2024年5月の天候
2024年6月3日 掲載
2024年6月14日 その他の事項に台風を追記
2024年5月の特徴
* 気温は、北・東日本と沖縄・奄美で高かった
気温は、中旬を中心に寒気の影響が弱く暖かい空気が流れ込みやすかった北・東日本と、上・下旬に暖かい空気が流れ込みやすかった沖縄・奄美で高かった。
* 降水量は、東・西日本太平洋側でかなり多かった
降水量は、下旬を中心に低気圧や前線などの影響を受けやすかった東・西日本太平洋側でかなり多かった。
* 日照時間は、北日本太平洋側と西日本日本海側で多かった
日照時間は、上・中旬を中心に高気圧に覆われやすかった北日本太平洋側と西日本日本海側で多かった。
概況
北・東・西日本では、天気は数日の周期で変わったが、下旬後半には低気圧や前線の影響で東・西日本を中心に大雨となった所があった。このため、月降水量は、東・西日本太平洋側でかなり多く、北・東日本日本海側では多かった。一方、北日本太平洋側と西日本日本海側では、上・中旬を中心に高気圧に覆われることが多かったため、月間日照時間が多かった。沖縄・奄美では、上・中旬は天気は数日の周期で変わったが、21日頃に梅雨入り(速報値)した以後は、梅雨前線や湿った空気の影響で曇りや雨の日が多く、大雨となった所もあった。このため、下旬は顕著な多雨・寡照となり、月降水量も多くなった。月平均気温は、中旬を中心に寒気の影響が弱く暖かい空気が流れ込みやすかった北・東日本と、上・下旬に暖かい空気が流れ込みやすかった沖縄・奄美で高かった。
降水量は、東日本太平洋側、西日本太平洋側ではかなり多かった。北日本日本海側、東日本日本海側、沖縄・奄美では多かった。北日本太平洋側、西日本日本海側では平年並だった。
日照時間は、北日本太平洋側、西日本日本海側では多かった。北日本日本海側、東日本日本海側、東日本太平洋側、西日本太平洋側、沖縄・奄美では平年並だった。
気温、降水量、日照時間等の気候統計値
* 平均気温の高い記録を更新した地域
なし
* 平均気温の低い記録を更新した地域
なし
* 降水量の多い記録を更新した地域
なし
* 降水量の少ない記録を更新した地域
なし
* 日照時間の多い記録を更新した地域
なし
* 日照時間の少ない記録を更新した地域
なし
この図は翌月はじめに作成したものです。数日後により新しいデータを反映して図を作成していますので、引用等する場合は可能な限りこちらに掲載の図をご利用ください。(※(注記)1) この図は翌月はじめに作成したものです。数日後により新しいデータを反映して図を作成していますので、引用等する場合は可能な限りこちらに掲載の図をご利用ください。(※(注記)1)
旬別の天候経過
上旬
天気は数日の周期で変化した。全国的に低気圧や前線の影響を受けにくく、高気圧に覆われやすかったため、旬降水量は北日本太平洋側と東・西日本日本海側で少なく、旬間日照時間は北・東日本日本海側、北・東日本太平洋側、沖縄・奄美で多かった。一方、期間の中頃には北日本付近を低気圧が、北・東・西日本付近を前線が通過し、全国的に曇りや雨の所が多くなり、西日本太平洋側を中心にまとまった雨が降った日があった。気温は、期間の中頃を中心に全国的に暖かい空気に覆われ、平年を大きく上回った時期があった。一方、期間の終わり頃には低気圧通過後に寒気が流入し、西日本を中心に北・東日本でも気温が平年を大きく下回った。このため、西日本で旬平均気温は低かった。また、7日から8日にかけて北海道地方で雪が降った所もあった。沖縄・奄美では期間を通して暖かい空気が流れ込みやすかったため、旬平均気温は高かった。
旬降水量は、北日本太平洋側、東日本日本海側、西日本日本海側では少なかった。北日本日本海側、東日本太平洋側、西日本太平洋側、沖縄・奄美では平年並だった。
旬間日照時間は、北日本日本海側、北日本太平洋側、東日本日本海側、東日本太平洋側、沖縄・奄美では多かった。西日本日本海側、西日本太平洋側では平年並だった。
中旬
日本付近は低気圧や前線と高気圧が交互に通過し、天気は周期的に変化した。低気圧や前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込みやすかった。一方、低気圧や前線の後面には寒気が流れ込む時期もあった。旬平均気温は、寒気の影響を受けにくかった北日本でかなり高く、東日本で高かった。北日本では、旬平均気温平年差が+3.3°Cと、1946年の統計開始以降、5月中旬として1位の高温となった。旬降水量は、低気圧や前線の影響を受けやすかった北・東日本日本海側と東日本太平洋側で多かった。一方、高気圧に覆われた時期もあったことから、旬間日照時間は西日本日本海側でかなり多く、北日本日本海側と北日本太平洋側で多かった。
旬降水量は、北日本日本海側、東日本日本海側、東日本太平洋側では多かった。北日本太平洋側、西日本日本海側、西日本太平洋側、沖縄・奄美では平年並だった。
旬間日照時間は、西日本日本海側ではかなり多かった。北日本日本海側、北日本太平洋側では多かった。東日本日本海側、東日本太平洋側、西日本太平洋側、沖縄・奄美では平年並だった。
下旬
北・東・西日本では天気は数日の周期で変わった。27日から28日にかけては、低気圧や前線の影響で、東・西日本を中心に記録的な大雨となった所があった。このため、旬降水量は東日本日本海側と西日本太平洋側でかなり多く、東日本太平洋側と北・西日本日本海側で多かった。また、旬間日照時間は北・西日本日本海側と東・西日本太平洋側で少なかった。一方、21日頃に梅雨入り(速報値)した沖縄・奄美では、梅雨前線や湿った空気の影響で曇りや雨の日が多く、前線の活動が活発となった21日から22日にかけてと28日には大雨となった所があった。このため、沖縄・奄美は旬降水量がかなり多く、旬間日照時間がかなり少なかった。特に旬間日照時間平年比は41%で、1961年の統計開始以降、5月下旬として1位の寡照となった。旬平均気温は、暖かい空気が流れ込む日もあったため、東日本と沖縄・奄美で高かった。
旬降水量は、東日本日本海側、西日本太平洋側、沖縄・奄美ではかなり多かった。北日本日本海側、東日本太平洋側、西日本日本海側では多かった。北日本太平洋側では平年並だった。
旬間日照時間は、沖縄・奄美ではかなり少なかった。北日本日本海側、東日本太平洋側、西日本日本海側、西日本太平洋側では少なかった。北日本太平洋側、東日本日本海側では平年並だった。
循環場
500hPa高度場等の特徴
500hPa高度では、日本付近はモンゴル付近から日付変更線の東まで東西に広がる帯状の平年より高い領域に覆われた。このため、北日本を中心に平年より暖かい空気に覆われやすかった。一方、オホーツク海から東シナ海付近にかけては気圧の谷となり、また、亜熱帯ジェット気流は華南付近で南に蛇行して流れた。対応して、東・西日本と沖縄・奄美では、低気圧や前線の影響を受けやすい時期があった。海面気圧は、500hPa高度に対応して、東シナ海から日本のはるか東にかけて東西に帯状の正偏差となり、日本海側の地方を中心に高気圧に覆われやすい時期があった。