石川県障害者計画
ともに生きる石川障害者プラン
●くろまる障害者の自立と社会参加の促進●くろまる
石川県
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 立案時期 | 平成8年2月 |
| 計画期間 | 平成8年度〜平成17年度(10年間) |
はじめに
昭和56年の国際障害者年を契機として、本県では昭和57年に石川県障害者対策長期計画を策定し、昭和58年からの「国連・障害者の十年」の進展と相まって、障害者施策の充実に取り組んでまいりました。
しかし、この間、障害のある人を取り巻く環境は、重度化、高齢化の進行、施設中心の福祉から地域福祉、在宅福祉重視など大きく変化してまいりました。また、平成5年には国の「障害者対策に関する新長期計画」の策定及び障害者基本法の成立がみられ、障害のある人の自立と社会参加の促進に向けて一層の推進が図られることとなりました。
こうした情勢を受け、本県では「ノーマライゼーション」と「リハビリテーション」の理念に基づき、教育、生活環境、文化など幅広い分野にわたって障害のある人がない人と共に同じように活動し、安心して生活することができるように、新しい総合的な障害者計画をここに策定いたしました。
この計画は、障害のある人の代表の方を含めた県障害者施策推進協議会のご意見をはじめ、多くの障害のある人々を対象に実施した福祉調査によるニーズや実態を踏まえ、各分野の課題と今後の施策の方向を示しております。
この計画により、バリアフリー社会の実現をはじめ、障害のある人もない人も共に生きる県づくりに努力してまいりたいと存じますので、県民の皆様をはじめ、市町村、関係機関、団体のご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
おわりに、この計画の策定において、貴重なご意見、ご指導をいただきました県障害者施策推進協議会並びに関係各位に対し、厚くお礼申し上げます。
平成8年2月
石川県知事 谷本 正憲
目次
第1章 計画の基本的な考え方
1 計画策定の趣旨
石川県では、昭和56年の国際障害者年を受けて、昭和57年に「石川県障害者対策長期計画」を策定し、障害者施策の基本的な方向を示してきましたが、昭和58年から平成4年までの「国連・障害者の十年」の成果や平成5年の障害者基本法の成立などを受け、このたび新たに、障害のある人々の福祉を図る総合的な計画を策定することとしました。
近年の社会経済情勢の変化や障害の重度化、重複化及び障害のある人の高齢化が進行している情勢を踏まえ、障害のある人々の自立と社会参加を一層促進する観点から、各種の課題をあげて、今後の取り組みを図る必要があります。
本計画の策定に当たっては、県内の身体・知的障害者の約1割に当たる4,000人を対象とする障害者福祉アンケート調査と通院中の精神障害者600人を対象とする社会参加ニーズ調査を実施したほか、障害のある人の代表の方々や学識経験者等からなる県障害者施策推進協議会委員及び同専門委員のご意見、ご提言等を参考にいたしました。
本計画の遂行により、障害者福祉の一層の増進と障害のある人自身の自立と社会参加の促進を図ってまいりたいと考えています。
2 計画の基本理念
この計画は、障害のある人もない人も共に社会、経済、文化等の幅広い分野にわたって活動することが本来のあり方であるというノーマライゼーションの理念と障害のある人のライフステージのすべての段階において全人間的復権を目指すリハビリテーションの理念に基づき、各種の施策の展開を図ります。
ノーマライゼーションの理念
障害のある人を特別視するのでなく、一般社会の中で普通の生活が送れるような条件を整えるべきであり、共に生きる社会こそがノーマルな社会であるという考え
リハビリテーションの理念
障害のある人の身体的、精神的、社会的な適応能力回復のための技術的訓練プログラムにとどまらず、障害のある人のライフステージのすべての段階において全人間的復権に寄与し、障害のある人の自立と参加を目指す障害者施策の理念
3 計画の基本目標
そのためには、障害のある人自身の意識の向上と相まって、社会一般の人々に対し、障害のある人に対する理解の促進と「ともに生きる」気持ちの普及を図ります。
4 計画の期間
この計画の期間は、平成8年度から平成17年度まで(1996年度〜2005年度)の10年間とします。
ただし、障害のある人のニーズや社会情勢の変化に対応するため、必要に応じて点検・見直しを行います。
5 障害者の概念
この計画における障害者又は障害のある人とは、障害者基本法に規定する「身体障害、精神薄弱又は精神障害があるため、長期にわたり日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける人」をいいます。
6 計画の推進体制
このため、国に対しては必要な行財政上の措置を要望するとともに、市町村や民間に対しては、県の方向を明示し、協調して施策の推進を図っていくこととします。
7 計画の施策体系
〔部門〕 中項目
〔重点施策〕 小項目
〔施策の基本項目〕
2 情報手段の充実(アクセス・機会均等の確保)
2 学校教育の充実
3 教職員の指導力の向上
2 人権擁護・相談体制の充実
3 地域交流の充実
2 福祉的就労の充実
2 療育・相談体制の充実
3 痴呆性老人の相談体制の充実
2 医学的リハビリテーションの充実
2 生活安定施策の充実
3 福祉機器の研究開発・普及
2 施設機能の充実
2 移動・交通・安全対策の推進
3 道路・公園等の整備
4 福祉のまちづくり推進体制の整備
5 障害者ニーズに対応した住宅環境の整備
2 生涯スポーツやレクリエーションの振興
第2章 障害者施策の推移
「完全参加と平等」をテーマとした昭和56年の「国際障害者年」及びその後の昭和58年から平成4年までの「国連・障害者の十年」を通して、障害者福祉についての諸施策の着実な進展が図られてきました。
国においては、身体障害者福祉法をはじめ障害者関係諸法の改正により、逐次施策が進められています。特に、平成5年11月、障害者の自立と社会参加の一層の促進を図るため「心身障害者対策基本法」が改正され、「障害者基本法」が成立しました。障害者基本法により、国、県、市町村あげて障害者計画を策定することとされており、計画の策定及び実行により、障害者福祉施策の一層の充実を図ることとなっています。
本県においても、障害者福祉施設の整備をはじめ、障害者医療費の助成の拡充、スポーツ大会・文化祭の開催などにより、諸施策を推進しています。
今後、本障害者計画を基本として障害のある人々のニーズを反映した施策を展開していくこととしています。
国際障害者年(昭和56年)以降の国、県の主な施策
| 年度 | 項目 | 内容 |
|---|---|---|
| 昭和56年度 | 石川県障害者保養センター六翠苑の開設 | ・昭和56年8月16日設置、定員60人 ・所在地 七尾市和倉町 |
| 昭和57年度 | 石川県障害者対策長期計画の策定 | ・昭和57年11月策定 |
| 昭和59年度 | 身体障害者福祉法の改正 | ・「完全参加と平等」の理念の盛込み ・障害者の範囲の拡大(膀胱、直腸機能) |
| 石川県立アカシヤの里の開設 | ・精神薄弱者更生施設、定員 入所50人、昭和59年8月1日設置 | |
| 昭和61年度 | 国民年金法等の改正 | ・障害基礎年金制度の創設 ・年金額の大幅改善 (障害福祉年金1級39,800円→障害基礎年金1級64,875円) |
| 石川県立身体障害者授産所の開設 | ・昭和61年4月1日、定員 入所30人・通所9人 (平成7年度 入所30人・通所20人) |
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| 昭和62年度 | 身体障害者雇用促進法が障害者の雇用の促進等に関する法律に改正 | ・対象範囲が身体障害者のみから精神薄弱者、精神障害者を含むすべての障害者に拡大 ・精神薄弱者についても雇用率制度、納付金制度の対象とされた |
| 精神衛生法が精神保健法に改正 | ・精神障害者社会復帰施設の法定化 ・精神障害者の人権擁護と適正な医療の確保 |
|
| 平成元年度 | 石川県立精育園の移転拡充 | ・精神薄弱者更生施設 平成元年8月 定員 100人→150人 |
| 平成2年度 | 身体障害者福祉法等福祉関係8法の改正 | ・身体障害者関係施設への入所決定事務や更生医療、補装具の交付事務などが町村に移譲(施行 平成5年4月) ・市町村における在宅福祉サービスと施設福祉サービスの一元的な提供体制づくり |
| 平成3年度 | 全国身体障害者スポーツ大会の本県開催 | ・ほほえみの石川大会の開催(平成3年10月26日〜27日) |
| ビデオカセットライブラリー事業の開始 | ・本県の聴覚障害者のための字幕入りビデオカセットライブラリー事業の開始 | |
| 心身障害者小規模授産所への県助成の拡大 | ・県内の心身障害者小規模授産所に対する県助成額の大幅引上げ 1か所当たり平均県助成額 H7年度 H2年度913千円→H3年度1,374千円 2,254千円 |
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| 平成4年度 | 障害者の雇用の促進等に関する法律の改正 | ・精神障害者を助成金の支給対象とする。 ・雇用率制度、納付金制度上、重度精神薄弱者をダブルカウントする。 ・重度障害者である短時間労働者を制度の対象に加える。 |
| ほほえみの石川福祉・文化祭の開催 | ・国連・障害者の10年最終年記念事業として開催 (平成4年10月11日) |
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| 点字情報ネットワーク事業の開始 | ・本県の視覚障害者用点字情報ネットワーク事業の開始 | |
| 平成5年度 | 精神保健法等の一部改正 | ・精神障害者の社会復帰の促進 ・精神障害者の適正な医療及び保護の実施 ・精神障害者であることを絶対的欠格事由としている栄養士、調理師、製菓衛生師等の資格等について、これを相対的欠格事由とした。 |
| 心身障害者対策基本法を障害者基本法に改正 | ・障害者の自立と社会・経済・文化その他あらゆる分野の活動への参加促進を目的とした。 ・法の対象となる障害を身体障害、精神薄弱、精神障害とした ・12月9日を障害者の日とした。 ・政府は障害基本計画を策定するとともに、都道府県、市町村も同様の計画を策定するよう努めるものとした。 ・雇用の促進、公共的施設の利用、情報の利用などについて、国及び地方公共団体が講ずべき施策に関する規定を整備するとともに、事業主に対しても所要の努力義務規定を設けた。 |
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| 第1回石川ゆうあいピックの開催 | ・第1回石川県精神薄弱者スポーツ大会の開催(平成5年5月23日)以降、毎年1回開催している。 | |
| 平成6年度 | 高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律の制定 | ・デパート、ホテル等の不特定多数の人々が利用する建築物の出入口、廊下、階段、便所等を身体障害者等が円滑に利用できるように基準を定め、指導助言を行うこととされた。 施行 平成6年9月28日 |
| 県こころの健康フェスタの開催 | ・こころの健康フェスタ(平成6年11月5日)及びふれあいスポーツ祭(平成6年10月6日)の開催 | |
| 平成7年度 | 県内での精神障害者社会復帰施設の開設 | ・精神障害者援護寮(北陸初) 加賀市内 定員20人 ・精神障害者通所授産施設(県内初) 〃 〃 |
| 精神保健法を精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に改正 | ・精神障害者の社会復帰のための保健福祉施策の充実 (精神障害者保健福祉手帳制度の創設) ・より良い精神医療の確保等 |
第3章 県内の障害者の状況
1 身体障害者の状況
石川県の身体障害者手帳所持者の数は、平成7年3月31日現在で36,365人となっており、昭和61年度から平成6年度までの8年間で5,364人、17.3%増加しています。
身体障害者手帳所持者数の推移 単位:人
この8年間に、身体障害児(18歳未満)は1,396人から731人へと665人、47.6%減少しました。
一方、身体障害者(18歳以上)は29,605人から35,634人へと6,029人、20.4%増加しています。出生率の低下が、身体障害児数にも影響しているものと思われます。
身体障害者手帳所持者数(児・者別)の推移 単位:人
程度別では、重度者(1、2級)の占める割合が年々増加しており、8年間で42.3%から47.2%へと4.9ポイント増加しました。重度者は実人員においても4,048人増加しており、これらのことから、本県においても全国的な傾向と同様に、身体障害者の重度化が進んでいることがうかがえます。
身体障害者手帳所持者数(程度別)の推移 単位:人
(1級、2級) 中度
(3級、4級) 軽度
(5、6級)
昭和61年度からの8年間における身体障害者手帳所持者数の移り変わりを障害種類別にみると、最も多いのは肢体不自由で、その比率は60%と、ほぼ一定の割合を占めています。増加が著しいのは内部障害で、8年間で約2倍と大幅に増加しています。聴覚平衡障害及び視覚障害はわずかながら減少しています。音声言語障害は全体の約1%ですが、人数では8年間で約50%増加しています。
身体障害者手帳所持者数(障害別)の推移 単位:人
2 知的障害者の状況
石川県の療育手帳所持者の数は、平成7年3月31日現在で4,259人となっており、昭和61年度から平成6年度までの8年間で1,147人、36.9%増加しています。
療育手帳所持者数の推移 単位:人
この8年間に、知的障害児(18歳未満)は1,052人から902人へと150人、14.3%減少しました。一方、知的障害者(18歳以上)は2,060人から3,357人へと1,297人、63.0%増加しています。
療育手帳所持者数(児・者別)の推移 単位:人
程度別にみた場合、昭和61年度からの8年間に等級Aの重度者の障害者全体に占める割合が52.9%から48.5%へと4.4ポイント減少しました。実人員では1,646人から2,066人へと420人の増加となっています。
療育手帳所持者数(程度別)の推移 単位:人
3 精神障害者の状況
石川県の入院している精神障害者は、平成7年3月31日現在で3,828人となっており、昭和61年度から平成6年度までの8年間でほとんど増減はみられませんが、措置入院者の数は、129人、76.3%減少しています。
また、通院患者のうち公費負担を受給している者は、平成7年3月31日現在で2,086人となっており、この8年間で696人、50.1%増加しています。
入院患者数 単位:人
(169)
(141)
(98)
(77)
(66)
(58)
(45)
(45)
(40)
( )内は措置入院者数で内数
通院患者公費負担受給者数 単位:人
第4章 施設の現状、課題及び重点目標
(1) 啓発・広報
障害のある人がない人と共に同じように社会で生活していくうえで、最も大切なことは、社会一般の人々が障害のある人に対する理解を深め、偏見をなくして同じように生活する気持ちを持つことです。
障害のある人が暮らしやすい社会であってはじめて、私たちの生活が心やさしい豊かなものとなることを、一人ひとりが自覚し、障害者問題に取り組んでいく必要があります。
すべての人々から「心の壁」を取り除き、ノーマライゼーションの理念の浸透を図るためには、各種広報手段を活用して啓発・広報活動を充実するとともに、幼少期からの福祉教育の充実や障害のある人とのふれあいを促進することが大切です。
A 啓発・広報・コミュニケーションの推進
○しろまる 現状と課題
「障害者の日」(12月9日)、「障害者雇用促進月間」(9月)、「精神保健普及運動週間」(10月下旬)などの機会を利用し、各種の行事等を開催しながら啓発・広報活動を実施しています。
総理府調査(平成4年8月)によれば、「障害者の日」の周知度について84.8%の人が知らないと答えています。また、障害のある人とのふれあい(話をしたり、手助けをしたり)については、48.5%の人がなかったと答えています。
県民に対し、障害のある人に対する理解を深め、共に生きる心をもって障害のある人に接するよう一層の啓発・広報に努める必要があります。
主要事業
○しろまる 重点目標
○しろまる 現状と課題
視・聴覚障害をはじめ障害のある人にとって、コミュニケーションの確保は生活上不可欠のことです。
県としては、点字図書や字幕入りビデオ等の作成、貸出しを行っているほか、点訳、手話奉仕員等の養成を行うなどにより情報手段の確保に努めています。
現在、設置されている点字図書館、点字出版施設及び聴覚障害者ビデオライブラリーについては、施設の狭あい化等から拡充を図る必要があります。
また、高度情報通信システム等新たな情報手段を利用して、障害のある人に利用しやすい情報手段の充実についても配慮する必要があります。
さらに、緊急時における情報手段の確保や重度のコミュニケーション障害のある盲ろう者等に対する支援のあり方について、今後の課題として検討する必要があります。
主要事業 (平成7年12月 現在)
ライブラリー事業 字幕(手話)入りビデオ1,305本
○しろまる 重点目標
B 福祉教育の推進
○しろまる 現状と課題
障害のある人々の問題を身近な問題としてとらえ、障害のある人に対して適切な行動がとれるようにするためには、幼少時からの体験を通した活動が大切です。
日常生活の中で障害のある人とふれあう機会を持つとともに、学校教育においてはボランティア活動をはじめ、継続的な交流教育を推進することによって、障害のある人が抱える問題の理解を深める教育を推進することが必要です。
このため、学校における道徳や特別活動等で福祉教育を積極的に取り上げるとともに、ボランティア活動の普及、特殊教育諸学校との交流などを実施しているところです。
今後は、社会福祉施設訪問等のボランティア活動の機会を拡充するとともに、特殊教育諸学校の児童生徒と一般の学校の児童生徒及び地域社会の人々との交流を、より一層進めるなどして理解啓発を図っていく必要があります。
主要事業
○しろまる 重点目標
一般の幼児児童生徒及び地域社会の人々との交流を促進し、障害児及び特殊教育の正しい理解と認識を図っていくために以下の重点目標を掲げます。
(1) 学校開放による学校見学及び行事等への参観・参加を推進します。
(2) 学校間の交流や地域の人々との交流をさらに拡充し、推進します。
(3) 講演会・冊子・リーフレット等により社会啓発を図ります。
(4) 障害のある子どもの作品展を開催し、理解を図ります。
(5) 点字や手話等の体験を通しての福祉教育の推進を図ります。
(6) 社会福祉施設訪問等のボランティア活動の機会を拡充します。
C ボランティア活動の推進
○しろまる 現状と課題
障害のある人が地域で生き生きと生活するためには、地域の人々とのふれあいやボランティア活動による支援が大切です。
このため、地域の人々が福祉の行事やボランティア活動に気軽に参加する気運を醸成するとともに、ボランティア活動を積極的に支援することが必要です。
県では、点訳奉仕員・手話奉仕員、メンタルヘルス・ボランティア等の養成を行うとともに、市町村ボランティア講座開催への助成や県及び市町村ボランティアセンター事業への助成等を行っています。
今後とも、ボランティア活動に対する理解、参加の促進と活動への支援について積極的に充実を図っていく必要があります。
主要事業
ボランティア講座の開催ほか
・登録、斡旋、相談コーナーの常設
・ボランティア情報誌の発行
・ボランティア入門講座の開催ほか
・ボランティア保険掛金助成ほか
ボランティア保険掛金助成者数の推移
昭和58年度 6,377人
平成元年度 9,898人
平成6年度 15,149人
○しろまる 重点目標
(2) 教育・育成
障害のある子供たちのすべての段階において、一人ひとりの障害の状態等に応じた多様な教育・育成の展開を図ることにより、最も適切な教育・育成の場を確保することが必要です。
そのために必要な諸条件の整備に努めていきます。また、教育・育成施策の推進に当たっては、関係機関が十分に連携し、効果的な実施を図るよう取り組みます。
A 特殊教育の充実
○しろまる 現状と課題
盲・ろう・養護学校及び特殊学級や教育センターで教育相談を随時行っています。また、就学前教育の場としては、ろう学校に幼稚部を設置しています。視覚や聴覚に障害のある幼児が障害の克服・改善のための指導や養育上の相談を受けられるよう盲学校とろう学校で教育相談サービスを行っています。
しかし、まだこのような相談・指導の場があることを知らずに、早期教育を受ける機会を逸したまま就学年齢を迎える事例もあることから、一層の周知を図ります。さらに、医療・福祉・教育の各関係機関がそれぞれに早期療育に取り組んでいます。
主要事業
・県立盲学校、県立ろう学校 担当者各3人
・障害児3人以上就園の幼稚園対象
定員 親子50組
○しろまる 重点目標
対象を障害児3人以上就園幼稚園から障害児就園全幼稚園とします。
○しろまる 現状と課題
障害のある児童、生徒に対して、障害の状態や発達段階、特性等に応じて、通常の学級で配慮しながら、あるいは通級指導教室又は特殊学級並びに盲学校、ろう学校及び養護学校で教育が行われています。これらの教育の場では、適切な教育環境を整え、児童生徒の可能性を最大限に伸ばし、可能な限り積極的に社会参加、自立する人間に育てるために教育内容、方法の改善を図っています。
義務教育の段階において一人ひとりの障害の特性等に応じた多様な教育の展開をすることが大切であり、その実現に当たっての諸条件の整備等を図ることが課題です。
また、後期中等教育段階においては、能力・適性や障害の状態等に応じて多様な進路が用意されることが必要です。特に、特殊教育自学校高等部においては、職業教育・進路指導の充実が重要な課題となっています。
○しろまる 重点目標
さらに、障害児巡回就学相談等の就学相談事業の充実を図ります。
特殊学級等の空白市町村の解消を図ると同時に、小・中学校特殊学級等の指導の一貫性を確立します。
また、福祉・労働等関係機関及び各企業等との連携の強化により進路指導の充実を図るとともに、アフターケアシステムを確立します。
また、障害等の状態に応じて、訪問教育の実施等適切な教育措置を講じます。
3 教職員の指導力の向上
○しろまる 現状と課題
県教育委員会学校指導課や県教育センターでは、各種講習会や研修会を実施し、現職研修を行っています。また、国立特殊総合研究所や大学、県教育センターへの派遣研修(内地留学)を実施し、教職員の資質の向上を図っています。
障害が重度化・多様化する中で指導の専門性に基づく一人ひとりの障害の程度に応じた指導計画を作成し、実践できる教職員の育成が課題となっています。また、新しく特殊教育を担当する者も多く、基礎的な研修が重要です。
学校指導課等主管主要事業
県教育センター主管主要事業
○しろまる 重点目標
また、派遣研修(長期、短期)の充実を図ります。
B 生涯学習の推進
○しろまる 現状と課題
障害のある人の社会参加活動や自立への意欲を促進するため、障害のある人の生涯学習を支援するとともに、地域において実施される学習講座に、障害のある人も気軽に参加できるような環境・雰囲気づくりに努める必要があります。
このため、県では県民大学校等の講座内容を充実するとともに、学習しやすい環境の整備に努めることとしています。
本県の身体障害者福祉アンケート調査(平成7年6月実施)によると、現在行っている又は、今後行いたい社会参加活動として趣味・教養講座が46%を占めており、学習活動に対するニーズが高いことが伺われます。
主要事業
する人の講座の拡充 県民大学校等で障害のある人が気軽に参加できる講座や支援する講座の開設
入場料金の障害者割引 美術館、博物館等の利用料金の軽減
(無料又は一部負担)
○しろまる 重点目標
○しろまる 現状と課題
障害のある人が日常生活上抱えている問題について、いつでも気軽に相談できたり、福祉制度や生活に関するいろいろな情報を入手できる相談体制や情報提供の充実が必要です。
現在、身体障害者相談員、精神薄弱者相談員等の活動や福祉総合相談所等の行政機関において、様々な相談業務が行われていますが、各相談機関が連携をとり、相談体制の一層の充実を図っていく必要があります。
在宅精神障害者については、保健所及び精神保健福祉センターが相談・指導・援助を行っていますが、相談指導体制の強化、充実が必要です。
主要事業
精神薄弱者相談員等の設置 身体障害者相談員130人、精神薄弱者相談員50人、精神保健福祉相談員40人の設置
ための施設指導監査 施設の指導監査による入所者の人権擁護についての指導
○しろまる 重点目標
また、相談員の専門性や資質の向上を図ります。
○しろまる 現状と課題
障害のある人に対する偏見や差別は、障害のある人に対する正しい理解の欠如からきています。
障害や障害のある人を正しく理解し、認識するためには、積極的に障害のある人々との交流、ふれあいを深めることが重要です。
本県の障害者福祉アンケート調査(平成7年6月実施)によると、障害のある人が、今後特に望むこととして「社会が障害者に理解と関心をもってほしい」が、身体障害者の場合全体の36%、知的障害者の場合50%となっており極めて多くを占めています。いかに障害のある人が社会一般に障害者に正しい理解と関心をもってもらいたいと思っているかが伺われます。
主要事業
ふれあいコンサート事業 施設入所者、地域住民を対象にオーケストラ・アンサンブル金沢による演奏会を開催し、入所者と地域住民がふれあい相互理解を深める。
地域推進事業 特殊教育諸学校の児童生徒と地域社会の人々との交流活動を通して障害児の経験を広め、社会性を養うとともに、障害児及び特殊教育に対する社会一般の理解と認識を深める。
講演、実践発表、体験コーナー、展示コーナー、盲人野球、障害者授産所販売コーナー等
講演、パネル展示、ビデオ上映、小規模作業所の作品の展示販売等
○しろまる 重点目標
地域交流スペースを設ける施設の増加を図ります。
(3) 雇用・就業
障害のある人がその適性と能力に応じて可能な限り就労の場につくことは、生きがいを持ち、自立した生活をおくるうえで極めて大切なことです。
障害のある人の一般雇用に向けて各種の援助措置が行われていますが、さらに雇用主等の理解も得て雇用の促進を図る必要があります。また、障害の程度に応じ福祉的就労等多様な就労の場の確保や就労を容易にする就労環境の整備についても推進していく必要があります。
A 雇用の促進
○しろまる 現状と課題
就業している障害のある人の数は年々少しずつ増加しています。また、県内の民間企業における実雇用率は1.67%(平成7年6月現在)となっており、法定雇用率(1.6%)を上回っています。
しかしながら、まだ約40%の企業が未達成であり、しかも企業規模が大きくなるほど未達成企業の割合が多くなっています。
また、本県の障害者福祉アンケート調査(平成7年6月実施)によると、障害者の雇用が厳しい状況にあるとする意見もあり、障害者の雇用拡大に向けて企業の一層の理解と協力が得られるよう働きかけていく必要があります。
公共職業安定所経由による障害者の就職状況 (単位:人)
年度
身体障害者 精神薄弱者等申込件数 うち重度
障害者 就職件数 うち重度
障害者 新規求職
申込件数 就職件数
主要事業
職場の確保 障害のある人のニーズに合った求人開拓、求人条件の緩和及び情報の提供
特定求職者雇用開発助成金等の国の助成制度と石川県障害者職場実習等の県単独助成制度の併用等
制度の適正な運用 雇用率未達成企業の幹部を対象とした直接指導の実施
による啓発活動の実施 障害者雇用優良事業所及び優良勤労障害者を表彰する等、県民、事業主に対して障害者雇用促進を強くアピールすることを目的とした障害者雇用促進大会の開催等
○しろまる 重点目標
○しろまる 現状と課題
一般企業での就労が困難な障害のある人に対して、働く場を提供するため、授産施設※(注記)、福祉工場、小規模事業所が設置されています。
また、就労を援助するため障害のある人が共同生活をするグループホーム等も設置されています。
障害の重度化、重複化により一般企業で雇用されることが困難な人が増えており、授産所の増設や分場方式の導入、リハビリテーションとデイサービス機能との複合施設の設置などを推進する必要があります。
また、授産製品の開発、販路の拡大についても充実を図っていきます。
福祉的就労関係施設 (平成7年12月現在)
利用50人、計1,333人
主要事業
○しろまる 重点目標
B 職業能力の開発
○しろまる 現状と課題
職業リハビリテーションの目的は、適当な就業の場を得、かつそれを継続することができるようにすることにあります。障害のある人にとって、個々の能力や障害の程度に応じた職業的自立を図るために職業能力開発の機会が確保されることが大切です。
このため、県内には石川障害者職業能力開発校、石川障害者職業センター、石川ワークトレーニング社が設けられており、職業安定所との連携により、職業能力の開発や職業指導等が行われています。
また、回復途上にある精神障害者の病気の再発予防と社会自立を促進し社会復帰を図るための社会適応訓練(職親制度)を事業所に委託しています。
石川障害者職業能力開発校での職業能力開発
新規学卒者、離転職者等に対する職業訓練
科名 訓練課程 訓練期間 定員
(人) 入校状況(人)
※(注記)訓練の対象 専修=中卒、普通=高卒、短期=主として離転職者
○しろまる 重点目標
障害者雇用の流れ図(現状)
―――
求職
者 ――――――入校――――――― ―+
||・職務評価の実施
||・職業準備訓練の実施 |
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| ↑
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・職業紹介の実施
・職業指導の実施
(雇用情報の提供等)
・適応訓練、職場実習等のあっせん
・職場定着指導の実施(就職後) |
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||
↓| ・職務評価の実施依頼
・精神薄弱者判定依頼
・職業準備訓練
(石川ワークトレーニング社)の受講希望者の連絡 相
談 |
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↓ |
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↓
障害者職業
川
障
害
者
職
業
セ
ン
タ
ー ←―――――――――― ――― 公
共
職
業
安
定
所 ――――――――――――――→ 能
力
開
発
校
| 求人申込・
相談・ ↑
|
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| ・求職者情報の提供 |
|
|・職業リハビリテーション計画の策定
|・職場適応指導等の連携
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↓ ・求人開拓
・求人条件の緩和
・各種助成金の周知
・雇用に関しての助言・指導 情
報
交|換
↓  +
+――――
――――――――――
―――→ 事
業
主 ―――――――相談――――――→ 石
川
県
障
害
者
雇
用
促
進
協
会
等の改善などの相談 ・障害者雇用の情報・資料の提供
・事業所巡回相談・指導の実施
・セミナー、講習会の開催
・身体障害者雇用納付金制度等による
雇用の促進、安定
・各種助成金の相談
(4) 保健・医療
障害のある人のための保健・医療の充実は、障害の軽減を図り、自立を促進するとともに障害の早期発見、早期治療や予防などの面で不可欠の重要な課題です。
また、脳血管疾患や心臓疾患などの慢性疾患の増加や高齢化の進展を背景として、リハビリテーション医療の重要性も一層増してきています。
障害の発生予防からリハビリテーション医療に至る幅広い取り組みを充実するため、福祉との緊密な連携による保健、医療施策の総合的な展開を図る必要があります。
A 障害の予防
○しろまる 現状と課題
乳児の主要死因の1位、2位は「先天異常によるもの」、「出産時外傷、低酸素症分娩仮死及びその他の呼吸器病態」によるものです。
このため、県では、健やか出産病診連携事業を実施し、ハイリスク妊婦に対し高度医療を実施することにより、障害の予防に努めています。
老後の障害発生を予防するため、壮年期からの疾病予防及び健康管理が大切です。また、在宅でもリハビリテーションや療養上の指導を受けられるようにすることが必要です。
このため、老人保健法に基づき、40歳以上の住民(主として自営業者や家庭の主婦)を対象に、健康教育、健康相談、健康診査、機能訓練等の保健事業を推進しています。
石川県乳児主要死因
分娩仮死及びその他の
呼吸器病態
16人(30.8%) 先天異常
19人(34.6%) 先天異常
19人(29.7%)
14人(26.9%) 出産時外傷、低酸素症
分娩仮死及びその他の
呼吸器病態
12人(21.8%) 出産時外傷、低酸素症
分娩仮死及びその他の
呼吸器病態
11人(17.2%)
主要事業
病診連携事業 ハイリスク妊婦をより高度な医療のできる施設へ事前紹介し、母子ともに安全で上記の乳児主要死因の一つである「出産時外傷、低酸素症分娩仮死及びその他の呼吸器病態」の危険を予測した医療を実施することにより、障害を予防する。
「骨粗しょう症」を予防するための骨密度測定を行う市町村に助成
・脳卒中情報システム運営事業
ねたきりになる可能性の高い脳卒中患者の情報を迅速に把握し、退院後個々の患者に適切な医療・保健・福祉の在宅諸サービスを提供
・機能訓練対策推進事業
脳卒中後遺症者が、地域においてリハビリテーションを続け、肢体不自由及び言語障害を克服すること並びに脳卒中予防に対する啓蒙普及を図る。
○しろまる 重点目標
(平成6年9月現在 8か所)
基本健康審査受診率 41.0%、 健康相談 7,358回、 健康教育 3,581回、
機能訓練 週2回、 訪問指導 41,218回
B 障害の早期発見と療育体制の整備
○しろまる 現状と課題
障害児施策の基本である障害の予ブや早期発見のために、妊婦・乳児健康診査、3歳児健康診査及び新生児を対象としたマススクリーニング検査等の母子保健施策を行っています。
健康診査件数 (単位:人)
対策事業 B型肝炎 7,433 7,288
主要事業
(1) B型肝炎母子感染防止事業
(2) 先天性代謝異常等早期発見対策事業
(3) 神経芽細胞腫早期発見対策事業
(1) 妊婦及び乳児の肝臓疾患の未然防止を図るために医療機関に委託して行う妊婦のB型肝炎ウィルス保有検査
(2) フェニールケトン尿症等の先天性代謝異常等の早期発見のため、新生児について行う血液検査によるスクリーニング検査
(3) 神経芽細胞腫の早期発見のため、生後6ヵ月の乳児に行う尿によるスクリーニング検査
○しろまる 重点目標
○しろまる 現状と課題
県内に、障害児の療育のための施設や相談のための施設が30か所配置されています。
障害児福祉施設においては、児童の障害の内容やその程度に応じた指導や治療を行っています。
親子通所センターでは、言語発達遅滞、精神発達遅滞及び脳性マヒ児等を対象に専門的な通所指導を行っています。
児童相談所では、療育相談を実施するとともに、心身障害児の小集団指導や親子合宿を行っています。
また、保健所において乳幼児の精神発達相談事業や身体障害児の早期発見、早期治療のための相談指導事業を行っています。
課題としては、早期発見の後をフォローする相談、療育のネットワークづくりや能登地区における施設配置があげられます。
県内の障害児の施設及び相談機関〔平成7年度〕(単位:ヵ所/人)
(注)能登...羽咋郡以北、石川中央...金沢市・松任市・河北郡・石川郡、
南加賀...能美郡以南
○しろまる 重点目標
母子保健事業の施策〔平成7年度〕
施
主
体 思
〜春〜
期 結
〜婚〜
妊
〜娠〜
出
〜産〜
1
〜歳〜
3
〜歳〜
就
〜学〜
町
村 ・妊娠届出受理
・母子健康手帳交付
・点字母子健康手帳交付
・健やかな家庭のための地域活動等支援事業
(地域活動事業、母子栄養管理事業)
・乳幼児の育成指導事業(乳幼児健全発達支援相談指導事業)
・育児に悩む家庭への支援事業
(出産前小児保健指導事業、産後ケア事業)
・思春期の児童を健全に育成するための事業
(思春期における保健・福祉体験学習事業+健全母性育成事業)
・その他の児童の健全な育成等に資するための事業
(市町村母子保健充実強化特別事業)
母子保健相談指導事業
・1歳6月児健康審査
健
所 ←優生保護相談→ ・低体重児届
・未熟児訪問指導
・乳児健康診査
・先天性代謝異常等検査
・神経芽細胞腫検査 ・3歳児健康診査
←―――――妊産婦・新生児訪問指導―――――→
健
康
推
進
課 ←未熟児養育医療給付→
(18歳未満・一部20歳未満)
・パパの育児手帳の交付
○しろまる 現状と課題
痴呆をはじめとする老人精神障害者のためには、保健所で「老人精神相談窓口」を設置し相談指導を行っているほか、市町村や福祉施設と連携し、痴呆性老人とその家族の方々に、訪問指導、訪問診査及び通所療養指導等を行っています。
さらに、救急機能を備えた老人性痴呆疾患センターが3カ所設置され、専門医療相談、鑑別診断、治療方針の選定等を行っています。
課題としては、能登北部医療圏での老人性疾呆疾患センターの設置が必要とされています。
老人性痴呆疾患センターの相談件数 (単位:件)
○しろまる 重点目標
C 医療・リハビリテーションの充実
○しろまる 現状と課題
医学の進歩や医療機器等の開発により、障害のある人に対する医療やリハビリテーションが充実されてきています。
しかし、一方で障害の重複化や障害のある人の高齢化に伴い、障害に応じたきめ細かな医療の提供が求められており、障害のある人が安心して適切な医療サービスが受けられるよう医療施設の充実や在宅医療等を推進していく必要があります。
主要事業
巡回臨床実習教育事業 歯科衛生士の教育の一環として、障害児(者)施設に巡回臨床実習を行い,障害のある人に対する歯科診療の充実
○しろまる 重点目標
障害のある人やねたきりの老人が自宅で安心して医療を受けられるよう訪問診療やかかりつけ医を推進します。
腎臓移植等の一層の推進を図るため、啓発活動やコーディネーターを通じ、ドナーの確保に努めます。
人工透析を受けている高齢者等の医療の確保や、災害時にも対応できる体制づくりについて検討します。
老人性痴呆疾患治療病棟及び老人性痴呆疾患療養病棟の整備に努めます。
精神科救急医療システムの整備を図ります。
医療機関に精神科外来開設の推進に努めます。
○しろまる 現状と課題
医学的リハビリテーションは障害の原因となる病気を治療するとともに、障害を軽減するなど障害のある人の自立を促進するうえで重要な役割を果たしています。
従来は、交通事故などによる肢体に障害のある人がリハビリテーション医療の中心でしたが、高齢化とともに脳卒中の増加等疾病構造の変化により、その需要は増大してきています。この傾向は、今後ますます強くなると思われ、障害に応じて一貫性を持った総合的リハビリテーションの提供体制を確立する必要があります。
主要事業
リハビリテーション協議会の活動 障害のある人の更生援護を担当する各機関の連携による一貫したリハビリテーション活動の推進
○しろまる 重点目標
これからの地域保健医療体制の中で、リハビリテーションの中枢機能のあり方を検討のうえ、地域におけるリハビリテーションシステムの確立を推進します。
全県的なリハビリテーション体制を充実強化するため、能登、加賀地区に地域リハビリテーションセンター機能を整備します。
理学療法士、作業療法士、言語療法士等リハビリテーション医療従事者の確保と研修システムの充実を図ります。
また、県におけるリハビリテーション工学の専門家の充実を図ります。
D 障害者の健康づくり
○しろまる 現状と課題
障害のある人の健康管理のために、老人保健法に基づく40歳以上対象の健康診査、健康相談、健康教育を実施しているほか、在宅のねたきり者及びこれに準ずる者に対し、必要に応じ医師及び看護婦を派遣する訪問基本健康診査を行っています。
また、保健所の訪問指導、生活指導教室等の事業を通じて、在宅精神障害者の健康管理や健康づくりを行っています。
今後は、40歳未満の障害者の健康管理体制の確立や在宅精神障害者の健康づくりの促進を図ることが必要です。
○しろまる 重点目標
(5) 福祉
平成5年11月に成立した障害者基本法の基本理念として、「障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会を与えられるものとする」がうたわれ、ノーマライゼーション社会の実現に向けて各種の施策の推進が図られることとなりました。
障害のある人の暮らしを守る福祉の分野においても、在宅福祉、施設福祉及び人材の育成の各面にわたり、障害のある人が安定した生活のもとに自立して社会参加活動に加われるよう、施策の充実を図る必要があります。
A 在宅福祉
○しろまる 現状と課題
ノーマライゼーションの理念を推進するうえにおいて、在宅福祉の施策は極めて重要です。
ホームヘルパー、デイサービス、ショートステイの在宅福祉の3本柱をはじめ、各種の施策の実施により、障害のある人が地域において自立して生活できるよう図っています。障害のある人が、住み慣れた地域で安心して、生きがいをもって生活できるようにすることが肝要であり、そのための環境の整備として、在宅福祉施策の一層の充実が必要です。
主要事業
平成6年度 延べ 231日
心身障害児(者)短期入所事業
平成6年度 延べ 275日
平成6年度 4,290件
浴槽、湯沸器、便器、手すり、特殊マット、電動タイプライター等
平成6年度 10,639件
対象 身体障害者手帳 1級、2級
療育手帳 A、 BI
自動車改造経費の助成 平成6年度 16件
平成6年度 26,777件
○しろまる 重点目標
(ガイドヘルパーを含む) 平成7年度 計画
・既存施設の設備面、職員体制面の整備
・施設の新規建設に際し、受入体制の整備
○しろまる 現状と課題
障害のある人が、安定した生活をおくるためには、生活の基盤となる所得の保障が基本となります。その主な内容は年金、手当であり、逐次充実が図られています。
また、障害のある人に必要な資金を低利で貨し付ける「生活福祉資金貸付制度」、保護者の相互扶助制度である「心身障害者扶養共済制度」、さらに税の減免及び鉄道やバス運賃の割引制度等は生活の安定に寄与しています。
なお、平成7年10月から精神障害者保健福祉手帳が交付されているので、この手帳の交付を受けた人にも、他の障害者手帳の交付を受けている人と同様の優遇制度が適用されることが望ましい。
今後、これらの生活安定のための制度の充実をさらに進めていくとともに、各種制度の周知徹底を図る必要があります。
主要事業
受給者数
扶養手当
扶養共済制度
年金受給者
377人
貸付制度
19人
○しろまる 重点目標
○しろまる 現状と課題
補装具、日常生活用具等の福祉機器は、障害のある人の自立のために必要不可欠なものであるほか、就労や社会参加活動等を行う上でも大きな役割を果たしています。
県では、平成6年10月に開設された石川県リハビリテーションセンターにおいて、リハビリテーションにおける自立支援機器の研究、開発とその普及に努めています。
今後は、障害のある人や介護者のニーズに対応した福祉機器の開発、福祉機器に関する関係機関との連携及び情報提供等に力を入れるとともに、本文中の「VI生活環境、Aやさしいまちづくりの推進、5障害者ニーズに対応した住宅環境の整備」と併せて自立支援を図る必要があります。
主要事業
製作研修事業 県リハビリテーションセンターにおいて、施設職員、保健婦、介護者等を対象に自助具の製作研修を行う。
1回20人で年4回開催
福祉機器相談等事業 県身体障害者団体連合会において、身体障害者やその家族に対し、福祉機器の利用に関する相談に応ずるとともに、助言や情報提供を行。また、福祉機器等を展示する障害者のための生活福祉展を開催する。
○しろまる 重点目標
リハビリテーションセンターに「バリアフリー推進工房」を設け、工業試験場との共同研究により、臨床事例を踏まえた工学的な面から適切な福祉機器の研究、開発を推進します。
福祉機器の常設展示や相談指導、情報提供等を一元的に行う部門の設置を図り、普及を促進します。
身体障害者更生相談所、リハビリテーションセンター、工業試験場、保健所、福祉事務所、市町村、県身体障害者団体連合会等の関係機関、団体の連携を図るとともに、研究会を開催する等により障害のある人のニーズに応じた、より利便性の高い福祉機器の研究、開発を進めます。
B 施設福祉
○しろまる 現状と課題 平成7年12月現在
体
障
害
者
施
設
身体障害者療護施設 2ヵ所 230人 100%
身
障
害
児
・
精
神
薄
弱
者
施
設
精神薄弱児通園施設 2 80 59
神
障
害
者
施
設
精神障害者援護寮 1 20 30
障害者福祉センター等
身体障害者更生援護施設においては、療護施設、通所授産施設のニーズが高く、病院、在宅での潜在待機者が多い状況にあります。
心身障害児・精神薄弱者施設においては、少子化、高齢化の影響を受け、児童施設の定員割れ、成人施設の不足となって現れています。ただし、重症心身障害児施設は、重度重複障害者の受入れ施設としてニーズが高い状況にあります。
知的障害者は、施設に依存する割合が高く、本県の知的障害者福祉アンケート調査(平成7年6月実施)によると、施設への入・通所希望者は全体の32%と極めて多くなっています。児童施設から大人の施設への転換を含めて、不足する精神薄弱者施設の増設が必要です。
精神障害者施設についても、絶対量が不足しているため、増設が必要です。入院中の精神障害者のうち約20%は、条件が整えば退院が可能であるといわれている状況にあります。
身体・知的障害者施設の整備については、平成6年12月に石川県障害者施設整備計画検討委員会において、「今後10年間にわたる中長期の施設整備のあり方」が提言されました。今後、この提言にのっとり施設整備を進めることとしています。
○しろまる 重点目標
石川県の障害者福祉施設等の現状と
今後の整備目標(平成7年度定員)→【10年後】
分
生活施設 更生・訓練・治療・療育施設 作業施設
体
障
害
者
(1ヵ所 50人)
(2ヵ所 80人)
(1ヵ所 96人)
(4ヵ所 67人)→【130人】
(1ヵ所 50人)
神
薄
弱
児
・
身
体
障
害
児
→【92人】 (2ヵ所 59人)
→【75人】 心身障害児通園事業
→【160人】 重症心身障害児病棟
(3ヵ所 160人)
(1ヵ所 60人)
神
薄
弱
者
(8ヵ所 760人)※(注記)1
(2ヵ所 60人)※(注記)2
(11ヵ所 910人)→【1,130人】
(29ヵ所 576人)→【714人】
(3ヵ所 150人)※(注記)1
(12ヵ所 384人)※(注記)2
(15ヵ所 132人)※(注記)2
神
障
害
者
(1ヵ所 20人)
→【4ヵ所 80人】 精神障害者生活支援センター
(社会復帰施設に併設)
(8ヵ所)
(1ヵ所20人)→【4ヵ所80人】
(13ヵ所239人)→【2ヵ所300人】
(0ヵ所)→【1ヵ所30人】
分 地域利用施設 福祉ホーム・グループホーム ホームヘルプ デイサービス ショートスティ
体
障
害
者
(A型1ヵ所、B型2ヵ所)
(各1ヵ所)→【統合拡充】
【1ヵ所を新設】
(0ヵ所)→【10人程度】
(含ガイドヘルパー)
利用人員
利用人員
神
薄
弱
児
・
身
体
障
害
児
利用人員
利用人員
神
薄
弱
者
(1ヵ所12人)
(9ヵ所38人)→【32ヵ所程度130人】
(1ヵ所 25人)
(2ヵ所 7人)
神
障
害
者
(0ヵ所)→【4ヵ所80人】
(4ヵ所39人)→【25ヵ所程度150人】
○しろまる 現状と課題
各障害者施設において、ショートスティ事業、デイサービス事業、グループホーム事業等を実施し、施設機能の地域還元に努めています。
また、石川県障害者施設整備計画検討報告書(平成6年12月)において、障害者施設機能のあり方として「利用者本位の対応、重度化・高齢化への対応、施設機能の地域還元、プライバシーの尊重、生活環境の向上及び職員の資質向上への取り組みが大切である。」としています。
主要事業
療育相談等事業 施設職員が相談に応じる。
平成6年度 外来相談 737件
巡回相談 220件
グループホームの運営 知的障害者が共同で、地域で生活するもの
平成7年度 7施設で9グループホームを運営
○しろまる 重点目標
C 人材の育成
○しろまる 現状と課題
福祉サービスは人を介して提供されるものであり、福祉事業に従事する職員が、障害のある人の身に立って、心が温まり、かつ質の高いサービスを提供できるよう常に資質の向上に努める必要があります。
さらに、魅力ある職場づくりなど障害者福祉施設における人材の確保・育成について、総合的に推進していくことが重要です。
また、施設職員に限らず、障害者福祉事業にかかわる専門の人々の資質の向上、人材の確保を図るとともに、地域による格差のないようにする必要があります。
主要事業
参加者 精神薄弱者関係施設の職員約600人
委託先 石川県愛護協会
精神障害者社会復帰施設等 援護寮、通所授産施設等職員研修
参加者 約30人
参加者 児童相談所職員、施設職員約100人
における研修 経験の浅い理学療法士、作業療法士や施設職員、保健婦等を対象とするリハビリテーションに関する研修
参加者 約560人
○しろまる 重点目標
(6) 生活環境
障害のある人が自立して生活し、積極的に社会参加していくうえで、公共建築物、道路、交通機関等の生活環境を利用しやすいように改善することが必要です。
また、防災対策の充実も図り、障害のある人はもとより、県民すべてにとって安全で暮らしやすいまちづくりに取り組む必要があります。
A やさしいまちづくりの推進
○しろまる 現状と課題
県では、平成3年度から身体障害者や高齢者の利用頻度の高い公立施設を対象に、障害者用トイレ※(注記)、スロープ、手すり、エレベーター等を整備するやさしいまちづくり整備事業を実施しています。
また、平成6年に「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律(ハートビル法)」が制定され、デパート、ホテル等の不特定多数の人々が利用する建築物について、整備基準に基づき、建築主に指導・助言を行っています。
今後は、ハートビル法及び同法に基づく整備基準の趣旨や内容を建築主、建築士及び住民に周知するとともに、理解と協力を得るように努める必要があります。
主要事業
身体障害者等の社会参加を促進する。
事業主体 県、市町村
実施年度 平成3年度〜11年度
建築主等への指導、助言 ハートビル法に基づく基礎的基準(障壁を除去する水準)、誘導的基準(社会全体で目指すべき水準)に基づき、相談・指導・助言を行っている。
○しろまる 重点目標
○しろまる 現状と課題
視覚障害者や車椅子利用者等障害のある人にとって自由かつ安全に外出し、街中へ出かけることができるようにすることは、今後の重要な課題です。
そのため、交通機関、交通ターミナルの改善や交通信号機の改善をはじめ、ガイドヘルパーの設置や盲導犬の育成事業等に取り組んでいます。
本県の障害者福祉アンケート調査(平成7年6月実施)によると、駅で困る点として、出入口の段差・幅、エレベーター・エスカレーターの不備等があげられています。また、バスではステップの高いことに困っていることがあげられています。
障害のある人のニーズに応えるため、交通事業者等関係機関において、計画的に整備を進める必要があります。
主要事業
整備費等補助金 リフトつきバス等の整備について助成している。
補助率 国1/5、地方公共団体1/5
ガイドヘルパー数 87人(平成7年9月現在)
毎年度 2〜3頭給付
交通信号機の整備 交通弱者の道路横断の安全を確保するため、視覚障害者用付加装置信号機及び弱者感応信号機(ゆとり横断信号機)を整備する。
○しろまる 重点目標
○しろまる 現状と課題
障害のある人が、安全かつ自由に通行できるように歩道の段差解消、車椅子利用者がすれちがえる幅員3m以上の幅の広い歩道の整備、歩行者の障害となる電柱を除去するため電線類の地中化等を進めています。
また、快適な生活をおくるため、障害のある人や高齢者が利用しやすい公園、レクリエーション施設等の整備にも取り組んでいます。
本県の身体障害者福祉アンケート調査(平成7年6月実施)によると、道路で困る点として、段差が最も多く、次いで歩道の幅となっており、両者合わせて約40%を占めています。
今後とも道路のバリアフリー化に向けて、力を入れていく必要があります。また、障害者用駐車スペース(幅3.5m以上)の整備も進める必要があります。
主要事業
雪みち環境アップ事業 点字ブロックの設置、歩道の段差解消、歩道の無散水融雪などの整備
ゆとりある歩道整備事業 幅員3m以上の幅広歩道の整備(平成7年4月現在)
道路拡幅、幅員の広い歩道の設置、電線類の地中化
・美知(道)の駅の整備
障害者用トイレ、障害者用駐車スペースの整備
○しろまる 重点目標
・公園緑地においては、お年寄りから子供まで誰もが利用しやすい空間の整備等
○しろまる 現状と課題
現在、県及び各市町村において、障害のある人や高齢者にやさしいまちづくり事業を実施し、障害のある人が利用しやすい公共施設、歩道、障害者用トイレの整備等に取り組んでいます。
しかしながら、建築物、道路、交通ターミナル等において障害のある人が、利用するうえで物理的障壁が数多く存在している状況にあります。
今後は、公共施設の一部の整備改善にとどまらず、障害のある人の立場に立った面的なひろがりをもつ整備をめざして、総合的な推進体制を構築する必要があります。
○しろまる 重点目標
また、検討委員会には、障害のある人の参加も図ります。
○しろまる 現状と課題
住宅は、障害のある人が地域で自立した生活を営む基盤であり、生涯を通じ安定したゆとりある住生活を実現するため、障害のある人にとって住みよい住宅を整備することは大切なことです。
このため、県では身体障害者住宅リフォーム支援事業、住宅団地の改善及び住宅資金の低利貸付等を行っています。
本県の身体障害者福祉アンケート調査(平成7年6月実施)によると、住宅の住みづらいところとしては、「いざという時の避難が心配」が最も多く、次いで「トイレ・風呂の使用及び家の中での移動」の順となっており、これらで計63%を占めています。また、約20%の人が改造したいができないとし、改造できない理由として74%の人が経済上の理由をあげています。
こうしたことから、今後とも障害のある人に配慮した住宅改造への支援を充実する必要があります。
における相談・指導事業
○しろまる 重点目標
B 防災対策の充実
○しろまる 現状と課題
障害のある人が安心して日常生活をおくるためには、防災対策や救出・救護体制の確立が急務です。
県では、先の阪神・淡路大震災を教訓として、災害対策基本法に基づく「石川県地域防災計画」について、障害のある人等災害弱者対策の充実を盛り込んだ見直しを進めています。
本県の身体障害者福祉アンケート調査(平成7年6月実施)によると、災害時に望む対策として避難誘導手順等の整備や介助者の確保が大きなウェートを占めており、合わせて約60%となっています。
主要事業
・震災対策専門委員の委嘱(10人)
・地域防災計画「地震対策編」の策定
2 情報収集伝達体制の整備拡充
・可搬型衛星通信設備整備
・防災関係機関無線設備整備等
3 防災設備・資機材の整備促進
・消防防災ヘリコプター導入等
4 防災意識の確立
・自主防災組織の育成強化
・防災ボランティアの育成等
5 地震に強いまちづくり
・避難施設、道路構造物等の耐震調査
・建築物耐震診断士の養成等
ネットワーク推進事業 ・民生委員が、担当地区のねたきり高齢者等の災害弱者の所在を明らかにしたマップを作成
・市町村、地区民生委員協議会、民生委員が保有し、災害時や日頃のみまもり活動に活用
○しろまる 重点目標
(7) スポーツ・レクリエーション・文化
障害のある人の自立と社会参加を促進し、生活を豊かにするうえで、障害のない人と同じようにスポーツや文化活動を楽しむことができる機会をもつことは極めて大切なことです。
生活の中でのゆとりや生活の質の向上が申められている今日、障害のある人の健康増進と生きがいの創造に向けて、スポーツ、レクリエーション、文化活動への参加を積極的に推進していく必要があります。
A スポーツ・レクリエーションの推進
○しろまる 現状と課題
障害のある人もスポーツ競技に参加し、力と技を競い合い喜びや感動を皆と分かち合えるよう、県では石川県身体障害者体育大会及び石川ゆうあいピック(石川県知的障害者スポーツ大会)を開催しているほか、全国身体障害者スポーツ大会及びゆうあいピック全国大会(全国知的障害者スポーツ大会)に石川県選手団を派遣しています。
また、市町村や障害者団体等においても体育大会や競技会等が実施されています。
今後は、ゆうあいピック全国大会の本県開催誘致やスポーツ施設の障害者向け整備改善等に力を入れ、障害者スポーツ競技の振興を図る必要があります。
平成7年度の主なスポーツ大会開催状況
身体障害者体育大会 身体障害者手帳を持つ15歳以上の者 約 455人
スラローム、跳躍、投てき)
バタフライ)
(うつくしまふくしま大会)
選手9人
障害者
立幅跳び、走り幅跳び)
バタフライ)
ゆうあいピック群馬大会
(第3回全国知的障害者スポーツ大会)
選手23人
○しろまる 重点目標
○しろまる 現状と課題
障害のある人が平素からスポーツやレクリエーション活動に参加することは、心身の健康保持、体力の維持・増強及び自立意欲の向上を図るうえにおいて極めて重要な役割を果たしています。
県では身体障害者スポーツ教室を開催するとともに、車いすバスケットボール、盲人野球等の団体競技普及事業に取り組んでいます。また、県民スポーツ・レクリエーション祭等の催し物において障害のある人の参加も図っています。
さらに、保健所及び精神保健福祉センターの生活指導教室で各種レクリエーションも行っています。
本県の障害者福祉アンケート調査(平成7年6月実施)によれば、約40%の人がスポーツや文化活動をしている、又はしてみたいとしており、そのうちグラウンドゴルフ、水泳などのスポーツや趣味・教養講座などが大きなウエートを占めています。
今後は、障害者スポーツや障害者向けレクリエーションの普及、促進を図るため、指導者の養成や組織づくりなどに力を入れる必要があります。
主要事業
スポーツ教室開催事業 身体障害者に対して、特性に応じたスポーツ技術、ルール、心構え等の講習を行い、スポーツに親しむ機会を設ける。
○しろまる 重点目標
B 文化活動の促進
○しろまる 現状と課題
生活にうるおいを与えるうえで、文化活動への参加を図ることは、極めて大切なことです。
本県の障害者福祉アンケート調査(平成7年6月実施)によると、現在している、又は今後してみたい文化活動等として趣味・教養講座、スポーツ、旅行が大きなウエートを占めています。
県では、障害のある人のための生活福祉展の開催、ふれあいコンサート事業及びデイサービス事業における創作活動等を実施していますが、今後、障害のある人の文化活動を発表する場の設定や芸術文化を鑑賞する機会の増大等に取り組む必要があります。
生活福祉展の開催 障害のある人が制作した陶芸品、手工芸品、絵画、写真、書等の作品を展示し、制作の励みとするとともに県民の障害者に対する理解を深める。
「石川ほほえみのつばさ」 障害のある人で地域や職場等で活躍している人を外国の福祉事情視察及び現地の障害のある人との交流のため、海外へ派遣する。
22人派遣(うち障害者17人)
○しろまる 重点目標
また、手話通訳や要約筆記奉仕員の派遣対象範囲の拡大を検討します。
資料
1 障害者福祉アンケート調査
| (1) | 目的 | 障害者の生活状況や考え等を把握し、今後の障害者計画の策定や福祉行政推進のための基礎資料とする。 | |||||||||||||||||
| (2) | 対象者 | ||||||||||||||||||
| ア | 身体障害者 | ||||||||||||||||||
| 県内に在住の身体障害者手帳所持者の中から、市町村において無作為に抽出。平成7年3月31日現在の県内身体障害者手帳所持者数36,365人の約1割の3,600人を対象とした。 | |||||||||||||||||||
| イ | 知的障害者 | ||||||||||||||||||
| 県内に在住の療育手帳所持者の中から、市町村において無作為に抽出。平成7年4月1日現在の県内療育手帳所持者数4,259人の約1割の400人を対象とした。 | |||||||||||||||||||
| (3) | 調査時期 | 平成7年6月1日現在の状況で、6月1日から6月30日までの期間に調査を行った。 | |||||||||||||||||
| (4) |
調査表の回収
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2 精神障害者社会参加ニーズ調査
回答者数 458人(回答率76.3%)
3 調査結果の概要
身体障害者
(1) 年齢
60歳代が最も多く28.2%で、次いで70歳代の23.9%、50歳代の16.9%となっている。
60歳以上の人が60.6%を占めている。
(2) 障害の程度
最も多いのは1級の26.6%で以下、級が多くなるにしたがって、構成比が少なくなっている。
1、2級の重度障害者が49.0%と半数を占めている。
1級27.0%、2級20.2%、3級18.8%、
4級16.6%、5級8.8%、6級8.6%
(3) 生活状況
家にいるが59.7%と最も多く、次いで就職しているが18.1%で、この2つで77.8%を占めている。
(4) 介助に必要な時間
1時間未満が最も多く28.9%で、次いで8時間以上が15.3%となっている。
(5) 施設への入・通所希望
入・通所希望ありは11.6%で、入・通所希望なしは50.7%となっている。
(6) 平均月収
最も多いのは5万円〜10万円未満で26.5%で、次いで10万円〜20万円未満の24.1%となっている。
(7) 住宅の住みづらいところ (複数回答)
いざという時の避難が心配が18.7%と最も多く、次いでトイレが使いづらいが16.8%、風呂が使いづらいが15.1%となっている。
(8) 道路で困る点 (複数回答)
特にないの他は、段差が最も多く20.7%で、次いで歩道の幅が18.7%となっている。
(9) 公共施設等で困る点 (複数回答)
特にないの他は、出入口の段差・幅が最も多く13.4%で、次いで手すりが12.8%、障害者用トイレが11.1%、障害者用駐車場が10.1%となっている。
(10) 携わっている仕事
農林漁業が最も多く18.6%、次いで製造の15.8%、販売・サービスが15.2%となっている。
(11) 勤務形態
自営が最も多く37.6%で、次いで常勤が36.3%となっている。
(12) スポーツ、文化活動等の社会参加の状況
社会参加活動をしたくないは35.6%となっているが、している、してみたいが合わせて39.9%となっている。
(13) 今後、建設を希望する施設、建物 (複数回答)
老後が安定できる施設が最も多く41.0%、次いで障害者向け住宅が19.8%、共同で生活でき介助者のいる施設が15.1%となっている。
(14) 今後、特に必要とされるもの又は強く望みたいこと (複数回答)
所得保障の充実の38.1%と社会が障害者に理解と関心をもつの36.1%が多く、次いで公共施設、建物、乗り物(リフトつきバス)を障害者が利用しやすいように整備するが20.3%となっている。
知的障害者
(1) 年齢
20歳代が最も多く28.7%で、次いで6〜17歳未満が22.6%、30歳代が15.2%となっている。
40歳未満で76.1%を占めている。
(2) 療育手帳の障害程度
Aが49.7%、Bが44.4%となっている。
A48.5%、B51.5%
(3) 生活状況
通所施設に通っているが最も多く18.6%で、次いで養護学校に通っているが18.4%、入所施設に入っているが17.6%となっている。
(4) 介助に必要な時間
1時間未満が最も多く19.9%で、次いで8時間以上が14.9%、5〜8時間未満が8.5%となっている。
(5) 施設への入・通所希望
入・通所希望はないが28.2%と最も多く、次いで障害者施設に入所が13.8%、通所が12.0%となっている。
障害者施設等に入・通所希望ありは合わせて31.7%を占めている。
(6) 平均月収
5〜10万円未満が最も多く43.4%で、次いで1万円未満が10.6%となっている。
(7) 携わっている仕事
製造が最も多く42.9%で、次いで販売・サービスが7.8%となっている。
(8) 勤務形態
常勤が63.6%を占めている。
(9) 早期発見、早期訓練を充実させるために必要なこと (複数回答)
乳幼児の健康診査の充実が41.8%で最も多く、次いで的確な情報を提供する、地域療育システムの開発がそれぞれ40.4%となっている。
(10) 義務教育形態
養護学校での教育、統合教育とも必要が30.1%と最も多く、次いで障害が中重度なら養護学校での教育が望ましいが20.2%、できるだけ統合教育にすべきであるが15.2%となっている。
(11) スポーツ、文化活動等の社会参加の状況
スポーツ、文化活動等をしたくないが最も多く35.4%で、次いでしてみたいが25.3%、しているが15.2%となっている。
(12) 今後、建設を希望する施設、建物 (複数回答)
老後が安心できる施設が最も多く50.0%で、共同で生活でき介助者のいる施設が32.4%、通所授産施設・福祉工場・小規模授産所など仕事をする施設が29.0%となっている。
(13) 今後、特に必要とされるもの又は強く望みたいこと (複数回答)
社会が障害者に理解と関心を持ってほしいが最も多く50.3%で、次いで所得保証を充実してほしいが34.3%、障害者が入所できる施設が30.9%となっている。
精神障害者
(1) 年齢
40歳代が最も多く33.8%で、次いで30歳代の23.8%、20歳代の17.5%となっている。50歳未満で77.5%を占めている。
(2) 入院歴
入院歴のあるものは、86.7%となっている。
(3) 力になってくれる人
家族が最も多く77.7%となっている。
(4) 日中の過ごし方 (複数回答)
センターのデイ・ケア 6.6%
家事・家業を手伝うが最も多く49.1%で、次いで正規の社員・従業員の18.1%、パート・アルバイトの10.9%、病院や精神保健福祉センターのデイ・ケアの6.6%となっている。
(5) 利用したい「働く場」や「活動の場」(複数回答)
センターのデイ・ケア 10.9%
家事・家業を手伝うが最も多く33.0%で、次いで正規の社員・従業員の32.5%、パート・アルバイトの27.7%、病院や精神保健福祉センターのデイ・ケアの10.9%となっている。
(6) 生活費 (複数回答)
家族の収入が最も多く32.5%で、次いで自分自身で働いた収入の30.6%、年金の24.9%となっている。
(7) ニーズ
ア 24時間相談体制
とても役立つが最も多く45.6%で、次いで少し役立つの28.4%、あまり役立たないの12.4%となっている。
イ 訪問体制
とても役立つが最も多く30.3%で、次いで少し役立つの26.4%、あまり役立たないの20.3%となっている。
ウ 精神科救急体制
とても役立つが最も多く59.0%で、次いで少し役立つの23.6%、あまり役立たないの7.4%となっている。
エ いこいの場
とても役立つが最も多く44.1%で、次いで少し役立つの31.2%、あまり役立たないの13.1%となっている。
ある者
(6名) 県市長会会長 山出 保
県身体障害者団体連合会会長 嵯峨逸平 会長
(4名) 県肢体障害者福祉協会会長 山田 耕
に関する事業
に従事する者
(4名) 県愛護協会会長 雄谷助成
の職員
(5名) 県企画開発部長 坂本森男
(7名) 県肢体障害者福祉協会常務理事 今 英男
(4名) 県精神薄弱者育成会事務局長 寺島笑子
(4名) 金沢大学医学部附属病院神経科精神科 小林克治
(6名) 金沢大学経済学部助教授(社会保障論) 横山寿一
主題:
石川県障害者計画
ともに生きる石川障害者プラン
発行者:
石川県
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