危険物施設の審査指針
(資料編)
筑紫野太宰府消防組合
資料編目次
第1 共通
第1-1 配管及び配管に接続される設備の範囲例························· 1-1
第1-2 製造所等に設ける鉄筋コンクリート造及び鉄筋コンクリート
ブロック造の防火塀の設計・施工例····························· 1-8
第1-3 地下配管及び屋外貯蔵タンク底板の防食並びに地下貯蔵タンク
外面保護の施工例等··········································· 1-19
第1-4 油分離装置の構造例··········································· 1-32
第1-5 液体の帯電性················································· 1-33
第1-6 公害防止設備等··············································· 1-38
第1-7 乾燥設備の保安対策··········································· 1-43
第1-8 基準適合品··················································· 1-58
第1-9 タンク及び配管の水圧検査要領································· 1-70
第2 製造所・一般取扱所
第2-1 製造所、一般取扱所における許可数量等の算定例················· 2-1
第3 屋外タンク貯蔵所
第3-1 容量500kl未満の屋外貯蔵タンクの耐震及び耐風圧構造計算例····· 3-1
第3-2 防油堤の構造基準及び設計例··································· 3-4
第3-3 1,000kl未満の固定屋根式屋外貯蔵タンクの通気量に係る計算例··· 3-21
第3-4 特定屋外貯蔵タンクの一般的な沈下測定方法····················· 3-26
第4 地下タンク貯蔵所
第4-1 地下トンネルに該当する共同溝等の例··························· 4-1
第4-2 地下貯蔵タンクに作用する荷重及び発生応力····················· 4-3
第4-3 地下貯蔵タンク及びタンク室の構造例··························· 4-6
第4-4 地下貯蔵タンク等の気密試験等のための措置例··················· 4-17
第4-5 タンク室に作用する荷重及び発生応力··························· 4-18
第4-6 人工軽量砂の例··············································· 4-20
第4-7 SS二重殻タンクの構造例····································· 4-21
第4-8 SF二重殻タンクの構造例····································· 4-24
第4-9 FF二重殻タンクの構造例····································· 4-25
第4-10 ふたを鉄筋コンクリート造の支柱によって支える例··············· 4-26
第4-11 浮力に関する計算例··········································· 4-30
第4-12 コンクリート被覆タンクの構造例······························· 4-33
第4-13 内面の腐食を防止するためのコーティングについて··············· 4-34
第4-14 二重殻タンクの漏えい検知設備の例····························· 4-38
第5 移動タンク貯蔵所
第5-1 国際輸送用積載式移動タンク貯蔵所に貼付される安全承認板等の例·· 5-1
第5-2 IMO表示板の交付に係る各国政府機関又はこれに代わる機関の
許可書等の例·················································· 5-4
第5-3 タンクを胴・鏡板等を分けて各部分の形状に応じた計算方法········ 5-8
第6 給油取扱所
第6-1 給油取扱所で使用される附随設備、機器等について················ 6-1
第7 消火設備
第7-1 屋内消火栓設備の計算例········································ 7-1
第7-2 スプリンクラー設備の計算例···································· 7-9
第7-3 泡消火設備の計算例············································ 7-12
第7-4 二酸化炭素消火設備の計算例···································· 7-18
第7-5 ハロゲン化物消火設備の計算例·································· 7-29
第7-6 粉末消火設備の計算例·········································· 7-35
第7-7 消火設備の設置例、機器構造図等································ 7-44
第7-8 新ガス系消火設備の基本的審査事項······························ 7-59
第7-9 耐震性貯水槽及び防火水槽(林野分)の規格······················ 7-63
第8 電気設備
第8-1 電気設備の技術基準を定める省令(抄) ························· 8-1
第8-2 電気設備の技術基準の解釈について(抄) ······················· 8-3
第8-3 一般用電気機器の防爆構造通則(抄)JIS C 0903(1993) ······· 8-13
第9 修正震度法
第9-1 屋内貯蔵所の架台の修正震度法による計算式······················ 9-1
第1-1 配管及び配管に接続される設備の範囲例1-1第1 共通
第1-1 配管及び配管に接続される設備の範囲例
危険物を取り扱う配管及び当該配管に接続される設備は、ポンプ設備、弁、継手等によ
り配管の分岐点を決め、これに基づき製造所等又は指定数量未満の施設等(以下「施設」
という。)のいずれかの附属とすること。この場合、移送される危険物の制御設備の制御
関係、保有空地等を考慮し実態により区分すること。
以下に施設相互間に係る配管及び配管に接続される施設の範囲例を示す。
1 製造所又は一般取扱所相互間の場合
第1-1 配管及び配管に接続される設備の範囲例1-22 危政令タンク(危政令で定める貯蔵タンクをいう。以下同じ。)相互間の場合
3 危政令タンクと製造所(一般取扱所)の場合
第1-1 配管及び配管に接続される設備の範囲例1-3 第1-1 配管及び配管に接続される設備の範囲例1-44 危政令タンク指定数量未満の危険物施設の場合
(1) 一日に指定数量以上の危険物が通過する配管及び設備
(2) 一日に指定数量未満の危険物が通過する配管及び設備
1 屋外タンク貯蔵所の場合
第1-1-10 図
第1-1 配管及び配管に接続される設備の範囲例1-52 屋内タンク貯蔵所の場合
第1-1-13 図
第1-1 配管及び配管に接続される設備の範囲例1-65 製造所(一般取扱所)と指定可燃物タンク(動植物油)の場合
6 製造所(一般取扱所)と蒸気回収設備
(1) 単独施設から回収
第1-1 配管及び配管に接続される設備の範囲例1-7(2) 2以上の施設から回収
前(1)、(2)の蒸気回収設備にあっては、規模、形態等により独立性の強いものは一
般取扱所として別途規制する。
第1-2 製造所等に設ける鉄筋コンクリート造及び鉄筋
コンクリートブロック造の防火塀の設計・施工例1-8第1-2 製造所等に設ける鉄筋コンクリート造及び鉄筋コンクリート
ブロック造の防火塀の設計・施工例
1 設計
(1) 使用材料
使用材料は、次に掲げるものを標準とすること。
1 セメント
セメントは、JIS R 5210「ポルトランドセメント」の規格に適合するもの。
2 鉄筋
鉄筋は、JIS G 3112「鉄筋コンクリート用棒鋼」の規格に適合する異形棒鋼
3 コンクリートブロック
コンクリートブロックは、JIS A 5406「空洞コンクリートブロック」の規格に
適合するもの。
(2) 設計諸定数
1 コンクリート
鉄筋コンクリートの単位体積重量は、24.5kN/m3
を標準とし、コンクリートの許容
応力度は、次表に示す数値によること。
長期応力に対する許容応力度
(N/mm2)
短期応力に対する許容応力度
(N/mm2)
圧 縮 せん断 付 着 圧 縮 せん断 付 着
4週強度
の 1/3
許容圧力応
力度の 1/106長期応力に対する許容応力度のそれぞれ
の値の2倍
2 鉄筋
鉄筋の許容応力度は、次表に示す数値によること。
応力度
種類
長期応力に対する許容応力度
(N/mm2)
短期応力に対する許容応力度
(N/mm2)
圧 縮 引 張 り 圧 縮 引 張 り295ASD295BSD 345
SD 390180200210180200210270300315270300315
第1-2 製造所等に設ける鉄筋コンクリート造及び鉄筋
コンクリートブロック造の防火塀の設計・施工例1-93 コンクリートブロック
ア コンクリートブロックの自重は、次表に示す数値を標準とすること。
コンクリートブロックの厚さ(cm)自重
(kg/m2)
表面をモルタル仕上げとし
た場合の自重(kg/m2)1519160205
厚さ1cmにつき左欄の数値
に20を加える
イ コンクリートブロックの全断面に対する圧縮強度及び長期応力に対する許容応力
度は、次表に示す数値によること。
コンクリートブロック
の圧縮強度(N/mm2)
長期応力に対する許容応力度
(N/mm2)
圧縮 引張り・せん断
A種ブロック
B種ブロック
C種ブロック3570.60.81.00.060.080.114 地盤
土の単位体積重量は18KN/m3を、地盤の許容応力度は次表に示す数値をそれぞれ標
準とすること。
長期応力に対する許容応力度
(N/mm2)
短期応力に対する許容応力度
(N/mm2)
500 1,000
なお、地盤支持力は地盤の許容応力度以下とすること。
(3) 外力計算
外力の算出は、風圧力にあっては1の式により、地震動による慣性力にあっては2
の式によること(計算例参照)
1 風圧力
P=1.2qh
P: 風圧力(N/m2)
1.2: 風力係数
q: 速度圧で、次により求められた値q=60√h(N/m2)
h: 防火塀の地盤面からの高さ(m)
第1-2 製造所等に設ける鉄筋コンクリート造及び鉄筋
コンクリートブロック造の防火塀の設計・施工例1-102 地震動による慣性力
Pe=0.3W
Pe: 地震動による慣性力(kg/m)
0.3: 設計水平震度
W: 防火塀の地上部分における単位幅(m)あたりの重量(kg/m)
(4) 安定計算
前(3)1及び2のいずれか大きい方の外力を用いて、滑動、転倒及び地盤支持力(鉄筋
コンクリートブロック造の防火塀にあっては転倒のみとすることができる。)に対する
安定計算を行い、その結果が、次の各号に適合すること。(計算例参照)
1 滑動、転倒に対する安全率は、1.2以上である。
2 地盤に与える荷重は、地盤の支持力以下である。
(5) 応力計算
安定計算に用いた外力により、コンクリート、鉄筋及びコンクリートブロックのそれ
ぞれの長期及び短期応力に対する応力計算を行い、
その結果がそれぞれの許容応力度(コンクリートブロックの短期応力に対する許容応力度は、コンクリートブロックの圧縮強
度とする。)以下となること。
ただし、
鉄筋コンクリートブロック造の防火塀であって、
別表
「鉄筋コンクリートブロック造の防火塀の縦筋間隔」
の例により、
ブロックの種類、
厚さ及び防火塀の高さ並びに鉄筋径に応じた縦筋間隔とするものにあっては、応力計算
を省略することができる。
2 施工
鉄筋コンクリートブロック造の防火塀の施工方法は、
次に掲げるものを標準とすること。
(1) コンクリートブロック組積部
1 壁頂には横に、壁の端部及び隅角部には縦に、それぞれ直径9mm以上の鉄筋を配置
すること。
2 壁内には、直径9mm以上の鉄筋を、縦横に80cm以下の間隔で配置すること。
3 鉄筋は、原則としてブロック接合部に挿入し、鉄筋挿入部にはコンクリート又はモ
ルタルを充てんすること。
4 縦筋は、継手のないものを用いること。
5 横筋の配置箇所には、横筋用ブロックを用いること。
(2) 基礎
1 基礎底面直下には、割り石等を入れること。
2 基礎は、
鉄筋コンクリート布基礎とし、
基礎の根入れ深さ、
高さ、
厚さ及び配筋は、
次表に示す数値によること。
第1-2 製造所等に設ける鉄筋コンクリート造及び鉄筋
コンクリートブロック造の防火塀の設計・施工例1-11(3) 構造細目
1 横筋に継手を設ける場合は、次によること。
継手部分を、溶接するときにあっては継手の重ね長さは鉄筋径の4倍以上、結合す
る時にあっては継手の重ね長さは、鉄筋径の25倍以上で、かつ、次図に示す「かぎか
け定着」とすること。
第1-2 製造所等に設ける鉄筋コンクリート造及び鉄筋
コンクリートブロック造の防火塀の設計・施工例1-12継手部分は、次図のように千鳥に配置すること。
2 鉄筋相互の定着は、次によること。
3 縦筋と基礎の結合は、次によること。
第1-2 製造所等に設ける鉄筋コンクリート造及び鉄筋
コンクリートブロック造の防火塀の設計・施工例1-133 鉄筋コンクリートブロック造の防火塀の構造計算例
(1) 自重及び外力の計算例
第1-2 製造所等に設ける鉄筋コンクリート造及び鉄筋
コンクリートブロック造の防火塀の設計・施工例1-141 防火塀の各部分についての単位幅当りの自重の計算例
第1-2 製造所等に設ける鉄筋コンクリート造及び鉄筋
コンクリートブロック造の防火塀の設計・施工例1-15(2) 安定計算
前(1)2及び3の結果から、P>Peとなるので、安定計算は風圧力(P)に対して
行う。
なお、転倒及び抵抗モーメントの計算は、第1-2-7図に示すA点について行う
ものとする。
(3) 応力計算
縦筋の間隔は、別表「鉄筋コンクリートブロック造の防火塀の縦筋間隔、その1」数
値に適合するから、コンクリート、鉄筋及びコンクリートブロックのそれぞれの許容応
力度(コンクリートブロックの短期応力に対する許容応力度は、コンクリートブロック
の圧縮強度とする。)を満足する。
第1-2 製造所等に設ける鉄筋コンクリート造及び鉄筋
コンクリートブロック造の防火塀の設計・施工例1-16横筋の間隔は、1(2)の数値に、基礎の配筋は、2(2)の数値にそれぞれ適合する。
第1-2 製造所等に設ける鉄筋コンクリート造及び鉄筋
コンクリートブロック造の防火塀の設計・施工例1-17 第1-3 地下配管及び屋外貯蔵タンク底板の防食並びに
地下貯蔵タンク外面保護の施工例等1-18第1-3 地下配管及び屋外貯蔵タンク底板の防食並びに
地下貯蔵タンク外面保護の施工例等
1 地下埋設配管の防食
(1) 防食措置にあたっては、次により指導する。
1 設計
ア 設計図面等には、
配管材質が明記され、
同一の材質のものが使用されていること。
イ 一連の配管は、コンクリートと土壌中の相互に渡って、敷設しないこと。
ウ 鉄筋コンクリート等の建物、建造物の床、基礎等を貫通する場合には、当該部分
にさや管(合成樹脂管又は鋼管)を用い、さや管と配管の間隙にモルタル等を充てん
すること。ただし、配管が被覆鋼管である場合には、この限りではない。
エ 配管の地上立ち上り部分には、配管支持金具と地表面又は床面との間に絶縁継手
を設けること。
オ 地下水位より高い位置に敷設すること。
2 現場施工時
ア 新管と旧管を接続する場合には、絶縁継手等を用いて接続すること。
イ 絶縁継手等を用いた場合には、当該部分の絶縁抵抗試験を行い、絶縁されている
ことを確認すること。
ウ 溶接により配管を接続する場合には、適切な溶接材を用い、荒天、低温時等溶接
部の熱拡散が激しい時には作業を行わないこと。
エ 配管の埋め戻しは、粒度が均一で、土壌比抵抗の高い山砂等を用いること。
オ 現場で管に塗覆装を施す場合は、管表面の油、サビ、溶接のスパッタ及び酸化被
膜等をサンドペーパー等で完全に除去した後に行うこと。
カ 塗覆装を施した配管を埋設する場合は、鉄筋及びコンクリート殻等による塗覆装
の破損に注意して行うこと。
第1-3 地下配管及び屋外貯蔵タンク底板の防食並びに
地下貯蔵タンク外面保護の施工例等1-19(2) 塗覆装等による外面保護措置
第1-3 地下配管及び屋外貯蔵タンク底板の防食並びに
地下貯蔵タンク外面保護の施工例等1-202 地下タンクの外面保護措置
外面保護のための施工は、危政令によるほか次によること。
(1) ウレタン樹脂による方法
ウレタン樹脂を塗装材とし、
ポリエステルクロス(0.6mm径平織)を覆装材として用いる
こと。
タンク外面にウレタン樹脂を下塗りし、ポリエステルクロスを貼布し、更にウレタン
樹脂を塗覆装の厚さが2mm以上となるように上塗りすること。
(昭57.9.8 消防危第89号質疑)
第1-3 地下配管及び屋外貯蔵タンク底板の防食並びに
地下貯蔵タンク外面保護の施工例等1-21(2) ポリエステル樹脂による方法
ポリエステル樹脂を塗装材とし、ガラスマット(JIS G 3491)を覆装材として用い
ること。図に示すように、厚さ2mm以上に達するまで上塗りをすること。(昭56.10.8 消防
危第135号質疑)
(3) ガラスフレーク入りタールエポキシ塗料による方法
ガラスフレーク入りタールエポキシ塗料を塗装材として用いること。
ミルスケール、さび等を完全に除去した後、最初に溶接ラインについて刷毛塗り又は
エアレススプレー塗装を1回行い、その後エアレススプレーにより全面を2回以上塗装
し、全体の乾燥膜厚が1.5mm以上となるように仕上げること。(昭57.3.1 消防危第30号質疑)
(4) アスファルトルーフィングによる方法
JIS A 6006のアスファルトルーフィングに相当する品質を有するものであること。
(昭49.4.1 消防危第52号質疑)
(5) ポリエステルテープによる方法
タンク外面に耐熱樹脂を下塗りし、耐熱樹脂を含浸させたテープを貼付けて、耐熱樹
脂を厚さ2mm以上に仕上げること。(昭60.7.30 消防危第94号質疑)
第1-3 地下配管及び屋外貯蔵タンク底板の防食並びに
地下貯蔵タンク外面保護の施工例等1-22【参考】地下貯蔵タンクに関する政令等の改正経過
改正年 改正概要 詳細
昭和34年
危険物の規制に関する政令制定
3.2mm以上の鋼板で機密に
つくること
タンク外面保護方法の制定
・アスファルト
・アスファルト+モルタル
昭和62年
漏れ防止構造のタンクの基準の追加
タンク外面保護方法の追加
・エポキシ樹脂
・タールエポキシ樹脂
平成3年
鋼製二重殻タンク(SSタンク)の基準
の追加
平成5年
鋼製・強化プラスチック製二重殻タンク
(SFタンク)の基準の追加
平成7年
強化プラスチック製二重殻タンク(FF
タンク)の基準の追加
平成17年
基準の性能規定化
一重殻タンクの外面保護の追加
3.2mm以上の鋼板のほか、
同等以上の機械的性能を
有する材料でつくること
・エポキシ樹脂又はウレタ
ンエラストマー樹脂
・FRP
鋼製一重殻タンクの直接埋設禁止
平成19年 鋼製地下タンクの内面ライニングの指針
(注記) 平成19年の「鋼製地下タンクの内面ライニングの指針」については、平成22年
7月8日付け消防危第144号「既設の地下貯蔵タンクに対する流出防止対策等に
係る運用について」に伴い廃止。
3 屋外貯蔵タンク底板の防食
屋外貯蔵タンク底板の防食には次の例がある。
(1) アスファルトサンド材料
アスファルトサンドの材料は、次に掲げるもの又はこれと同等以上の防食効果を有す
るものを適当に配合したものを使用すること。
1 アスファルト
ブローンアスファルト針入度10〜40(25°C、100gr、5sec)又はストレートアスファ
ルト針入度80〜100(25°C、100gr、5sec)
2 骨材
比較的均一な良質砂を使用し、腐食を助長させるような物質を含まないこと。
3 石粉
アスファルトを安定させるために用いるフィラーには、石灰石等を微粉砕した石粉
第1-3 地下配管及び屋外貯蔵タンク底板の防食並びに
地下貯蔵タンク外面保護の施工例等1-23を用いること。
粒度は、0.074mmふるいで通過率75%以上のものが望ましい。
(2) 配合割合、混合加熱時間
1 アスファルトと骨材
次式より求められる骨材の間隙率から算定し、更に過剰アスファルト量として5%
以下の範囲で加えることができる。
V = (1 −dD
) ×ばつ 100(%)
V:間隙率(%)
D:骨材の理論密度(gr/cm3)
d:骨材の締固め密度(gr/cm3)
2 アスファルト石粉
アスファルトに対する石粉の混合重量比は0.6〜1.8の倍率で行い、気温変化等に応
じて適宜決定すること。
3 配合割合の例
アスファルトサンドの施工厚さ5cm、
10cmの場合の配合割合の例を示す。
(1m2当り)
施工厚さ 5cm 10cm
アスファルト材
(良質砂)粉8 kg0.05m3
10 kg
16 kg
0.10m3
20 kg
4 配合加熱時間
アスファルトの溶融及び骨材、石粉の加熱は均一に行い、できるだけ速やかに混合
温度に到達させ、長時間加熱による品質低下のないように十分管理すること。
アスファルトの溶融許容最高温度は250°Cとし、加熱許容時間の目安は、200°C未満
の場合36時間、200°C以上の場合、24時間程度である。
(3) 施工方法
1 タンク布設基礎地盤面は、アスファルトサンド敷設前に十分整地され、堅固な基礎
に仕上げられていること。
2 施工範囲はタンク側壁から60cm程度までとすること。
3 施工厚さは5cm以上とし、硬化前に転圧し、仕上げること。
4 底板の外周部は、コンクリートモルタル、アスファルト等により防水の処置を行い
底板外面に水分が浸入しない構造とすること。
5 表面の仕上げ精度は、危告示第4条の10第6号の規定に準じること。
第1-3 地下配管及び屋外貯蔵タンク底板の防食並びに
地下貯蔵タンク外面保護の施工例等1-244 電気防食
地下配管及び屋外貯蔵タンク底板の防食措置に適用する電気防食の方式は、防食電流の
供給方法により流電陽極方式、外部電源方式、選択排流方式の3つに大別されるが、地下
配管等には経済性、施工性等から流電陽極方式が最も多く用いられている。
(1) 流電陽極方式
地下配管等の材料金属の防食電位より低電位の金属を埋設し、地下配管等と電気的に
接続することによって埋設した金属(犠牲陽極)との電池作用により地下配管等の腐食を
防止する方式である。
1 陽極
ア 陽極は、土壌抵抗率の比較的高い場所ではマグネシウムを、低い場所ではマグネ
シウム、亜鉛又はアルミニウムを使用すること(第1-3-1表参照)。
イ 陽極相互間の位置は、配管の口径及び設備場所等を考慮して有効な防食電流が得
られるように配置すること。
ウ 陽極は、防食電流分布が均一となるよう配管との間に適正な距離を保つこと。
エ 陽極の埋設深さは、できるだけ地下水位以下とするが、地下水位が地下3mより
深い場合は、陽極下端が地下3mに達するものであること。ただし、配管直近に陽
極を配置したほうが有効な防食効果が得られる場合は、この限りでない。
2 リード線及び電位測定端子
ア リード線に外部からの損傷を受けるおそれのある場合は、鋼管等で保護する。
イ 電位測定端子は、200m(200m未満の場合は1箇所)ごとに設ける。
3 電気的絶縁等
ア 電気防食を施す場合で、新設部分と既存部分とが電気的に接続される場合には、
既存部分にも影響を与えることとなるので、全体的に防食を施すか、又は新設部分
と既存部分の間に絶縁フランジを設け、電気的絶縁を施すなどの方法により措置す
ること。
イ 防食配管と他の工作物とは、電気的に絶縁されていること。ただし、他の工作物
と電気的に接続され、一体のものとして防食されている場合はこの限りでない。
ウ 可燃性ガス又は可燃性蒸気が滞留するおそれのある場所に電位の異なる配管の接
続部が設けられる場合は、当該部分について火花の発生を防止する措置を講ずるこ
と。
4 その他
ピット式配管(点検可能な構造のコンクリート製ピット内部を通した配管)について
は、防食対象配管とはならないものであること。
5 防食設計例
埋設配管の外径40mm、配管延長50mの場合
ア 防食対象表面積
防食の対象となる配管の表面積は、土壌と接する管の表面積から算出される。
第1-3 地下配管及び屋外貯蔵タンク底板の防食並びに
地下貯蔵タンク外面保護の施工例等1-25ただし、防食対象配管が防食対象外配管等と電気的に接続されている場合には、対
象外配管部分にも防食電流が流入することとなるので、絶縁継手を挿入しない場合に
は、防食対象外部分をも含めて設計する必要がある。
防食対象配管表面積Sは、
S=2πrL=×ばつ50=6.28(m2)
r: 配管の半径(m)
L: 配管の長さ(m)
イ 所要防食電流
I=S・i=×ばつ5=31.4(mA)
I: 所要防食電流(mA)
i: 防食電流密度(mA/m2)
防食電流密度は、配管等の塗覆装や環境条件によって大幅に変わる。したがって、
防食電流の決定は一般に実地試験によるか、あるいは予備調査の結果から過去の実績
によって推定し、決定されるものであるが、昭和49年自治省告示第99号の塗覆装の基
準により塗覆装が行われるので、この場合の防食電流密度は、次の値が適当である。
防食被覆 電流密度(mA/m2)
アスファルト塗装
コールタールエナメル、ガラスクロス塗覆装
ポリエチレンライニング
アスファルトマスチック(厚さ1/2インチ)
3.0〜5.01.01.50.25ウ 使用陽極の選定
仮に土壌抵抗率測定の結果が平均2,000Ω・cmとすると、抵抗率が高いためバック
フィル付マグネシウム陽極を使用することとする。
なお、使用陽極は、土壌抵抗率及び耐用年数を考慮し、陽極特性に見合った陽極
を選定するよう指導する(第1-3-1表参照)。
陽極
マグネシウム合金陽極 重量:1.042kg
バックフィル材の大きさ直径:5cm、長さ:30cm
第1-3 地下配管及び屋外貯蔵タンク底板の防食並びに
地下貯蔵タンク外面保護の施工例等1-26エ 陽極発生電流の計算Iσ=E
��R =ρ2πL[2.3log (4LD
) − 1]
Iσ:発生電流(A)
E:有効電位差(V) (第1-3-1表参照)
R:陽極接地抵抗(Ω)
ρ:土壌比抵抗(Ω・cm)
L:陽極の長さ(cm)
(バックフィル材使用の場合はバックフィルの長さ)
D:陽極の直径(cm)
(バックフィル材使用の場合はバックフィルの直径)
よって、Rは
R =×ばつ30
[2.3log (×ばつ305) − 1] ≒ 23(Ω)
またIσは
Iσ =0.723
= 0.030(A) = 30(mA)
第1-3 地下配管及び屋外貯蔵タンク底板の防食並びに
地下貯蔵タンク外面保護の施工例等1-27第1-3-1表 一般的陽極の特性
項 目
陽 極 種 類
Al合金陽極
(ALAP)
Zn合金陽極
(ZAP-A)
Mg合金陽極
陽極電位(V、飽和甘汞) -1.00 -1.00 -1.50
鉄との有効電位差(V) 0.2 0.2 0.7
有効発声電気量(A・h/kg) 1,880 740 1,100
比重 2.74 7.14 1.77
オ 所要本数NN =IIσ=3.1430
≒ 1本
I :所要防食電流量(mA)
Iσ:発生電流(mA)
カ 陽極の耐用年数
Y =×ばつ8760
(年)
Q :発生電気量(A・h/kg)(第1-3-1表参照)
W :陽極の重量(kg)(合金の重量)
Iσ:発生電流(A)
8760:1年間の時間
故に
Y =×ばつ8760
≒ 4(年)
従って、陽極1本当たりの耐用年数は4年となるので、仮に耐用年数を 30 年とすると
陽極の重量Wは次式により求められる。W =Iσ・Y・8760Q=
0.030×ばつかける30×ばつかける87601100= 7.17(kg)
第1-3 地下配管及び屋外貯蔵タンク底板の防食並びに
地下貯蔵タンク外面保護の施工例等1-28配管径(A)長さ(m)土壌抵抗率
(Ω・cm)
使用陽極
陽極の設計寿命
(年)
80〜500 1,500 3,000 Mg 20
80〜200 600 5,000 Mg 30
200 500 1,000 Mg 20
50〜250 1,100 10,000 Mg 20
200〜350 300 2,000 Mg 20
80〜200 1,100 15,000 Mg 30
100〜300 2,000 500 AI 20
80〜200 500 300 AI 20
100〜200 150 300 AI 20
50〜200 800 500 Zn 30
150 300 500 Zn 20
250φ15本 700 10,000 線状 Zn 20
前ウの陽極に換算すると、
陽極1本当りの重量は1.042kgであるから7本の陽極が必
要となる。
また、陽極の発生電流は土壌抵抗率に反比例して変化するので、上記の寿命及び使
用本数は計算上十分であっても周囲環境の変化により所定の電流が得られない場合も
起りうるので、一般的には安全率を約2倍に取り、所要本数を14本とするのが妥当で
ある。これら14本の陽極を均一な防食電流が得られる位置に配置することになる。
第1-3 地下配管及び屋外貯蔵タンク底板の防食並びに
地下貯蔵タンク外面保護の施工例等1-29 第1-3 地下配管及び屋外貯蔵タンク底板の防食並びに
地下貯蔵タンク外面保護の施工例等1-30(2) 選択排流方式
配管等における排流ターミナルの取り付け位置は、排流効果のもっとも大きな箇所と
する。
資料 第1-3 地下配管及び屋外貯蔵タンク底板の防食並びに地下貯蔵タンク
外面保護の施工例等1-31第1-4 油分離槽の構造例
第1-5 液体の帯電性1-32第1-5 液体の帯電性
1 帯電過程
液体には、配管内を流れるとき、噴出するとき、飛び散るとき、あるいは、かく拌する
とき等、危険な帯電状態となる可能性がある。その帯電性は、流速、接触面の材質、形状
等により大きく影響を受ける。
また、液中に存在する微量成分、不純物によって、若しくはそれと混じり合わない水、
他 の 液 体 、 気 体 、 コ ロ イ ド 状 物 質 に よ っ て そ の 耐 電 性 は よ り 高 め ら れ る 。
2 帯電性の区分
液体の帯電性は、その液体固有の導電率によって、一般に次のように区分される。
注 伝導率について
伝導率とは、物体中を電流が流れる時に、その流れやすさを示す物質固有の値で、
低効率(体積固有抵抗)の逆数である。
いま、断面積がA(m2)、長さがL(m)の物体の抵抗をR(Ω)とするとRは、
R = ρ・LA
で表され、このとき右辺のρ(Ω・m)が低効率である。
これに対して伝導率σは、σ =1σ=1R・LA(S/m、あるいはΩ-1
・m-1)で表される。
10−12
10−8
帯電しにくい 極めて帯電しやすい
帯電しやすい
数値は導電率(単位 S/m:ジーメンス/メートル)
第1-5 液体の帯電性1-333 静電気対策
一般的な対策としては次に掲げる方法等があり、取り扱う物質及び作業形態によって単
独で、あるいは組み合わせて用いる。
(1) 爆発性雰囲気の回避(不活性ガスによるシール等)
(2) 導体性の構造とし、接地する。(流動し、若しくは噴出している液体は、一般的に導
電率に関係なく、接地によって帯電を防止することはできない)
(3) 液体の導電率の増加(添加剤等)
(4) 静電気の中和(空気のイオン化等)
(5) 流速制限
(6) 湿度調整(75%以上)
(7) 人体への帯電防止
4 各種液体の導電率
下表にあげた数値は、純物質に対する値であり、実際には、他の物質、気泡等が混在
している場合が多く、表中の値より推定される以上の帯電性を持つと評価しなければなら
ない場合がほとんどである。
これらの数値は、取扱条件が異なれば変わるものであることから、大まかな目安として
利用すること。
ガソリン、灯油等の混合物については、組成が一定でないため、表中にはないが10-12(S/m)〜10-13
(S/m)である。
第1-5 液体の帯電性1-34 第1-5 液体の帯電性1-35 第1-5 液体の帯電性1-36 第1-6 公害防止設備等1-37第1-6 公害防止設備等
製造所等の附属設備として設ける可燃性ガス、粉じん等を除去する公害防止設備等は、
次によること。
1 活性炭による吸・脱着設備
(1) 吸・脱着方式(ガス中の特定成分を活性炭に吸着させて処理するもので、吸・脱着を
繰り返し行う方式)については、次による。
1 吸着熱及び酸化熱等による発火危険があるため、温度測定装置、異常温度での警報
設備等を設けるとともに、送風機を停止し、散水・窒素シール又は水蒸気を送入する
等の機構を設けること。
2 吸・脱着槽で異常温度等により圧力上昇の危険のあるものには、圧力計、安全弁等
を設けること。
3 脱着熱の異常過熱による発火危険があるため、原則として直接加熱し脱着する場合
は水蒸気によること。
4 大規模な設備は、吸・脱着に起因するデット・スポット(吸・脱着の繰り返しによ
り活性炭の粉化が起こり、そのため活性炭充てん層内に偏流が生じ可燃性ガスの場合
には、酸化分解等により発火する危険性が生じることをいう。)が発生しない構造と
すること。
例・活性炭層の多段化
・流動方式
・フィルター方式
5 吸・脱着の切替えがタイマー式のものは、タイマーの設定について十分余裕をとる
こと。
6 酸化されやすい物質の吸・脱着装置には、停電時の対策として非常電源による電源
を確保すること。
7 流動層方式は、不活性ガスでシールした間接的な脱着方式であるため、酸素濃度測
定器による酸素濃度の管理を行うこと。
8 必要により、消火設備を設けること。
(2) 脱着を伴わないものは、適切な時期に吸着剤を交換すること。
第1-6 公害防止設備等1-38 第1-6 公害防止設備等1-392 バグフィルター
バグフィルターとは、ろ布の表面で粉じんを分離し捕集するものであり、これについて
は、次によること。
(1) バグハウス内等に設置されている払落しの電動機等は粉じん防爆構造とする。
(2) フィルターの材質は、導電性の繊維を使用するとともにダクト及びバグハウス等は
接地する。
(3) 酸化されやすい物質を集積する場合は、多量に堆積させない。
(4) 必要により温度管理、消火設備、放爆措置等をとる。
(5) 火の粉が発生するおそれのあるもの(ショットブラスト等)は、直接バグフィルタ
ーにかけない。
(6) 粉じん爆発による被害を少なくするために、できるだけ屋外に設置する。
第1-6 公害防止設備等1-403 電気集じん機
電気集じん機とは、電極間に高電圧(15,000〜17,000V)を与えてコロナ放電を起こ
させ集じん極に分離捕集するものであり、これについては次によること。
(1) 危険場所内には設置しない。
(2) 原則として可燃性物質(オイルミスト等)を捕集する目的には使用しない。
第1-6 公害防止設備等1-414 触媒燃焼装置
触媒燃焼装置とは比較的薄い濃度の可燃性ガスをバーナー等で予熱して酸化するもの
であり、これについては次によること。
(1) 危険場所内には、設置しない。
(2) プレパージ、ポストパージを十分行う機構とする。
(3) 炎監視装置を設ける。
(4) 対震安全装置を設ける。
(5) ガス濃度は、爆発下限界の1/10以下となるように設計する。
(6) ガス濃度が変動するおそれのあるものには、可燃性ガス検知器を設ける。この場合、
検知遅れ時間を十分考慮する。
(7) 燃焼炉・予熱室及び触媒室等に温度計測器を設け、異常温度で警報を発する機構と
する。
(8) 発生源が密閉機器等で酸素濃度が少なくなるおそれのある装置には、酸素濃度測定
器(バーナー消火又は空気を外気から取り入れる装置等と連動するもの)を設ける。
(9) 停電時安全装置(使用中停電した場合燃焼を停止するもの)を設け、かつ、再通電
した場合でも危険性のない構造とする。
(10) 必要により、火炎を阻止する装置を設ける。
(11) 可燃性ガス検知器、炎監視装置等が作動した場合、自動的に燃焼を停止する機構と
する。
(12) 排風機には、異常を監視するための過電流継電器等を設ける。
第1-7 乾燥設備の保安対策1-42第1-7 乾燥設備の保安対策
1 危険要因と安全対策
乾燥設備は、乾燥材料、除去物質の種類、物性、形態、更に工程中における利便性や経
済性等、種々の要件を考慮し、多くの乾燥方式及びそれに基づく機種が工業的に利用され
ている。一般に、乾燥設備はそれ自体熱源を有し、また、乾燥材料の中には可燃性物質、
物理的・化学的に不安定な物質、更には多量の有機溶剤を含んだ物質等、潜在危険の高い
多種多様の物質が処理されているのが現状である。
乾燥設備についての出火、爆発の危険性を検討し、考慮すべき基本的な安全対策につ
いて各項目ごとにまとめると、次のとおりである。
なお、下表は各危険要因に対比して安全対策を列記したものであり、必ずしもこれら全
ての安全対策を講ずる必要はなく、一つの安全対策を講ずることにより他の複数の危険要
因が必然的に防止可能な場合が多くある点に留意すること。また、保安対策の基本的な考
え方は、一つのトラブルで重大な危険と直結することを回避することであり、予測される
危険性の程度に応じて二次的、三次的な安全対策を講ずるという考えが一般的である。
危 険 要 因 安 全 対 策機種設定
乾燥材料、除去物質の物性・形態
等に応じた乾燥設備の機種設定を
誤り、乾燥材料等から出火する。
熱・衝撃等に不安定な物質の乾燥にあって
は、真空乾燥、凍結乾燥等の静置状態での低
温乾燥又は不活性ガス中の乾燥方式とする。
気流乾燥、流動層乾燥、粉砕乾燥、噴流層
乾燥、噴霧乾燥(スプレードライヤー)方式
のものにあっては、多量の粉体が浮遊し、乾
燥材料にあっては粉じん爆発の危険性が高い
ため、特に静電気防止等に配慮する。
なお、バグフィルターを組込んだものにあ
っては、フィルターに導電性繊維を使用する。
バグハウスは接地する等の静電気対策を講ず
るとともに、必要により温度管理、放爆措置、
消火設備の設置等を行う。
第1-7 乾燥設備の保安対策1-43危 険 要 因 安 全 対 策機種設定
乾燥材料、除去物質の物性・形態
等に応じた乾燥設備の機種設定を誤
り、乾燥材料等から出火する。
可燃性粉じん、有機溶剤等を多量に含んだ
乾燥材料にあっては、
原則として直火方式(注1)、電熱機器を用いた設備は使用しない。
(例えば、赤外線乾燥にあっては、ガス濃度
を爆発下限界の1/4以下とし必要に応じエ
アカーテン、ガラス板等で仕切り措置をす
る。)
熱風循環式(注2)の通気バンド乾燥、箱
型乾燥、バンド流動層乾燥、流動層乾燥、気
流乾燥等の設備は、特に排気温度、ガス温濃
度が上昇し、また、機壁、ダクト内にミスト
等が凝縮し易く、ガス濃度、温度センサーの
設置、更にフィルター等でのミストの捕捉措
置をする必要がある。
バンド乾燥、バンド流動乾燥、ドラム乾燥
等は、乾燥材料の粒子破壊による粉じん発生
を防止することが可能である。設置場所
乾燥設備、
熱風ダクト等から熱伝
導、放射熱により出火する。
可燃物から十分な距離を確保する。
(火災予防条例第3章参照)
乾燥設備周辺に滞留した可燃性ガ
ス等に加熱装置等により引火する
可燃性ガス、粉じん等が滞留するおそれの
ある場所には、加熱装置として電熱機器、バ
ーナー燃焼方式を用いる設備は設けない。乾燥室本体乾燥設備の爆発等により建築物等
を破壊する。
乾燥炉には使用形態等に応じて爆発時の放
爆措置として放散孔、爆発扉、爆発リリーフ
等を設ける。
放散孔等の設置位置は、放爆時の人的物的
危険を考慮した位置とし、かつ、壁、天井等
から十分な空間距離を確保する。
有機溶剤等を除去するものにあっては、特
に十分な排気量(注3)を確保する。(可燃
性ガス濃度は爆発下限界の1/4以下とす
る。)
第1-7 乾燥設備の保安対策1-44危 険 要 因 安 全 対 策乾燥室本体乾燥設備の爆発により建築物等を
破壊する。
特定不燃材料で造るものとし、放爆を考慮
し、原則として、側部・底部は堅個なものと
し、上部は軽量な不燃材で造る。
のぞき窓、出入口、換気孔の開口部を設け
る場合にあっては、その位置は延焼拡大危険
が少ない位置に設け、かつ、緊急時に直ちに
閉鎖できる構造のものとする。
自動温度調整装置を設ける。
乾燥室内に堆積した乾燥材料の屑
が長期加熱により発火する。
点検・清掃が容易に実施できる構造とする。加熱装置
バーナーの不着火により未燃焼ガ
スが再点火時爆発する。
バーナー不着火時、燃焼供給を停止するイ
ンターロック機構とする。(フレームアイ、
フレームロッド等の火炎検出器の設置)
プレパージ(注4)から点火、ポストパー
ジ(注5)まで、全ての操作をシーケンス制
御により自動化する。
加熱装置の異常温度上昇により乾
燥材が着火する。
炉内温度測定用センサーを設け加熱装置と
インターロックする。
赤外線ヒーター等の電熱装置にあっては、
異常電流を検知し制御する機構とする。
蒸気加熱する装置にあっては、蒸気コント
ロール用減圧弁等の異常を検知し、電磁弁等
で遮断する機構とする。
自動温度制御装置を組み込んだ装置にあっ
ては故障時における二次的保安装置を考慮す
る。
直火方式のもので、
バーナーの燃
焼ガス中に火の粉(鉄さび、乾燥屑等)が混入し、
乾燥材料に着火する。
乾燥室内に火の粉が送り込まれないよう、
捕捉措置を講じる必要がある。
加熱された熱媒油(3(2)参照)が
漏洩し、発火又は引火する。
熱媒油は、努めて不燃性又は高引火点のも
のを使用する。
第1-7 乾燥設備の保安対策1-45危 険 要 因 安 全 対 策加熱装置
加熱された熱媒油(3(2)参照)が
漏洩し、発火又は引火する。
熱媒油加熱装置には、加熱防止措置を講じ
る。
熱媒油は、原則として発火点以上の加熱状
態で使用しない。
熱媒油の膨張タンク等は、必要に応じて窒
素ガス等で封入する。
熱媒油の循環系統の異常(循環停止等)を
検知し、加熱装置とインターロックする。
ガスバーナーを使用する装置で燃
料ガスの圧力調整の不調で異常燃焼
を起こす。
ガス調整器、高圧用・低圧用圧力制御スイ
ッチを燃焼配管に取り付け、燃料の緊急遮断
装置とインターロックする。
地震動等により、配管の亀裂等で
漏油あるいは機器の制御不能による
不完全燃焼を起こす。
地震動等により作動する安全装置を設ける。乾燥材料自動送り込み装置
送り込み装置の停止若しくは減速
又は乾燥材料の詰まりにより、乾燥
材料が過熱し着火、又は有機溶剤が
充満し引火する。
送り込み装置の異常を検知する装置(送り
込み用モーターの電流値検出等)を設置し、
熱源遮断装置とインターロックする。
ロール紙等の乾燥材料の連続送り
込み装置がバランスを失し、弛み等
を生じて乾燥材料が加熱装置に接触
し、出火する。
同 上
加熱装置との接触の防止を図るため、ガイ
ド、ネット等の保護措置を講じる。
乾燥材料が高速で送り込まれたた
め帯電し、静電スパークにより内部
に滞留した可燃性蒸気に引火する。
乾燥材料の物性・形態・除去物質を考慮し
て、送り込み装置等の材質、送り込み速度を
決定する。
乾燥設備を接地し、必要に応じて静電気を
有効に除去する装置を組み込む。
前工程で異常に有機溶剤を塗布
された乾燥材料が連続的に乾燥設
備に送り込まれ爆発する。
前工程における異常をキャッチする装置
(可燃性ガス検出器等)を設け、送り込み機
構、熱源遮断装置等とインターロックする。
送り込まれる乾燥材料中の有機溶剤量の変
動幅の大きいものにあっては、事前に一次処
理を検討する。
第1-7 乾燥設備の保安対策1-46危 険 要 因 安 全 対 策ダクト火災発生時に拡大経路となる。
ダクトは特定不燃材でつくり、使用形態に
応じて放爆措置を講じる。
廃棄ダクトは、原則として単独系とする。
ダクト内部に蒸発物質が付着し長
期加熱により蓄熱発火する。
排気ダクトは極端な屈曲部をさける。
点検口、清掃口を適宜設ける。
蒸発物質が多い場合は、適切な位置にフィ
ルター等の処理装置を設ける。
直火方式の熱風ダクトに未然ガス、
すすがタール状に付着し、長期加熱
により蓄熱発火する
同 上
ダクト接続部の隙間から蒸発性物
質が漏洩し、ダクトの断熱材に浸透
し発熱発火する。(特に植物油をベ
ースにした塗料等の乾燥時には注意
を要する)
ダクト接続部等は不必要な断熱材等での被覆
をさける。
グラスウール等含侵し易い被服材料は使用し
ない。
排気ダクトに付着したフィルター
の目詰まりで炉内温度が上昇し、乾
燥材料が発火する。
点検、清掃が容易に行える位置、構造のも
のとする。
必要に応じ、ダクト内に風量(速)センサ
ーを設け、警報装置、熱源遮断装置によりイ
ンターロックする。
直火式熱風循環のダクトに付着し
たエアーフィルターの目詰まりで酸
素量が不足し、熱風発生用バーナー
が不完全燃焼を起こし、発生した未
燃焼ガスが爆発する。
同 上ファン排気ファンに蒸気物等が固着し
摩擦熱により発火する。
点検、清掃が容易に行える位置、構造のも
のとする。
ファン手前に蒸発物等の除去装置を設け
る。
過電流継電器を設ける。
第1-7 乾燥設備の保安対策1-47危 険 要 因 安 全 対 策ファン排風機が故障等で停止し、炉内温
度が上昇し、乾燥材料が発火する。
風量(速)センサー・温度センサー等を設
け、警報装置、熱遮断装置と連動させる。
操作ミス等を防止するため、ファン停止時
には、加熱装置が作動しないようにインター
ロック機構を組み込む。
送風機の異常停止により加熱用
バーナーが異常燃焼し、
未燃焼ガス
等が爆発する。
同 上電気設備
電気配線・機器等がショートし出
火する。
電気配線は、高温部と接触しないような位
置に堅個に配線する。
電気配線は、敷設場所に応じて耐熱性を有
するものを使用する。
配線・機器の接続部は、振動等の少ない場
所に設ける。
電動機等の機器は、通風の用場所に設ける。
電気機器の火花により周囲に滞留
した可燃性ガスに引火する。
可燃性ガスの滞留するおそれのある場所に
設けるものにあっては、防爆構造のものを使
用する。
電動機に過負荷がかかり、
過熱出
火する。
過電流継電器を設ける。
ファンモーター等の開閉気が、他
設備と併用となっていたため他設備
のスイッチを誤って切り、ファンモ
ーター等が停止し、炉内温度が異常
上昇し、出火する。
乾燥設備に附属する電熱器、電動機等に接
続する配線及び開閉器は専用回路とする。
停電等により送風機が停止し、バーナーが異常燃焼する
停電時における安全装置(使用中停電した
場合、燃焼を停止するもの)を設け、かつ、
再通電した場合でも危険性のない構造とす
る。
特に重要な設備には、非常電源を設ける。
第1-7 乾燥設備の保安対策1-48備考
(注1) バーナーの燃焼ガスを直接乾燥室に送り込み乾燥させる方式のもの。
(注2) 乾燥室から一度排出された熱風を循環させ再利用する方式のもの。
(注3) 可燃性ガスの濃度を爆発下限界の1/4以下となるようにした場合、危険物を溶
剤とする物質を乾燥する場合における排気量の目安は、次のとおりである。なお、
式はあくまで理論的なもので、実際には、さらに十分な排気量を要する。
V=×ばつ4W60Mβ
(m3/min)
V:排気量(m3/min)
M:溶剤の分子量
β:溶剤の爆発濃度下限界
W:蒸発溶剤量(kg/h)
(注4) バーナーに点火する際、事前に燃焼室内へ送風し未燃焼ガス等を完全に除去する
こと。
(注5) バーナーの燃焼を止めた後、ある一定時間送風を継続して、燃焼室内の未燃焼ガ
ス等を完全に除去すること。
第1-7 乾燥設備の保安対策1-492 装置の安全対策
(1) 誤操作防止の制御機構
1 シーケンス制御
予め正確な操作手順をシーケンスとして組み込み、装置類をそれに基づき自動操作
するもので、特に危険な操作や、複雑な操作を行う場合の誤操作防止を図っていくも
のである。
第1-7-1図 ボイラーの自動運転制御システムの例制御リレー機構1 制御リレー機構に電源が入る。
2 バーナーモーター回路を閉じバーナーファン
を回転させて、炉内ガスをパージする。
3 プレパージ(30 秒〜40 秒)後、ガス点火バー
ナーが作動し、点火用ガスが燃焼する。
4 火点用ガスの炎を光電管回路により確認す
る。
5 主バーナー附属の油電磁弁(又はモータライ
ズドガスバルブ)が開き(又はガス)が噴射を
始め着火する。
6 点火バーナー電気回路を閉にし、着火バーナ
ーの燃焼を停止する。
(ガス燃焼の場合はスパー
クのみ停止)
7 モジュトロールモーターが作動し、油又はガ
ス調整バルブ、一次、二次空気ダンパーが開き、
高燃焼に移行する。
8 以上で正常運転に入るが、
ボイラーの圧力(温度)が設定圧力(温度)に達すると圧力(温度)
調節器と、モジュトロールモーターの間の調整
用回路が働き常に一定圧力(温度)を維持する
よう燃焼を自動制御する。
9 圧力(温度)制御スイッチはボイラーの圧力
(温度)が制御圧力(温度)になった場合には
バーナー運転を停止する。また、圧力(温度)
が下がるとバーナーは2
の順序を経て自動的に
起動する。
スイッチ 123456789 圧力(濃度)制御スイッチ
点火バーナー
圧力(温度)調整器(発信)
光電管
主バーナー
油調整バルブ
ガス調整バルブ
一次空気ダンパー
二次空気ダンパー
モジュトロールモーター(受信)
バーナーモーター
油ヒーター
油電磁弁
モータライズド
ガスバルブ
燃料切替
スイッチ
ボイラー本体
第1-7 乾燥設備の保安対策1-502 インターロック機構
操作手順や状態が設定条件と違っている場合に、その操作が行えないか、若しくは
操作しても無効となるようなシステムを言う。第1-7-2図はその一例で、パイロ
ットバーナーが着火しないとき、又は消えた場合に主バーナーの燃料バルブが開かな
いような機構としたものである。
3 連動機構
例えば、2種の流体を一定比率で混合させる自動制御を行っている装置で、一方の
流量が規定値から外れると危険な状態になるようなケースにおいて、流量変動を生じ
る恐れの高い側の流量に他方の流量を追従させ、常に一定の比率を保つ比率自動制御
を行う場合等である。このようなシステムを組み込むことによって、ポンプの故障に
よる混合割合の変化を無くし、危険を回避することができる。
第1-7 乾燥設備の保安対策1-51(2) 乾燥設備の自動温度制御方法
1 乾燥材料の供給量制御
蒸発水分等の変動に対して、乾燥材料の供給量又は供給速度を変化させることで排
気温度を一定に調節する方法
2 風量制御
蒸発水分等の変化に伴う温度の変動に対して、排風機のダンパー制御による風量増
減で排気温度を一定に調節する方法
3 熱風温度制御
風量と乾燥材料の供給量を一定として、蒸発水分の変化に伴う排気温度の変動に対
しては、熱風温度を上下させることで排気温度を一定に調節する方法
(3) 計測装置の種類
乾燥設備には、本体及びそれに附属する設備を適正に運転するため、また、異常時の
変化をとらえるために種々の計測装置等が付置されている。このうち、保安上、乾燥設
備に付置されている計測装置の主なものをあげると第1-7-1表のとおりである。
第1-7-1表 乾燥設備に付置する計測装置
装 置 内 容
温度測定装置
炉内の雰囲気温度を測定し、異常温度を検知する。
設備の形状、
内容物等により温度分布にばらつきがある場合に
は、多点監視又は最も高温となる箇所に設置する。
熱電対温度計、抵抗温度計、サーミスタ、膨張温度計(バイメ
タル、ブルドン管等)
、放射温度計等
圧力測定装置
圧力上昇するおそれのある設備には、圧力計等を設け、異常圧
力を検知する。
弾力圧力計(ブルドン管、ベローズ、ダイアフラム等)抵抗線
式圧力計、圧電式圧力計等
可燃性ガス濃度測定
装置
可燃性蒸気(燃焼設備の未燃焼ガスも含む)濃度が上昇するお
それのある設備に設ける。
設備の形状、内容物等により、ベーパーが局部的に滞留するお
それのある場合には、
多点監視又は最も高濃度となる箇所に設置
する。
なお、吸引式による場合は、濃度変動を検知する遅れ時間が最
小となる箇所に検知部を設ける。
酸素濃度測定装置
不燃焼ガスでシールしながら乾燥を行う場合には、
酸素の濃度
測定を行う。
第1-7 乾燥設備の保安対策1-52装 置 内 容
風量・風速測定装置
熱風供給、排気量等の変動により、炉内が加熱又は可燃性蒸気
濃度が爆発範囲内に入る設備には、風量・風速を測定する装置を
設ける。
過電流測定装置
換気・コンベアの電動機等の電気設備の負荷を計測し、電気設
備の加熱、
換気量、
コンベアの移送スピードの低下等を検知する。
過電流継電器等
静電電圧測定装置
除電装置が有効にとれない場合には、
静電気の帯電量を測定す
る。
静電気用電圧計等
異常燃焼測定装置
バーナー等燃焼設備を有するものは、
不完全燃焼を有効に検知
する装置を設ける。
フレームアイ、フレームロッド、光電管式等
異常が生じた場合には、通常、一種の変化のみが現れることはまれで、一の変化に関
連した複数の変化を伴うため、ある変化を検知することによって他の変化を推察するこ
とが可能である。このことから、保安設備として設ける場合には、必ずしも全ての変化
に対してのセンサーを設置する必要はない。
(4) 計測装置と異常時制御
計測装置を取り付ける場合には、単に異常現象を指示するのみでなく、計測装置と警
報装置及び燃料供給設備、換気設備等と連動させ、直接出火に結びつく雰囲気形成を未
然に防止する機構とすべきである。
一例として、自動温度コントロールされている箱型熱風乾燥炉(半循環式)について第
1-7-4図に示した。
第1-7 乾燥設備の保安対策1-53(5) 乾燥炉の放爆
爆風圧を放出するための開口部はベント面積が適当でなければ効果は上がらない。
NFPA(全米防火協会)では第1-7-2表に示すベント比を推奨している。
第1-7-2表 装置及び建物に対する推奨ベント比
装 置 及 び 建 物 の 種 類 ベント比(m2/m3)
30m3以下で軽量構造の機械及び炉 1/3〜1/9
30m3以下で強い圧力に耐える構造の機械及び炉 1/9
30〜700m3の部屋、建物、貯槽、容器等
(この場合はベントに対する爆発発生点の相対位置と
爆発の起こりうる容積を考慮する必要がある。)
1/9〜1/15
700m3以上の部屋又は建物で危険な装置がその小部分
を占めるとき
(1)鉄筋コンクリート
(2)軽量コンクリート、レンガ又は木造
(3)簡易パネル構造1/241/18〜1/24
1/15〜1/18
700m3以上の大きな部屋又は建物で危険な装置がその
大部分を占めるとき
1/3〜1/15
(注)ベント比とは装置又は建物の容量に対する開口部の比をいう。
原文ではftでの表示であるが、mに換算してある。
3 熱源の諸特性
熱源の種類による特性は、第1-7-3表のとおりである。
第1-7-3表 熱源の特性
熱源の種類 温度調節 湿度調節
熱風の
清浄度
設備費 熱量費
蒸気
液体燃料(直接燃焼)
液体燃料(熱交換器使用)
気体燃料(直接燃焼)
電 気(電熱、赤外線)
にじゅうまる〇〇〇にじゅうまる
にじゅうまるにじゅうまるにじゅうまる
にじゅうまる
しろさんかく
にじゅうまるにじゅうまる小小大小中小
最小中中大適応順 にじゅうまる➝〇➝しろさんかく
(注)設備費には、ボイラー、貯槽、変圧器等を除く。
(1) 蒸気・温水
蒸気・温水は、熱媒体として広く用いられているが、使用温度範囲に限界がある(0
〜240°C)。一般的には0〜150°Cの範囲で利用されている。
温度に対応する水の蒸気圧は、第1-7-4表のとおりである。
第1-7 乾燥設備の保安対策1-54(2) 熱媒油
工業の発達により、あらゆる産業で、高温でしかも微妙な温度制御を必要とするプロ
セスが多くなってきている。従来はこれらの加熱源として水蒸気が広く用いられていた
が、飽和蒸気を用いる場合は非常に高い圧力(200°Cで15atm、250°Cで39atmなど)を要
するため設備費がかさみ、また、加熱蒸気や熱風では伝熱が悪く、直火では局部加熱を
起こしやすいなどの欠点があった。これを補うものとして、低圧力で、しかも比較的簡
単に高温が得られ、精密な温度調節ができる熱媒油が広く用いられるようになってきて
いる。乾燥設備にも熱媒油が使われるケースが多くなってきており、その特徴等は次の
とおりである。
第1-7 乾燥設備の保安対策1-551 熱媒油の種類
一般的な熱媒油の分類
石油系・・・石油精製物
熱媒油 合成系
シリコン系
フッ素系
2 熱媒油の特徴
ア 石油系熱媒油は、天然の石油の蒸留を繰り返し不飽和炭化水素や熱不安定成分を
除去して精製したものであり、比較的低温(150°C)で使用される。
イ 合成系熱媒油には、炭化水素系合成油と芳香族系合成油とがある。これらは石油
系に比較して熱安定性にすぐれ、低温から高温までの広い範囲での利用が可能であ
る。
ウ シリコン系熱媒油は、高温開放状態で使用しても変色せず、透明度を保持できる
ため、実験室等で広く用いられている。
エ フッ素系熱媒油は、不燃性でしかも高温開放状態で使用できることから特殊な用
途には利用されているが、高価なため一般には出回っていない。
このほか熱媒体として、硝酸塩類、ナトリウム、水銀、砂等がある。硝酸塩類は、
不燃性で高温度まで開放状態で使用できるが、有機物と接触すると爆発を起こす危
険性がある。
(3) 赤外線
赤外線は、電磁波の一種であり、物体に吸収されると物体の分子を運動させ、熱エネ
ルギーに変換する性質がある。そのうち、特に波長の長いもの(遠赤外線)は、温度を上
昇させる効果が強いため、赤外線乾燥設備として広く利用されている。
赤外線乾燥に有効利用される波長領域
遠赤外線の特徴は、次のとおりである。
1 被加熱物に吸収されやすい。
2 放射熱による直接加熱であるため、熱効率が良い。
3 対流式加熱炉のように大規模な断熱をする必要がない。
4 低温加熱ができる。
5 温度管理が容易である。
紫外線 可視光線 マイクロ波
0.3 0.72 5.6
2 30 1000 波長(μm)
第1-7-5図 赤外線の波長領域
第1-7 乾燥設備の保安対策1-56第1-7-5表 近赤外線と遠赤外線の比較
近 赤 外 線 遠 赤 外 線
水 の 吸 収 率 小 大
色 に 対 す る 吸 収 率 白黒の差異大 白黒の差異小
表 面 過 熱 良 優
温 度 の 速 応 性 早 遅
空 気 に 対 す る 透 過 率 小 大
第1-8 基準適合品1-57第1-8 基準適合品
1 固定給油設備及び固定注油設備(以下「固定給油設備等」という。)並びに油中ポンプ
設備
危険物保安技術協会では、固定給油設備等及び油中ポンプ設備の構造、機能に係る試験
を行い、一定の安全性を有するものに対し型式試験確認済証を交付している。
(第1-8-1、2、3図参照)
(1) 固定給油設備等の型式試験確認済証
型式試験確認済証
(固定給油設備等)
A000000
危険物保安技術協会
備考
1 型式試験確認済証の材質はテトロンとし、厚さ0.025mm、縦24mm、横45mmの大きさで
表面ラミネート加工とする。
2 型式試験確認済証は、型式区分がセルフサービス用固定給油設備等以外の固定給油
設備等にあっては、地は黒色、セルフサービス用固定給油設備等にあっては、地は赤
色とし、文字、マーク及び試験確認に係る整理番号用枠内は消銀色とする。ただし、
整理番号は黒色とする。
3 整理番号の前のA、B、C、D、E及びFのアルファベット記号は固定給油設備等
の最大吐出量による区分を示す。
区分 内 容A最大吐出量が50l/分以下の固定給油設備等
(最大吐出量の同じものを2以上組み込んだ固定給油設備等を含む。)B
最大吐出量が50l/分を超え60l/分以下の固定給油設備等(最大吐出量の
同じものを2以上組み込んだ固定給油設備等を含む。)C
最大吐出量が60l/分を超え180l/分以下の固定給油設備等(最大吐出量の
同じものを2以上組み込んだ固定給油設備等を含む。)D 最大吐出量の異なるA及びBを2以上組み込んだ固定給油設備等
E 最大吐出量の異なるA及びCを2以上組み込んだ固定給油設備等
F 最大吐出量の異なるB及びCを2以上組み込んだ固定給油設備等
4 型式試験確認済証の裏面には、貼付用の接着テープが付いたものとする。
第1-8-1図 固定給油設備等の型式試験確認済証
第1-8 基準適合品1-58(2) 固定給油設備等を構成する設備の型式試験確認済証
1 固定給油設備本体の型式試験確認済証
型式試験確認済証
(固定給油設備等本体)
A000000
危険物保安技術協会
備考
1 型式試験確認済証の材質はテトロンとし、厚さ0.025mm、縦24mm、横45mmの大きさで
表面ラミネート加工とする。
2 型式試験確認済証は、型式区分がセルフサービス用固定給油設備等以外の固定給油
設備等本体にあっては、
地は黒色、
セルフサービス用固定給油設備等本体にあっては、
地は赤色とし、文字、マーク及び試験確認に係る整理番号用枠内は消銀色とする。た
だし、整理番号は黒色とする。
3 整理番号の前のA、B、C、D、E及びFのアルファベット記号は固定給油設備等
の最大吐出量による区分を示す。
区分 内 容A最大吐出量が50l/分以下の固定給油設備等本体
(最大吐出量の同じものを2以上組み込んだ固定給油設備等を含む。)B
最大吐出量が50l/分を超え60l/分以下の固定給油設備等本体(最大吐出
量の同じものを2以上組み込んだ固定給油設備等を含む。)C
最大吐出量が60l/分を超え180l/分以下の固定給油設備等本体(最大吐出
量の同じものを2以上組み込んだ固定給油設備等を含む。)D 最大吐出量の異なるA及びBを2以上組み込んだ固定給油設備等本体
E 最大吐出量の異なるA及びCを2以上組み込んだ固定給油設備等本体
F 最大吐出量の異なるB及びCを2以上組み込んだ固定給油設備等本体
4 型式試験確認済証の裏面には、貼付用の接着テープが付いたものとする。
第1-8-2図 固定給油設備本体の型式試験確認済証
第1-8 基準適合品1-592 固定給油設備等を構成する設備(固定給油設備等本体を除く)の型式試験確認済証型式試験確認済証
固定給油設備等本体
構成設備
N000000
危険物保安技術協会
備考
1 型式試験確認済証の材質はテトロンとし、厚さ0.025mm、縦20mm、横25mmの大きさで
表面ラミネート加工とする。
2 型式試験確認済証は、型式区分がセルフサービス用固定給油設備等以外の固定給油
設備等に用いることができるものにあっては、地は黒色、セルフサービス用固定給油
設備等に用いるものあっては、地は赤色とし、文字、マーク及び試験確認に係る整理
番号用枠内は消銀色とする。ただし、整理番号は黒色とする。
3 整理番号の前のN、H、V、及びCのアルファベット記号は固定給油設備等の構成
設備の区分を示す。
区分 内 容
N 給油ノズル等
H 給油ホース等
V 立上り配管遮断弁
C セルフサービスコンソール
4 型式試験確認済証の裏面には、貼付用の接着テープが付いたものとする。
(3) 油中ポンプ設備
型式試験確認済証
(油中ポンプ設備)
000000
危険物保安技術協会
第1-8-3図 固定給油設備等を構成する設備の型式試験確認済証
第1-8-4図 油中ポンプ設備の型式試験確認済証
第1-8 基準適合品1-60備考
1 型式試験確認済証の材質はテトロンとし、厚さ0.025mm、縦35mm、横35mmの大きさで
表面ラミネート加工とする。
2 型式試験確認済証は、地は黒色とし、文字、マーク及び試験確認に係る整理番号用
枠内は消銀色とする。ただし、整理番号は黒色とする。
3 型式試験確認済証の裏面には、貼付用の接着テープ付とする。
2 顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所に設置する固定泡消火設備
(1) 固定泡消火設備
型式試験確認済証
(固定泡消火設備)
A000000
危険物保安技術協会
備考
1 型式試験確認済証の材質はテトロンとし、厚さ0.025mm、縦24mm、横45mmの大きさで
表面ラミネート加工とする。
2 型式試験確認済証は、地は黒色とし、文字、マーク及び試験確認に係る整理番号用
枠内は消銀色とする。整理番号は黒色とする。
3 整理番号前のA、Bアルファベット記号はパッケージ型固定泡消火設備の型式区分
により、次のように区分する。
A:水平放出方式
B:下方放出方式
型式試験確認済証の裏面には、貼付用の接着テープが付いたものとする。
(2) 放出口試験確認済証
備考
1 放出口試験確認済証の材質はテトロンとし、厚さ0.025mm、マークの径7mmの大きさ
で表面ラミネート加工とする。
2 放出口試験確認済証は、水平方式の放出口にあっては、地は黒色、下方放出方式の
放出口にあっては、地を赤色とし消銀色のマークとする。
3 試験確認済証の裏面には、貼付用の接着テープが付いたものとする。
第1-8-6図 放出口の試験確認済証
第1-8-5図 固定泡消火設備の型式試験確認済証
第1-8 基準適合品1-613 鋼製強化プラスチック製二重殻タンク(SF二重殻タンク)
鋼製強化プラスチック製二重殻タンクの被覆等及び漏えい検知装置の構造、機能等に係
る試験を行い、一定の安全性を有するものに対し、型式試験確認済証を貼付している。
(第1-8-7、8、9図参照)
(1) 鋼製強化プラスチック製二重殻タンクの型式試験確認済証
型式試験確認済証
(SFタンク)
危険物保安技術協会
備考
1 型式試験確認済証の材質は金属板とし、寸法は縦50mm、横70mm、厚さ0.2mmとする。
2 型式試験確認済証の地は黒色とし、文字、KHKマーク及び整理番号用枠内は消銀
色、整理番号は黒色とする。
(2) 鋼製強化プラスチック製二重殻タンク被覆等の型式試験確認済証
型式試験確認済証
(SFタンクの被覆等)
危険物保安技術協会
備考
1 型式試験確認済証の材質は金属板とし、寸法は縦50mm、横70mm、厚さ0.2mmとする。
2 型式試験確認済証の地を赤色とし、文字、KHKマーク及び整理番号用枠内は消銀
色、整理番号は黒色とする。
(3) 漏えい検知装置の型式試験確認済証
型式試験確認済証
(漏洩検知装置)
危険物保安技術協会
第1-8-8図 鋼製強化プラスチック製二重殻タンク被覆等の型式試験確認済証
第1-8-9図 漏洩検知装置の型式試験確認済証
第1-8-7図 鋼製強化プラスチック製二重殻タンクの型式試験確認済証
第1-8 基準適合品1-62備考
1 型式試験確認済証の材質は、表面をラミネート加工したテトロンとし、寸法は縦24
mm、横45mm、厚さ0.025mmとする。
2 型式試験確認済証の地は黒色とし、文字、KHKマーク及び整理番号用枠内は消銀
色、整理番号は黒色とする。
(注記) 鋼製強化プラスチック製二重殻タンクの審査項目及び完成検査の項目は「表1」
「表2」のとおりである。
4 強化プラスチック製二重殻タンク(FF二重殻タンク)
強化プラスチック製二重殻タンクの本体及び漏えい検知設備の構造、機能等に係る試験
を行い一定の安全性を有するものに対し、型式試験確認済証を貼付している。(第1-8-
10、11、12図参照)
(1) 強化プラスチック製二重殻タンクの型式試験確認済証
試験確認済証
(FFタンク)
危険物保安技術協会
備考
1 型式試験確認済証の材質は金属板とし、寸法は縦50mm、横70mm、厚さ0.2mmとする。
2 型式試験確認済証の地は緑色とし、文字、KHKマーク及び整理番号用枠内は消銀
色、整理番号は黒色とする。
(2) 強化プラスチック製二重殻タンク本体の型式試験確認済証
試験確認済証
(FFタンクの本体)
危険物保安技術協会
備考
1 型式試験確認済証の材質は金属板とし、寸法は縦50mm、横70mm、厚さ0.2mmとする。
2 型式試験確認済証の地は青色とし、文字、KHKマーク及び整理番号用枠内は消銀
色、整理番号は黒色とする。
第1-8-11図 強化プラスチック製二重殻タンク本体の型式試験確認済証
第1-8-10図 強化プラスチック製二重殻タンクの型式試験確認済証
第1-8 基準適合品1-63(3) 漏えい検知設備型式試験確認済証
試験確認済証
(漏洩検知設備)
危険物保安技術協会
備考
1 型式試験確認済証の材質は、表面をラミネート加工したテトロンとし、寸法は縦24
mm、横45mm、厚さ0.025mmの大きさとする。
2 型式試験確認済証の地は黒色とし、文字、KHKマーク及び整理番号用枠内は消銀
色、整理番号は黒色とする。
(注記) 強化プラスチック製二重殻タンクの審査項目及び完成検査の項目は
「表3」、「表
4」のとおりである。
5 放電加工機
放電加工機の構造、機能に係る試験を行い、一定の安全性を有するものに対し型式試験
確認済証を交付している。
(1) 放電加工機の型式試験確認済証
放電加工機型式試験確認済証
確認番号NO
確認年月 令和 年 月
危 険 物 保 安 技 術 協 会
備考
1 放電加工機型式試験確認済証の材質は金属板とし、寸法は縦50mm、横70mm、厚さ0.3
mmとする。
2 放電加工機型式試験確認済証の地は赤色とし、文字は銀色とする。
6 危険物関連設備等の性能評価
危険物の貯蔵、取扱い又は運搬に係る危険物施設等の構造、設備等(以下「危険物関連
設備等」という。)について、性能評価を受けたもので、必要と認められたものには証票
を貼付している。
70 mm50mm
第1-8-13図 放電加工機の型式試験確認済証
第1-8-12図 漏洩検知設備の型式試験確認済証
第1-8 基準適合品1-64性 能 評 価 済 証( )0 0 0 0 0 0
危険物保安技術協会
備考
1 性能評価済証の材質はテトロンとし、厚さ0.025mmで表面ラミネート加工とする。
(大きさについては規定されていない。)
2 性能評価済証は、地は黒色とし、文字、マーク及び性能評価に係る整理番号用枠内
は消銀色とする。ただし、整理番号は黒色とする。
3 型式試験確認済証の裏面には、貼付用の接着テープ付とする。
4 現在性能評価証を受けているものには、移動式融雪車、廃自動車残留ガソリン回収
装置等がある。
第1-8-14図 性能評価済証
第1-8 基準適合品1-65 第1-8 基準適合品1-66 第1-8 基準適合品1-67 第1-8 基準適合品1-68 第1-9 タンク及び配管の水圧試験要領1-69第1-9 タンク及び配管の水圧検査要領
1 タンク
(1) 目的
タンクの水圧試験は、
タンク本体の漏れ、
変形を確認するために行うものであること。
(2) 試験準備
1 試験タンクの形状、寸法、材質、板厚及び注入口の構造等がタンク検査申請書の記
載内容と相違ないかを確認するものであること。
2 試験タンクの設置場所が不安定でないことを確認すること。
3 試験タンクは、あらかじめ、タンク表面に付着しているさび、油分、水分、汚れ、
溶接スラグなどがワイヤーブラシ、布及び溶剤等により除去されていること及び溶接
部に係る欠陥がないことを外観等で確認すること。
4 圧力計は、微小の圧力変化が確認できる最小単位の低圧用のものを使用するもので
あること。
5 加圧するタンクの注入口、計量口等を閉鎖するための閉止板、キャップ、プラグな
どは、規定圧力に十分耐えるものであること。
(3) 試験方法
1 タンクの加圧は、ソケット上部まで満水にし、タンク内部のエアーが完全に抜けた
後に行うものであること。
2 試験タンクに規定の水圧をかけ、
30分以上経過後に減圧しないことを確認すること。
3 ハンマー試験は次により行うこと。
ア 点検ハンマーは、
タンク鋼板に平面的に当て、
タンク本体に損傷を与えないこと。
イ 連打する位置は、溶接ビートの最外側より、使用板厚の約2倍の位置にあたる鋼
板部を千鳥形に軽打する。
ウ アルミウム等のタンクについては、木製等のハンマーを使用すること。
4 ハンマー試験の後に再度外観検査を行い、漏れ、変形等の有無を確認するものであ
ること。
5 タンクの下部等で容易に視認できない箇所の検査は底部底面鏡(照明灯付)等によ
り確認するものであること。
(4) その他
1 中仕切タンクについては、部屋ごとに同時に水圧をかけ単一タンクと同様の試験を
行うものであること。
2 縦置円筒型タンク等で、
水張試験の際底板の点検が十分にできないものにあっては、
真空試験等を行うものであること。
真空試験は、試験を行おうとする溶接部にあらかじめ発泡剤を添付し、その部分に
試験器を当て、真空ポンプ等により真空度約1/2気圧の状態を作り、発砲の有無を
第1-9 タンク及び配管の水圧試験要領1-70確認するものであること。
3 負圧タンクにあっては、
審査指針(本編)第6屋外タンク貯蔵所3(1)5イによること。
4 ジャケット付タンクの水圧検査方法例
タンク(ジャケット部分を除く。)にあっては、前(3)により実施し、ジャケットで
覆われた部分に対しては、前(3)1によりタンクの満水状態において、ジャケット部分
に常用圧力の1.5倍の不燃性気体で加圧後、前(3)3によりハンマリングを実施し、タン
ク内部の気泡の発生及び30分経過後の圧力低下を確認する。
なお、タンク検査後に、ジャケットを取り付けるものにあっても同様の検査方法と
する。
2 配管
(1) 目的
危険物を取扱う配管の水圧試験(水以外の不燃性の液体又は不燃性の気体を用いて行
う場合を含む。)は、配管の漏れを確認するものであること。
(2) 対象配管
危政令第9条第21号イに規定する水圧試験の対象となる配管は配管継手の種類にかか
わりなく、危険物が通過(一時的に通過するものも含む。)し、又は滞留する全ての配
管(地下埋設にかかわる通気管も含む。)が対象となるものであること。
(3) 試験準備
1 試験配管は、あらかじめ,配管表面に付着しているさび、油分、水分、汚れ等がワ
イヤーブラシ、布及び溶剤等により除去されていることを確認するものであること。
2 圧力計は、微小の圧力変化が確認できる最小単位の低圧用のものを使用するもので
あること。
(4) 試験方法
1 加圧試験は、試験配管の末端を閉止し、配管全体に規定の圧力をかけるものである
こと。
ただし、タンクと配管が接続されている場合で、タンクに配管と同一の圧力を加え
ても支障ないものにあっては、タンクを含めて加圧試験を行うことができるものであ
ること。
2 配管の加圧は徐々に昇圧し、規定圧力に達したならば閉鎖弁等を閉鎖し、30分間以
上経過後、圧力計の変化のないことを確認後、次の試験を行うこと。
ア 溶接箇所は、溶接線付近をハンマーにより軽打し、漏れの確認を行うこと。
イ 不燃性の液体を用いる場合は、溶接箇所及び合フランジ等の継手部分に石けん水
を塗布する等により漏れを確認するものであること。
3 不燃性ガスを用いて行う加圧検査用ガスボンベには減圧弁を設けるとともに、ガス
ボンベと配管のガス封入口の間には閉鎖弁を設けるものであること。
(5) その他
第1-9 タンク及び配管の水圧試験要領1-711 自然流下により危険物を送る配管にあっては、最大背圧を最大常用圧力とみなして
行うこと。
2 配管の加圧は、原則として等圧試験配管については、一括して加圧するものである
こと。
ただし、大規模な配管、又は配管途中に附属設備等を有するもので一括して加圧す
ることが好ましくないものにあっては、分割して行うことができるものであること。
3 配管の施工方法により配管内のエアーが抜けず圧力があがらなくなる場合は、配管
の高所にエアー抜きを設けること。
第1-9-2図は、窒素ガスによる検査方法で、油を通した配管にも使用されてい
る。窒素ガスボンベには必ず減圧弁を設ける。検査方法は、1(4)4の方法と同様に行
う。
第1-9-2図 窒素ガスによるテスト例
溶 接 部
(石けん水で検査)
2減圧弁
1窒素ガスボンベ
第1-9-1図 エアーテスト例
7フランジ
溶 接 部
(石けん水で検査)
6圧力ゲージ
4圧力ゲージ
3安全弁
5バルブ
2レシーバー
1コンプレッサー
5フランジ
3バルブ
4圧力ゲージ
高圧ホース
第1-9 タンク及び配管の水圧試験要領1-72第1-9-3図 水圧テスト例
1水圧ポンプ水2圧力ゲージ
3バルブ
4圧力ゲージ
5フランジ
溶接部水第1-9-4図 水圧テスト例
5フランジ
6エアー抜きコック
溶接部
4圧力ゲージ
3バルブ
2圧力ゲージ
1水圧ポンプ
第2-1 製造所、一般取扱所におけ
る許可数量等の算定例2-1第2 製造所、一般取扱所
第2-1 製造所、一般取扱所における許可数量等の算定例
製造所や一般取扱所(製造工程を有するもの)において取り扱う危険物の最大数量及び倍
数(以下「許可数量等」という。)の算定は、製造される製品によって製造工程が単純なも
のから複雑なもの、製造日数が数日にわたるものなど様々なケースがあり、一様ではないこ
とから、実態に応じて算定する必要がある。
一般取扱所については、許可数量等を算定する場合に、製品が非危険物であり、製品につ
いて考慮しないこととなり、製造所と比較すると少し単純なものとなるので、以下製造所を
例に取って説明する。
1 許可数量等を算定する場合の基本事項
(1) 原料が反応等により全て製品となる場合は、1日単位で見て原料に係る危険物と製
品危険物を比較し、指定数量の倍数の大きい方をその工程の許可数量等とし、複数の工
程が同時に存在する場合には、それらを合算して許可数量等を算定すること。
原料A、B、Cに係る倍数2+3+4=9>製品の倍数4
したがって、原料に係る危険物の数量を許可数量等とする。
(2) 原料を投入後、中間体危険物となり、原料を追加して製品危険物を製造する場合は1
日単位で見て、原料と追加原料を合算したもの、中間体危険物と追加原料を合算したも
の及び製品危険物を比較し、指定数量の倍数の大きい方をその工程の指定数量等とする
こと。ただし、中間体危険物が不安定で速やかに製品危険物に移行する場合を除く。
原料A(2)原料C(4)製 品(4)原料B(3)( )内は倍数
第2-1 製造所、一般取扱所におけ
る許可数量等の算定例2-2原料の倍数合計(2+3+4)=9<中間体の倍数+原料C(6+4)=10>製品の
倍数5
したがって、中間体及び原料Cに係る危険物の数量を許可数量等とする。
(3) 製品製造工程が複数の日にかかる場合は、それぞれの日ごとに工程中の危険物を算定
すること。
1日目: 原料Aの倍数2=中間体aの倍数2、したがって危険物の倍数は2
2日目: 中間体aの倍数2+原料Bの倍数3=5>中間体bの倍数4、したがって
危険物の倍数は5
3日目: 中間体bの倍数4+原料Cの倍数4=8>製品の倍数6、したがって危険
物の倍数は8
よって3日間のうち、3日目の中間体b及び原料Cに係る危険物の数量を許可数量
等とする。
原料A(2)原料B
(3) ( )内は倍数
中間体(6)製 品(5)反応等
反応等
原料C(4)1日目 3日目
2日目
原料A(2)中間体 a(2)中間体 b(4)製 品(6)原料C(4)原料B
(3) ( )内は倍数
反応等 反応等 反応等
第2-1 製造所、一般取扱所におけ
る許可数量等の算定例2-3(4) 複数の製品を製造する場合の許可数量等の算定は、
前(1)から(3)により製造ごとに各作
業日の倍数を算定し、最大となる日の取扱数量及び倍数とすること。
1 複数の製品製造を行い、それぞれの製品製造工程に要する時間が異なる場合
それぞれの工程に要する時間が異なるので、許可数量等を算定する場合は全工程を
時系列で作図し一日の取扱倍数が最大となる日の取扱数量及び倍数とすること。
なお、作図の範囲は、第1日目と同じ工程図となるまでとする。
(条件)
1 倍数: 原料A>製品a=原料B>製品b
=製品c>原料C
2 原料投入後すぐに製品危険物に該当する危険物となる。
3 作図の範囲は、紙面の関係で7日目までとする。
2 1と条件等同じであるが、各工程終了後製品の小分け作業を行う場合前1と同様に
許可数量等を算定する。
第2-1 製造所、一般取扱所におけ
る許可数量等の算定例2-4(条件)
1 前日から継続して小分け作業が行われる場合は、翌日の
残量は1/2とする。
2 その他の条件は1と同様とする。
したがって、2日目の危険物の数量を許可数量とする。
3 前2と同じであるが、危険物となる中間体を製造し追加原料投入工程を経て製品を
製造する場合前2と同様に許可数量を算定する。
(条件)
1 製造工程は凡例に表す工程が上から下に順次行われるものとする。
2 倍数:原料A>製品a=原料B>製品b=製品c>製品Aの中間体X>製品B中間体
Y>製品Cの中間体Z>中間体Aの追加原料x=製品Bの追加原料y=製品Cの追加原
料z、C+z>c
3 前日から継続して小分け作業及び追加原料投入工程が行われる場合は、翌日の残量は
1/2とする。
4 原料投入工程終了後においても、中間体及び製品は危険物に該当するものとする。
第2-1 製造所、一般取扱所におけ
る許可数量等の算定例2-5(注記) 許可数量等の算定は、各作業日の倍数を比較し最大となる日の取扱数量及び倍数と
すること。
2 その他の製造所
1(4)3の各工程の例以外にも熟成工程などが追加されるほか、最終製品を造るための
原料を製造する工程が別工程となっていたり、各工程が時々稼働するもの等複雑なもの
があるが、製造所内各工程を時系列で作図することにより、各作業日の倍数のうち最大と
なる日の取扱数量を算定すること。
3 その他
(1) 1、2による取扱数量等の算定にあたっては、次の事項に留意して行うこと。
1 各工程で使用する原料及び製品等が危険物となるかどうかを危険物等データベース
登録確認書、確認試験結果書等により確認すること。
2 油圧機器内蔵油、ボイラー燃料、熱媒危険物、洗浄用危険物等、前1、2の例示以
外の危険物を使用する場合は、許可数量等の算定にあたって最終的に合算して求める
こと。
(2) 危険物を原料として種々の化学反応を伴う等、製造所と類似した施設であっても、最
終製品が非危険物となるものについては、一般取扱所として規制されるため、前1、2
における指定数量の算定においては、製品の小分け作業は除かれる。
第3-1 容量 500 kl未満の屋外貯蔵タンク
の耐震及び耐風圧構造計算例3-1第3 屋外タンク貯蔵所
第3-1 容量500kl未満の屋外貯蔵タンクの耐震及び耐風圧構造計算例
地震動による慣性力及び風圧力に対するタンク本体の検討は、転倒と滑動の可能性につ
いて行う。
1 タンク構造
2 計算条件
貯蔵危険物:重油(比重0.93)
設計水平震度(Kh):0.3
設計鉛直震度(KV):0.15
風力係数(k):0.7
タンク底板と基礎上面との間の摩擦係数(μ):0.5
風荷重: 危告示第4条の 19 第1項により算出したもの。
第3-1 容量 500 kl未満の屋外貯蔵タンク
の耐震及び耐風圧構造計算例3-23 自重の計算
タンクの自重をWT、危険物の重量をWLとする。
WT=(底板)+(側板)+(屋根板)+(屋根骨)+(付属品)
=(2.3+11.0+1.5+0.4+1.2)×ばつ103
(kg)×ばつ9.8(m/s2)=160.7(kN)
WL=(×ばつ0.93)(kg)×ばつ9.8(m/s2)=4192.4(kN)
4 転倒の検討
(1) 地震時(満液時)
抵抗モーメント>転倒モーメントとなるので転倒しないものと考えられる。
(2) 風圧時(空液時)
風圧力をPWとする。
抵抗モーメント>転倒モーメントとなるので転倒しないものと考えられる。
第3-1 容量 500 kl未満の屋外貯蔵タンク
の耐震及び耐風圧構造計算例3-35 滑動の検討
(1) 地震時
μ(1-KV)=×ばつ(1-0.15)=0.425
Kh=0.3
μ(1-KV)>Khとなるので、空液時及び満液時ともに滑動しないものと考えられ
る。
(2) 風圧時(空液時)
滑動力=PW=111.9(kN)
抵抗力=×ばつμ=×ばつ0.5=80.4(kN)
抵抗力<滑動力となるので、このタンクは強風が予想されるときに空液としてはなら
ない。
この場合、タンクの滑動を防止するために必要な貯蔵危険物の液面高さh’は、次の
ようになる。
第3-2 防油堤の構造基準及び設計例3-4第3-2 防油堤の構造基準及び設計例
(昭 52.11.14 消防危第 162 号通知、平成 10.3.20 消防危 32 号通知)
1 防油堤の構造
危省令第22条第2項第9号の構造は、次による構造又はこれらと同等以上の強度を有
するものとすること。
(1) 防油堤は、次に示す荷重に対し、安全で、かつ、荷重によって生ずる応力に対して
安全なものであること。
1 自重
2 土圧
3 液圧
4 地震の影響
5 照査荷重
6 温度変化の影響
7 その他の荷重
ア 自重
自重の算出には、下表に示す単位重量を用いること。
(注記) この値は平均的なものであるから、現地の実情に応じて増減することがで
きる。
イ 土圧
土圧は、クーロンの式により算出するものとすること。
ウ 液圧
ア 液圧は、次式により算出するものとすること。
Ph=W0・h
Ph:液面より深さh(m)のところの液圧(kN/m3)W0:液の単位体積重量(kN/m3)h:液面よりの深さ(m)
第3-2 防油堤の構造基準及び設計例3-5イ 液重量及び液圧は、液の単位体積重量を9.8kN/m3
として算出するものとするこ
と。ただし、液比重量が9.8kN/m3
以上の場合は、当該液の比重量によるものとす
ること。
エ 地震の影響
ア 地震の影響は、次の(a)から(c)を考慮するものとすること。
a 地震時慣性力
b 地震時土圧
c 地震時動液圧
イ 地震の影響を考慮するに当たっての設計水平震度は、次式により算出するもの
とすること。
Kh=0.15α・ν1・ν2
Kh:設計水平震度
α:補正係数で1.0とすること。ただし、防油堤内に液が存する場合は0.5とす
る。
ν1:地域別補正係数
ν2:地盤別補正係数
ウ 地震時動液圧は、地表面以上に作用するものとし、次式により算出するものと
すること。
P:防油堤単位長さ当りの防油堤に加わる全動液圧(kN/m)
W0:液の単位体積当たりの重量(kN/m3)h:液面からの深さ(液面から地表面までとする。)(m)
hg:全動液圧の合力作用点の地表面からの高さ(m)
オ 照査荷重
照査荷重は、20kN/m2の等分布荷重とし、防油堤の高さに応じ地表面から防油堤の
天端までの間に、地表面と平行に載荷するものとすること。ただし、防油堤の高さ
が3mを超えるときは、地表面から3mの高さまで載荷すればよいものとする。
第3-1 防油堤の構造基準及び設計例3-6カ 温度変化の影響
温度変化の影響を考慮する場合、線膨張係数は、次の値を使用するものとするこ
と。
鋼構造の鋼材 ×ばつ10−6/°C(2) 材料
材料は、品質の確かめられたものであること。
1 セメント
セメントは、JIS R 5210「ポルトランドセメント」及びこれと同等以上の品質
を有するものであること。
2 水
水は、油、酸、塩類、有機物等コンクリートの品質に悪影響を与える有害物質を含
んでいないこと。
3 骨材
骨材の最大寸法は、25mmを標準とし、清浄、強硬、かつ、耐久的で適当な粒度を有
し、コンクリートの品質に悪影響を与える有害物を含んでいないこと。
4 鉄筋
鉄筋は、JIS G3112「鉄筋コンクリート用棒鋼」に適合するものであること。
5 鋼材
鋼材は、JIS G3101「一般構造用圧延鋼材」及びJIS G 3106「溶接構造用圧
延鋼材」に、鋼矢板は、JIS A5528「鋼矢板」に適合するものであること。
6 PC鋼材
PC鋼線及びPC鋼より線はJIS G 3536「PC鋼線及びPC鋼より線」にPC
鋼棒はJIS G3109「PC鋼棒」に適合するものであること。
(3) 許容応力度
部材は、コンクリート、鋼材の作用応力度がそれぞれの許容応力度以下になるように
すること。
1 コンクリートの許容応力度
ア コンクリートの設計基準強度及び許容応力度は、次表によるものであること。
鉄筋コンクリート
(N/mm3)
プレストレストコンクリート
(N/mm3)
設計基準強度(σck)
許容曲げ圧縮応力度(σca)
許容せん断応力度(τa)2170.740131
イ 許容支圧応力度は、0.3σck以下とすること。ただし、支圧部分に補強筋を入れる
場合は、0.45σck以下とすることができる。
ウ プレストレストコンクリートの許容引張応力度は、1.5N/mm2
以下とすること。
ただし、
地震時及び照査荷重作用時に対しては、
3N/mm2
まで割増すことができる。
第3-2 防油堤の構造基準及び設計例3-72 鉄筋の許容引張応力度
鉄筋の許容引張応力度は、下表によること。
材 質 許容引張応力度(N/mm3)
SR235
SD295A、SD295B
SD3451401802003 鋼材の許容応力度
鋼材の許容応力度及び鋼矢板の許容応力度は、下表によること。
一般構造用圧延鋼材(SS400)
許容引張応力度
許容圧縮応力度
許容曲げ応力度
許容せん断応力度
140(N/mm3)
140 〃
140 〃
80 〃
鋼矢板
種 別 許容応力度(N/mm3)
鋼矢板(SY295) 176
4 PC鋼材の許容引張応力度
プレストレストコンクリート部材内のPC鋼材の許容引張応力度は、設計荷重作用
時において0.6σpu又は0.75σpyのうち、いずれか小さい値以下とすること。
σpu:PC鋼材の引張強度
σpy:PC鋼材の降伏点応力度は、残留ひずみ0.2%の応力度とする。
5 許容応力度の割増係数
上記(3)の1のア、イ、2及び3の許容応力度は、満液時におけるものとし、地震時
及び照査荷重載荷時の許容応力度は、
割増係数1.5を乗じることができるものとするこ
と。
(4) 地盤
1 調査
土質条件の決定は、
ボーリング、
土質試験等の結果に基づいて行うものとすること。
なお、既往のデータがある場合は、これによることもできるものとする。
2 地盤の支持力
地盤の支持力は、次式により算出するものとすること。
q =α・C・NC+β・γ1・B・Nr+γ2・Df・Nq......(満油時)
q’=α・C・NC+β・γ1・B・Nr+1/2γ2・Df・Nq
.........(満油地震時及び照査荷重作用時には、この式を指導する。)
q,q’:支持力(kN/m2)
α,β :形状係数で α=1.0、β=0.5とすること。
γ1 :基礎底面下にある地盤の単位体積重量(kN/m3) 第3-1 防油堤の構造基準及び設計例3-8(地下水位下にある場合は、水中単位重量をとる。)
γ2 :基礎底面より上方にある地盤の単位体積重量(kN/m3)(地下水位にある部分については、水中単位重量をとる。)
C :基礎底面下にある地盤の粘着力(kN/m2)
NC,Nq,Nr :支持力係数で、危告示第4条の13の図によること。
Df :基礎の根入深さ(m)
B :基礎幅(m)
2 鉄筋コンクリートによる防油堤
(1) 荷重の組合せ
防油堤は、次の荷重の組合せに対して安定で、かつ、十分な強度を有するものである
こと。
満油時 地震時 照査荷重積荷時
防油堤自重(上載土砂等を含む)
液 自 重
液 圧
常 時 土 圧
照 査 荷 重
〇 〇 〇
〇 〇 〇
〇 〇 -
〇 - 〇
- - 〇地震の影響地震時慣性力 - 〇 -
地震時土圧 - 〇 -
地震時動液圧 - 〇 -
(2) 安定に関する安全率
防油堤は、支持力・滑動・転倒の安定に対し、それぞれ下記の安全率を有するもので
あること。
満油時 地震時及び照査荷重載荷時
支 持 力
滑 動
転 倒3.01.51.51.51.21.2
鉄筋コンクリート造防油堤の安定計算において、転倒に対する抵抗モーメント及び滑
動に対する水平抵抗力は、次の項目を考慮することができるものとする。
1 抵抗モーメントと考えるもの
ア 防油堤自重(上載土砂等を含む。)によるもの
イ 液重量によるもの
ウ 常時及び地震時の前面受働土圧によるもの
第3-2 防油堤の構造基準及び設計例3-92 水平抵抗力と考えるもの
ア フーチング底面の摩擦抵抗によるもの
イ 常時及び地震時の前面受働土圧によるもの
(3) 一般構造細目
1 部材厚は、場所打ちコンクリートにあっては20cm以上、プレキャストコンクリート
にあっては、15cm以上とすること。
2 鉄筋の直径は、主鉄筋にあっては13mm以上及びその他の鉄筋にあっては9mm以上と
すること。
3 鉄筋及びPC鋼材のかぶり(鉄筋の表面とコンクリートの表面の最短距離で測った
コンクリートの厚さをいう。)は、50mm以上とすること。
4 防油堤には、防油堤の隅角部から壁高(軀体天端からフーチング上面までの高さを
いう。)の3〜4倍の長さに離れた位置及び20m以内(長さが20m以内である辺の防
油堤については、伸縮目地を設けなくてもよい。
(平10.10.13 消防危第90号質疑))ごとに伸
縮目地を設けるものとし、目地部には、銅板等の金属材料の止液板を設けること。ま
た、
目地部分においては、
水平方向の鉄筋を切断することなく連続して配置すること。
ただし、スリップバーによる補強措置をした場合はこの限りでない。
スリップバーによる補強の方法によった防油堤のうち、その全部又は一部が液状化
のおそれのある地盤に設置するものについては、次の漏えい防止措置を講じるととも
に、防油堤は隅角部でコンクリートを打ち継がないこと。
ア 防油堤目地部の漏えい防止措置
漏えい防止措置は、可撓性材又は盛土により行うこと。
ア 可撓性材による漏えい防止措置
a 可撓性材は、ゴム製、ステンレス製等のもので、十分な耐候性、耐油性、耐熱
性及び耐クリープ性を有するものであること。
b 可撓性材は、防油堤の軸方向、鉛直方向及びこれらに直角な方向の三方向そ
れぞれ200mmの変位に対し、変位追随性能を有するものであること。
c 可撓性材は、防油堤内又は防油堤外のいずれかにアンカーボルト、押さえ板
等により止液性を確保して取り付けること。
d 可撓性材の土被りが十分な防油堤にあっては、防油堤の直壁部に取り付ける
とともに、フーチング部を帆布等の耐久性のある材料で保護することとし、土
被りが十分でない防油堤にあっては防油堤の天端からフーチング下端まで取り
付けること。
なお、「土被りが十分」とは、土被り厚が40cm以上ある場合をいうものであ
ること。(第3-2-1図参照)
e 既設防油堤の伸縮目地に可撓性材を取り付ける場合のアンカーボルトの取付
範囲は、
止液板フックによりコンクリートが破損するおそれが大きいことから、
止液のフックのある範囲を除くものとすること。(第3-2-2図参照)
第3-1 防油堤の構造基準及び設計例3-10イ 盛土による漏えい防止措置
a 盛土は、防油堤内又は防油堤外のいずれかに設置すること。
b 盛土の天端幅は、1.0m以上とすること。
c 盛土の天端高は、防油堤の高さの90%以上の高さとすること。
d 盛土の天端の延長は、伸縮目地部を中心に壁高の2倍以上の長さとすること。
e 盛土の法面勾配は、5/6以下とすること。
f 盛土表面は、
コンクリート、
コンクリートブロック、
アスファルトモルタル、
芝生等により被覆すること。
g 盛土材料は、透水性の小さい細砂又はシルトとすること。
h 盛土は、締固めを行いながら構築すること。また、まき出し厚さは30cmを超
えないものとし、ローラ等で締め固めること。
i 盛土に土留め壁を設ける場合は、防油堤と一体的な構造とすること。
J 漏えい防止措置を講じた場合には、止液板を設けないことができるものであ
ること。
第3-2 防油堤の構造基準及び設計例3-11ウ その他
ア又はイによる漏えい防止措置を講じた場合には、止液板を設けないことがで
きる。
イ 液状化の判定方法
液状化のおそれのある地盤とは、新設の防油堤にあっては砂質土であって危告示
第4条の8各号に該当するもの(標準貫入試験値は第3号の表のBを用いる。)を
いい、既設の防油堤にあっては砂質土であって地盤の液状化指数(PL値)が5を
超え、かつ、危告示第4条の8第1号及び第2号に該当するものをいうものとする
こと。また、これらの判断は、ボーリングデータに基づき行われるものであるが、
タンク建設時に得られたボーリングデータを活用することでも差し支えないもので
あること。
なお、地盤改良を行う等液状化のおそれがないよう措置されたものにあっては、
漏えい防止措置を講じないことができるものであること。
5 フーチングに突起を設ける場合の計算上有効な突起の高さは、次の値によるものと
すること。
6 溝渠等は、防油堤の基礎に支障を生じさせるおそれのある位置に設けないこと。
また、防油堤の基礎底面と地盤との間に空間を生ずるおそれがある場合は、矢板を
設けることにより液体が流出しないよう措置を講じること。
7 防油堤フーチング直下の基礎は、厚さ50mm以上の基礎コンクリート(いわゆる捨て
コンクリートをいう。)を打設すること。
第3-2-3図 盛土による漏えい防止措置の例
1.0m以上防油堤タンク
第3-1 防油堤の構造基準及び設計例3-123 盛土造の防油堤
(1) 天端幅は、1.0m以上とすること。
(2) 法面こう配(高さと水平距離との比)は、1(高さ):1.2(水平距離)以上とす
ること。ただし、土留めの措置を講じる場合にはこの限りでない。
(3) 盛土表面は、コンクリート、コンクリートブロック、アスファルトモルタル、芝生
等により被覆すること。
(4) 盛土材料は、透水性の小さな細砂、シルト等の土質を選定すること。やむを得ず透
水性が大きい盛土材料を用いる場合には、防油堤の中央部に粘土、コンクリート等で造
った壁を設けるか、又は盛土表面を不透水材で被覆すること。
(5) 盛土は、締固めを行いながら構築すること。また、まき出し厚さは30cmを超えない
ものとし、ローラー等の締固め機械を用いて十分締め固めること。
4 防油堤の仕切堤
危省令第22条第2項第10号の仕切堤の構造は、前3の盛土造の防油堤の例によるもの
とすること。
5 配管貫通部の保護措置
危省令第22条第2項第12号の防油堤に損傷を与えないための必要な措置(以下「配管
貫通部の保護措置」という。)は、次により鉄筋コンクリート又は盛土により行うもの
とし、可撓管継手による損傷防止措置は配管に新たな弱点を設けることとなることから
適当でない。(昭52.3.17 消防危第39号質疑)
防油堤に配管を貫通させる場合は、防油堤頂部と当該配管の間隔及び配管平面相互の
間隔を太い配管の管径の1.5倍、かつ、特定屋外貯蔵タンクを収納する防油堤にあっては
0.3m以上、小規模タンクのみを収納する防油堤にあっては0.2m以上とすること。
なお、配管の管径が100mm以上のものにあっては0.3m以上とするよう指導する。
(第3-2-5図及び第3-2-6図参照)
第3-2 防油堤の構造基準及び設計例3-13(1) 鉄筋コンクリートによる措置
鉄筋コンクリートによる措置は、鉄筋コンクリート造の防油堤について、配管貫通
部を箱型の壁体とする措置(以下「箱型保護措置」という。)又は防油堤の壁体を厚
くする措置(以下「強化壁保護措置」という。)により行うものとし、その措置は次
によるものとすること。
1 箱型保護措置
箱型保護措置は、次によること。(第3-2-7図参照)
ア 箱型保護措置とする箱型の壁体(以下「箱型壁体」という。)の構造は2の鉄
筋コンクリート造の防油堤の例によること。
イ 箱型壁体に配管が貫通する壁体の内面(以下「貫通面」という。)相互の間隔
は、1m(配管の直径が100mm以下のものにあっては0.5m以上とすることができる。)以上とするよう指導する。
第3-1 防油堤の構造基準及び設計例3-14ウ 箱型壁体を貫通する部分の配管は、緩衝材によって保護するとともに当該配管
貫通部の壁体周囲には直径1mm以上の補強配筋をすること。(第3-2-8図及
び第3-2-9図参照)
エ 箱型壁体の内部には、土砂を充てんし、その表面には容易に雨水が浸入しないよ
うにアスファルト等による防水措置を講ずること。
オ 箱型壁体を貫通する配管と箱型壁体の内面(貫通面と貫通面以外の壁体の内面と
が接する線をいう。)との間隔は、同面に最も近接して配置される配管の管径の1.5
倍以上、かつ、0.3m(配管の管径が100mm以下のものにあっては0.2mとすることが
できる。)以上とするよう指導する。(第3-2-10図参照)
第3-2 防油堤の構造基準及び設計例3-152 強化壁保護措置
強化壁保護措置は、配管の直径が100mm以下のものについて行うものとし、次による
こと。
ア 強化壁保護措置とする壁体(以下「強化壁」という。)の構造は2の鉄筋コンク
リート造の防油堤の例に示す防油堤の2倍以上の厚さ及び強度を有するもの又は2
の鉄筋コンクリート造の防油堤の壁体を二重とするもの
(以下
「二重壁」
という。)とすること(第3-2-11図参照)。
イ 強化壁を二重壁により行う場合は、二重壁の間をホールインアンカー等により結
合し、かつ、当該接合部に雨水が浸入しないようアスファルト等による防水措置を
講ずること。
ウ 二重壁を貫通する部分の配管は、緩衝材によって保護するとともに当該配管貫通
部の壁体周囲には、直径10mm以上の補強配筋をすること。
エ 強化壁を貫通する配管と強化壁を配管が貫通する強化壁の面以外の強化壁の面と
の間隔は、0.2m以上とすること。(第3-2-11図参照)
第3-1 防油堤の構造基準及び設計例3-16(2) 盛土による措置
盛土による措置は、鉄筋コンクリート造の防油堤の配管貫通部を盛土により保護する
措置(以下「盛土保護措置」という。)又は盛土造の防油堤の配管貫通部を盛土により
保護する措置(以下「二重盛土保護措置」という。)により行うものとし、その措置は次
によるものとすること。
1 盛土保護措置
盛土保護措置は、次によること。(第3-2-12図参照)
ア 盛土保護措置は、鉄筋コンクリート造の防油堤の片側又は両側について盛土によ
り防油堤の頂部まで保護するものとし、その構造は補強盛土の厚さ(配管の軸方向
の補強盛土の断面の厚さをいう。以下同じ。)を1m(防油堤の両側に補強盛土を
する場合にあっては鉄筋コンクリート造の防油堤の厚さを含む。)以上とするほか、
3の盛土造の防油堤((1)を除く。)の例によること。
イ 補強盛土を貫通する配管と補強盛土の法肩
(配管が貫通する部分の法肩を除く。)との間隔は、水平距離で1m以上とすること。(第3-2-13図参照)
第3-2 防油堤の構造基準及び設計例3-172 二重盛土保護措置
二重盛土保護措置は、次によること。
ア 二重盛土保護措置は、盛土造の防油堤の内側又は外側のいずれかについて盛土部
と配管との間隔が確保できるよう保護するものとし、その構造は補強盛土の厚さを
1m以上とするほか3の盛土造の防油堤((1)を除く。)の例によること。(第3-
2-14図参照)。
イ 強度盛土を貫通する配管と補強盛土の法面
(配管が貫通する部分の法面を除く。)との間隔は、1m以上とすること。
第3-1 防油堤の構造基準及び3-186 防油堤内地表面の被覆措置
防油堤内の地表面には、危険物が流出した場合に危険物が地表面へ浸透し、又は地表面
を洗掘することを防止するためコンクリート等のしゃ油性を有する材料で被覆する等の措
置を講ずるよう指導する。
7 防油堤の設計例
倒立T型防油堤
次の表は、倒立T、L型防油堤の設計に関して、設計項目ごとの設計値の例を示したも
のである。
(1) 設計条件
1 土の内部摩擦角:30°
2 摩擦係数:0.5
3 防油堤基礎底面は地下水位より上にあるものとする。
4 フーチングの堤内側の長さは堤外側以上とする。
(2) 防油堤の型状
第3-2 防油堤の構造基準及び設計例3-19(3) 鉄筋の配置
第3-3 1,000 kl未満の固定屋根式屋外貯蔵
タンクの通気量に係る計算例3-20払出ポンプ
受入ポンプ
(最大流量 20 m3/h)
(最大流量 15 m3/h)
容量
50 klPP
第3-3 1,000kl未満の固定屋根式屋外貯蔵タンクの通気量に係る計算例
常温、常圧で使用される円筒縦置型、固定屋根式屋外タンクの平常時における通気管の通
気能力について計算する。
本計算に用いる記号等
Q:必要通気量(m3
/h) Q1 :危険物払出時の通気量(m3/h)Q2:危険物受入れ時の通気量(m3
/h) V :タンク容量(kl)
V1:危険物払出時の最大流量(m3
/h) V2 :危険物受入時の最大流量(m3/h)D:通気管の内径(mm) N :通気管の必要設置数
N1:危険物払出時の通気管の必要数
N2:危険物受入れ時の通気管の必要数
KP:通気管の吐出時損失係数(引火防止網等組込時)
KV:通気管の吸入時寸室係数(引火防止網等組込時)
P:基準圧力(mm水柱)で、通常は水柱38mmとする。
P1:通気管の吐出側設定(作動)圧力(mm水柱)
P2:通気管の吸入側設定(作動)圧力(mm水柱)
計算例1 引火点40°C未満の危険物を貯蔵する場合
1 タンク構造等P P2 通気量の計算
Q1=V1+0.178V
=15(m3/h)×ばつ50(kl)
=23.9(m3/h)
Q2=2.14V2+0.178V
=×ばつ20(m3/h)×ばつ50(kl)
=51.7(m3/h)
第3-3 1,000 kl未満の固定屋根式屋外貯蔵
タンクの通気量に係る計算例3-213 通気管の設置数の検討
(1) 次の無弁通気管を設ける場合
無弁通気管(SGP 2B 引火防止網付)
表1より
D=52.9(mm)
ここで、Qは前2の計算よりQ1、Q2の大なる値であるのでQ=51.7(m3
/h)とな
る。
N=44.2Q/D2
=×ばつ51.7/52.92
=0.82
故に、本タンクに検討条件の無弁通気管を設ける場合は、1個以上となる。
(2) 次の大気弁付通気管を設ける場合
大気弁付通気管(SGP 2B 引火防止網付)
損失係数(吐出時(KP)4.0、吸入時(KV)6.5)
設定圧力(吐出(P1)・吸入時(P2)とも25mm水柱)
表1より
D=52.9(mm)
ここで、NはN1、N2の大なる値であるのでN=0.91となる。故に、本タンクに検
討条件の大気弁付通気管を設ける場合は、1個以上となる。
第3-3 1,000 kl未満の固定屋根式屋外貯蔵
タンクの通気量に係る計算例3-22受入ポンプ
(最大流量 500 m3/h)
払出ポンプ
(最大流量 120 m3/h)
容 量
700 kl
計算例2 引火点40°C以上の危険物を貯蔵する場合
1 タンク構造等P P2 通気量の計算
Q1=V1+0.178V
=120(m3/h)×ばつ700(kl)
=244.6(m3/h)
Q2=1.07V2+0.1068V
=×ばつ500(m3/h)×ばつ700(kl)
=609.76(m3/h)
3 通気管の設置数の検討
(1) 次の無弁通気管を設ける場合
無弁通気管(SGP 4B 引火防止網付)
表1より
D=105.3(mm)
ここで、Qは、前2の計算よりQ1、Q2の大なる値であるので
Q=609.76(m3
/h)となる。
N=×ばつQ/D2
N=×ばつ609.76/105.32
=2.43
故に、本タンクに検討条件の無弁通気管を設ける場合は、3個以上となる。
(2) 次の大気弁付通気管を設ける場合
大気弁付通気管(SGP 4B 引火防止網付)
損失係数(吐出時(KP)4.2、吸入時(KV)6.9)
設定圧力(吐出(P1)・吸入時(P2)とも25mm水柱)
第3-3 1,000 kl未満の固定屋根式屋外貯蔵
タンクの通気量に係る計算例3-23ここで、NはN1、N2の大なる値であるのでN=2.77となる。故に、本タンクに検討条
件の大気弁付通気管を設ける場合は、3個以上となる。
(注)1 大気弁付通気管を設ける場合は、設定圧力及び引火防止装置を含めた損失係数
を資料等により確認すること。
2 無弁通気管の口径は危省令第20条により30mm以上とされていること。
3 固定屋根式屋外貯蔵タンクに内部浮屋根を設けるものの通気量の計算にあって
はHPIS-G-107「固定屋根付浮屋根式石油タンクの通気装置に関する指針」を参考
にすること。
第3-3 1,000 kl未満の固定屋根式屋外貯蔵
タンクの通気量に係る計算例3-24備考1 呼び方は、A及びBのいずれかを用いる。Aによる場合にはA、Bによる場合には
Bの符号を、それぞれの数字の後に付けて区分する。
2 呼び方350A以上の管の外径の許容差は、周長測定によることができる。この場合
の許容差は、±0.5%とする。
なお、外径の測定に周長を用いる場合の判定は、周長実測値又は実測値の換算外径
のいずれによってもよい。いずれも同一許容差(±0.5%)を適用する。ただし、外径
(D)と周長(1)の相互換算は、次式によって計算する。
1=π・D
ここに、π=3.1416とする。
3 手入部などの局所的な部分については、厚さの許容差が、上表を満足していること
が確認できる場合は、上表の外径の許容差を適用しない。
4 質量の数値は、1cmの鋼を7.85gとし、次式によって計算し、JIS Z 8401によって
有効数字3けたに丸める。
W=0.02466t(D-t)
ここに、W:管の単位質量(kg/m)
t:管の厚さ(mm)
D:管の外径(mm)
第3-4 特定屋外貯蔵タンクの
一般的な沈下測定方法3-25第3-4 特定屋外貯蔵タンクの一般的な沈下測定方法
1 点検方法
沈下測定ピース又はタンク円周上において10m以下の等間隔の点を測定点として不等沈
下量、最大沈下量及び最大沈下率を確認する。
2 水張試験に伴う沈下測定
設置又は変更時における水張試験においては、原則として水張前、満水時及び水抜後の
3回沈下測定を行うほか下記のとおりとする。
(1) タンクの約1/2まで可能な限り早く水を張り沈下量を測定する。
(2) 不等沈下がない場合は、
許可液面高さ以上の3/4まで水を張り、
沈下量を測定する。
(3) 沈下量がわずかな場合、新設タンクについては満水にして48時間、既存タンクについ
ては24時間保持し沈下量を測定する。
(4) 沈下量がほぼ一定にとどまっていれば終了する。
(5) 測定結果が良好のときは、同様の条件のタンクでは中間水位での測定は省略すること
ができる。
(6) 水張り水位の高さは、許可液面高さ以上とする。
(7) 過度の沈下は、タンク等に有害な変形を与えるおそれがあるので沈下状況を監視しな
がら水張試験を進める。
(8) 設置又は変更時において基礎の修正を行った場合は、水抜き後3ヶ月、6ヶ月、12ヶ
月を経過した時に沈下測定を行い、不等沈下の有無を確認する。
第4-1 地下トンネルに該当する共同溝等の例4-1関連洞道断面図(1)
車 道地下タンク単独洞道断面図
道 路
10m以上1.8m棚7段〜9段
第4 地下タンク貯蔵所
第4-1 地下トンネルに該当する共同溝等の例
第4-1-2図
0.6m以上
マンホール 歩道
10m以上B0.3m4.3m1.7m 1.7m
0.3m 0.3m2.4m1.63m3.4m0.3m
凡例
にじゅうまる 電力ケーブル
0.6m以上電力ケーブル
第4-1-1図1.7m0.35m電力ケーブル1.7m地下タンク2m凡例
にじゅうまる 電力ケーブル
〇 電々ケーブル
A NTT
B 九州電力A 第4-1 地下トンネルに該当する共同溝等の例4-20.6m以上
10m以上 6m
地下タンク
歩 道2m8m
水道管
0.6m以上
関連洞道断面図(2)
車 道
共同溝断面図
車 道1.1m0.9m1.3m地下タンク
10m以上2.8m0.2m 0.2m0.2m0.2m1.9m2m
下水道管
上水道管
ガス管
第4-1-3図
にじゅうまる 電力ケーブル
〇 電々ケーブル
水道管
にじゅうまる 電力ケーブル
〇 電々ケーブル
上水道管
ガス管
下水道管
第4-1-4図
第4-2 地下貯蔵タンクに作用する
荷重及び発生応力4-3第4-2 地下貯蔵タンクに作用する荷重及び発生応力
地下貯蔵タンクに作用する荷重及び発生応力については、一般的に次により算出すること
ができる。
1 作用する荷重
(1) 主荷重
1 固定荷重(地下貯蔵タンク及びその附属設備の自重)
W1:固定荷重[単位:N]
2 液荷重(貯蔵する危険物の重量)
W2=γ1・V
W2:液荷重[単位:N]
γ1:液体の危険物の比重量[単位:N/mm3]V:タンク容量[単位:mm3]3 内圧
P1=PG+PL
P1:内圧[単位:N/mm2]PG:空間部の圧力[単位:N/mm2
](無弁通気管のタンクにあっては考慮する必要が
ない)
PL:静液圧[単位:N/mm2]静液圧PLは次のとおり求める。
PL=γ1・h1
γ1:液体の危険物の比重量[単位:N/mm3]h1:最高液面からの深さ[単位:mm]
4 乾燥砂荷重
タンク室内にタンクが設置されていることから、タンク頂部までの乾燥砂の上載荷
重とし、その他の乾燥砂の荷重は考慮しないこととしてよい。
P2=γ2・h2
P2:乾燥砂荷重[単位:N/mm2]γ2:砂の比重量[単位:N/mm3]h2:砂被り深さ
[単位:mm]
(タンク室の蓋の内側から地下タンク頂部までの深さ)
(2) 従荷重
1 地震の影響
静的震度法に基づく地震動によるタンク軸直角方向に作用する水平方向慣性力を考
慮することとしてよい。なお、地震時土圧については、タンク室に設置されているこ
とから考慮しない。
FS=Kh(W1+W2+W3)
第4-2 地下貯蔵タンクに作用する
荷重及び発生応力4-4FS:タンクの軸直角方向に作用する水平方向地震力[単位:N]
Kh:設計水平震度(危告示第4条の23による)
W1:固定荷重[単位:N]
W2:液荷重[単位:N]
W3:タンクの軸直角方向に作用する乾燥砂の重量[単位:N]
2 試験荷重
完成検査前検査、定期点検を行う際の荷重とする。[単位:N/mm2]2 発生応力等
鋼製横置円筒型の地下貯蔵タンクの場合、次に掲げる計算方法を用いることができるこ
と。
(1) 胴部の内圧による引張応力
σS1=Pi・(D/2t1)
σS1:引張応力[単位:N/mm2]Pi:(内圧、正の試験荷重)[単位:N/mm2]D:タンク直径[単位:mm]
t1:胴の板厚[単位:mm]
(2) 胴部の外圧による圧縮応力
σs2=Po・(D/2t1)
σs2:圧縮応力[単位:N/mm2]Po:(乾燥砂荷重、負の試験荷重)[単位:N/mm2]D:タンク直径[単位:mm]
t1:胴の板厚[単位:mm]
(3) 鏡板部の内圧による引張応力
σk1=Pi・(R/2t2)
σk1:引張応力[単位:N/mm2]Pi:(内圧、正の試験荷重)[単位:N/mm2]
R:鏡板中央部での曲率半径[単位:mm]
t2:鏡板の板厚[単位:mm]
(4) 鏡板部の外圧による圧縮応力
σk2=Po・(R/2t2)
σk2:圧縮応力[単位:N/mm2]Po:(乾燥砂荷重、負の試験荷重)[単位:N/mm2]R:鏡板中央部での曲率半径[単位:mm]
t2:鏡板の板厚[単位:mm]
(5) タンク固定条件の照査
地下タンク本体の地震時慣性力に対して、地下タンク固定部分が、必要なモーメント
第4-2 地下貯蔵タンクに作用する
荷重及び発生応力4-5に耐える構造とするため、次の条件を満たすこと。
FS・L≦R・l
FS:タンク軸直角方向に作用する水平方向地震力[単位:N]
L:FSが作用する重心から基礎までの高さ[単位:mm]
R:固定部に発生する反力[単位:N]
l:一の固定部分の固定点の間隔[単位:mm]
第4-3 地下貯蔵タンク及びタンク室の構造例4-6第4-3 地下貯蔵タンク及びタンク室の構造例
1 標準的な設置条件等
(1) タンク鋼材は、JIS G3101一般構造用圧延鋼材SS400(×ばつ10−6N/mm3)
を使用。
(2) 外面保護の厚さは2mm。
(3) タンク室上部の土被りはなし。
(4) 鉄筋はSD295Aを使用。
(5) タンク室底版とタンクの間隔は100mm。
(6) タンク頂部と地盤面の間隔は600mm以上とされているが、タンク室頂版(ふた)の厚さ
を300mm(100kLの場合にあっては350mm)とし、タンク頂部とタンク室頂版との間隔は
300mm以上(307mm〜337mm)とする。
(7) タンクとタンク室側壁との間隔は100mm以上とされているが、当該間隔は100mm以上
(153.5mm〜168.5mm)とする。
(8) タンク室周囲の地下水位は地盤面下600mm。
(9) ×ばつ10−6N/mm3とする。
(10) ×ばつ10−6N/mm3とする。
(11) ×ばつ10−6N/mm3とする。
(12) 上載荷重は車輌の荷重とし車輌全体で250kN、後輪片側で100kNとする。
(13) 使用するコンクリートの設計基準強度は21N/mm2とする。
(14) 鉄筋の被り厚さは 50 mmとする。GLWL(10)(8)(9)(3)、(12)
(1)、(2)
(4)、(11)、(13)、(14)(7)(6)(5) 第4-3 地下貯蔵タンク及びタンク室の構造例4-7Do:タンク外径
(外面塗覆含む)
2 一般的な構造例
(1) タンク本体
記号は下図参照のこと
容量
外径
Do(mm)
内径
Di(mm)
胴部の
長さ
L(mm)
鑑出
h(mm)
胴の板厚
t1(mm)
鏡の板厚
t2(mm)
全長
LZ(mm)
2 KL 1293.0 1280.0 1524.0 181.0 4.5 4.5 1899.0
10 KL 1463.0 1450.0 6500.0 281.0 4.5 4.5 7075.0
20 KL 2116.0 2100.0 6136.0 407.0 6.0 6.0 6966.0
30 KL 2116.0 2100.0 9184.0 407.0 6.0 6.0 10014.0
30 KL 2416.0 2400.0 6856.0 466.0 6.0 6.0 7804.0
48 KL 2420.0 2400.0 10708.0 466.0 8.0 8.0 11660.0
50 KL 2670.0 2650.0 9300.0 513.0 8.0 8.0 10346.0
100 KL 3522.0 3500.0 10600.0 678.0 9.0 9.0 11978.0
(2) タンク室
記号は次項参照のこと
タンク容量
(タンク内径)
形状(mm)
設計配筋(mm) タンクとの間隔
頂版 底板 側壁 壁(mm) 蓋(mm)2 KL(Di=1280)
Bi・Li・Hi=1600X2200X1700 上端筋:D13@250 上端筋:D13@250 外側筋:D13@250
153.5 307.0
Bo・Lo・Ho=2200X2800X3300 下端筋:D13@250 下端筋:D13@250 内側筋:D13@250
ts=tw=tb= 300 ― ― 配力筋:D13@250
10 KL
(Di=1450)
Bi・Li・Hi=1800X7400X1900 上端筋:D13@250 上端筋:D13@250 外側筋:D13@250
168.5 337.0
Bo・Lo・Ho=2400X8000X2500 下端筋:D13@250 下端筋:D13@250 内側筋:D13@250
ts=tw=tb= 300 ― ― 配力筋:D13@250
Di:タンク内径
外面塗覆装
L:胴部の長さ
h:鏡出
LZ:全長(外面塗覆装含む)
第4-3 地下貯蔵タンク及びタンク室の構造例4-8記号は次項参照のこと
タンク容量
(タンク内径)
形状(mm)
設計配筋(mm) タンクとの間隔
頂版 底板 側壁 壁(mm) 蓋(mm)
20 KL
(Di=2100)
Bi・Li・Hi=2450X7300X2550 上端筋:D13@200 上端筋:D13@200 外側筋:D13@200
167.0 334.0
Bo・Lo・Ho=3050X7900X3150 下端筋:D13@200 下端筋:D13@200 内側筋:D13@200
ts=tw=tb= 300 ― ― 配力筋:D13@250
30 KL
(Di=2100)
Bi・Li・Hi=2450X10350X2550 上端筋:D13@200 上端筋:D13@200 外側筋:D13@200
167.0 334.0
Bo・Lo・Ho=3050X10950X3150 下端筋:D13@200 下端筋:D13@200 内側筋:D13@200
ts=tw=tb= 300 ― ― 配力筋:D13@250
30 KL
(Di=2400)
Bi・Li・Hi=2750X8150X2850 上端筋:D13@200 上端筋:D13@200 外側筋:D13@200
167.0 334.0
Bo・Lo・Ho=3350X8750X3450 下端筋:D13@200 下端筋:D13@200 内側筋:D13@200
ts=tw=tb= 300 ― ― 配力筋:D13@250
48 KL
(Di=2400)
Bi・Li・Hi=2750X12000X2850 上端筋:D13@200 上端筋:D13@200 外側筋:D13@200
165.0 330.0
Bo・Lo・Ho=3350X12600X3450 下端筋:D13@200 下端筋:D13@200 内側筋:D13@200
ts=tw=tb= 300 ― ― 配力筋:D13@250
50 KL
(Di=2650)
Bi・Li・Hi=3000X10650X3100 上端筋:D13@150 上端筋:D13@150 外側筋:D13@150
165.0 330.0
Bo・Lo・Ho=3600X11250X3700 下端筋:D13@150 下端筋:D13@150 内側筋:D13@150
ts=tw=tb= 300 ― ― 配力筋:D13@200
100 KL
(Di=3500)
Bi・Li・Hi=3850X12300X3950 上端筋:D16@150 上端筋:D13@150 外側筋:D16@150
164.0 328.0
Bo・Lo・Ho=4550X13000X4650 下端筋:D16@150 下端筋:D16@150 内側筋:D16@150
ts=tw=tb= 350 ― ― 配力筋:D13@200
Bi:内法幅 Bo:外面幅 tw:側壁厚さ
Li:内法長さ Lo:外面長さ
Hi:内法高さ Ho:外面高さ tb:底版厚さ ts:頂版厚さLiLo
tw twBiBotwtw
∇WL
∇GLtstbHoHi
タンク室 乾燥砂 乾燥砂
貯蔵タンク
貯蔵タンク
第4-3 地下貯蔵タンク及びタンク室の構造例4-9(3) 2KLの場合
1 標準断面
2 設計配筋
設計配筋一覧表
部 位
主 筋 配力筋
鉄筋径 鉄筋ピッチ 鉄筋径 鉄筋ピッチ
頂 版
上端筋 D13 @250
両方向主筋
下端筋 D13 @250
底 版
上端筋 D13 @250
両方向主筋
下端筋 D13 @250
側 壁
内側筋 D13 @250 D13 @250
外側筋 D13 @250 D13 @250
(注)頂版及び底版は妻壁があるため両方向とも主筋とする。22001600300頂版:上端筋D13@250 下端筋D13@25023003001700300
下端筋D13@250
底版:上端筋D13@250
側壁:配力筋D13@250
側壁:外側筋D13@250
内側筋D13@250300 第4-3 地下貯蔵タンク及びタンク室の構造例4-10(4) 10KLの場合
1 標準断面
2 設計配筋
設計配筋一覧表
部 位
主 筋 配力筋
鉄筋径 鉄筋ピッチ 鉄筋径 鉄筋ピッチ
頂 版
上端筋 D13 @250
両方向主筋
下端筋 D13 @250
底 版
上端筋 D13 @250
両方向主筋
下端筋 D13 @250
側 壁
内側筋 D13 @250 D13 @250
外側筋 D13 @250 D13 @250
(注)頂版及び底版は妻壁があるため両方向とも主筋とする。3002400300頂版:上端筋D13@250 下端筋D13@250300300250019001800側壁:外側筋D13@250
内側筋D13@250
側壁:配力筋D13@250
底版:上端筋D13@250 下端筋D13@250
第4-3 地下貯蔵タンク及びタンク室の構造例4-11(5) 20KLの場合
1 標準断面
2 設計配筋
設計配筋一覧表
部 位
主 筋 配力筋
鉄筋径 鉄筋ピッチ 鉄筋径 鉄筋ピッチ
頂 版
上端筋 D13 @200
両方向主筋
下端筋 D13 @200
底 版
上端筋 D13 @200
両方向主筋
下端筋 D13 @200
側 壁
内側筋 D13 @200 D13 @250
外側筋 D13 @200 D13 @250
(注)頂版及び底版は妻壁があるため両方向とも主筋とする。30030502450300
下端筋D13@20031502550300300
側壁:外側筋D13@200
内側筋D13@200
側壁:配力筋D13@250
底版:上端筋D13@200 下端筋D13@200
頂版:上端筋D13@200
第4-3 地下貯蔵タンク及びタンク室の構造例4-12(6) 30KL(内径2100)の場合
1 標準断面
2 設計配筋
設計配筋一覧表
部 位
主 筋 配力筋
鉄筋径 鉄筋ピッチ 鉄筋径 鉄筋ピッチ
頂 版
上端筋 D13 @200
両方向主筋
下端筋 D13 @200
底 版
上端筋 D13 @200
両方向主筋
下端筋 D13 @200
側 壁
内側筋 D13 @200 D13 @250
外側筋 D13 @200 D13 @250
(注)頂版及び底版は妻壁があるため両方向とも主筋とする。30030502450300
下端筋D13@20030030025503150
頂版:上端筋D13@200
側壁:外側筋D13@200
内側筋D13@200
側壁:配力筋D13@250
下端筋D13@200
底版:上端筋D13@200
第4-3 地下貯蔵タンク及びタンク室の構造例4-13(7) 30KL(内径2400)の場合
1 標準断面
2 設計配筋
設計配筋一覧表
部 位
主 筋 配力筋
鉄筋径 鉄筋ピッチ 鉄筋径 鉄筋ピッチ
頂 版
上端筋 D13 @200
両方向主筋
下端筋 D13 @200
底 版
上端筋 D13 @200
両方向主筋
下端筋 D13 @200
側 壁
内側筋 D13 @200 D13 @250
外側筋 D13 @200 D13 @250
(注)頂版及び底版は妻壁があるため両方向とも主筋とする。3003350300頂版:上端筋D13@200 下端筋D13@20030030034502850
内側筋D13@200
側壁:配力筋D13@2502750底版:上端筋D13@200 下端筋D13@200
側壁:外側筋D13@200
第4-3 地下貯蔵タンク及びタンク室の構造例4-14(8) 48KLの場合
1 標準断面
2 設計配筋
設計配筋一覧表
部 位
主 筋 配力筋
鉄筋径 鉄筋ピッチ 鉄筋径 鉄筋ピッチ
頂 版
上端筋 D13 @200
両方向主筋
下端筋 D13 @200
底 版
上端筋 D13 @200
両方向主筋
下端筋 D13 @200
側 壁
内側筋 D13 @200 D13 @250
外側筋 D13 @200 D13 @250
(注)頂版及び底版は妻壁があるため両方向とも主筋とする。30033502750300
頂版:上端筋D13@200 下端筋D13@20030030034502850
側壁:外側筋D13@200
内側筋D13@200
側壁:配力筋D13@250
底版:上端筋D13@200 下端筋D13@200
第4-3 地下貯蔵タンク及びタンク室の構造例4-15(9) 50KLの場合
1 標準断面
2 設計配筋
設計配筋一覧表
部 位
主 筋 配力筋
鉄筋径 鉄筋ピッチ 鉄筋径 鉄筋ピッチ
頂 版
上端筋 D13 @150
両方向主筋
下端筋 D13 @150
底 版
上端筋 D13 @150
両方向主筋
下端筋 D13 @150
側 壁
内側筋 D13 @150 D13 @200
外側筋 D13 @150 D13 @200
(注)頂版及び底版は妻壁があるため両方向とも主筋とする。30036003000300
頂版:上端筋D13@150 下端筋D13@15030030031003700
側壁:外側筋D13@150
内側筋D13@150
側壁:配力筋D13@200
下端筋D13@150
底版:上端筋D13@150
第4-3 地下貯蔵タンク及びタンク室の構造例4-16(11) 100KLの場合
1 標準断面
2 設計配筋
設計配筋一覧表
部 位
主 筋 配力筋
鉄筋径 鉄筋ピッチ 鉄筋径 鉄筋ピッチ
頂 版
上端筋 D16 @150
両方向主筋
下端筋 D16 @150
底 版
上端筋 D13 @150
両方向主筋
下端筋 D16 @150
側 壁
内側筋 D16 @150 D13 @200
外側筋 D16 @150 D13 @200
(注)頂版及び底版は妻壁があるため両方向とも主筋とする。350455035035035039504650底版:上端筋D13@150 下端筋D16@1503850頂版:上端筋D16@150 下端筋D16@150
側壁:外側筋D16@150
内側筋D16@150
側壁:配力筋D13@200
第4-4 地下貯蔵タンク等の気密試験等のための措置例4-17第4-4 地下貯蔵タンク等の気密試験等のための措置例
第9「地下タンク貯蔵所」11(2)に掲げる措置の例としては、第4-4-1図から第4-4
-3図のようなものがある。
第4-5 タンク室に作用する荷重及び発生応力4-18第4-5 タンク室に作用する荷重及び発生応力
タンク室に作用する荷重及び発生応力については、一般的に次により算出することがで
きる。
1 作用する荷重
(1) 主荷重
1 固定荷重(タンク室の自重、地下貯蔵タンク及びその附属設備の自重)
W4:固定荷重[単位:N]
2 液荷重(貯蔵する危険物の重量)
W2=γ1・V
W2:液荷重[単位:N]
γ1:液体の危険物の比重量 [単位:N/mm3]V:タンク容量[単位:mm3]3 土圧
P3=KA・γ3・h3
P3:土圧[単位:N/mm2]KA:静止土圧係数(一般的に0.5)
γ3:土の比重量[単位:N/mm3]h3:地盤面下の深さ[単位:mm]
4 水圧
P4=γ4・h4
P4:水圧[単位:N/mm2]γ4:水の比重量[単位:N/mm3]h4:地下水位からの深さ[単位:mm](地下水位は、原則として実測値による)
(2) 従荷重
1 上載荷重
上載荷重は、原則として想定される最大重量の車両の荷重とする(250kNの車両の
場合、後輪片側で100kNを考慮する)。
2 地震の影響
地震の影響は、地震時土圧について検討する。
P5=KE・γ4・h4
P5:地震時土圧[単位:N/mm2]KE:地震時水平土圧係数
地震時水平土圧係数 KE は、次によることができる。
第4-5 タンク室に作用する荷重及び発生応力4-19KE =cos2(Ф − Ө)
cos2 Ө (1 + √
sin Ф・ sin(Ф − Ө)
cos Ө)2
Ф:周辺地盤の内部摩擦角〔単位:度〕
Ө:地震時合成角〔単位:度〕
Ө=tan−1khkh:設計水平震度(危告示第4条の 23 による)
γ4:土の比重量〔単位:N/mm3〕
h4:地盤面下の深さ〔単位:mm〕
2 発生応力
発生応力は、荷重の形態、支持方法及び形状に応じ、算定された断面力(曲げモーメン
ト、軸力及びせん断力)の最大値について算出すること。
この場合において、支持方法として上部がふたを有する構造では、ふたの部分を単純ば
り又は版とみなし、側部と底部が一体となる部分では、側板を片持ばり、底部を両端固定
ばりとみなして断面力を算定して差し支えない。
第4-6 人工軽量砂の例4-20第4-6 人工軽量砂の例
1 人工軽量砂
人工軽量砂は、良質の膨張性頁岩を、砂利から砂までの各サイズに粉砕して、高温で焼
成し、これを冷却して人工的に砂にしたもの(宇部軽骨、ビルトン、セイライト、アサノラ
イト、テチライト等)である。
第4-7 SS二重殻タンクの構造例4-21第4-7 SS二重殻タンクの構造例
(平2.4.30 消防危第37号通知)
1 SSタンクの構造例
SSタンクは、タンク室に設置する場合を除き、危政令第13条第2項第2号イからハま
での全てに適合することとされているがその例としては第4-7-1図に示す構造のも
のがあること。
なお、土圧等は外側の鋼板に働き、スペーサーを介して地下貯蔵タンクに伝えられるこ
ととなるが、これらの例における地下貯蔵タンクについては、各部分に発生する応力が許
容応力を超えないことが既に実験及び強度計算により確認されている。
2 渇えい検知装置
漏えい検知装置の設置例は第4-7-2図から第4-7-4図に示す。
第4-7 SS二重殻タンクの構造例4-22 第4-7 SS二重殻タンクの構造例4-23第4-7-4図 漏れ検知装置の例(5タンクの場合)
第4-8 SF二重殻タンクの構造例4-24第4-8 SF二重殻タンクの構造例
(平5.9.2 消防危第 66 号通知)
第4-9 FF二重殻タンクの構造例4-25第4-9 FF二重殻タンクの構造例
(平7.2.3 消防危第5号、平7.3.28 消防危第 28 号)
検知層
地下貯蔵
タンク
第4-10 ふたを鉄筋コンクリート造によって支える例4-26第4-10 ふたを鉄筋コンクリート造によって支える例
1 ふたを支柱によって支える例
第4-10 ふたを鉄筋コンクリート造によって支える例4-272 支柱1本当りの最大許容軸方向荷重
(1) 支柱を帯鉄筋柱とした場合
1 計算式
2 設計計算例
第4-10 ふたを鉄筋コンクリート造によって支える例4-28d=20(cm)、he=300(cm)よりhe/d=15となるので
α =1
σck =180(kg/cm2)
Ac =d2
=4OO(cm2)
σsy' =2100(kg/cm2)(SR235)
As =4.52(cm2)
∴ Po =α3
(0.85σckAc + σsy′As)=13(×ばつ4.52)
= 23564(kg)
= 23.5(t)
したがって、支柱1本当りの最大許容軸方向荷重(Po)は、23.5tとなる。
(2) ヒューム管を用いた支柱の場合
最大軸方向荷重は、帯鉄筋柱の例により計算する。ただし、前(1)アの計算式におけ
るAcは、次式により求める。AC =π4D2
(cm2)
D:ヒューム管の内径(cm)
3 支柱の必要本数
支柱の必要本数は、
ふたの重量L(t)とふたにかかる重量20tとの和をPo(t)で除して求
めることができる。
支柱の必要本数 ≧L+20Po
第4-10 ふたを鉄筋コンクリート造によって支える例4-294 支柱の配置例
タンク 支 柱
タンク
支 柱
第4-10-4図
第4-11 浮力に関する計算例4-30第4-11 浮力に関する計算例
1 浮上しない条件
タンクが浮上しないためには、埋土及び基礎重量がタンクの受ける浮力より大でなけれ
ばならない。
Ws:埋土重量の浮力に対する有効値
Ws+Wc > F Wc:基礎重量の浮力に対する有効値
F :タンクのうける浮力
-計算方法-
(1) タンクのうける浮力(F)
タンクのうける浮力は、タンクが排除する水の重量から、タンク自重を減じたもの
である。
F=×ばつd1-Wt
F ×ばつd1:タンクが排除する水の重量
(Vt:タンクの体積 d1:水の比重(1.0))Wt:タンクの自重
Vt = πr2(l+l1+ l23)Wt=(2πrl t1+2πr2
t2+nπr2
t3)×ばつd2
π:3.14 d2:鉄の比重(7.8)
l:タンクの胴長 r:タンクの半径
t1:胴板の厚み l1、l2:タンクの鏡板の張出
t3:仕切板の厚み t2:鏡板の厚み
n:仕切板の数
(2) 埋土重量の浮力に対する有効値(Ws)
埋土重量の浮力に対する有効値とは、埋土の自重から埋土が排除する水の重量を減
じたものである。
Ws=Vs・ds-Vs・d1=Vs・(ds-d1)
Ws:埋土重量の浮力に対する有効値 Vs:埋土の体積
ds:埋土の比重(1.8) d1:水の比重(1.0)
Vs=L1・L2・H1-(Vt+O.7n1・L2・h1・T)
第4-11 浮力に関する計算例4-31(3) 基礎重量の浮力に対する有効値(Wc)
基礎重量の浮力に対する有効値とは、基礎重量から基礎が排除する水の重量を減じた
ものである。
Wc=Vc・dc-Vc・d1=Vc・
(dc―d1)
Wc:基礎重量の浮力に対する有効値
Vc、dc:基礎の重量(Vc:基礎の体積 dc:コンクリートの比重(2.4))
Vc・d1 :基礎が排除する水の重量(Vc:基礎の体積 d1:水の比重(1.0))
Vc=L1・L2・h2+0.7n1・L2・h1・T
Vc:基礎の体積 n1:基礎台の数
L1、L2、h2、h1、Tは第4-11-1図、第4-11-2図による。
2 バンドの所要断面積
タンクを基礎に固定するためのバンドは、タンクがうける浮力によって切断されないだ
けの断面積を有しなければならない。
S ≧
(F − WB)2σN 第4-11 浮力に関する計算例4-32S:バンドの所要断面積(バンドを固定するためのボルトを設ける部分のうち、ボル
トの径を除いた部分の断面積)
F:タンクのうける浮力
σ:バンドの許容引張応力度(SS400を用いる場合は、16kgf/mm2)
N:バンドの数
WB:第4-11-2図に示すB部分の埋土重量の浮力に対する有効値
WB = {2rH2(l+l1+ l2) −πr22(l +l1+l23)} (ds − d1)
r:タンクの半径 H2:第4-11-2図による
l:タンクの胴長 l1、l2:タンクの鏡板の張出
3 アンカーボルトの所要直径
バンドを基礎に固定するためのアンカーボルトは、バンドに働く力によって切断されな
いだけの直径を有しなければならない。
d ≧ 1.128√
F−WB
26σtN
d:アンカーボルトの所要直径(谷径)
F:タンクのうける浮力
σt:アンカーボルトの許容引張応力度(SS400を用いる場合は、12kgf/mm2)
N:バンドの本数
WB:第4-11-2図に示すB部分の埋土重量の浮力に対する有効値
第4-12 コンクリート被覆タンクの構造例4-33第4-12 コンクリート被覆タンクの構造例
(昭62.7.28 消防危第号75号通知)
第4-12-1図 コンクリート被覆タンク埋設図〔30kl、中仕切15:15(直径2.4m)〕
第4-13 コンクリート被覆タンクの構造例4-34第4-12-2図 コンクリート被覆タンク配筋図
〔30kl、
中仕切15:15
(直径2.4m)〕 第4-13 内面の腐食を防止するための
コーティングについて4-35第4-13 内面の腐食を防止するためのコーティングについて
1 内面の腐食を防止するためのコーティングの施工に関する事項
(1) 施工方法
1 地下貯蔵タンク内面の処理
ア 地下貯蔵タンク内面のクリーニング及び素地調整を行うこと。
イ 素地調整は、「橋梁塗装設計施工要領(首都高速道路株式会社)」に規定する素
地調整2種以上とすること。
2 板厚の測定
50cm平方につき3点以上測定した場合において、
鋼板の板厚が3.2mm以上であること
を確認すること。ただし、3.2mm未満の値が測定された部分がある場合には、「危険物
規制事務に関する執務資料の送付について」(平21.11.17 消防危第204号【参考】第4
-13末尾に添付)問2により対応することで差し支えないこと。
3 内面の腐食を防止するためのコーティングの成形
ア 内面の腐食を防止するためのコーティング(以下「コーティング」という。)に
用いる樹脂及び強化材は、当該地下貯蔵タンクにおいて貯蔵し、又は取り扱う危険
物に対して劣化のおそれのないものとすること。
イ コーティングに用いる樹脂及び強化材は、必要とされる品質が維持されたもので
あること。
ウ コーティングの厚さは、2mm以上とすること。
エ 成形方法は、ハンドレイアップ法、紫外線硬化樹脂貼付法その他の適切な方法と
すること。
4 成形後のコーティングの確認
成形後のコーティングについて次のとおり確認すること。
ア 施工状況
気泡、不純物の混入等の施工不良がないことを目視で確認すること。
イ 厚さ
膜厚計によりコーティングの厚さが設計値以上であることを確認すること。
ウ ピンホールの有無
ピンホールテスターにより、ピンホールが無いことを確認すること。
(2) その他
1 工事中の安全対策
コーティングの施工は、地下貯蔵タンクの内部の密閉空間において作業等を行うも
のであることから、可燃性蒸気の除去等火災や労働災害等の発生を防止するための措
置を講ずること。
第4-13 内面の腐食を防止するための
コーティングについて4-362 作業者の知識及び技能
職位業能力開発促進法に基づく「二級強化プラスチック成形技能士(手積み積層成
形作業)」又はこれと同等以上の知識及び技能を有する者がコーティングの成型及び
確認を行うことが望ましいこと。
3 マニュアルの整備
(1)並びに(2)1及び2の事項を確実に実施するため、施工者は、次に掲げる事項につ
き、
当該各号に定める基準に適合するマニュアルを整備しておくことが望ましいこと。
ア コーティングの施工方法(1)に適合すること。
イ 工事中の安全対策1に適合すること。
ウ 作業者の知識及び技能2に適合すること。
4 液面計の設置
地下貯蔵タンクの内面に施工されたコーティングを損傷させないようにするため、
危政令第13条第1項第8号の2に規定する危険物の量を自動的に表示する装置を設け
ることが望ましいこと。
(3) 完成検査前検査
マンホールの取付けを行う場合については、完成検査前検査が必要であること。この
場合において、水圧試験に代えて、危告示第71条第1項第1号に規定するガス加圧法と
して差し支えない。
2 コーティングの維持管理に関する事項
コーティングを施工した全ての地下貯蔵タンクについて、施工した日から10年を超えな
い日までの間に1回以上タンクを開放し、
次に掲げる事項を確認することが望ましいこと。
(1) コーティングに歪み、ふくれ、亀裂、損傷、孔等の異常がないこと。
(2) 1(1)2に規定する方法により測定した地下貯蔵タンクの板厚が3.2mm以上であること
又は危省令第23条に規定する基準に適合していること。ただし、次のア又はイにより確
認している場合については、確認を要さないものとして差し支えないこと。
1 コーティング施工にあわせて地下貯蔵タンク及びこれに接続されている地下配管
に危告示第4条に規定する方法により電気防食措置を講じ、防食電圧・電流を定期的
に確認している場合。
2 地下貯蔵タンクの対地電位を1年に1回以上測定しており、この電位が-500mV以
下であることを確認している場合。
第4-13 内面の腐食を防止するための
コーティングについて4-37【参考】
「危険物規制事務に関する執務資料の送付について」(平21.11.17 消防危第204号)問2地下タンクからの危険物の流出事故を未然に防止するため、「鋼製地下タンクの内面保護
に係るFRPライニング施工に関する指針について」
(平19.2.27消防危第48号)に基づき内面ライ
ニングを施工するため地下タンクを開放したところ、
板厚が3.2mm未満となるような減肉又は
せん孔が発見される事例が報告されている。この場合において、いかなる補修及び維持管理
が実施されれば、政令第23条を適用して、当該地下タンクを継続使用することを認めて良い
か。答以下の要件に適合する場合には、認めて差し支えない。
1 地下タンクからの危険物の流出が確認されていないこと。
なお、確認方法については、例えば、漏れの点検及び漏えい検査管による点検の結果
により異常がないことが挙げられる。
2 減肉又はせん孔の個数と大きさは「地下タンクの内面ライニング及び定期点検」(A
PI(米国石油協会)標準規格1631)を参考として、次のいずれかを満たすこと。この
場合において、減肉の大きさは、板厚が3.2mm未満の部分の大きさとし、せん孔の大きさ
は、
せん孔部の周囲を板厚が3.2mm以上保持しているところまで削り取った大きさとする。
(1) タンクに1か所のみ減肉又はせん孔がある場合、減肉又はせん孔の直径が38mm以下
であること。
(2) タンクに複数の減肉又はせん孔がある場合、次のとおりとする。
ア 0.09m2あたりの数が5か所以下であり、かつ、減肉又はせん孔の直径が12.7mm以
下であること。
イ 46m2あたりの数が20か所以下であり、かつ、減肉又はせん孔の直径が12.7mm以下
であること。
3 減肉又はせん孔部分について次のとおり補修を行う。
(1) 地下タンク内面の処理については、クリーニング後、
「橋梁塗装設計施工要領」(平成18年4月首都高速道路株式会社)に示されている素地調整第1種相当となるように
行うこと。
(2) せん孔部分については、板厚が3.2mm以上保持しているところまで削り取り、防水セ
メント又は金属パテで穴及び削り取った部分を埋める。
(3) 次に示すFRPを減肉又はせん孔部位から全方向に150mm以上被覆し、厚さが2mm
以上なるよう積層すること。
第4-13 内面の腐食を防止するための
コーティングについて4-381 FRPは次表の樹脂及び強化材から造ること。
2 FRPの引張強さの限界値及び空洞率の最大値は、JIS K7011「構造用ガラス
繊維強化プラスチック」の「第I類、2種、GL-10」に適合すること。
3 FRPは、JIS K7070「繊維強化プラスチックの耐薬品性試験方法」に規定す
る耐薬品性試験においてJIS K7012「ガラス繊維強化プラスチック製耐食貯槽」
6.3に規定する事項に適合すること。この場合において、試験液は、貯蔵し、又
は取扱う危険物とすること。
4 補修後、「鋼製地下タンクの内面保護に係るFRPライニング施工に関する指針につ
いて」(平19.2.27 消防危第48号)の別添第1の2から4までの指針に基づきタンク内部全体
に内面ライニングを実施する。
なお、完成検査前検査は、補修後から全体の内面ライニングを成形する前までの間に
実施する必要がある。
5 内面ライニング実施後、10年以内に開放点検を行い、次の点について点検すること。
さらに、その後5年ごとに同様の点検を繰り返すこと。
(1) 内面ライニングにゆがみ、ふくれ、き裂、損傷、穴等の異常がないこと。
(2) 減肉又はせん孔の個数及び大きさが、上記2に適合していること。樹脂
JIS K6919「繊維強化プラスチック用液状不飽和ポリエステル樹脂」
(UP-CM、UP-CE又はUP-CEEに係る規定に限る。)に
適合する樹脂又はこれと同等以上の耐薬品性を有するビニルエステル
樹脂強化剤JIS R3411「ガラスチョップドストランドマット」及びJIS R3417
「ガラスロービングクロス」に適合するガラス繊維
第4-14 二重殻タンクの漏えい検知設備の例
14-39
第4-14 二重殻タンクの漏えい検知設備の例
1 センサー(液体フロートセンサー)により危険物等の漏えいを検知するもの
フロートが液体の比重差により浮上し,スイッチが入る。検知管の底部に設置する。
2 検知層に検知液を封入し、検知するもの
検知液の流出により、液溜部のレベルが低下して検出する。
第5-1 国際輸送用積載式移動タンク貯蔵
所に貼付される安全承認板等の例5-1第5 移動タンク貯蔵所
第5-1
国際輸送用積載式移動タンク貯蔵所に貼付される安全承認板等の例
(平4.11.12 消防危第93号通知)
1 安全承認板等の例
(1) CSC安全承認板の記載事項及び例示
英和対訳
1 第1行の例に示される承認国及び承認参照記事(承認国は国際道路輸送において車両
の登録国を示すために使用される識別符号によって表示される)。
2 製造日(年月)
3 コンテナの製造者一連番号又は現存コンテナで番号が判明しないものについては主
管庁が割り当てた番号
4 最大総重量(kg及び1b)
5 1.8gに対する許容積重ね重量(kg及び1b)
6 横方向ラッキング試験荷重値(kg及び1b)
7 端壁強度。端壁が最大許容積最重量の0.4倍、即ち0.4Pより大又は小の荷重に耐えら
れるように設計されている場合にのみ板上に表示すること。
8 側壁強度。側壁が最大許容積最重量の0.6倍、即ち0.6Pより大又は小の荷重に耐えら
れるように設計されている場合にのみ、板上に表示すること。
9 新造コンテナの第1回保守検査日(年月)及び板上に余裕があれば第1回に引き続
いて行われる保守検査日(年月)
第5-1 国際輸送用積載式移動タンク貯蔵
所に貼付される安全承認板等の例5-2(2) IMO表示銘板の記載事項及び例示
第5-1 国際輸送用積載式移動タンク貯蔵
所に貼付される安全承認板等の例5-3 第5-2 IMO表示板の交付に係る各国政府機関
又はこれに代わる機関の許可書等の例5-4第5-2
IMO表示板の交付に係る各国政府機関又はこれに代わる機関の許可書等の例
(平 16.3.23 消防危第 35 号通知)
1 BUREAU VERITASの例
(1) 許可書
第5-2 IMO表示板の交付に係る各国政府機関
又はこれに代わる機関の許可書等の例5-5(2) 定期検査報告書
第5-2 IMO表示板の交付に係る各国政府機関
又はこれに代わる機関の許可書等の例5-62 Lloyd‘s Registerの例
(1) 基準適合証明書類
第5-2 IMO表示板の交付に係る各国政府機関
又はこれに代わる機関の許可書等の例5-7(2) 定期検査証明書
第5-3 タンクを胴・鏡板等を分けて各
部分の形状に応じた計算方法5-8第5-3
タンクを胴・鏡板等を分けて各部分の形状に応じた計算方法
(平 13.3.30 消防危第 42 号通知)
1 計算式の例
記号の定義
V=容積
π=円周率
r=半径
R=半径
D=内径
L=長さ又は胴長
H=高さ
S=面積
T.L=Tangent Line(鏡板などの曲線部と直線部の境界線)
W.L=Weld Line(溶接線)
(1) 胴部分の計算式
ア 角柱型
V=abL
イ 円筒
V=πr2L=π4D2L
ウ だ円筒V=πab4LAAAAAAA-AA-AA-AL baDrLbaL 第5-3 タンクを胴・鏡板等を分けて各
部分の形状に応じた計算方法5-9 第5-3 タンクを胴・鏡板等を分けて各
部分の形状に応じた計算方法5-10 第5-3 タンクを胴・鏡板等を分けて各
部分の形状に応じた計算方法5-11 第5-3 タンクを胴・鏡板等を分けて各
部分の形状に応じた計算方法5-12イ 胴の断面がだ円又は変だ円の鏡板
第5-3 タンクを胴・鏡板等を分けて各
部分の形状に応じた計算方法5-13 第6-1 給油取扱所で使用される付随
設備、機器等について6-1第6 給油取扱所
第6―1 給油取扱所で使用される付随設備、機器等について
付随設備、機器等 機器の概要
洗車機
蒸気洗車機
オートリフト
混合燃料油調合機
ウォールタンク
オイルサービスユニット
部品洗浄台
スピードメータテスター
ブレーキテスター
サイドスリップテスター
マット洗い機
バキュームクリーナー
タイヤチェンジャー
ホイールバランサー
エアーコンプレッサー
エアースタンド
オイルチェンジャー
オートアナライザー
バッテリーチャージャー
エアーエレメントテスター
バッテリーテスター
ルブリケーター
スパークプラグテスター
排水処理装置
オイルキャビネット
オイルホースリール
ヘッドライトテスター
タイヤボックス
揮発油分析装置
一酸化炭素・炭化水素測定装置
尿素水溶液供給機
車両を洗車する(門型、下部、又は側面洗浄等)
蒸気で洗浄する
整備のための車両を持ち上げる
車両の燃料を混合する
エンジンオイルをタンクから落差で容器に移し替える
ドラム缶等の油をポンプで汲み出し容器に移し替える
洗油をモーターで循環し、連続的に部品を洗浄する
速度計の精度試験をする
ブレーキ制動力を試験する
車輪の直進性等を横滑り量から測定する
マットを洗浄する
車内を清掃する(掃除機)
タイヤをリムから取り外し、又は、はめ込む
回転中のタイヤホイールのバランスを試験し矯正する
空気を圧縮、蓄積する
エアー充てん、タイヤ圧を測定する
エンジンオイルを交換する
エンジンの回転、バッテリー等の電圧、電流などの測定、調整を
する
バッテリーの充電をする
エアーエレメントの空気浄化機能を判定する
バッテリーの電気容量を測定する
移動式の油脂注入装置
スパーク火花の発生試験をする
排水を処理する
蛇口の操作で容易に必要とする油を使うことができる台
必要な場所へオイルコードを伸縮できるリール
ヘッドライトの照射方向の調整を行う
整備等に必要なタイヤを収納する
ガソリン・軽油・灯油の含有成分の分析を行う
一酸化炭素・炭化水素の測定装置
排ガス処理に用いる尿素水溶液を補給する機器
第7-1 屋内消火栓設備の計算例7-1第7 消火設備
第7-1 屋内消火栓設備の計算例
1 想定
第7―1―1図に示す配管系統を有する屋内消火栓設備の必要な水源の量、ポンプの容
量を求める。
2 設計計算
(1) 水源の量V(m3
)は、危省令第32条第1項第2号の規定により
V=7.8(m3
)×ばつ3(屋内消火栓設置個数)=23.4(m3)(2) ポンプの揚水量(m3
/min)は、危省令第32条第1項第3号の規定により(屋内消
火栓の設置個数は3個である。)
第7-1 屋内消火栓設備の計算例7-2Q=260(l/min)×ばつ3=780(l/min)=0.78(m3
/min)
(3) ポンプの全揚程H(m)は次式によって求めることができる。
H=h1+h2+h3+35
h1:消防用ホースの摩擦損失水頭(m)
h2:配管の摩擦損失水頭(m)
h3:落差(m)
35:放水圧力0.35MPa
1 h1は、第7―1―2図より0.03MPa、よってh1=3mである。
2 h2を求める。(配管用炭素鋼鋼管(JIS G3452を使用する))
〔配管の摩擦損失計算の基準(昭和51年4月消防庁告示第3号)により求める。〕
ア h’2(A〜B間)を求める。
H = 1.2
Qk1.85
Dk4.87 (
1,k+1"k100)
h′2=1.2
7801.85
10.534.87(29.4100)
∴h'2=0.83m
配管等 個 数 等価管長
直管 100A 5.0m
フート弁 1個 8.7m
逆止弁 1個 8.7m
止水弁 1個 0.7m
クロス 1個 6.3m
合 計 29.4m
第7-1 屋内消火栓設備の計算例7-3∴h"2(B〜C間)を求める。
配 管 等 個 数 等価管長
直 管 80A 35.5m
90°エルボ 1個 2.4m
止 水 弁 1個 0.5m
合 計 38.4m
h"2=2601.85
8.074.87(38.4100)
∴h"2=0.52m
h'''2(C〜D間)を求める。
配 管 等 個 数 等価管長
直 管 50A 2.0m
チーズ 1個 3.2m
90°エルボ 1個 1.6m
開 閉 弁 1個 8.9m
合 計 15.7m
h′′′2=1.2
2601.85
5.294.87(15.7100)
∴h’’’2=1.66m
したがって、
h2=h’2+h"2+h’’’2=0.83m+0.52m+1.66m=3.01m
3 h3(落差)を求める。
想定図よりh3=10.5m
4 したがって、ポンプの全揚程H(m)は、
H(m)=3+3.01+10.5+35=51.51m≒52(m)
(4) 所要動力容量P(kw)
P(kw)=×ばつH0.65P(kw)=×ばつ520.65=10.17(kw)
第7-1 屋内消火栓設備の計算例7-4 第7-1 屋内消火栓設備の計算例7-5配管の摩擦損失計算の基準を定める件(抄)
昭和 51 年4月5日
消防庁告示第3号
第1 趣旨(略)
第2 配管の摩擦損失計算
配管の摩擦損失計算は、次の算式によるものとする。
H = ∑ Hn + 5Nn=1
(流水検知装置を使用しないものにあっては、H = ∑ HnNn=1)Hは、配管の摩擦損失水頭(単位:m)
Nは、配管の摩擦損失計算に必要なHnの数
Hnは、次の式により求める配管の大きさの呼びごとの摩擦損失水頭(単位:m)
Hn = 1.2
QK1.85
DK4.87(l’K+l
"K100)QKは、大きさの呼びがkである配管内を流れる水または泡水溶液の流量
(単位:l/min)の絶対値
Dkは、大きさの呼びがkである管の基準内径(単位:cm)の絶対値
l’kは、大きさの呼びがkの直管の長さの合計(単位:m)
l"kは、大きさの呼びがkの管継手及びバルブ類について、当該管継手及びバルブ
類の大きさの呼びに応じて使用する管の種別ごとに定めた別表第1から別表第3まで
に定める値により直管相当長さに換算した値の合計(単位:m)
ただし、1.2
QK1.85
DK4.87 の値については、管の種別及び大きさの
呼びに応じて算出した別図第1から別図第3までに示すそれぞれの流量に対する数値
により求めることができるものであること。
第7-1 屋内消火栓設備の計算例7-6 第7-1 屋内消火栓設備の計算例7-7別表第1 配管用炭素鋼鋼管(JIS G3452)に応じた管継手及びバルブ類を使用
する場合
45°エルボ 0.4 0.5 0.6 0.7 0.9 1.1 1.3 1.5 1.8 2.2 2.9 3.6 4.3 4.8
90°エルボ 0.8 1.1 1.3 1.6 2.0 2.4 2.8 3.2 3.9 4.7 6.2 7.6 9.2 10.2
リタンペンド
(180°)
2.0 2.6 3.0 3.9 5.0 5.9 6.8 7.7 9.6 11.3 15.0 18.6 22.3 24.8
チーズ又はクロス
(分流 90°)
1.7 2.2 2.5 3.2 4.1 4.9 5.6 6.3 7.9 9.3 12.3 15.3 18.3 20.445°エルボ
ロング 0.2 0.2 0.3 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.2 1.5 1.8 2.090°エルボ
ショート 0.5 0.6 0.7 0.9 1.1 1.3 1.5 1.7 2.1 2.5 3.3 4.1 4.9 5.4
ロング 0.3 0.4 0.5 0.6 0.8 1.0 1.1 1.3 1.6 1.9 2.5 3.1 3.7 4.1
チーズ又はクロス
(分流 90°)
1.3 1.6 1.9 2.4 3.1 3.6 4.2 4.7 5.9 7.0 9.2 11.4 13.7 15.3
仕切弁 0.2 0.2 0.3 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 1.0 1.3 1.6 2.0 2.2
玉形弁 9.2 11.9 13.9 17.0 22.6 26.9 31.0 35.1 43.6 51.7 68.2 84.7 101.5 113.2
アングル弁 4.6 6.0 7.0 8.9 11.3 13.5 15.6 17.0 21.9 26.0 34.2 42.5 50.9 56.8
逆止弁
(スイミング型)
2.3 3.0 3.5 4.4 5.6 6.7 7.7 8.7 10.9 12.9 17.0 21.1 25.3 28.2
備考(別表第2、第3も同様とする。)1 単位は、mとする。
2 管継手のうちチーズ及びクロス(口径の異なるものを含む。
)を直流で使用するも、ソケット(溶接式のものに
あっては、レジューサとする。
)及びプッシュについては、本表を適用することなく、当該大きさの呼び(口径の
異なるものにあっては、当該それぞれの大きさの呼び)に応じた管の呼びの直管として計算するものとする。管継手ねじ込み式溶接式バルブ類 第7-1 屋内消火栓設備の計算例7-8別表第2 圧力配管用炭素鋼鋼管(JIS G3454)Sch40 に応じた管継手及びバルブ類を使用す
る場合
大きさの呼び
種別
25 32 40 50 65 80 90 100 125 150 200 250 300 350
45°エルボ 0.4 0.5 0.6 0.7 0.9 1.1 1.2 1.4 1.8 2.1 2.8 3.5 4.2 4.7
90°エルボ 0.8 1.1 1.2 1.6 2.0 2.4 2.6 3.1 3.8 4.5 6.0 7.5 9.0 10.0
リタンペンド
(180°)
2.0 2.6 3.0 3.9 4.8 5.7 6.6 7.5 9.3 11.0 14.6 18.2 21.8 24.3
チーズ又はクロス
(分流 90)
1.6 2.1 2.5 3.2 4.0 4.7 5.2 6.1 7.6 9.1 12.0 15.0 18.0 20.045°エルボ
ロング 0.2 0.2 0.3 0.3 0.4 0.5 0.5 0.6 0.8 0.9 1.2 1.5 1.8 2.090°エルボ
ショート 0.4 0.6 0.7 0. 9 1.1 1.3 1.4 1.6 2.0 2.4 3.2 4.0 4.8 5.3
ロング 0.3 0.4 0.5 0.6 0.8 0.9 1.1 1.2 1.5 1.8 2.4 3.0 3.6 4.0
チーズ又はクロス
(分流 90°)
1.2 1.6 1.9 2.4 3.0 3.5 3.9 4.6 5.7 6.8 9.0 11.2 13.4 15.0バルブ類
仕切弁 0.2 0.2 0.3 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 1.0 1.3 1.6 2.0 2.2
玉形弁 9.0 11.8 13.7 17.6 22.0 26.0 29.1 34.0 42.0 50.3 66.6 82.9 99.2 111.0
アングル弁 4.6 5.9 6.9 8.8 11.0 13.1 14.6 17.1 21.2 25.2 33.4 41.6 49.8 55.7
逆止弁
(スイング型)
2.3 3.0 3.4 4.4 5.5 6.5 7.3 8.5 10.5 12.5 16.6 20.7 24.7 27.7
別表第3 圧力配管用炭素鋼鋼管(JIS G3454)Sch80 に応じた管継手及びバルブ類を使用す
る場合
大きさの呼び
種別
25 32 40 50 65 80 90 100 125 150 200 250 300 350
45°エルボ ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
90°エルボ ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
リタンペンド
(180°)
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
チーズ又はクロス
(分流 90)
― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―45°エルボ
ロング 0.2 0.2 0.2 0.3 0.4 0.4 0.5 0.6 0.7 0.9 1.2 1.4 1.8 1.990°エルボ
ショート 0.4 0.5 0.7 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.9 2.3 3.1 3.8 4.5 5.1
ロング 0.3 0.4 0.5 0.6 0.8 0.9 1.0 1.2 1.5 1.7 2.3 2.9 3.4 3.8
チーズ又はクロス
(分流 90°)
1.1 1.5 1.7 2.2 2.8 3.3 3.8 4.4 5.4 6.5 8.6 10.7 12.8 14.3バルブ類
仕切弁 0.2 0.2 0.3 0.3 0.4 0.5 0.6 0.6 0.8 0.9 1.2 1.5 1.8 2.0
玉形弁 8.3 11.0 12.8 16.5 20.8 24.6 28.4 32.3 40.2 47.7 63.6 79.0 94.5 105.8
アングル弁 4.2 5.5 6.4 8.3 10.4 12.4 14.3 16.2 20.2 23.9 31.9 39.6 47.4 53.0
逆止弁
(スイング型)
2.1 2.7 3.2 4.1 5.2 6.1 7.1 8.1 10.0 11.9 15.0 19.7 23.6 26.4管継手ねじ込み式溶接式管継手溶接式ねじ込み式
第7-2 スプリンクラー設備の計算例7-9第7-2 スプリンクラー設備の計算例
1 想定
第7-2-1図に示す配管系統を有するスプリンクラー設備の水源の量、ポンプの容量
を求める。
2 計算要領
(1) ポンプの全揚程Hは、次式から求める。
H=h1+h2+10+5
h1:配管の摩擦損失水頭(m)
h2:落差(m)
10 :ヘッドの放水圧力の換算水頭(m)
5 :流水検知装置の摩擦損失水頭(m)
(2) 配管の摩擦損失水頭h1は、配管の摩擦損失計算の基準(昭51.4 消防庁告示第3号)
によるほか、次のいずれかの方法により求める。
1 実高、配管の摩擦損失水頭等の影響による放水圧力の増加に伴う放水量の増加を求
め、摩擦損失計算を行う方法
2 各ヘッドからの放水量を80l/minとして配管の摩擦損失水頭を求めた値に、第7-
2-1表の左欄に掲げる当該ヘッドの個数に応じた同表右欄の水頭を加えた値とし、
更に、当該ヘッドの個数以後の配管の摩擦損失計算は、第7-2-2表の左欄に掲げ
るヘッドの個数に応じたポンプの吐出量を流水量として行う方法
この場合、
配管等の口径と取り付けるヘッドの関係は、
第7-2-3表によること。
第7-2 スプリンクラー設備の計算例7-10第7-2-1表 第7-2-2表
第7-2-3表
ヘッドの合計個数 2個以下 3個以下 5個以下 10個以下 20個以下 30個以下
配管の呼径 25A以上 32A以上 40A以上 50A以上 65A以上 80A以上
(配水管に取り付けるヘッドの個数は、配水本管の片側5個を限度とする。)
3 設計計算
(1) 水源の量
スプリンクラーヘッドは、開放型のものを20個設ける。
水源の量は、V=×ばつ20=48(m3)
(2) 所要動力容量
所要動力容量Pは次式から求めることができる。
P =×ばつHE1 ポンプ効率Eは0.65のものを用いる。
2 揚水量は、第7-2-2表よりQ=1.8(m3/min)
3 全揚程Hを求める。
配管の摩擦損失計算は、資料編第7-2.2(2)2の方法により求め、その結果は、
次表のとおりである。
区 間 管 径 等価管長 流水量(l/min) 損失水頭(m)
A〜B 25A 5.7 80 1.62
B〜C 25A 4.9 160 5.01
C〜D 32A 3.0 240 1.85
D〜E 40A 7.4 400 5.59
E〜F 50A 5.8 800 4.90
F〜G 65A 6.7 1200 3.55
G〜H 80A 40.3 1800 19.51
H〜I 100A 28.3 1800 3.75
計 45.78
ヘッドの個数 水頭(m) ヘッドの個数 ポンプの吐出量
(l/min)
10 4 10以下 900以上
20 6 10を超え20以下 1800以上
30 8 20を超える 2700以上
第7-2 スプリンクラー設備の計算例7-11したがって配管の摩擦損失水頭h1は、上表の結果に第7-2-1表より6(m)
を加算すると
h1=45.78+6=51.78(m)
落差による水頭h1は、
h1=2+4+1=7(m)
よって全揚程Hは、
H=51.78+7+10+5=73.78(m)
4 所要動力容量PはP =0.163 ×ばつ 1.8 ×ばつ 73.780.65=33.30(kw)
第7-3 泡消火設備の計算例7-12第7-3 泡消火設備の計算例
1 想定
第7-3-1図に示す配管系統を有する泡消火設備(固定泡放出方式)の、泡原液量、
ポンプ容量を求める。
施設区分:屋外タンク貯蔵所
タンクの構造:固定屋根構造
容 量:500(kl)
直 径:10.68(m)
高 さ:6.10(m)
液表面積 :89.58(m2)
貯蔵危険物:第一石油類(ガソリン)
2 設計計算
(1) タンク固定泡放出口の型式(II型)と取付個数
タンクの直径が10.68mであることから、
製造所等の泡消火設備の技術上の基準の細目
を定める告示(平成23年総務省告示第559号)別表第一より放出口はII型の場合、2個以
上となる。放出率は同告示別表第二から2個の放出口のうち、一方を有効に放出するよ
うに設けることにより、放出率は、4l/m2・minとする。
(2) 泡原液量等
1 タンクに対する泡水溶液量
Q=×ばつF
Q:泡水溶液量(l)
A:液表面積(m2)
第7-3 泡消火設備の計算例7-13F:泡放出口の泡水溶液量(l/m2)
同告示別表第二より
Q=89.58(m2)×ばつ220(l/m2)
≒19,707.6(l)である。
2 泡原液量
ア タンクに対する必要量
Q’=×ばつγ
Q:泡水溶液量(l)
γ:泡原液の混合比=0.06(6%型使用)(参考 他に3%型がある)
Q’=19,707.6(l)×ばつ0.06
≒1182.456(l)
イ 補助泡消火栓に対する必要量(Q")
Q"=×ばつγ
q:最小放射量(l/min)
S:最小放出時間(min)
N:消火栓ホース取付個数
q=400(l/min)
S=20(min)
N=1個
よって、
Q"=400(l/min)×ばつ20(min)×ばつ0.06
=480(l)
ウ タンクの固定泡放出口までの配管内をみたすに必要な量(Q''')
Q'''=
��4d×ばつ1000
d:配管内径=0.105(m)
L:配管総延長=65(m)
≒34(l)
エ 合計泡原液量
Q+Q"+Q'''=1182+480+34=1696(l)
3 ×ばつ0.940.06
=×ばつ0.940.06
≒26,570.7(l)
≒26.6(m3)
(3) 配管の摩擦損失計算(第7-3-1図による。)
1 高低による損失水頭
第7-3 泡消火設備の計算例7-14タンクの上部までの高さ+吸水管の長さ
6m+2m=8m
2 配管による損失水頭
使用する配管等は圧力配管用炭素鋼鋼管Sch40とし、
溶接式によるものとしたA-B
間の摩擦損失水頭は、第7-1(屋内消火栓設備の計算例)、別表第2より
配 管 等 口 径 等価管長
直 管 150A 3.0m
90°エルボ(ショート) 150A 2.4m
逆 止 弁 150A 12.5m
合 計 17.9m
89.58 ×ばつ4l/m2・min≒360l/min(固定泡放出口)
400l/min(補助泡消火栓)
合計 760/min
固定泡放出口及び補助泡消火栓の必要放出量(760l/min)よりA-Bの流量を 1,000
(l/min)とする。
次に配管の大きさの呼びごとの摩擦損失水頭式の係数を資料編第7-2(屋内消火栓
設備の計算例)別図第2により求める。
流量 1,000/min における配管 150Aの摩擦損失水頭の係数Kは別図により 0.8mある。
よって、下式により摩擦損失水頭を求める。
Hr = k [l′k+l"k100]Hr:配管の大きさ呼びごとの摩擦損失水頭
l'k:大きさの呼びがkである直管の長さの合計(m)
l"k:大きさの呼びがkの管継手及びバルブ類については別表により直管相当の長さ
に換算した値の合計(m)
上式に数値を代入すると
HrAB= 0.8 (
3+14.9100)
HrAB≒0.14(m)
第7-3 泡消火設備の計算例7-15同様にしてB-C間の摩擦損失水頭は、流量を 1,000l/min とすると
配 管 等 口 径 等価管長
直管 100A 29.0m
仕切弁(3個) 100A 2.1m
逆止弁(1個) 100A 8.5m
ストレーナ(1個) 100A 3.4m
フレキシブルジョイント 100A 1.0m
合 計 44.0m
係数は 5.5 したがってHrBC=×ばつ0.44
≒2.5(m)
C-D間については、流量を 400l/min とすると
配 管 等 口 径 等価管長
直管 80A 19.0m
チーズ 80A 3.5m
レジューサ(100A-80A) 80A 0.5m
90°エルボ 80A 0.9m
仕切弁 80A 0.5m
フレキシブルジョイント 80A 1.0m
合 計 25.4m
係数は4であるのでHrCD=×ばつ0.25=1.04(m)
C-E間については、流量を 400l/min とすると
配 管 等 口 径 等価管長
直管 80A 21.0m
90°エルボ(2個) 80A 1.8m
仕切弁 80A 0.5m
ホース 65 mm 2本 0.3kgf/cm2
合 計 23.3m
係数は4であるのでHrCE=×ばつ0.23+3.0
=3.92≒3.9
第7-3 泡消火設備の計算例7-16C-F間については、流量を 400l/min とすると
配 管 等 口 径 等価管長
直管 80A 35.0m
90°エルボ(2個) 80A 1.8m
チーズ 80A 3.5m
レジューサ(100A-80B) 80A 0.5m
仕切弁 80A 0.5m
フレキシブルジョイント 80A 1.0m
合 計 42.3m
係数は4であるのでHrCF=×ばつ0.42≒1.7(m)
配管による損失水頭についてCC-D間、C-E間とC-F間を検討すると、C-E間が最大
となるため、C-E間の値で計算する。
以上により配管の摩擦損失水頭Hrは、6.6mとなる。
Hr=HrAB+HrBC+HrCE
=0.14+2.5+3.9
=6.54
≒6.6m
(4) ポンプの全揚程
1 配管の摩擦損失水頭は、6.6m
2 吸水側における摩擦損失水頭は、5mとする。
3 混合器における摩擦損失水頭は、7mとする。
4 固定泡放出口における水頭
吐出圧力(水頭) 3.5(kgf/cm2)=35(m)
立上り静水頭 8(m)
合計 43(m)
したがって、総揚程は
6.6+5+7+43=61.6(m)
また、総吐出量は、760l/minであることから、次の性能を有するポンプが必要とな
る。
定格吐出量〜0.76 m3/min 以上
全 揚 程〜61.6m以上
(5) 所要動力要領
P(kw) =×ばつHEQ:定格吐出量:0.76(m3/min)
H:全 揚 程:61.6(m)
E:定格吐出量時のポンプ効率(0.7)
第7-3 泡消火設備の計算例7-17P(kw) =
0.163 ×ばつ 0.76 ×ばつ 61.60.7≒10.9(kw)
したがって、10.9kw 以上の容量が必要である。
第7-4 二酸化炭素消火設備の計算例7-18第7-4 二酸化炭素消火設備の計算例
1 全域放出方式(高圧式)に関する想定
施設区分 :屋内貯蔵所
貯蔵危険物:第四類第1石油類(トルエン)
設備方式 :全域放出方式
床 面 積 ×ばつ15.0=135.0(m2)
階 高 :6.0(m)
防護容積 ×ばつ6.0=810.0(m3)
開口部面積:2.0(m2)(自動閉鎖装置付)
配管系統 :圧力配管用炭素鋼鋼管 Sch80(JIS G3454)
(1) 二酸化炭素所要量(Qo)及び消火剤の本数
Qo=(×ばつw+a)×ばつc
V=防護区画の容積=810.0 m3
w=防護区画の容積に応じた二酸化炭素の量=0.8 kg/m3
a=自動閉鎖装置がない開口部の付加量
=×ばつ5.0(kg/m2)=×ばつ5.0
=0.0 kg
c=取扱う危険物による係数=1.0
よって、Q0=(×ばつ0.8+0)×ばつ1.0
=648≒650kg
Ô Ô Ô ÔÔADFECBGIJHKMLNOQPRS
二酸化炭素(45 kg/68l)
A〜C:管径(呼び径)50A
C〜G、C〜K:管径(呼び径)40A
ノズル管径:
(呼び径)20A
落差:3.5m
第7-4-1図 想定図
第7-4 二酸化炭素消火設備の計算例7-19必要消火剤量 :650.0(kg)
貯蔵容器の内部体積 :68.0(l)
充填消火剤量 :45.0(kg)
充填比φ :1.51
放出貯蔵容器本数 :15本(650.0/45.0=14.5)
放出消火剤量 :675.0(kg)(×ばつ15=675.0)
(2) 配管内の二酸化炭素の流量、管径、管長及び圧力の関係
二酸化炭素消火設備(高圧式)の消火剤放出時の圧力損失計算は、次の式による。
しろさんかく P(P2) = ∑ しろさんかく PnNn=1
(P2)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1式
しろさんかく P(P2):設計時貯蔵容器等内圧力がP2 時の圧力損失
N:圧力損失計算に必要なしろさんかくPnの数
P2:設計時貯蔵容器等内圧力で次式により算出すること。
P2 = K1(��) − K2(��)Vp2W
γ − K3(��) (Vp2W
γ)2 ・・・・・・・・・・・・・・2式
K1(φ)
:消火剤の充填比φに応じた圧力係数
K2(φ)
:消火剤の充填比φに応じた圧力係数
K3(φ)
:消火剤の充填比φに応じた圧力係数
w:消火剤総量(kg)
Vp:配管内体積(l)
��:配管内平均比重量(kg/l)で次式により算出する。
γ = K��(P2)Pn ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3式
Kφ(P2)
:充填比φ及び設計時貯蔵容器等内圧力P2 に応じた係数
Pn:噴射ヘッド位置圧力
しろさんかくPn(P2):設計時貯蔵容器等内圧力がP2 の時のn区間の圧力損失で次式により
算出する。
しろさんかく Pn(P2) = K(Φ) しろさんかく Yn
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4式
K(φ)
:消火剤貯蔵容器の充填比φに応じた係数
しろさんかくYn:n区間部分の圧力損失に応じた数量の変化分で次式により算出する。
しろさんかく Yn
=しろさんかく Yn
′ + Bd
(Z (しろさんかく Yn
′) − Zn−1) Q2
・・・・・・・・・・・5式
しろさんかくYn':n区間部分の圧力損失に応じた数値(Yn)の変化分の値で次式により
算出する。
第7-4 二酸化炭素消火設備の計算例7-20しろさんかく Yn
′ = AdLQ2+r2Lh10・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6式
Ad:n区間部分の配管の大きさの呼びに応じた数値
L:n区間部分の等価管長(m)
Q:n区間部分の消火剤流量(kg/sec)
Bd:n区間部分の配管の大きさ呼びに応じた数値
Z(しろさんかくYn')
:n区間部分の終端点における圧力がしろさんかくY'nに相当する数値
Zn-1:n区間部分の出発点の圧力に相当する数値
γ:配管立ち上り基部の消火剤比重量
Lh:配管立上り部の長さ(m)
ただし、各式における値のうちP2、ΔP(P2)、γ、Z(ΔYn’)、Zn-1、Ad、
Bd、Lについては、それぞれ次により求めることができる。
1 2式中P2の値については、充填比φごとに第7-4-2図に示す(P2-Pn)
及びVp2W
に対する値
2 4式中のΔPn(P2)の値については、充填比φごとに第7-4-3図に示す。
AdLQ2
+ Bd(Z(しろさんかく Yn′) − Zn−1)Q2+γ2Lh10に対する値
3 5式中のZ(ΔYn’)及びZn-1の値については、第7-4-4図に示す充填比φ
に応じたn区間の終端点及び出発点の圧力P(ΔYn’)及びPn-1に対する値
4 6式中γの値については、第7-4-5図に示す充填比φに応じた配管立上り基部
の圧力Pに対する値
5 5式中及び6式中のAd及びBdの値については、第7-4-3表に示す数値
6 6式中Lの値については、第7-4-5表に示す数値
第7-4 二酸化炭素消火設備の計算例7-21(3) 配管区間ごとの等価管長、消火剤流量
第7-4-1表 配管区間ごとの等価管長等区間番号始点番号終点番号配管系A
直管長m継手等
等価管長m総管長m流量kg/s管継手等個数・消火剤量
立上り
高さmヘッド
の有無
しろまる=有
薬剤量kg
エルボ(45)エルボ(90)ティー
(直)
ティー
(分)
ユニオン
フランジ
閉止弁
選択弁
0 ― A 15 0.00 4.00 4.00 0.72 45
1 A B 50 2.45 0.00 2.54 10.83 0 0 0 0 0 0 0.0 650.00
2 B C 50 12.20 13.50 25.70 10.83 0 4 0 1 1 0 3.5 650.00
3 C D 40 8.05 2.50 11.00 5.42 0 1 1 0 0 0 0.0 325.00
4 D E 40 5.00 0.00 5.00 4.06 0 0 1 0 0 0 0.0 243.75
5 E F 40 5.00 0.00 5.00 2.71 0 0 1 0 0 0 0.0 162.50
6 F G 40 5.00 0.00 5.00 1.35 0 0 1 0 0 0 0.0 81.25
7 G H 40 0.50 3.10 3.00 5.42 0 0 0 1 0 0 0.0 325.00
8 H I 40 5.00 0.00 5.00 4.06 0 0 1 0 0 0 0.0 243.75
9 I J 40 5.00 0.00 5.00 2.71 0 0 1 0 0 0 0.0 162.50
10 J K 40 5.00 0.00 5.00 1.35 0 0 1 0 0 0 0.0 81.25
11 D L 20 0.10 1.30 1.04 1.35 0 0 0 1 0 0 0.0 しろまる 81.25
12 E M 20 0.10 1.30 1.04 1.35 0 0 0 1 0 0 0.0 しろまる 81.25
13 F N 20 0.10 1.30 1.04 1.35 0 0 0 1 0 0 0.0 しろまる 81.25
14 G O 20 0.10 2.00 2.10 1.35 0 1 0 1 0 0 0.0 しろまる 81.25
15 H P 20 0.10 1.30 1.04 1.35 0 0 0 1 0 0 0.0 しろまる 81.25
16 I Q 20 0.10 1.30 1.04 1.35 0 0 0 1 0 0 0.0 しろまる 81.25
17 J R 20 0.10 1.30 1.04 1.35 0 0 0 1 0 0 0.0 しろまる 81.25
18 K S 20 0.10 2.00 2.10 1.35 0 1 0 1 0 0 0.0 しろまる 81.25
(4) 計算
1 Vp/2Wの計算
Vpは、使用配管から73.78l×ばつ14.74(m)×ばつ0.8
Vp= 73.78l
2 P2-Pnの仮定
4kg/cm2と仮定する。仮定にあたっては、各計算区間のAdLQ2
を合計しCAO線
図(II)からP2-Pnを試算する。(ΣAdLQ2
=3.082をCAO線図(II)中の位置
からP2-Pnを読み取る。)
3 P2の決定
CAO線図(I)φ=1.5においてVp/2W=0.055の曲線とイで仮定したP2-P
曲線の交点から読み取った47.3kg/cm2をP2として決定する。
4 Bd(Z2-Z1)Q2
等の計算
各計算区間ごとのBd(Z2-Z1)Q2
を計算する。
当該計算区間でLhを有する場合は、γ2
Lh/10を計算する。
Vp/2W=73.78/(×ばつ650)=0.055
第7-4 二酸化炭素消火設備の計算例7-22(各区間ごとのZ2及びZ1は、第7-4-4図により、γは第7-4-5図により
求める。)
5 圧力の決定
各計算区間ごとの終端圧力は、当該計算区間ごとのAdLQ2
、Bd(Z2-Z1)Q2及びγ2
Lh/10の和よりCAO線図(II)から読み取る。
(注記) 4及び5は、各計算区間ごとに計算等する。
6 噴射ヘッドの噴口面積の計算
噴口面積は、
第7-4-6図からノズル圧力Pnに相当する流率Qa
(kg/sec・cm2)
を読み取り消火剤流量Qを除する。
0点の圧力(ノズル圧力Pn=42.4)により、第7-4-6図からQa=3.335を読
み取る。
0点のノズル噴口面積=1.353.335
=0.406 cm2
第7-4-2表 配管区間ごとの圧力区間番号始点番号終点番号配管系A
総管長m流量kg/sAdLQ しろさんかくYh
終点 圧力 流率 等価噴口
面積cm2Y Z Kgf/cm2 kg/s/cm2
0 ― A 15 4.00 0.72 0.670 0.003 0.000 1.334 0.092 46.3
1 A B 50 2.54 10.83 0.128 0.004 0.000 1.467 0.130 46.1
2 B C 50 25.70 10.83 1.296 0.043 0.199 3.006 0.223 44.0
3 C D 40 11.00 5.42 0.524 0.011 0.000 3.540 0.269 43.2
4 D E 40 5.00 4.06 0.158 0.002 0.000 3.700 0.286 42.9
5 E F 40 5.00 2.71 0.070 0 0.000 3.770 0.292 42.8
6 F G 40 5.00 1.35 0.017 0 0.000 3.788 0.303 42.6
7 G H 40 3.00 5.42 0.171 0.004 0.000 3.181 0.240 43.7
8 H I 40 5.00 4.06 0.158 0.002 0.000 3.340 0.251 43.5
9 I J 40 5.00 2.71 0.070 0.001 0.000 3.411 0.257 43.4
10 J K 40 5.00 1.35 0.017 0 0.000 3.429 0.263 43.3
11 D L 20 1.40 1.35 0.146 0.004 0.000 3.691 0.286 42.9 3.435 0.394
12 E M 20 1.40 1.35 0.146 0.004 0.000 3.850 0.297 42.7 3.394 0.399
13 F N 20 1.40 1.35 0.146 0.004 0.000 3.920 0.303 42.6 3.374 0.401
14 G O 20 2.10 1.35 0.219 0.004 0.000 4.011 0.315 42.4 3.335 0.406
15 H P 20 1.40 1.35 0.146 0.004 0.000 3.331 0.251 43.5 3.567 0.380
16 I Q 20 1.40 1.35 0.146 0.004 0.000 3.491 0.269 43.2 3.499 0.387
17 J R 20 1.40 1.35 0.146 0.004 0.000 3.562 0.274 43.1 3.477 0.389
18 K S 20 2.10 1.35 0.219 0.004 0.000 3.653 0.280 43.0 3.455 0.392
第7-4 二酸化炭素消火設備の計算例7-23 第7-4 二酸化炭素消火設備の計算例7-24 第7-4 二酸化炭素消火設備の計算例7-25第7-4-3表 Ad、Bdの値
圧力配管用炭素鋼鋼管
Sch40 Sch80
呼び径 Ad Bd Ad Bd
15A 0.151 0.271 0.281 0.435
20A ×ばつ10-1 ×ばつ10-1 ×ばつ10-1 0.128
25A ×ばつ10-2 ×ばつ10-1 ×ばつ10-1 ×ばつ10-1
32A ×ばつ10-2 ×ばつ10-1 ×ばつ10-2 ×ばつ10-1
40A ×ばつ10-2 ×ばつ10-2 ×ばつ10-2 ×ばつ10-2
50A ×ばつ10-3 ×ばつ10-2 ×ばつ10-3 ×ばつ10-2
65A ×ばつ10-4 ×ばつ10-3 ×ばつ10-3 ×ばつ10-2
80A ×ばつ10-4 ×ばつ10-3 ×ばつ10-4 ×ばつ10-3
90A ×ばつ10-4 ×ばつ10-3 ×ばつ10-4 ×ばつ10-3
100A ×ばつ10-5 ×ばつ10-3 ×ばつ10-4 ×ばつ10-3
125A ×ばつ10-5 ×ばつ10-4 ×ばつ10-5 ×ばつ10-4
150A ×ばつ10-5 ×ばつ10-4 ×ばつ10-5 ×ばつ10-4
第7-4 二酸化炭素消火設備の計算例7-26第7-4-4表 Sch40 を使用する場合の直管相当長さ
第7-4-5表 Sch80 を使用する場合の直管相当長さ
呼び径
種別
15 20 25 32 40 50 65 80 90 100 125 150管継手ねじ込み式
45°エルボ 0.2 0.3 0.4 0.6 0.7 1.0 1.3 1.6 1.9 2.2 2.8 3.5
90°エルボ 0.5 0.7 1.0 1.4 1.6 2.2 3.0 3.7 4.4 5.1 6.6 8.2
ティー(直) 0.3 0.4 0.6 0.8 0.9 1.3 1.7 2.1 2.5 2.9 3.8 4.7
ティー(分) 0.9 1.3 1.8 2.5 3.1 4.2 5.5 6.8 8.1 9.5 12.3 15.2
ユニオン・フランジ 0.1 0.2 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.8 0.9 1.1 1.4 1.8溶接式45°エルボ 0.1 0.2 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.8 0.9 1.1 1.4 1.8
90°エルボ 0.2 0.2 0.5 0.7 0.8 1.1 1.5 1.8 2.2 2.5 3.3 4.1
ティー(直) 0.2 0.3 0.4 0.6 0.7 1.0 1.3 1.6 1.9 2.2 2.8 3.5
ティー(分) 0.7 1.0 1.4 1.9 2.3 3.2 4.2 5.2 6.2 7.3 9.5 11.7
ユニオン・フランジ 0.1 0.2 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.8 0.9 1.1 1.4 1.8
呼び径
種別
15 20 25 32 40 50 65 80 90 100 125 150管継手ねじ込み式
45°エルボ 0.2 0.3 0.5 0.6 0.8 1.0 1.4 1.7 2.0 2.3 3.0 3.7
90°エルボ 0.6 0.8 1.1 1.5 1.8 2.4 3.2 3.9 4.7 5.4 7.0 8.7
ティー(直) 0.3 0.5 0.6 0.9 1.0 1.4 1.8 2.2 2.7 3.1 4.0 5.0
ティー(分) 1.1 1.5 2.0 2.8 3.3 4.5 5.9 7.3 8.6 10.1 13.1 16.2
ユニオン・フランジ 0.1 0.2 0.2 0.3 0.4 0.5 0.7 0.8 1.0 1.2 1.5 1.9溶接式45°エルボ 0.1 0.2 0.2 0.3 0.4 0.5 0.7 0.8 1.0 1.2 1.5 1.9
90°エルボ 0.3 0.4 0.5 0.7 0.9 1.2 1.6 2.0 2.3 2.7 3.5 4.4
ティー(直) 0.2 0.3 0.5 0.6 0.8 1.0 1.4 1.7 2.0 2.3 3.0 3.7
ティー(分) 0.8 1.1 1.5 2.1 2.6 3.5 4.5 5.6 6.7 7.8 10.1 12.5
ユニオン・フランジ 0.1 0.2 0.2 0.3 0.4 0.5 0.7 0.8 1.0 1.2 1.5 1.9
圧力配管用炭素鋼鋼管(JIS G3454) (単位:m)
圧力配管用炭素鋼鋼管(JIS G3454) (単位:m)
第7-4 二酸化炭素消火設備の計算例7-272 局所放出方式(高圧式:貯蔵圧力約53kgf/cm2、容積方式)で固定側壁でない場合の計
算例
(なお、圧力損失計算にあっては、全域放出方式と同様であるので、省略する。)
(1) 防護対象物の容積(V)
V=(1.5+0.6)×ばつ(×ばつ2)×ばつ(×ばつ2)
=×ばつ2.2
=14.78≒15(m3)
なお、サービスタンク、ボイラーのバーナー等については、第7-4-8図及び第7
-4-9図の方法等によって求める。
第7-4 二酸化炭素消火設備の計算例7-28(2) 消火剤所要量(Q0)
Q0 = V ×ばつ (8 − 6 ×ばつaA
) ×ばつ α ×ばつ β
ここで、V=防護対象物の容積=15 m3
a=防護空間の周囲に実際に設けられた固定側壁の面積=0A=防護空間の全周の側面積
={(×ばつ2)+(×ばつ2)×ばつ(1.5+0.6)
=22.68m2
α=取扱う危険物による係数(=1.0:灯油)
β=消火剤容器による係数(高圧式=1.4、低圧式=1.1)
よって、
Q0=×ばつ(×ばつ0/22.68)×ばつ1.4=168 kg
第7-5 ハロゲン化物消火設備の計算例7-29第7-5 ハロゲン化物消火設備の計算例
1 全域放出方式(高圧式)に関する想定
施設区分 :屋内貯蔵所(トルエン)
設備方式 :全域放出方式
床 面 積 ×ばつ15.0=135.0(m2)
階 高 :6.0(m)
防護容積 ×ばつ6.0=810.0(m3)
開口部面積:2.0(m2)(自動閉鎖装置付)
配管系統 :圧力配管用炭素鋼鋼管Sch80(JIS G3454)
(1) ハロン消火剤必要量(Q0)及び消火剤の本数
Q0=(×ばつw+a)×ばつc
ここでV=防護区画の容積=810.0m3
w=防護区画の容積に応じた消火剤の量=0.32kg/m3
a=自動閉鎖装置がない開口部の付加量
=×ばつ2.4(kg/m2)=×ばつ2.4=0kgc=取扱う危険物による係数=1.0
よって、Q0=(×ばつ0.32+0)×ばつ1.0
=259≒260 kgD HLPC
Ô Ô Ô Ô ÔB AFEGIJKONM QRS
ハロン 1301(68 kg/68l)
A〜C:管径(呼び径)50A
C〜G、C〜K:管径(呼び径)40A
ノズル管径:
(呼び径)20A
落差:3.5m
第7-5-1図 想定図
第7-5 ハロゲン化物消火設備の計算例7-30必要消火剤量 :260.0(kg)
貯蔵容器の内部体積:68.0(l)
充填消火剤量 :68.0(kg)
充填比φ :1.00
放出貯蔵容器本数 :4本(260.0/68.0=3.82)
放出消火剤量 :272.0(kg)(×ばつ4=272.0)
圧力損失計算は、二酸化炭素消火設備と同じであるので、以下結果のみを記す。
(2) 計算
1 Vp/2Wの計算
Vpは、使用配管から73.78l×ばつ14.74(m)×ばつ39.0
20A ×ばつ 0.8
Vp=73.78l
2 P2-Pnの仮定
4kg/cm2と仮定する。仮定にあたっては、各計算区間のAdLQ2
を合計しCAO線
図(II)からP2-Pnを試算する。(ΣAdLQ2
=7.631をCAO線図(II)の中の
位置からP2-Pnを読み取る。)
3 P2の決定
CAO線図(I)φ=1.0においてVp/2W=0.14の曲線と2で仮定したP2-P
曲線の交点から読み取った28.4kg/cm2をP2として決定する。
4 Bd(Z2-Z1)Q2
等の計算
各計算区間ごとのBd(Z2-Z1)Q2
を計算する。
当該計算区間でLhを有する場合は、γ2
Lh/10を計算する。
(各区間ごとのZ2及びZ1は、第7-5-4図により、γは第7-5-5図により求
める。)
5 圧力の決定
各計算区間ごとの終端圧力は、当該計算区間ごとのAdLQ2
、Bd(Z2-Z1)Q2及びγ2
Lh/10の和よりCAO線図(II)から読み取る。
(注記)エ及びオは、各計算区間ごとに計算する。
6 噴射ヘッドの噴口面積の計算
噴口面積は、第7-5-6図からノズル圧力Pnに相当する流率Qa(kg/sec・
cm2)を読み取り消火剤流量Qを除する。
O点の圧力(ノズル圧力Pn=21.1)により、第7-5-6図からQa=2.92を
読み取る。
O点のノズル噴口面積=1.082.92
=0.37 cm2
Vp/2W=73.78/(×ばつ272)=0.135≒0.14
第7-5 ハロゲン化物消火設備の計算例7-31第7-5-1表 ハロゲン化物消火設備の計算結果区間番号始点番号終点番号配管径A
総管長
〔m〕
流量
〔kg/s〕
AdLQ2Bd(Z2-Z1)Q2しろさんかくYb
終 点
圧力
〔kg/cm2〕
流率
〔kg/s・cm2〕
等価噴
口面積
〔cm2〕Y Z0 - A 15 4.00 2.17 6.087 0.398 0.000 11.342 0.320 23.09
1 A B 50 2.54 8.67 0.082 0.009 0.000 11.434 0.340 23.01
2 B C 50 25.70 8.67 0.831 0.096 0.397 12.758 0.400 21.74
3 C D 40 11.00 4.33 0.334 0.002 0.000 13.095 0.410 21.41
4 D E 40 5.00 3.25 0.101 0 0.000 13.196 0.415 21.30
5 E F 40 5.00 2.17 0.045 0 0.000 13.241 0.415 21.26
6 F G 40 5.00 1.08 0.011 0 0.000 13.253 0.416 21.24
7 G H 40 3.00 4.33 0.109 0.002 0.000 12.869 0.410 21.63
8 H I 40 5.00 3.25 0.101 0 0.000 12.969 0.415 21.53
9 I J 40 5.00 2.17 0.045 0 0.000 13.015 0.415 21.48
10 J K 40 5.00 1.08 0.011 0 0.000 13.026 0.416 21.47
11 D L 20 1.40 1.08 0.093 0 0.000 13.188 0.412 21.31 2.92 0.37
12 E M 20 1.40 1.08 0.073 0 0.000 13.282 0.416 21.22 2.92 0.37
13 F N 20 1.40 1.08 0.093 0 0.000 13.375 0.417 21.13 2.92 0.37
14 G O 20 2.10 1.08 0.140 0.001 0.000 13.394 0.432 21.11 2.92 0.37
15 H P 20 1.40 1.08 0.093 0 0.000 12.962 0.412 21.54 2.92 0.37
16 I Q 20 1.40 1.08 0.093 0 0.000 13.062 0.417 21.44 2.92 0.37
17 J R 20 1.40 1.08 0.093 0 0.000 13.108 0.417 21.39 2.92 0.37
18 K S 20 2.10 1.08 0.140 0.001 0.000 13.283 0.422 21.22 2.92 0.37
第7-5 ハロゲン化物消火設備の計算例7-32 第7-5 ハロゲン化物消火設備の計算例7-33 第7-5 ハロゲン化物消火設備の計算例7-34 第7-6 粉末消火設備の計算例7-35第7-6 粉末消火設備の計算例
1 想定
施設区分:屋内貯蔵所(ガソリン)
消火剤種類 :第3種粉末
防護区画の体積 :A区画 1333(m3)
消火剤必要量 :A区画 480(kg)=1333(m3)×ばつ0.36(kg/m3)
消火剤流量Q :A区画 16.0(kg/S)=480(kg)/30(S)
貯蔵容器等の体積V:600(l)
消火剤総量W :560(kg)
消火剤の比重量γ0 :1.80(kg/l)
圧力調整器設定圧力PB:0.21(MPa)
放出弁開放時の貯蔵容器等内圧力PTO:0.175(MPa)
貯蔵容器等内圧力が圧力調整器の設定圧力の
2/3の圧力になるまでの加圧時間tF:15.0(sec)
消火剤のみかけ比重量γT:0.85(kg/l)
加圧ガス比熱比n:1.4
配管系統:圧力配管用炭素鋼鋼管Sch40(JIS G3454)
貯蔵容器
等A Lh2.5m
(B区画)
(A区画)E25AB CD
噴射ヘッド
65A 40AFG
第7-6-1図
第7-6 粉末消火設備の計算例7-36A区画
区間
消火剤
流量
Qkg/s
管の
呼び
直管長m管継手等の等価管長 m 等価管長Lm
立上り
部長さLhm放出弁 選択弁
エルボ
(ねじ)
ティー
(ねじ)
A-B 16.0 65A - ×ばつ10 - - - 10.0 -
B-C 16.0 65A 5.0 - ×ばつ10.0 ×ばつ3.2 ×ばつ1.8 20.0 -
C-D 16.0 65A 45.0 - - ×ばつ3.2 - 51.4 2.5
D-E 8.0 40.A 4.2 - - - ×ばつ3.3 7.3 -
E-F 4.0 25A 2.0 - - - ×ばつ2.0 4.0 -
F-G 2.0 20A 2.0 - - ×ばつ0.8 ×ばつ1.5 4.3 -
2 計算要領
(1) 配管内体積Vp
65A 50.0(cm)×ばつ3.14(l/m)=170.5(l)
40A 8.0 1.33 =10.6
25A 8.0 0.58 =4.6
20A 16.0 0.36 =5.8
Vp=191.5(l)
(2) 設計基準貯蔵容器等内圧力:P1
圧力損失計算の設計基準となる設計基準貯蔵容器等内圧力P1は、貯蔵容器等から
消火剤の量の1/2の量が放射された時点(τ=0.5)の圧力とし、次の式による。
P1=PTOΠ1
PTO:容器弁または放出弁開放時の貯蔵容器等内圧力(kgf/cm2)
Π1:P1とPとの比(係数(R、G、T、K)をそれぞれ次の式で求め1式に代入
したときの解のうち、τ=0.5に相当するΠの値)dПdτ=T(G2
− П2)0.5
K − nR(1 + Rτ)��−1П(1 + Rτ)nR=1
��0VW-1T=t0tF
{sin−1(2 3
⁄ ) − sin−1(1 PB
⁄ )}G =PBPTO、 K = (
��0
��T
− 1) Rn
・・・・・・・・・・・・1式n 第7-6 粉末消火設備の計算例7-37t0=WQ
П:Pt とPTO との比
Pt:t秒後の貯蔵容器等内圧力
τ:tとt0 との比
t:容器弁または放出弁解放後の時間(S)
R:充填比に関する係数(0.3<R<1.3 とする)
G:圧力調整器設定圧力に関する係数(加圧式は、1.1≦G≦1.3 とする)
T:加圧速度に関する係数(加圧式は 0<T≦5.0、蓄圧式はT=0 とする)
K:ガス流量に関する係数(0.3<K<1.4 とする)
n:加圧ガス比熱比(n=1.4)
t0:総放出時間に関する係数(S)
tF:貯蔵容器等内圧力が圧力調整器の設定圧力の2/3の圧力になるまでに要する加圧時
間(S)
(加圧式の場合のみ)
V:貯蔵容器等の体積(l)
W:消火剤総量(kg)
P:圧力調整器設定圧力(kg/cm2)
(加圧式の場合のみ)
Q:消火剤流量(kg/S)
(Qの値は別表の最低流量以上であること)
γ0:消火剤の比重量(kg/l)
消火剤の種別により次の表の値とする。
消火剤の種別
第1種
粉末
第2種
粉末
第3種
粉末
第4種
粉末
γ0(kg/l) 2.15 2.15 1.80 1.70
γT:消火剤の見かけ比重量(kg/l)
消火剤の種別により次の表の値とする。
消火剤
の種別
第1種
粉末
第2種
粉末
第3種
粉末
第4種
粉末
γT(kg/l) 1.05 0.85 0.85 0.60
第7-6 粉末消火設備の計算例7-38設計基準貯蔵容器等内圧力(P1)の算出R =1γ0VW−1=1
1.80×ばつかける600560
ひく1
= 1.08G =PBPTO=21.017.5
= 12.0 t0WQ=56016.0= 35.0T =t0tF{sin−1(2 3
⁄ ) − sin−1(1 PB
⁄ )}
=×ばつ (0.730 − 0.048)=1.59
K = (γ0γT
− 1) Rn= (1.800.85− 1)×ばつ 1.081.4
= 1.30
係数R、G、T、Kを式(1)に代入すると、τ=0.5に相当するΠの値(Π1)は、
0.593となる。
従って、P1=PTOΠ1
=×ばつ0.593=10.4(kgf/cm2)
(3) 設計時貯蔵容器内圧力(P2)の算出
P1=PTOΠ1
PTO:容器弁または放出弁開放時の貯蔵容器内圧力(kgf/cm2)
Π1:P2とPTOとの比(係数(R、G、T、K)を1式に代入したときの解のう
ち、τ=τ2に相当するΠの値)
τ2 = 0.5 +γ̅VP2W・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2式
τ2:t2 とt0 との比(0.5≦τ≦1.0)
t2:容器弁または放出弁解放から配管摩擦損失の計算を行う時点までの時間(S)
t0:総放出時間に関する係数(S)
Vp:配管体積(l)
W:消火剤総量(kg)
��̅:配管内における流体の平均比重量(kg/l)で次式によるγ̅=
ʃγ2dP
ʃγdP
(積分範囲P2≦P≦PN) ・・・・・・・・・・・・・・・3式
PN:設計時噴射ヘッド圧力(kgf/cm2)(ヘッドが複数の場合、最低値)
γ:圧力Pの時の流体の比重量(kg/l)n 第7-6 粉末消火設備の計算例7-39P2とPNを仮定して、2式に代入してγを得て、3式に代入してτ2が得られる。
この値を1式に代入してΠ2とP2が得られる。
このP2の値と仮定値が±0.2kgf/cm2の範囲になるようにする。
P2=9.7 PN=4.0と仮定する。
τ2=0.62より、Π2=0.552 P2=9.7が得られる。
従って、P2=9.7 PN=4.0とする。
(4) 配管摩擦損失の計算
(二酸化炭素消火設備と同様に計算を行うと以下のようになる。)
(5) 噴射ヘッドの流率及び等価噴口面積
G点の圧力より流率QA=1.116(kg/s・cm2)
等価噴口面積A=QN/QA=2.0/1.116=1.792(cm2)
区 間 流 量 等価管長 しろさんかくYh AdLQ2 Bd(Z2-Z1)Q2
Y Z 圧 力
A-B 16.0 10.0 0 0.247 0.0027 0.834 0.038 9.4
B-C 16.0 20.0 0 0.495 0.0069 1.336 0.066 8.8
C-D 16.0 51.4 2.5 1.271 0.0247 2.790 0.166 6.9
D-E 8.0 7.3 0 0.523 0.0202 3.333 0.216 6.1
E-F 4.0 4.0 0 0.627 0.0436 4.004 0.298 5.1
F-G 2.0 4.3 0 0.590 0.0385 4.632 0.469 4.0
第7-6 粉末消火設備の計算例7-40 第7-6 粉末消火設備の計算例7-41 第7-6 粉末消火設備の計算例7-42 第7-6 粉末消火設備の計算例7-43 第7-7 消火設備の設置例、機器構造図等7-44第7-7 消火設備の設置例、機器構造図等
1 屋内消火栓設備
(1) 設備系統の例
(2) 一般給水源と兼用する場合の有効水量の例
第7-7 消火設備の設置例、機器構造図等7-45(3) ノズル圧力と放水量との関係の例
(4) ポンプ特性曲線の例
第7-7 消火設備の設置例、機器構造図等7-46(5) 起動装置操作部の設置位置の例
(6) 呼水槽の設置例
第7-7 消火設備の設置例、機器構造図等7-472 スプリンクラー設備
(1) 設置例
(2) ヘッドの配置例
第7-7 消火設備の設置例、機器構造図等7-48(3) ヘッドの取付位置の例(屋内で天井等のない場合)
第7-7 消火設備の設置例、機器構造図等7-49(4) ヘッドの取付位置の例
第7-7 消火設備の設置例、機器構造図等7-50(5) 16ます散水試験
これは、同型4個のヘッドを1辺3mの水平な正方形の各頂点に配置し、そのヘッ
ドの下方2.3mの水平面に、16ますの上面が一致し、かつ、16ますの中心が、正方形の
中心を通る鉛直線と一致するように16ますを設置する。
この状態で4個のヘッドから同時に散水をした時、16個のますのうち、最も採水量
の少なかったものの量が、1個のヘッドの放水量の0.7%以上であり、かつ、16個のま
すの平均採水量が1%以上となる場合における、水圧及び散水量の範囲、更に放射範
囲を、そのヘッドの特性としている。
また、この条件に適合しないものは、特殊なものを除き、均等な散水量を示さない
ものであるので適当でない。
第7-7 消火設備の設置例、機器構造図等7-513 水噴霧消火設備
(1) 配管系統の例
(2) ヘッドの特性の例
第7-7 消火設備の設置例、機器構造図等7-524 泡消火設備
(1) 配管系統の例
(2) 固定泡放出口の例
第7-7 消火設備の設置例、機器構造図等7-53(3) 泡ヘッド方式の例
第7-7 消火設備の設置例、機器構造図等7-545 二酸化炭素消火設備
(1) 設置例及び作動順序
第7-7 消火設備の設置例、機器構造図等7-55(2) 容器弁
しろまる充てん 弁口Bからガスを送ると、
ピストンバルブを押しつけ、
通路Aを通
って容器の中に入る。
しろまる放出 手動又はガス圧によってカッターを前進させ電磁式の場合は、
封板
が破られると、
E室のガスが開放封板の孔を通って大気中に逃げ、ピストンは、
差圧作用でスプリングに打ち勝って後退し、
弁が瞬時に全
開して容器内のガスはAからBを通って放出される。
(3) 自動閉鎖装置(ピストンレリーザー)
第7-7 消火設備の設置例、機器構造図等7-566 粉末消火設備
(1) 系統及び作動順序
第7-7 消火設備の設置例、機器構造図等7-57(2) 選択弁
(3) 加圧用ガス容器及び貯蔵タンク等
第7-7 消火設備の設置例、機器構造図等7-58図のように防護区域ABCがありaの薬剤容器でABと隣接した警戒はできなく、A
とCと離れた防護区域を警戒し、
なおかつ、
AとCでどちらか区画容量の最大の量でもっ
て所要薬剤容量を決める。
よって、ACとBをa及びbの薬剤容器でもって別々に警戒する必要がある。
第7-8 新ガス系消火設備の基本的審査事項7-59第7-8 新ガス系消火設備の基本的審査事項
窒素消火設備を例に、設置に係る計算例を示す。
1 計算例
(1) 想定施設
防護区画名:発電機室(A重油)
〔地下1階〕
設 備 方 式:全域放出方式
床 面 積:73.6(m2)
階 高: 3.6(m)
配 管 系 統:圧力配管用炭素鋼鋼管 Sch80(JIS G3454)
(2) 設計消火剤量及び放出消火剤量
設計消火剤量は、防護区画の体積に消火剤係数0.52を乗じた量とする。設計消火剤
量と貯蔵ガス容器から、設置する貯蔵ガス容器を選定し放出消火剤量を算定する。
(3) 設計消火剤濃度
放出消火剤濃度は、放出消火剤量及び防護区画の体積から、次式により計算する。
C1 = {1-exp (−W1V
)} ×ばつ 100
C1:防護区画内の消火剤濃度(%)
W1:放出消火剤量(m3)
V:防護区画体積(m3)
(4) 安全濃度の確認
誤放出事故における人に対する安全性を確保するために、空間体積の消火剤濃度は、
52.3%を超えないものとする。
空間体積の消火剤濃度は、放出消火剤量及び空間体積から、次式により計算する。
発電機室50I
窒素ボンベ置場B6525505010ABC DFEGH50
窒素ボンベ
第7-8 新ガス系消火設備の基本的審査事項7-60C2 = {1-exp (−WiVi
)} ×ばつ 100
C2:防護区画内の消火剤濃度(%)
Wi:放出消火剤量(m3)
Vi:防護区画の空間体積(m3)
(5) 想定施設の計算値(表1)
(6) 圧力損失計算
1 消火剤放出時の圧力損失計算及び流率計算は、次により行う。
なお、圧力損失計算及び流率計算に用いる圧力はすべて絶対圧力とする。
ア 配管摩擦損失の計算
しろさんかく P = Ps {1 − √1 − 1.119 ×ばつ 10−3λLD・TPs2 ・Q2A2}しろさんかくP:区間の圧力損失
Ps:計算しようとする区間の出発点における圧力
λ:管摩擦係数
L:等価管長(m)
T:温度(K)
D:管内径(cm)
Q:流量(m3/min)
A:管断面積(cm2)
項 目 名 発 電 機 室
防護区画の面積(m2) 73.6
防護区画の体積(m3) 269.0
設計消火剤量(m3) 139.9
放出消火剤量(m3)/(貯蔵容器本数) 144.1/11
放出消火剤濃度(%) 41.5
上記の場合の酸素濃度(%) 10.8
低減体積(m3)(注記)屋内タンクの容積率 27.0
空間体積 242.0
空間体積の消火剤濃度(%) 44.9
上記の場合の酸素濃度(%) 11.6
第7-8 新ガス系消火設備の基本的審査事項7-61イ 噴射ヘッドの流率の計算
QA = 5.148√K (2k+1)k+1
k−1・PNνNQA:流率(m3/min・cm2)
k:気体の比熱比
PN:ノズル入口圧力
νN:ノズル入口比容積(m3/kg)
ウ 噴射ヘッドの等価噴口面積の計算
A=QN/QA
A:等価噴口面積(cm2)
QN:ノズル1個当たりの流量(m3/min)
QA:流率(m3/min・cm2)
エ 配管途中の管継手の等価管長は、第7-4-4表及び第7-4-5表により換算
すること。
また、
弁等の等価管長は当該弁の評価証に示されたものを使用すること。
オ 避圧口
A = 134 ×ばつ (Q/√P −しろさんかく P)
A:レリーフダンパーの必要開口部面積(cm2)
Q:消火剤流量(m3/min)
P:許容区画内圧力(kgf/m2)
しろさんかくP:圧力損失
(注記)防護区画は 10、000(kgf/m2)(1、000Pa)以上の耐圧強度を有している。
区 画 名 消火剤流量(m3/min) A(cm2)
屋内タンク貯蔵所 139.9 1,621
第7-8 新ガス系消火設備の基本的審査事項7-62窒素消火設備圧力損失計算表
区間
項目
A〜B B〜C C〜D D〜E E〜F F〜G G〜H H〜I
呼び径 10A 50A 65A 50A 50A 50A 50A 25A
呼び厚さ Sch 80 80 80 80 80 80 80 80
直管長 〔m〕 0.0 2.4 2.3 2.5 0.3 0.5 80.0 0.1
管内体積 〔L〕 0.0 4.6 7.0 4.8 0.6 1.0 153.6 0.1管継手の個数
ティ (直) 0 0 3 1 0 0 0 0
ティ (分) 0 1 0 0 0 1 0 1
エルボ 90° 0 1 0 2 1 0 11 0
エルボ 45° 0 0 0 0 0 0 0 0
フランジ 0 0 1 1 1 0 29 0
弁の個数 1 1
弁の等価管長 〔m〕 3.4 6.3
全等価管長L 〔m〕 3.4 8.8 8.0 8.7 3.0 11.0 118.7 1.9
消火薬剤量Q〔m3/min〕 12.7 114.3 140.0 140.0 140.0 140.0 140.0 70.0
区間の圧力損失
〔m3/min〕
〔Mpa〕4.40.440.30.030.10.010.50.050.20.020.60.067.00.71.20.12
終端圧力
〔m3/min〕
〔Mpa〕52.65.2652.35.2352.25.2251.75.1751.55.1550.95.0943.94.3942.74.27
流率 QA〔m3/min・cm2〕
等価噴口面積 〔cm2〕57.21.2
第7-9 耐震性貯水槽及び防火水槽(林野分)の規格7-63第7-9 耐震性貯水槽及び防火水槽(林野分)の規格
第1 耐火性貯水槽の規格(消防防災施設整備補助金交付要綱別表第3中、第1)
1 40m3型、60m3型及び100m3型の規格は次によるものでなければならない。
(1) 形状等は、次のとおりであること。
1 地下に埋設し、一層式で有蓋のものであること。
2 容量は40m3型にあっては40m3以上、60m3型にあっては60m3以上、100m3型にあっ
ては100m3以上であること。
3 容量の算定は、連結立管を含む吸管投入孔及び集水ピット(消防水利の有効利
用を図るため、水槽の底部の一部に設けられる取水部分をいう。)の容量を除き
本体の容量を算定するものであること。
4 水槽底の深さは、地上から取水可能な程度とすること。
(2) 吸管投入孔は、次のとおりであること。
1 頂版部に1又は2の吸管投入孔を設けるものとし、水槽本体の強度を損なわな
い位置とすること。
2 原則として丸型とし、直径が60cm以上であること。
3 吸管投入孔の開口部には、吸管投入孔蓋及び吸管投入孔蓋を受ける口環を設け
るものとし、これらの材質は、必要な強度及び耐食性を有するものであること。
4 吸管投入孔の地表部と水槽本体を結ぶ連結立管を設ける場合には、鉄筋コンク
リート製、鋼製、鋳鉄製又はこれらと同等以上のものとし、水平方向荷重によっ
て移動しないよう水槽本体に取り付けるものであること。
なお、FRP製の耐震性貯水槽を自動車荷重が見込まれる場所に設置する場合
にあっては、吸管投入孔地表部の自動車荷重が直接水槽本体に伝わらないように
連結立管を設けるものであること。
(3) 耐震性を有し、かつ、水密性の構造のものであること。この場合、地震時の自
重及び固定負載重量に起因する慣性力、地震時土圧及び内水の地震時動水圧は、設
置場所の地盤等の条件に基づき耐震設計の計算を行い設計水平震度を求める場合
(二次製品防火水槽等のうち二次製品耐震性貯水槽
(以下
「二次製品耐震性貯水槽」
という。)を除く。)を除き、設計水平震度を0.288として計算すること。
(4) 上載荷重等は、次のとおりであること。
交通荷重は、設置場所が道路で道路管理者との取り決めがない場合又は道路以外
で交通荷重が予想される場所に設置する場合には次の条件による。
1 自動車荷重は、
設置場所の状況によりT-20荷重
(200kN)
又はT-25荷重
(250kN)
で、土中に45度分散させた等分布荷重とする。
2 自動車荷重の衝撃係数は30%とする。
3 歩道部には群集荷重5kN/m2を載荷する。
4 交通荷重を載荷しない場合には、原則として不測荷重として10kN/m2を載荷す
第7-9 耐震性貯水槽及び防火水槽(林野分)の規格7-64る。
(5) 主要構造材料及び部材厚等は、次のとおりであること
1 コンクリートの設計基準強度は、耐久性、水密性を考慮し、現場打ち耐震性貯
水槽にあっては24N/mm2以上、二次製品耐震性貯水槽にあっては30N/mm2以上と
する。
2 鉄筋は、主鉄筋及び配力鉄筋は原則としてJIS G3112に適合するSD295又
はSD345を使用する。
3 頂版、側版、底版には断面算定上は鉄筋を必要としない部分も含めて断面の内
側及び外側に直交する各方向とも直径13mm以上の異形鉄筋を30cm以下の中心間隔
で配置する。
4 鋼材(鋼板)は、コンクリート被覆又は防錆処理が施されたものであること。
5 FRPは、強化プラスチック用液状不飽和ポリエステル樹脂及びガラス繊維強
化材を使用したものであること。
6 主要構造部材の厚さは、現場打ち耐震性貯水槽にあっては30mm以上、二次製品
耐震性貯水槽のRC部材にあっては20cm以上、PC部材にあっては15cm以上、鋼
鋳材にあっては、3.2mm以上、FRP部材にあっては4.5mm以上とし、構造形式に
応じて適切に設定する。
7 栗石等により、必要な基礎固めをしてあること。
(6) 集水ピットは、次のとおりであること。
1 十分な強度を有し、
かつ、
水密性が確保されるものであること。
集水ピット(消防水利の有効利用を図るため、
水槽の底部の一部に設けられる取水部分をいう。)を有していること。また、集水ピットは、次のとおりであること。
2 吸管投入孔のおおむね直下に設けるものであること。
3 一辺の長さ又は直径が60cm以上で、かつ、深さが30cm以上であること。
4 水槽本体との接合部は、漏水のおそれのない構造であること。
2 1,500m3型の規格は前1(3)、(4)、(5)及び(6)によるほか、次によるものでなければなら
ない。
(1) 形状等は、前1(1)1、3及び4によるほか、次によること。
容量は1,500m3以上であること。
(2) 吸管投入孔は、前1(2)2、3及び4によるほか、次によること。
頂版部に4以上の吸管投入孔を設けるものとし、水槽本体の強度を損なわない位
置とすること。
3 地上設置40m3型、地上設置60m3型及び地上設置100m3型の規格は1(6)によるほか、次
によるものでなければならない。
(1) 形状等は、次のとおりであること。
1 地上に設置し、一層式で有蓋のものであること。
第7-9 耐震性貯水槽及び防火水槽(林野分)の規格7-652 容量は地上設置 40 m3型にあっては 40 m3以上、地上設置 60 m3型にあっては 60
m3以上、地上設置 100 m3型にあっては 100 m3以上であること。
(2) 耐震性を有し、かつ、水密性の構造のものであること。この場合、地震時の自重
に起因する慣性力、内水の地震時動水圧は、設置場所の地盤等の条件に基づき耐震
設計の計算を行い設計水平震度を求める場合(二次製品耐震性貯水槽を除く。)を
除き、設計水平震度を0.288として計算すること。
(3) 主要構造材料及び部材厚等は、1(5)1から4まで及び6によるほか、次によるこ
と。
主要構造部材の厚さは、現場打ち耐震性貯水槽にあっては30cm以上、二次製品耐
震性貯水槽のRC部材にあっては20cm以上、PC部材にあっては15cm以上、鋼鋳材
にあっては3.2mm以上とし、構造形式に応じて適切に設定する。
(4) 専用導水装置は2個以上設置するものとし、採水口及び導水管は耐食性を有す
るものであることのほか次によること。
1 採水口
ア 1個ごとの単独配管とすること。
イ 呼び寸法75mmのメネジとし、
JIS B9912に適合するもの又はこれと同等以
上のものであること。
ウ 結合金具は採水に支障のない位置に設けること。
2 導水管の口径は毎分1m3以上取水できるものであること。
(5) 吸管投入孔を設ける場合は、吸管投入孔は、1(2)1及び3によるほか、次による
こと。
角型では60cm角以上、丸型では直径60cm以上とすること。
(6) 集水ピットを設ける場合は、集水ピットは、次のとおりであること。
1 十分な強度を有し、かつ、水密性が確保されるものであること。
2 吸管投入孔のおおむね直下に設けるものであること。
3 一辺の長さ又は直径が60cm以上で、かつ、深さが30cm以上であること。
4 水槽本体との接合部は、漏水のおそれのない構造であること。
4 飲料水兼用40m3型、飲料水兼用60m3型及び飲料水兼用100m3型の規格は1(3)、(4)、
(6)及び3(3)によるほか、次によるものでなければならない。
(1) 形状等は、1(1)1、3及び4によるほか、次によること。
容量は飲料水兼用40m3型にあっては40m3以上、飲料水兼用60m3型にあっては60m3
以上、飲料水兼用100m3型にあっては100m3以上であること。
(2) 専用導水装置は2個以上設置するものとし、採水口及び導水管は耐食性を有する
ものであることのほか次によること。
1 採水口
ア 1個ごとの単独配管とすること。
イ 呼び寸法 75mm のメネジとし、JIS B9912 に適合するもの又はこれと同等
第7-9 耐震性貯水槽及び防火水槽(林野分)の規格7-66以上のものであること。
2 導水管の口径は毎分1m3以上取水できるものであること。
(3) マンホールは、原則として円形とし、直径60cm以上のものを1箇所以上設けるこ
と。
(4) 流入管及び流出管には、必要に応じて緊急遮断装置を槽の直近に設けること。
5 飲料水兼用1、500m3型の規格は1(3)、(4)、(6)及び前4(4)によるほか、次によるもの
でなければならない。
(1) 形状等は、1(1)1、3及び4によるほか、次によること。
容量は1、500m3以上であること。
(2) 主要構造材料及び部材厚等は、1(5)2及び3によるほか、次によること。
1 コンクリートの設計基準強度は、耐久性、水密性を考慮し、現場打ち耐震性貯
水槽にあっては24N/mm2以上とする。
2 主要構造部材の厚さは、現場打ち耐震性貯水槽にあっては30cm以上とし構造形
式に応じて適切に設定する。
(3) 4(2)中「2個」を「4個」に、同(3)中「1箇所」を「2箇所」に読み替えるもの
とする。
6 飲料水兼用地上設置40m3型、
飲料水兼用地上設置60m3型及び飲料水兼用地上設置100
m3型の規格は3(2)、(3)、(4)、(5)及び(6)並びに4(4)によるほか、次によるものでなけれ
ばならない。
形状等は、1(1)3及び3(1)1によるほか、容量は飲料水兼用地上設置40m3型にあっ
ては40m3以上、飲料水兼用地上設置60m3型にあっては60m3以上、飲料水兼用地上設置
100m3型にあっては100m3以上であること。
7 原則として耐震性貯水槽の直近(5m以内)にその所在が明確に確認できるよう標
識を設置しなければならない。ただし、当該耐震性貯水槽の設置位置、道路状況等に
より標識の設置が特に困難な場合はこの限りでない。
第2 防火水槽(林野分)の規格
1 有蓋の防火水槽の規格は次によるものでなければならない。
(1) 形状等は、次のとおりであること。
1 地下式又は半地下式
(地表面上の高さは50cm以下であること。)のものであり、
かつ、漏水のおそれのない構造であること。
2 一層式であること。
3 底設ピット(消防用水の有効利用を図るため、水槽の底部の一部に設けられる
取水部分をいう。)を有していること。
4 水槽底の深さは、底設ピットの部分を除き地表面から4.5m以内であること。
第7-9 耐震性貯水槽及び防火水槽(林野分)の規格7-67(2) 底設ピットは、次のとおりであること。
1 十分な強度を有し、かつ、水密性が確保されるものであること。
2 吸管投入孔のおおむね直下に設けるものであること。
3 一辺の長さ又は直径が60cm以上で、かつ、深さが50cm以上であること。
4 水槽本体との接合部は、漏水のおそれのない構造であること。
(3) 吸管投入孔は、第1、1(2)1から3までによるほか、次によること。
吸管投入孔の地表部と水槽本体を結ぶ連結立管を設ける場合には、鉄筋コンクリ
ート製、鋼製、鋳鉄製、FRP製又はこれらと同等以上のものとし、水平方向加荷
重によって移動しないよう水槽本体に取り付けるものであること。
(4) 容量の算定は、底設ピット及び連結立管を含む吸管投入孔の容量を除き本体の容
量を算定するものであること。
(5) 上載荷重、自重、土かぶり荷重、土圧、地下水圧、内水圧及び浮力に対する強度
を有し耐久性があること。この場合の上載荷重は、10kN/m2の荷重を考慮するもの
であること。
(6) 主要構造材料及び部材厚等は、次のとおりであること。
1 コンクリートは、材料の均質性、水密性、耐久性を考慮して設計基準強度(4
週圧縮強度)は、現場打ち防火水槽にあっては24N/mm2以上、二次製品防火水槽に
あっては30N/mm2上のものであること。
2 鉄筋は、
主鉄筋及び配力鉄筋は原則として直径13mm以上の異形鉄筋を1,600kg以
上使用するものであること。
3 鋼材(鋼板)は、コンクリート被履又は防錆処理が施されたものであること。
4 FRPは、強化プラスチック用液状不飽和ポリエステル樹脂及びガラス繊維強
化材を使用したものであること。
5 頂版、側版、底版及び底設ピットの躯体の厚さは、現場打ち防火水槽にあって
は20cm以上、二次製品防火水槽のRC部材にあっては20cm以上、PC部材にあっ
ては15cm以上、鋼製部材にあっては3.2mm以上、FRP部材にあっては4.5mm以上
であること。
6 給・排水又は吸水のための配管等が原則として底版又は側版部に設けられてい
ないものであること。
7 栗石等により、必要な基礎固めをしてあること。
2 無蓋の防火水槽の規格は次によるものでなければならない。
(1) 鉄筋コンクリート造りの半地下式(地表面上の高さは、50cm以下であること。)
のものであり、漏水のおそれのない構造であること。
(2) 前1(1)2から4まで並びに(2)1、3及び4の規定は、無蓋の防火水槽について準
用する。
(3) 容量の算定は底設ピットの容量を除き本体の容量を算定するものであること。
(4) 人命の危険防止等のために必要なさく等を施してあること。
第7-9 耐震性貯水槽及び防火水槽(林野分)の規格7-68(5) 構造の主要部分の資材状態は次のとおりであること。
1 栗石等により、必要な基礎固めをすること。
2 鉄筋は、直径9mm以上のものを700kg以上使用するものであること。
3 躯体コンクリートの強度は、4週圧縮強度で18N/mm2以上とし、各面の厚さは、
それぞれ20cm以上であること。
3 無底の防火水槽の規格は、次によるものでなければならない。
(1) 鉄筋コンクリート造りの地下式有蓋のものであること。
(2) 吸管投入孔は原則として丸型とし、直径60cm以上であること。
(3) 吸水落差は、
毎分1.35m3以上で30分以上の連続吸水を行った場合において4.5m以
下であること。
(4) 構造の主要部分の資材状態は次のとおりであること。
1 底面部には厚さ30cm以上の栗石等を敷きつめてあること。
2 鉄筋は直径9mm以上のものを800kg以上使用するものであること。
3 躯体のコンクリートの強度は、4週圧縮強度で18N/mm2以上とし、各面(吸管投
入孔の部分を除く。)の厚さは、それぞれ20cm以上であること。
4 吸管投入孔の蓋の部分については、必要な強度を有するものであること。
4 原則として防火水槽の直近(5m以内)にその所在が明確に確認できるよう標識を
設置しなければならない。ただし、当該防火水槽の設置位置、道路状況等により標識
の設置が特に困難な場合はこの限りでない。
第8-1 電気設備の技術基準を定める省令(抄)8-1第8 電気設備
第8-1 電気設備の技術基準を定める省令(抄)
第5節 特殊場所における施設制限
(粉じんにより絶縁性能等が劣化することによる危険のある場所における施設)
第68条 粉じんの多い場所に施設する電気設備は、粉じんによる当該電気設備の絶縁性能又
は導電性能が劣化することに伴う感電又は火災のおそれがないように施設しなければなら
ない。
(可燃性のガス等により爆発する危険のある場所における施設の禁止)
第69条 次の各号に掲げる場所に施設する電気設備は、通常の使用状態において、当該電気
設備が点火源となる爆発又は火災のおそれがないように施設しなければならない。
一 可燃性のガス又は引火性物質の蒸気が存在し、点火源の存在により爆発するおそれが
ある場所
二 粉じんが存在し、点火源の存在により爆発するおそれがある場所
三 火薬類が存在する場所
四 セルロイド、マッチ、石油類その他の燃えやすい危険な物質を製造し、又は貯蔵する
場所
(腐食性のガス等により絶縁性能等が劣化することによる危険のある場所における施設)
第70条 腐食性のガス又は溶液の発散する場所
(酸類、
アルカリ類、
塩素酸カリ、
さらし粉、
染料若しくは人造肥料の製造工場、銅、亜鉛等の製練所、電気分銅所、電気めっき工場、
開放形蓄電池を設置した蓄電池室又はこれらに類する場所をいう。)に施設する電気設備
には、腐食性のガス又は溶液による当該電気設備の絶縁性能又は導電性能が劣化すること
に伴う感電又は火災のおそれがないよう、予防措置を講じなければならない。
(火薬庫内における電気設備の施設の禁止)
第71条 照明のための電気設備(開閉器及び過電流遮断器を除く。)以外の電気設備は、第
69条の規定にかかわらず、火薬庫内には、施設してはならない。ただし、容易に着火しな
いような措置が講じられている火薬類を保管する場所であって、
特別の事情がある場合は、
この限りでない。
(特別高圧の電気設備の施設の禁止)
第72条 特別高圧の電気設備は、第68条及び第69条の規定にかかわらず、第68条及び第69
条各号に規定する場所には、施設してはならない。ただし、静電塗装装置、同期電動機、
誘導電動機又は石油の精製の用に供する設備に生ずる燃料油中の固形の不純物を高電圧
により帯電させ、燃料油と分離して、除去する装置及びこれらに電気を供給する電気設備
第8-1 電気設備の技術基準を定める省令(抄)8-2(それぞれ可燃性のガス等に着火するおそれがないような措置が講じられたものに限る。)を施設するときは、この限りでない。
(接触電線の危険場所への施設の禁止)
第73条 接触電線は、第69条の規定にかかわらず、同条各号に規定する場所には、施設して
はならない。
2 接触電線は、第68条の規定にかかわらず、同条に規定する場所には、施設してはなら
ない。ただし、展開した場所において、低圧の接触電線及びその周囲に粉じんが集積す
ることを防止するための措置を講じ、かつ、綿、麻、絹その他の燃えやすい繊維の粉じ
んが存在する場所にあっては、低圧の接触電線と当該接触電線に接触する集電装置とが
使用状態において離れ難いように施設される場合は、この限りではない。
3 高圧接触電線は、第70条の規定にかかわらず、同条に規定する場所には、施設しては
ならない。
第8-2 電気設備の技術基準の解釈について(抄)8-3第8-2 電気設備の技術基準の解釈について(抄)
(粉塵の多い場所における低圧の施設)(省令第68条、第69条)
第192条 爆燃性粉塵(マグネシウム、アルミニウム等の粉塵であって、集積した状態におい
て着火したときに爆発するおそれがあるものをいう。以下同じ。)又は火薬類の粉末が存
在し、
電気設備が点火源となり爆発するおそれがある場所に施設する低圧屋内電気設備(使用電圧が300Vを超える放電灯を除く。以下この条から第195条までにおいて同じ。)は次
の各号により、施設すること。(省令第69条関係)
一 低圧屋内配線、低圧の管灯回路の配線、第237条第1項に規定する小勢力回路の電線及
び第238条に規定する出退表示灯回路の電線(以下この条及び次条において「低圧屋内配
線等」という。)は、金属管工事又はケーブル工事(キャブタイヤケーブルを使用する
ものを除く。)によること。
二 金属管工事によるときは、次により施設すること。
イ 金属管は、薄鋼電線管又はこれと同等以上の強度を有するものであること。
ロ ボックスその他の附属品及びプルボックスは、容易に摩耗、腐食その他の損傷を生
じるおそれがないパッキンを用いて粉塵が内部に侵入しないように施設すること。
ハ 管相互及び管とボックスその他の附属品、プルボックス又は電気機械器具とは、5
山以上ねじ合わせて接続する方法その他これと同等以上の効果ある方法により、堅ろ
うに接続し、かつ、内部に粉塵が侵入しないように接続すること。
ニ 電動機に接続する部分で可とう性を必要とする部分の配線には、第178条第2項第
一号ただし書に規定する防爆型の附属品のうち粉塵防爆型フレクシブルフィッチン
グを使用すること。
三 ケーブル工事によるときは、次により施設すること。
イ 電線は、第134条第4項第二号に規定するがい装を有するケーブル又はMIケーブ
ルを使用する場合を除き、管その他の防護装置に収めて施設すること。
ロ 電線を電機機械器具に引き込むときは、パッキン又は充てん剤を用いて引込口より
粉塵が内部に侵入しないようにし、かつ、引込口で電線が損傷するおそれがないよう
に施設すること。
四 移動電線は、前号ロの規定に準じて施設するほか、接続点のない3種キャブタイヤケ
ーブル、3種クロロプレンキャブタイヤケーブル、3種クロロスルホン化ポリエチレン
キャブタイヤケーブル、4種キャブタイヤケーブル、4種クロロプレンキャブタイヤケ
ーブル又は4種クロロスルホン化ポリエチレンキャブタイヤケーブルを使用し、かつ、
損傷を受けるおそれがないように施設すること。
五 電線と電気機械器具とは、震動によりゆるまないように堅ろうに、かつ、電気的に完
全に接続すること。
六 電気機械器具は、第4項に規定する粉塵防爆特殊防塵構造のものであること。
第8-2 電気設備の技術基準の解釈について(抄)8-4七 白熱電灯及び放電灯用電灯器具は、
造営材に直接堅ろうに取り付け、
又は電灯つり管、
電灯腕管等により造営材に堅ろうに取り付けること。
八 電動機は、過電流が生じたときに爆燃性粉塵に着火するおそれがないように施設す
ること。
2 可燃性粉塵(小麦粉、でん粉その他の可燃性の粉塵であって、空中に浮遊した状態にお
いて着火したときに爆発するおそれがあるものをいい、爆燃性粉塵を除く。以下同じ)が
存在し、電気設備が点火源となり爆発するおそれがある場所に施設する低圧屋内電気設備
は、
前項第五号、
第七号及び第八号の規定に準じて施設するほか、
次の各号により、
かつ、
危険のおそれがないように施設すること。(省令第69条関連)
一 低圧屋内配線等は、合成樹脂管工事(厚さ2mm未満の合成樹脂製電線管及びCD管を
使用するものを除く。)、金属管工事又はケーブル工事によること。
二 合成樹脂管工事によるときは、次により施設すること。
イ 合成樹脂管及びボックスその他の付属品は、損傷を受けるおそれがないように施設
すること。
ロ ボックスその他の附属品及びプルボックスは、容易に摩耗、腐食その他の損傷を生
ずるおそれがないパッキンを用いる方法、すきまの奥行きを長くする方法その他の方
法により粉塵が内部に侵入し難いように施設すること。
ハ 管と電気機械器具とは、第177条第3項第一号の規定に準じて接続すること。
ニ 電動機に接続する部分で可とう性を必要とする部分の配線には、第177条第2項第
一号ただし書に規定する粉塵防爆型フレクシブルフィッチングを使用すること。
三 金属管工事によるときは、前項第二号イ及びニ並びに前号ロの規定に準じて施設する
ほか、管相互及び管とボックスその他の附属品、プルボックス又は5山以上ねじ合わせ
て接続する方法その他これと同等以上の効果のある方法により、
堅ろうに接続すること。
四 ケーブル工事によるときは、前項第三号イの規定に準じて施設するほか、電線を電気
機械器具に引き込むときは、引込口より粉塵が内部に侵入し難いようにし、かつ、引込
口で電線が損傷するおそれがないように施設すること。
五 移動電線は、前号(前項第三号イの規定の準用に係る部分を除く。)の規定に準じて
施設するほか、1種キャブタイヤケーブル以外の接続点のないキャブタイヤケーブルを
使用し、かつ、損傷を受けるおそれがないように施設すること。
六 電気機械器具は、第5項に規定する粉塵防爆普通防塵構造のものであること。
3 前2項に規定する場所以外の場所であって、粉塵の多い場所に施設する低圧屋内電気設
備は、
第1項第五号の規定に準じて施設するほか、
次の各号により施設すること。
ただし、
有効な除塵装置を設置する場合には、この限りではない。(省令第68条関連)。
一 低圧屋内配線等は、がいし引き工事、合成樹脂管工事、金属管工事、可とう電線管工
事、金属ダクト工事、バスダクト工事(換気型のダクトを使用するものを除く。)又は
第8-2 電気設備の技術基準の解釈について(抄)8-5ケーブル工事により施設すること。
二 電気機械器具であって、粉塵が付着することにより温度が異常に上昇し、又は絶縁性
能若しくは開閉機構の性能が損なわれるおそれがあるものには、防塵装置を施すこと。
三 綿、麻、絹その他の燃えやすい繊維の粉塵が存在する場所に電気機械器具を施設する
場合は、粉塵に着火するおそれがないように施設すること。
4 第1項第六号による粉塵防爆特殊防塵構造は、次の各号に適合すること。(省令第69
条関連)
一 容器(電気機械器具の外箱、外被、保護カバー等当該電気機械器具の防爆性能を保持
するための包被部分をいい、
端子箱を除く。
以下この項および次項において同じ。)は、
全閉構造であって、電気を通ずる部分が外部から損傷を受けないようにしたものである
こと。
二 容器の全部又は一部にガラス、合成樹脂等損傷を受けやすい材料が用いられている場
合は、これらの材料が用いられている箇所を保護する装置を取り付けること。ただし、
当該箇所の材料が日本工業規格JIS R 3206(2003)「強化ガラス」に適合する強化ガ
ラス、日本工業規格JIS R 3205(2005)「合わせガラス」に適合する合わせガラス若
しくはこれらと同等以上の強度を有するものである場合又は当該箇所が当該容器の構
造上外部から損傷を受けるおそれがない位置にある場合は、この限りではない。
三 ボルト、ナット、小ねじ、ねじ込みふた等の部材であって容器の防爆性能の保持のた
め必要なものは、一般工具によっては容易にゆるめ又は操作することができないように
した構造(以下この条において「錠締め構造」という。)で、かつ、当該部材が使用中
ゆるむおそれがある場合は、止めナット、ばね座金、舌付き座金又は割ピンを用いる等
の方法により当該部材にゆるみ止めをした構造
(以下この条において
「ゆるみ止め構造」
という。)であること。
四 接合面(操作軸又は回転機軸と容器との接合面を除く。)は、パッキンを取り付け、
かつ、当該パッキンが離脱し、又はゆるむおそれがないようにする方法、日本工業規格
JIS B 0601(1994)
「表面粗さ」
の粗さ表示と区分の項に定める18-S以上に仕上げ、
その奥行きを15mm以上とし、かつ、相互に密接させる方法等により外部から粉塵が侵入
しないようにした構造であること。
五 操作軸と容器との接合面は、その奥行きを10mm以上とし、かつ、パッキングランドを
用いて当該接合面にパッキンを取り付ける方法又はこれと同等以上の防爆性能を保持
できる方法により外部から粉塵が侵入しないようにした構造であること。
六 回転機軸と容器との接合面は、パッキンを2段階以上取り付ける方法、間隔が0.5mm
以下、奥行きが45mm以上であるラビリンス構造とする方法等により外部から粉塵が侵入
しないようにした構造であること。
七 容器の一部に貫通ねじを使用し、又は容器の一部がねじ込み結合方式により結合され
ているものであって、ねじ合わせ部分を通じて外部から粉塵が侵入するおそれがあるも
第8-2 電気設備の技術基準の解釈について(抄)8-6のにあっては、5山以上ねじ合わせ、かつ、パッキン又は止めナットを用いる等の方法
により外部から粉塵が侵入しないようにした構造であること。
八 容器の外面の温度上昇限度の値は、容器の外部の爆燃性の粉塵に着火するおそれがな
い値であること。
九 端子箱は、部材相互の接合面にパッキンを取り付ける方法又はこれと同等以上の防爆
性能を保持できる方法により外部から粉塵が侵入しないようにした構造のものである
こと。
十 電線が貫通する部分の容器の構造は、電線と外箱との間に絶縁物を充てんするか、又
はパッキンを取り付け、かつ、電線、絶縁物、パッキン及び外箱相互の接触面の奥行き
を第192-1表の左欄に掲げる接触面の外周の区分に応じ、それぞれ同表の右の欄に掲げ
る値以上とする等の方法により外部から粉塵が侵入しないようにしたものであること。
第192-1表
接触面の外周の区分 接触面の奥行
30cm以下 5mm
30cmを超え50cm以下 8mm
50cmを超えるもの 10mm
十一 電気を通ずる部分相互は、ねじ締め、リベット締め、スリーブ又はバインド線で補
強したはんだ付け、硬ろう付け、溶接等の方法により堅ろうに接続したものであるこ
と。
十二 電気を通ずる部分についての沿面距離及び絶縁空間距離は、当該部分の定格電圧及
び絶縁物の種類に応じ、必要な絶縁効力を保持できる値であること。
十三 パッキンは、次に適合するものであること。
イ 材料は、接合面の温度上昇による熱に耐え、かつ、容易に摩耗、腐食等の損傷を
生じないものであること。
ロ 接合面の形状に適応した形状のものであること。
十四 電気機械器具は、その見やすい箇所に、当該電気機械器具が粉塵防爆特殊防塵構造
であることを表示したものであること。
5 第2項第六号に規定による粉塵防爆普通防塵構造の規格は、次の各号に適合すること。
(省令第69条関連)
一 容器は、全閉構造であって、電気を通ずる部分が外部から損傷を受けないようにした
ものであること。
二 容器の全部又は一部にガラス、合成樹脂等損傷を受けやすい材料が用いられている場
合は、これらの材料が用いられている箇所を保護する装置を取り付けること。ただし、
当該箇所の材料が日本工業規格JIS R 3206(2003)「強化ガラス」に適合する強化ガ
ラス、日本工業規格JIS R 3205(2005)「合わせガラス」に適合する合わせガラス若
第8-2 電気設備の技術基準の解釈について(抄)8-7しくはこれらと同等以上の強度を有するものである場合又は当該箇所が当該容器の構
造上外部から損傷を受けるおそれがない位置にある場合は、この限りではない。
三 ボルト、ナット、小ねじ、ねじ込みふた等の部材であって、容器の防爆性能の保持の
ため必要なもので使用中ゆるむおそれがあるものは、ゆるみ止め構造としたものである
こと。
四 接合面
(操作軸または回転機軸と容器との接合面を除く。)は、
パッキンを取り付け、
かつ、当該パッキンが離脱し、又はゆるむおそれがないようにする方法、日本工業規格
JIS B 0601(1994)
「表面粗さ」
の粗さ表示と区分の項に定める35-S以上に仕上げ、
その奥行きを10mm(押しボタンスイッチその他定格容量が小さい電気機械器具の接合面
については、日本工業規格JIS B 0601(1994)「表面粗さ」の粗さ表示と区分の項に
定める18-S以上に仕上げる場合は、6mm)以上とし、かつ、相互に密接させる方法等
により外部から粉塵が侵入し難いようにした構造であること。
五 操作軸と容器との接合面は、パッキングランド又はパッキン押えを用いて当該接合面
にパッキンを取り付ける方法、操作軸の外側にゴムカバーを取り付ける方法等により外
部から粉塵が侵入し難いようにした構造であること。
六 回転機軸と容器との接合面は、パッキンを取り付ける方法、ラビリンス構造とする方
法等により外部から粉塵が侵入し難いようにした構造であること。
七 容器を貫通するねじ穴とボルト又は小ねじとは、5山以上ねじ合わせたものであるこ
と。
八 容器の外面の温度上昇限度の値は、容器の外部の可燃性の粉塵に着火するおそれがな
い値であること。
九 端子箱は、部材相互の接合面にパッキンを取り付ける方法又はこれと同等以上の防爆
性能を保持できる方法により外部から粉塵が侵入し難いようにしたものであること。
十 電線が貫通する部分の容器の構造は、電線と外箱との間に絶縁部を充てんする方法、
パッキンを取り付ける方法、電線と外箱との接合面の奥行きを長くする方法等により
外部から粉塵が侵入し難いようにしたものであること。
十一 パッキンは、次に適合するものであること。
イ 材料は、接合面の温度上昇による熱に耐え、かつ、容易に摩耗、腐食等の損傷を
生じないものであること。
ロ 接合面の形状に適応した形状のものであること。
十二 電気機械器具は、その見やすい箇所に、当該電気機械器具が粉塵防爆普通防塵構造
であることを表示したものであること。
6 次のIEC規格により施設する場合は、第1項から第5項までの規定によらないことが
できる。
一 IEC 1241-1に規定する「IEC 1241年1月1日構造(1993-8)」及びIEC 1241
-1に規定する「IEC 1241年1月2日施設方法(1993-8)」とすること。
第8-2 電気設備の技術基準の解釈について(抄)8-8(可燃性のガス等の存在する場所の低圧の施設)
第193条 可燃性のガス又は引火性物質の蒸気(以下「ガス等」という。)が漏れ又は滞留
し、電気設備が点火源となり爆発するおそれがある場所における低圧屋内電気設備は、前
条第1項第一号、第五号、第七号、及び第八号の規定に準じて施設するほか、次の各号に
より、かつ、危険のおそれがないように施設すること。
一 金属管工事によるときは、前条第1項第二号イの規定に準じて施設するほか、次によ
ること。
イ 管相互及び管とボックスその他の附属品、プルボックス又は電気機械器具とは、5
山以上ねじ合わせて接続する方法その他これと同等以上の効果のある方法により、堅
ろうに接続すること。
ロ 電動機に接続する部分で可とう性を必要とする部分の配線には、第178条第2項第
一号ただし書に規定する防爆型の附属品のうち耐圧防爆型又は安全増防爆型のフレ
クシブルフィッチングを使用すること。
二 ケーブル工事によるときは、前条第1項第三号イの規定に準じて施設するほか、電線
を電気機械器具に引き込むときは、引込口で電線が損傷するおそれがないようにするこ
と。
三 低圧屋内配線等を収める管又はダクトは、これらを通じてガス等がこの条に規定する
場所以外の場所に漏れないように施設すること。
四 移動電線は、接続点のない3種キャブタイヤケーブル、3種クロロプレンキャブタイ
ヤケーブル、3種クロロスルホン化ポリエチレンキャブタイヤケーブル、4種キャブタ
イヤケーブル又は4種クロロスルホン化ポリエチレンキャブタイヤケーブルを使用す
るほか、前条第2項第四号(同条第1項第三号イの規定の準用に係る部分を除く。)の
規定に準じて施設すること。
五 電気機械器具は、第2項、第3項及び第4項に適合する耐圧防爆構造、内圧防爆構造
若しくは油入防爆構造又はこれらの構造と異なる構造でこれらと同等以上の防爆性能
を有する構造のものであること。ただし、通常の使用状態において火花若しくはアーク
を発し、又はガス等に着火するおそれがある温度に達するおそれがない部分は、第5項
に規定する安全増防爆構造とすることができる。
2 前項第五号本文の規定による耐圧防爆構造の規格は、次の各号に適合すること。
(省令第69条関連)
一 外部導線との接地端子は、日本工業規格JIS C 0903(1983)「一般用電気機器の防
爆構造通則」の「6.6.2端子箱」に適合する端子箱又はこれと同等以上の防爆性能
を保持できる構造の端子内に設けたものであること。
二 端子箱から電気機械機器本体への導線の引込み部分は、日本工業規格JIS C
0903(1983)「一般用電気機器の防爆構造通則」の「6.6.3端子箱から電気機器本
体への導線引込部」に適合する方法又はこれと同等以上の防爆性能を保持できる方法に
第8-2 電気設備の技術基準の解釈について(抄)8-9よったものであること。
三 電気機械器具の前2号に規定する部分以外の部分は、日本工業規格JIS C 0903
(1983)「一般用電気機器の防爆構造通則」の「4防爆構造の種類」のうち耐圧防爆構造
に該当する構造であって、日本工業規格JIS C 0903(1983)「一般用電気機器の防爆
構造通則」の「7耐圧防爆構造」に適合するもの又はこれと同等以上の防爆性能を保持
できるものであること。
四 ボルト、ナット、ねじ等で締め付け、又は固定した部分のうち電気機械器具の防爆性
能を保持するため必要なものは、錠締め構造とし、かつ、当該部分が使用中ゆるむおそ
れがある場合は、当該部分をゆるみ止め構造としたものであること。
五 電気機械器具は、その見やすい箇所に、日本工業規格JIS C 0903(1983)「一般用
電気機器の防爆構造通則」の「6.4防爆構造等の表示」に準じ防爆構造についての表
示をしたものであること。
3 第1項本文の規定による内圧防爆構造の規格は、次の各号に適合すること。
(省令第69条関連)
一 外部導線との接続端子は、日本工業規格JIS C 0903(1983)「一般用電気機器の
防爆構造通則」の「6.6.2端子箱」に適合する端子箱又はこれと同等以上の防爆性
能を保持できる構造の端子箱内に設けたものであること。
二 端子箱から電気機械器具本体への導線の引込み部は、日本工業規格JIS C 0903
(1983)「一般用電気機器の防爆構造通則」の「6.6.3端子箱から電気機器本体へ
の導線引込部」に適合する方法又はこれと同等以上の防爆性能を保持できる方法によっ
たものであること。
三 電気機械器具の前2号に規定する部分以外の部分は、日本工業規格JIS C 0903
(1983)「一般用電気機器の防爆構造通則」の「4防爆構造の種類」のうち内圧防爆構
造に該当する構造であって、日本工業規格JIS C 0903(1983)「一般用電気機器の
防爆構造通則」の「9内圧防爆構造」に適合するもの又はこれと同等以上の防爆性能を
保持できるものであること。
四 ボルト、ナット、ねじ等で締め付け、又は固定した部分のうち電気機械器具の防爆性
能を保持するため必要なものは、錠締め構造とし、かつ、当該部分が使用中ゆるむおそ
れがある場合は、当該部分をゆるみ止め構造としたものであること。
五 電気機械器具は、その見やすい箇所に、日本工業規格JIS C 0903(1983)「一般
用電気機器の防爆構造通則」の「6.4防爆構造等の表示」に準じ防爆構造についての
表示をしたものであること。
4 第1項第五号本文の規定による油入防爆構造は、次の各号に適合すること。
(省令第69条関係)
一 外部導線との接続端子は、日本工業規格JIS C 0903(1983)「一般用電気機器の
第8-2 電気設備の技術基準の解釈について(抄)8-10防爆構造通則」の「6.6.2端子箱」に適合する端子箱又はこれと同等以上の防爆性
能を保持できる構造の端子箱内に設けられたものであること。
二 端子箱から電気機械器具本体への導線の引込み部分は、日本工業規格JIS C
0903(1983)「一般用電気機器の防爆構造通則」の「6.6.3端子箱から電気機器本
体への導線引込部」に適合する方法又はこれと同等以上の防爆性能を保持できる方法に
よったものであること。
三 電気機械器具の前二号に規定する部分以外の部分は、日本工業規格JIS C 0903
(1983)「一般用電気機器の防爆構造通則」の「4防爆構造の種類」のうち油入防爆構
造に該当する構造であって、日本工業規格JIS C O903(1983)「一般用電気機器の
防爆構造通則」の「8油入防爆構造」に適合するもの又はこれと同等以上の防爆性能を
保持できるものであること。
四 ボルト、ナット、ねじ等で締め付け、又は固定した部分のうち電気機械器具の防爆性
能を保持するため必要なものは、錠締め構造とし、かつ、当該部分が使用中ゆるむおそ
れがある場合は、当該部分をゆるみ止め構造としたものであること。
五 電気機械器具は、その見やすい箇所に、日本工業規格JIS C 0903(1983)「一般
用電気機器の防爆構造通則」の「6.4防爆構造等の表示」に準じ防爆構造についての
表示をしたものであること。
5 第1項第五号ただし書の規定による安全増防爆構造は、次の各号に適合すること。
(省令第69条関連)
一 外部導線との接続端子は、日本工業規格JIS C 0903(1983)「一般用電気機器の
防爆構造通則」の「6.6.2端子箱」に適合する端子箱又はこれと同等以上の防爆性
能を保持できる構造の端子箱内に設けたものであること。
二 端子箱から電気機械器具本体への導線の引込み部分は、日本工業規格JIS C
0903(1983)「一般用電気機器の防爆構造通則」の「6.6.3端子箱から電気機器本
体への導線引込部」に適合する方法又はこれと同等以上の防爆性能を保持できる方法に
よったものであること。
三 電気機械器具の前二号に規定する部分以外の部分は、日本工業規格JIS C 0903
(1983)「一般用電気機器の防爆構造通則」の「4防爆構造の種類」のうち安全増防爆
構造に該当する構造であって、日本工業規格JIS C 0903(1983)「一般用電気機器
の防爆構造通則」の「10安全増防爆構造」に適合するもの又はこれと同等以上の防爆
性能を保持できるものであること。
四 ボルト、ナット、ねじ等で締め付け、又は固定した部分のうち電気機械器具の防爆性
能を保持するため必要なものは、錠締め構造とし、かつ、当該部分が使用中ゆるむおそ
れがある場合は、当該部分をゆるみ止め構造としたものであること。
五 電気機械器具は、その見やすい箇所に、日本工業規格JIS C 0903(1983)「一般
用電気機器の防爆構造通則」の「6.4防爆構造等の表示」に準じ防爆構造についての
第8-2 電気設備の技術基準の解釈について(抄)8-11表示をしたものであること。
6 次のIEC規格により施設する場合は、第1項から第5項までの規定によらないことが
できる。
一 IEC 79-14(1996-12)に規定する爆発性雰囲気に設置する電気設備とすること。
(危険物等の存在する場所における低圧の施設)(省令第69条)
第194条 セルロイド、マッチ、石油類その他の燃えやすい危険な物質(以下この条において
「危険物」という。)を製造し、又は貯蔵する場所(第192条、前条及び次条に規定する場
所を除く。)に施設する低圧屋内電気設備は、第192条第1項第二号イ、第三号イ、第五号
及び第七号並びに同条第2項第一号及び第二号イの規定に準じて施設するほか、次の各号
により施設すること。
一 移動電線は、1種キャブタイヤケーブル以外の接続点のないキャブタイヤケーブルを
使用し、かつ、損傷を受けるおそれがないように施設するほか、移動電線を電気機械器
具に引き込むときは、引込口で損傷を受けるおそれがないように施設すること。
二 通常の使用状態において火花若しくはアークを発し、又は温度が著しく上昇するおそ
れがある電気機械器具は、危険物に着火するおそれがないように施設すること。
2 火薬類を製造する建物内の場所であって第192条第1項若しくは前条に規定する場所以
外の場所、又は火薬類を製造する建物内の場所以外の場所であって火薬類の存在する場所
(次条に規定する場所を除く。)に施設する低圧屋内電気設備は、前項や規定に準じて施
設するほか、次の各号によること。
一 電熱器具以外の電気機械器具は、全閉型のものであること。
二 電熱器具は、
シーズ線その他の充電部が露出していない発熱体を使用したものであり、
かつ、温度の著しい上昇その他の危険の生ずるおそれがある場合に電路を自動的に遮断
する装置を有するものであること。
(火薬庫における電気設備の施設)(省令第56条、第59条、第63条、第64条、第71条)
第195条 火薬庫(火薬類取締法(昭和25年法律第149号)第12条に規定する火薬庫をいう。
以下この条において同じ。)内には、電気設備を施設しないこと。ただし、白熱電灯若し
くはけい光灯又はこれらに電気を供給するための電気設備(開閉器及び過電流遮断器を除
く。)を第192条第1項第一号、第二号イ、第三号イ、第五号及び第七号の規定に準じて
施設するほか、次の各号により施設する場合は、この限りではない。
一 電路の対地電圧は、150V以下であること。(省令第56条関連)
二 電気機械器具は、全閉型のものであること。(省令第59条関連)
三 ケーブルを電気機械器具に引き込むときは、引込口でケーブルが損傷するおそれがな
いように施設すること。(省令第56条関連)
第8-2 電気設備の技術基準の解釈について(抄)8-122 火薬庫内の電気設備に電気を供給する電路には、火薬庫以外の場所において、専用の開
閉器及び過電流遮断器を各極(過電流遮断器にあっては、多線式電路の中性極を除く。)
に取扱者以外の者が容易に操作できないように施設し、かつ、電路に地絡を生じたときに
自動的に電路を遮断し、又は警報する装置を設けなければならない。(省令第56条、第63
条、第64条関係)
3 前項に規定する開閉器又は過電流遮断器から、火薬庫以外の場所の配線にはケーブルを
使用し、かつ、これを地中に設置すること。(省令第56条関係)
第8-3 電気機器の防爆構造総則(抄)JIS C 0930(1993)8-13第8-3 電気機器の防爆構造総則(抄)JIS C 0930(1993)
1 適用範囲
この規格は、爆発性雰囲気が生成するか、又は生成するおそれがある場所(以下「危険
場所」という。)に設置し、又は持ち込んで使用する、次の各防爆構造の電気機械器具(以
下「防爆電気機器」という。)に共通な一般用件について規定する。
(1) 電気機器の耐圧防爆構造
(2) 電気機器の内圧防爆構造
(3) 電気機器の油入防爆構造
(4) 電気機器の安全増防爆構造
(5) 電気機器の本質安全防爆構造
この規格は、爆発性雰囲気の爆発性特性に対する周囲状態が-20〜+60°Cの温度範囲内
及び80〜110kPaの圧力範囲内とみなされる場合の防爆電気機器に適用する。ただし、これ
らの状態以外については、別に考慮する必要がある。
この規格は、製造業者の仕様書などにおいて、電圧1.2V、電流0.1A、電気的エネルギ
ー20μJ及び電力25mWのいずれの値も超えることがない電気部品には、適用しない。ただ
し、これらが他の回路に接続されていずれかの値を超えるおそれがある場合は、この規格
及び各防爆構造の規格を適用する。
2 用語の定義
この規格で用いる主な用語の定義は、次のとおりとする。
(1) 電気機器 電力の消費による他のエネルギーの発生、発電、送配電、蓄電、電力の交
換・調整・制御及び電気を利用した計測・通信・情報伝達などを行う電気に
関した機械、器具及び装置。
(2) 爆発性雰囲気 炭鉱などの坑内ではメタンを主成分とする可燃性ガスが、炭鉱以外の
工場その他の事業場では種種の可燃性ガス又は可燃性液体の蒸気(以下
「ガス又は蒸気」という。)が、爆発するおそれがある濃度で空気中に
存在する雰囲気。
(3) 危険場所 電気機器の構造及び使用について特に考慮を必要とするほどの量の爆発性
雰囲気が生成するか、又は生成するおそれがある場所をいい、次の3つの種
別に分類される。
1 0種場所 正常な状態において、爆発性雰囲気が連続して又は長時間持続して生成
する場所。
2 1種場所 正常な状態において、爆発性雰囲気が生成するおそれのある場所。
3 2種場所 異常な状態において、爆発性雰囲気が生成するおそれのある場所。
(4) 試験ガス 防爆電気機器の試験に使用する特定な組成の爆発性混合ガス。
第8-3 電気機器の防爆構造総則(抄)JIS C 0930(1993)8-14(5) 発火温度 ガス又は蒸気と空気との混合ガスに点火することのできる加熱された表面
の温度のうち最も低い温度。
(6) 最高表面温度 防爆電気機器を仕様の範囲内の最も過酷な条件の下で使用した場合に、
周囲の爆発性雰囲気に点火するおそれがある各部分が到着する温度のう
ちの最も高い温度。
(7) 防爆構造 電気機器がその周囲に存在する爆発性雰囲気の点火源となることがないよ
うに、電気機器に適用する技術的方法。
(8) 容器の保護等級 次の1及び2に示す事項について、容器が備えるべき保護の度合を
表す等級。
1 容器内の充電部分又は回転部分への人体の接触に対する保護、及び容器内への固形
異物の侵入に対する保護。
2 容器内への水の侵入に対する保護。
(9) 接続端子部 外部の電線の電気的接続に使用する、端子、ねじ部品及びその他の部品
から成るもの。
(10) 端子箱等 接続端子部を収納するための独立した容器又は本体容器内の区画。
(11) ケーブル引込部 防爆電気機器の中にケーブルを引き込む部分。
(12) 電気管引込部 防爆電気機器の中に電線管を引き込む部分。
(13) 容器 防爆電気機器の防爆性能を維持するための充電部分の外被をいい、ドア、カバ
ー、ケーブル引込部、操作軸、回転軸などを含む。
(14) 最大安全すきま 試験容器の内部でガス又は蒸気と空気との最も火炎逸走しやすい濃
度の混合ガスに点火したとき、試験容器の接合面(奥行き25mm)を通
って爆発の火炎が外部の混合ガスに伝ぱ(播)しない接合面の隙間の
最大値。
(15) 最小点火電流 ガス又は蒸気と空気との最も点火しやすい濃度の混合ガスを用いて火
花点火試験を行ったとき点火を生じる電流の最小値。
3 防爆電気機器の分類
防爆電気機器の分類は、次による。
(1) 防爆電気機器は、次のいずれかに分類する。
グループI:炭鉱用の防爆電気機器
グループII:炭鉱以外の工場その他事業場用の防爆電気機器
なお、抗気以外のガス又は蒸気の爆発性雰囲気が普通に生成するおそれがある炭鉱に
使用する防爆機器は、グループIの規定に適合した構造とするほか、該当するグループ
IIに規定するガス又は蒸気について試験を行い、また、その旨を表示すること。
(2) グループIIの耐圧防爆構造及び本質安全防爆構造の電気機器は、(2.1)〜(2.5)に規定
する対象ガス又は蒸気の分類A、B及びCに対応して、それぞれグループIIA、IIB及
びIICに分類する。
第8-3 電気機器の防爆構造総則(抄)JIS C 0930(1993)8-15(2.1) 耐圧防爆構造の電気機器の対象とするガス又は蒸気は、表1の左欄に示すガス又
は蒸気の爆発性雰囲気中の最大安全隙間の値に応じて、右欄に示すとおり、A、B
及びCに分類する。
表1 耐圧防爆構造の電気機器の対象とするガス又は蒸気の分類
ガス又は蒸気の爆発性雰囲気中の最大安全すきまの値(mm) ガス又は蒸気の分類
0.9以上 A
0.5を超え 0.9未満 B
0.5以下 C
(2.2) 本質安全防爆構造の電気機器の対象とするガス又は蒸気は、表2の左欄に示すガ
ス又は蒸気の爆発性雰囲気中の最小点火電流比の値に応じて、右欄に示すとおり、
A、B、Cに分類する。
表2 本質安全防爆構造の電気機器の対象とするガス又は蒸気の分類
ガス又は蒸気の爆発性雰囲気中の最小点火電流比の値(mm) ガス又は蒸気の分類
0.8以上 A
0.45以上 0.8以下 B
0.45未満 C
備考 最小点火電流比は、メタンの最小点火電流を基準として求められる。
(2.3) 耐圧防爆構造及び本質安全防爆構造の電気機器の対象とするガス又は蒸気は、そ
の最大安全隙間又は最小点火電流比が(2.4)に示す範囲内にある場合を除いて、最大
安全隙間又は最小点火電流比のいずれか一方の値によって分類することができる。
(2.4) 最大安全隙間又は最小点火電流比の値が次の1〜3の範囲内にあるガス又は蒸気
は、その分類のために、それぞれ対応する最小点火電流比又は最大安全隙間の値を
必要とし、これら両方によって分類する。
1 最大安全隙間が0.5mm以上、0.55mm以下のもの
2 最小点火電流比が0.8以上、0.9以下のもの
3 最小点火電流比が0.45以上、0.5以下のもの
(2.5) (2.1)〜(2.4)の規程によるほか、耐圧防爆構造及び本質安全防爆構造の電気機器
の対象とするガス又は蒸気は、その化学構造などによって分類することができる。
(3) グループIIの防爆電気機器は、その最高表面温度によって、表3に示すとおり、温度
等級T1〜T6のいずれかに分類する。
第8-3 電気機器の防爆構造総則(抄)JIS C 0930(1993)8-16表3 グループIIの防爆電気機器の温度等級の分類
電気機器の最高表面温度の値(°C) 温度等級
450以下 T1
300以下 T2
200以下 T3
135以下 T4
100以下 T5
85以下 T6
(4) グループIIの防爆電気機器は、特定のガス又は蒸気の爆発性雰囲気だけに使用するも
のとして分類することができる。この場合には、その防爆電気機器は、特定のガス又は
蒸気に対して試験し、その旨を表示すること。
4 温度
4.1 基準周囲温度
基準周囲温度は、次による。
(1) 防爆電気機器は、一般には、-20〜+40°Cの周囲温度の範囲で使用できるように
設計すること。
なお、防爆電気機器がこれと異なる周囲温度の範囲での使用に適する場合には、
その温度範囲を表示すること。
(2) 表3に規定する防爆電気機器の温度等級は、基準とした周囲温度の範囲の上限値
に基づいて決定すること。
4.2 最高表面温度
防爆電気機器の最高表面温度は、
次の(1)〜(3)のいずれかの条件又は(4)の条件による。
(1) 防爆電気機器の最高表面温度は、電気機器のグループに応じて、次に規定する値
を超えないこと。
1 グループIの防爆電気機器:炭じんがたい(堆)積することがあり得る場合は
150°C。炭じんがたい積することが避けられる場合は450°C。
2 グループIIの防爆電気機器:電気機器の温度等級に応じて、表3に規定する最
高表面温度の値。
(2) グループIIの防爆電気機器は、その最高表面温度として表3に規定する最高表面
温度と異なる値をとることができる。この場合には、防爆電気機器にその値を表示
するとともに、その最高表面温度は表示した最高表面温度の値を超えないこと。
(3) 特定のガス又は蒸気の爆発性雰囲気だけに使用する防爆電気機器の最高表面温
度は、そのガス又は蒸気の発火温度の値未満であること。
(4) 全表面積が10cm2以下の電気部品で、その表面温度よりも次に規定する値だけ高い
第8-3 電気機器の防爆構造総則(抄)JIS C 0930(1993)8-17温度になっても点火のおそれがない電気部品は、その表面温度が、表示された温度
等級に対応する最高表面温度の値を超えてもよい。ただし、この場合に電気部品に
よる点火のおそれがないことは、その電気部品と同種のものにおける実績又は適切
な点火特性をもつ試験ガス中でのその電気部品の試験によって確認すること。
T1、T2及びT3の防爆電気機器では50°C
T4、T5及びT6の防爆電気機器では25°C
(注記) 各防爆構造の概要
【耐圧防爆構造】
電気機器の容器の内部で爆発が起こった場合に、容器が爆発圧力に耐え、さら
には、容器の外部の爆発性雰囲気への火炎伝ぱ(播)を防止する防爆構造
【内圧防爆構造】
電気機器の容器の内部に保護ガスを送入又は封入し、
その圧力を周囲の圧力よ
り高く保持することによって、
通電中に周囲の爆発性雰囲気が容器の内部へ侵入
するのを防止するか、
又は容器の内部に可燃性ガス又は蒸気の放出源がある場合
にそれを希釈する防爆構造
【油入防爆構造】
保護液に浸すことによって、
これらが液面上又は容器外の爆発雰囲気の点火源
とならないようにした電気機器、電気機器部品の防爆構造
【安全増防爆構造】
正常な使用状態では、
爆発性雰囲気の点火源となり得るアーク又は火花の発生
がなく、さらに、高温又はアーク・火花の発生の可能性に対して安全度を高めた
電気機器の防爆構造
【本質安全防爆構造】
電気機器の中の回路自身が、
爆発性雰囲気の環境で爆発を起こす能力がない電
気機器の防爆構造
第8-3 電気機器の防爆構造総則(抄)JIS C 0930(1993)8-18 第8-3 電気機器の防爆構造総則(抄)JIS C 0930(1993)8-19 第8-3 電気機器の防爆構造総則(抄)JIS C 0930(1993)8-20 第9-1 屋内貯蔵所の架台の修
正震度法による計算式9-1第9 修正震度法
(平8.10.15 消防危第125号通知)
第9-1 屋内貯蔵所の架台の修正震度法による計算式
1 架台の格段の設計水平震度
架台の格段の設計水平震度(Kh(i))は、次の式により求めた値とする。
Kh(i) = 0.15 ν1・ν2・ν3(i)
ν1 : 地域別補正係数
ν2 : 地盤別補正係数
ν3(i) : 高さ方向の震度分布係数
ν3 =1Wi
{(∑ Wjnj=i
) ×ばつ Ai − ( ∑ Wjnj=i+1
) Ai+1}
ただし、i=nの場合、中括弧内は第1項のみとする。
Wi : i段の固定荷重と積載荷重の和
Ai : 格段の設計水平震度の分布係数
n : 架台の段数
Ai = 1 + (1/√αi − αi)2T/(1 + 3T)
ai : 架台のAiを算出しようとする第i段の固定荷重と積載荷重の和を当該架台の
全固定荷重と全積載荷重の和で除した数値
T : 架台の設計用一次固有周期で、次の式により求めた値(秒)
T = 0.03h
h : 架台の全高さ(m)
架台の固有値解析を行った場合は、その値を用いることができる。
2 架台の各段に作用する地震力
架台の各段に作用する地震力(Pi)は、次の式により求めた値とする。
Pi=Wi×ばつKh(i)
3 架台の各段に作用する転倒モーメント
架台の各段に作用する転倒モーメント(Mi)は、次の式により求めた値とする。
Mi = ∑ {Pj ×ばつ (Hj − Hi)}nj=i+1 架台地盤面に作用する転倒モーメント(Mo)
Hi : 第 i 段の高さ Mo = ∑ {Pj ×ばつ Hj}nj=1

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