PowerDNS調査
PowerDNS調査~DNSサーバにBIND以外の選択肢を~
写真:大野
PowerDNSはBINDに代わるDNSサーバ構築のためのオープンソースソフトウェアとして注目されています。BINDよりも脆弱性が少なく、セキュリティ、管理面、スピードの面でメリットがあるオープンソースソフトウェアです。今回はPowerDNSによるDNSサーバのサービス化の為に、デージーネットで調査を行ったOSS研究室のメンバーに「PowerDNSのメリット」について話を聞きました。
PowerDNS調査の背景
質問者
PowerDNSを調査した背景を教えてください。
大野
BINDに脆弱性が数多く発見され、管理面やセキュリティが心配されました。
そのため、BINDを使用しないDNSサーバを提供したり、提案したりしたいと考えました。
そのため、BINDを使用しないDNSサーバを提供したり、提案したりしたいと考えました。
質問者
PowerDNS以外に候補はなかったのでしょうか?
大野
NSD、KnotDNS、PowerDNSを候補に挙げました。全てオープンソースソフトウェアです。NSD、KnotDNSのメリットはスピードにあります。一方、PowerDNSのメリットはウェブインターフェイスでの管理ができる点です。製品ではウェブインターフェースがあるものもありますが、オープンソースソフトウェアとしてはありませんでした。そのため、この候補の中からPowerDNSを選択しました。
PowerDNS調査~PowerDNSのメリットとは~
質問者
ウェブインターフェースでの管理ができるメリットを持ったPowerDNSを調査されたという事でしたが、ウェブインターフェースでの管理によってどの様なメリットがあるのでしょうか?
写真:インタビュー風景
大野
管理者の負担を減らす事ができます。実は調査を進めるうちに、PowerDNSの管理ウェブインターフェースであるPoweradminが日本語に対応している事が分かりました。ゾーン情報の管理がウェブブラウザから日本語ででき、ゾーン管理の知識があまりない人でも管理できる点がPowerDNSのメリットです。
質問者
ゾーンの管理が便利になるという事ですね?
大野
そうです。また、ドメインごとに管理者を分けることやユーザ単位のアクセス制限もできます。
質問者
管理面では多くのPowerDNSのメリットがある事が分かりました。その上、調査結果ではスピードも速いと出ています。
大野
BINDよりPowerDNSの方が速いという結果になりました。正直に言えば、スピードに関してPowerDNSにメリットがあるとは思っていませんでした。しかし、実際に調査してみると、スピードでもBINDの上をいく結果となりました。
質問者
それでも、PowerDNSよりNSDやKnotDNSの方が速いのではないですか?
大野
確かにスピードではNSDやKnotDNSはPowerDNSよりも高速です。ですが、現在広く使われているBINDよりも速い事は充分PowerDNSのメリットと言えます。それでも性能を重視したい場合にはNSDやKnotDNSをスレーブサーバとする構成にする事も提案できます。
質問者
様々なソフトウェアを自由に組み合わせられるのもオープンソースソフトウェアならではですね。お話をお聞きしていると、PowerDNSのデメリットが思い浮かばないのですが、PowerDNSのデメリットはありませんか?
大野
デメリットになるか分かりませんがソフトウェアがBINDより若い事です。
質問者
ソフトウェアが若いというのはどういう事でしょうか?