四国地域でも、地域経済の発展のためにも、他の地域に後れを取ることなく、GXを強力に
推し進めることが求められます。
しかしながら、四国地域は、確かな力のある企業が多数存在する一方で、一般的には資
金・人材といった経営資源が限られる中小企業・小規模事業者の割合が大きく、これら中小
事業者の「脱炭素」・「省エネ」への取組は、「事業継承」や「事業継続計画(BCP)」に比べて
優先度が低く、思うように進んでいないと感じている関係者は多いようです。
それは、中小事業者の大部分が省エネ法の規制の対象外であることや、高齢化が全国に
先行して進んでいること、また南海トラフ地震の発生が近いと予想されることなどに起因する
と推測されますが、豪雨・洪水の発生、農作物の不作・漁獲量の減少など、気候変動の影響
が既に様々な形で顕在化していることに加え、エネルギーコストの上昇リスクも考慮し、脱炭
素・省エネへの取組は、事業継承や BCP の一環として捉えることが重要です。
こうした状況も踏まえ、当支部においては、四国地域における「省エネを中心とするエネル
ギー利用の最適化」推進の中核機関として国や地方公共団体のご指導のもと、賛助会員、関
係各位のご協力をいただきながら、地域の特性を踏まえつつ、以下のとおり、産業・業務・家
庭・運輸の各分野における徹底した省エネ、非化石エネルギーの導入拡大、電力利用の最
適化の推進に寄与してまいります。
1.産業の省エネルギー推進・カーボンニュートラル支援
(1)工場・ビルの診断指導事業
中小企業基本法で規定される中小企業者もしくは年間のエネルギー使用量の原油
換算値が100kL以上、1,500kL未満の工場・ビル等(一部 100kL未満も対象)に
対し、当センターのエネルギー使用合理化専門員を派遣のうえ「省エネ最適化診断」
を実施し、受診後に「更に深堀した省エネを実施したい」要望のある一定条件を満たす
事業者については、事業者の持つ IoT・EMS 等のデータまたは計測データを活用した
「IoT 診断」を行います。
また、省エネ・技術事例発表会の開催やWEBや事例集の発行等による省エネに
関する情報提供を実施します。
省エネ最適化診断 予定件数:18 件程度
(2)工場のエネルギー使用状況及び管理実態調査の実施
省エネ法に基づき、エネルギー管理指定工場に対して行う「工場等現地調査」として、
エネルギー使用設備に係る「工場等判断基準」の遵守状況、省エネ対策の推進状況
等について、現地で確認調査を実施予定です。
調査 予定件数:未定(昨年度実績5件)
(3)省エネルギーセミナー等の実施
省エネルギーへの理解を深めるため、国のエネルギー施策の周知や省エネ・節
電の取り組みの事例や最新の省エネ技術の紹介等の情報提供を行うセミナーを関係
機関と協力して実施します。
(4)省エネ技術の普及
産業・業務部門の省エネルギー活動実施事例を積極的に発掘するとともに、その
発表の場を通じて、省エネルギー活動の普及・活性化を図ります。
2.国民各層の省エネルギー活動・カーボンニュートラル支援
省エネルギー及びカーボンニュートラル普及啓発の促進を図るため、地方公共団体、
NPO 及び関係諸団体、地域金融機関や企業等との連携を強化し、省エネセミナーの実施
等、生活分野における省エネルギー実践行動の普及啓発事業を展開します。
(1)省エネルギー地域活動の支援
省エネルギーや環境・リサイクル活動に関心を持ち、地域で活躍している環境NPO
等との連携の強化を図り、省エネ活動を支援します。
(2)省エネルギー普及のための人材育成
省エネルギー講座等の開催
カーボンニュートラルに関わる「CN 特別講座」や、エネルギー管理技術の研鑽や
省エネ法の円滑な施行を図るために受講者のニーズに沿った法令や技術に関する
「徹底した省エネ講座」を開催します。
(3)次世代教育に対する支援
高等学校の「総合的な探求の時間」等、次世代を担う中学・高校生の環境教育を支
援します。
3.国家試験・研修・講習事業の実施
(1)エネルギー管理士制度
エネルギー管理士試験の実施
省エネ法に基づく指定試験機関としてエネルギー管理士試験を実施します。
試験日:令和6年8月4日(日)
場 所:英明高等学校(高松市)
(2)エネルギー管理員制度
1 新規講習
エネルギー管理企画推進者及びエネルギー管理員が対象ですが、令和5年度
下期から、オンライン講習(オンデマンド型)へ移行いたしました。
上期受講期間:令和6年 6月5日(水)〜 8 月31日(土)
下期受講期間: 〃 10 月1日(火)〜12 月 31 日(火)
開催方法 :オンライン
2 資質向上講習
受講期間:令和7年1月〜3月 予定
開催方法:オンライン
4.エネルギー管理表彰
(1)エネルギー管理功績者等の表彰
四国経済産業局長が表彰する「エネルギー管理功績者」、「エネルギー管理優良工
場」の応募への取り組みを促進します。
(2)省エネ推進功労者の表彰
工場・ビル等の現場、地域、省エネ関連ビジネスなどにおける活動を通じて、我が
国の省エネルギーの推進に大きな貢献をされた方を対象に、省エネルギーセンター
四国支部長による「省エネ推進功労者表彰」を行います。
(3)表彰式
永年に亘りエネルギー管理の推進に功績のあった個人や特に優れた省エネルギー
対策を実施している企業、省エネルギー実施優秀グループ等に対し、「省エネルギー
月間」行事として2月に表彰を行います。
開催予定日:令和7年2月
開催場所 :高松市
5.その他
(1)賛助会員の拡大
引き続き会員企業へのきめ細やかな対応、情報提供等に努めるとともに、省エネ法
に基づき新たにエネルギー管理指定工場等に指定された工場等を中心に、広く勧誘
を行い、会員の増加に努めます。
(2)支部参与会の開催
当支部の事業運営等に関し、賛助会員はじめ関係各位のご意見等を伺い事業に
反映させるため、参与会を開催します。
開 催 日:令和6年6月13日(木)
開催場所:サンポート高松(高松市)
(3)その他
1 図書類及び省エネ啓発グッズの活用案内
当センター発刊の月刊誌「省エネルギー」やエネルギー管理士受験参考書、省エ
ネルギー技術専門書等の図書・手帳類の紹介、取次ぎを行うとともに、省エネル
ギー推進ポスター等の省エネ啓発グッズの活用案内に努めます。
2 会議その他
省エネルギー・省資源・地球温暖化防止等に関する国、地方公共団体及び各団
体が主催する各種会議の委員等に就任するとともに、関係する会議等に積極的に
参加するなど、機会あるごとに省エネルギーの周知・啓発を図ります。
3 支部ホームページの拡充
当センターホームページ上の支部からの省エネ情報の拡充に努めます。

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