第 13 給油取扱所13-1第 13 給油取扱所の基準
1 給油取扱所の定義
(1) 固定した給油設備(航空機への給油については、車両に設けられた給油設備を含む。)によって自動車等の燃料タンクへ直接給油するために、危険物を取扱う取扱所(当該給
油取扱所において、
併せて灯油若しくは軽油を容器に詰め替え、
又は車両に固定された、
容量 4,000 リットル以下のタンク
(容量 2,000 リットル以下ごとに仕切ったものに限る。)に注入するため固定した注油設備によって危険物を取り扱う取扱所を含む。)をいうもの
で、その場所には建築物、工作物及び附属設備が含まれる。
(2) 「自動車等」の中には、航空機、船舶、気動車その他動力源として危険物を消費する
燃料タンクを内蔵するものすべてが含まれる。
(3) 固定注油設備から容量 4,000 リットル以下の移動貯蔵タンクへの注油行為は、危政令
第27条第6項第4号ハ、ホ及びヘに規定するところにより行うものとする。
(4) 給油取扱所においては、廃油タンクから指定数量以上の廃油の抜取りを行うことがで
きる。
(昭 62.4.28 消防危第 38 号通知)
(5) 次の行為は、1日の取扱量が指定数量未満の場合に限り認められる。
なお、安全対策を講じた給油取扱所においては指定数量以上のガソリンの容器詰替え
販売が可能である。
(令2.5.7 筑太消本予第 156 号通知)
1 固定給油設備を用いてガソリン又は軽油を適正な容器に詰め替えること。
(昭 61.7.11
消防危第 72 号質疑)ただし、顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所(以下「セルフスタン
ド」という。
)においては、顧客が行うことはできない。
2 危険物を容器入りのままで販売すること。
(昭 62.4.28 消防危 38 号通知)
3 トラック等に積載している重機、トラクター、水上オートバイ等及びキャリアカー
に積載している自動車等に固定給油設備から直接給油すること。
(セルフスタンドにお
いては、1と同じ。)(6) 給油取扱所において、次の行為は行うことができない。
1 セルフスタンドで、固定給油設備を用いて、顧客がガソリンを容器(携行缶やドラ
ム缶など自動車に該当しないもの)に詰め替えること。
(平 10.3.13 消防危第 25 号通知)
また、軽油についてもガソリンと同様に、固定給油設備を用いて、顧客が容器に詰
め替えることはできない。
2 ガソリンとエタノールを混合してエタノールを含有するものを製造すること。
(平 24.
1.11 消防危第2号通知)
3 軽油とBDFを混合してB5を製造すること。
4 固定給油設備でガソリン又は軽油を移動貯蔵タンクに注入すること。
(タンクの容量
は関係なし。)(平2.10.31 消防危第 105 号質疑)ただし、安全対策を講じた器具と方法により
指定数量未満の軽油を指定数量未満の移動貯蔵タンクに注入する場合を除く。
(平 21.3.
9 消防危第 35 号)
第 13 給油取扱所13-22 規制区分
給油取扱所は、施設の形態に応じ、技術上の基準の適応が法令上次のとおり区分される。
区分 危政令 危省令
屋外型給油取扱所
(上屋等の空地に対する比率が1/3以下のものをいう)
17I 25、25 の2、25 の2の2、
25 の3、
25 の3の2、
25 の
4、25 の5
航空機給油取扱所 17I+III 26
船舶給油取扱所 17I+III 26 の2
鉄道給油取扱所 17I+III 27
CNG等充てん設備設置給油取扱所 17I+III 27 の3
圧縮水素充てん設備設置給油取扱所 17I+III 27 の5
自家用給油取扱所 17I+III 28
CNG等充てん設備設置給油取扱所 17I+III 28
圧縮水素充てん設備設置給油取扱所 17I+III 27 の5
メタノール等の給油取扱所 17I+IV 28 の2
CNG等充てん設備設置給油取扱所 17I+III+IV 28 の2の3
自家用給油取扱所 17I+III+IV 28 の2の3
セルフ給油取取扱所 17I+V 28 の2の5
CNG等充てん設備設置給油取扱所 17I+III+V 28 の2の7
自家用給油取扱所 17I+III+V 28 の2の7
屋内型給油取扱所
(上屋等の空地に対する比率が1/3を超えるものをいう)
17II 25 の6、25 の7、25 の
8、25 の9、25 の 10
航空機給油取扱所 17II+III 26
船舶給油取扱所 17II+III 26 の2
鉄道給油取扱所 17II+III 27
CNG等充てん設備設置給油取扱所 17II+III 27 の4
自家用給油取扱所 17II+III 28
CNG等充てん設備設置給油取扱所 17II+III 28
メタノール等の給油取扱所 17II+IV 28 の2の2
CNG等充てん設備設置給油取扱所 17II+III+IV 28 の2の3
自家用給油取扱所 17II+III+IV 28 の2の3
セルフ給油取扱所 17II+V 28 の2の6
CNG等充てん設備設置給油取扱所 17II+III+V 28 の2の7
自家用給油取扱所 17II+III+V 28 の2の7
注 算用数字は条、ローマ数字は項を表している。
第 13 給油取扱所13-33 共通基準
(1) 危険物の取扱量
1 給油取扱所における危険物の最大取扱量は、
危政令第 17 条第1項第5号に定める専
用タンク、廃油タンク等(廃油タンク、給湯用ボイラー、冷暖房用ボイラー、自家発
電設備等に直接接続するタンク)及び簡易タンクの容量の合計により算定すること。
(昭 62.4.28 消防危 38 号通知)
2 危険物の最大数量は前1及び危省令第 25 条の5第3項の数量を合算した数とする
こと。
(運用事項)
3 容器内にある危険物の合計数量は、指定数量未満とすること。
(昭 62.4.28 消防危 38 号
通知)
(2) 給湯用・冷暖房用ボイラー、自家発電設備及び火気使用設備器具
1 燃料タンク
ア 灯油及び軽油を貯蔵する専用タンク及び廃油タンクから給油取扱所内の給湯用ボ
イラー、冷暖房用ボイラー及び自家発電設備へ燃料を供給することができる。
(昭 62.
4.28 消防危 38 号通知)
イ 燃料タンクは、給油取扱所の専用のものとし、当該タンクから他用途部分への燃
料供給は行わないこと。
ウ 燃料タンクを地上に設ける場合は、指定数量未満とし、給油取扱所内の耐火構造
のタンク専用室又は油庫内に設置すること。
ただし、
タンク容量が 200L未満のもの
にあっては、ボイラー室等に設置することができる。
エ 燃料タンクの位置等については、火災予防条例の基準の例によること。
2 ボイラー室
ア ボイラー室
ア 可燃性蒸気の流入するおそれのない構造とすること。
イ 耐火構造の専用室とするよう指導する。
(運用事項)
ウ 専用室の開口部は、整備室、給油空地及び注油空地に面する部分には設けない
よう指導する。
(運用事項)
イ 火気使用設備
ボイラー、調理用コンロ等の火気使用設備については、火災予防条例の基準の例
によること。
(昭 62.4.28 消防危 38 号通知)
(3) 可燃性蒸気回収装置
可燃性蒸気回収装置は、外気に開放された部分に設置すること。ただし、可燃性蒸気
回収装置をパイプスペース等に設ける場合は、可燃性蒸気が滞留しない措置が講じられ
ていること。
4 屋外営業用
前3によるほか、次によること。
第 13 給油取扱所13-4(1) 危政令第 17 条第1項の適用
危省令第 25 条の6に規定する上屋等の空地に対する比率が1/3以下のものについ
ては、危政令第 17 条第1項を適用する。
1 給油取扱所の敷地面積
「給油取扱所の敷地面積」は、次により算定すること。
ア 給油取扱所の敷地境界線に防火塀が設けられている場合は、防火塀の中心(建築
物の壁が防火塀を兼ねる場合にあってはその中心線)と道路に面する側の道路境界
線に囲まれた部分
イ 給油取扱所が建築物内にある場合は、給油取扱所の用に供する部分の壁の中心線
と道路に面する側の道路境界線に囲まれた部分
2 上屋等の空地に対する比率の算定
ア 危省令第 25 条の6に規定する上屋等の算定方法は以下のとおりである。
建築物のひさし、はり、屋外階段、上階のオーバーハング部分及びトラスは、水
平投影面積に算入すること。
(平元.5.10 消防危第 44 号質疑)
なお、
「給油取扱所の用に供する部分の1階の床面積の合計を減じた面積」には、
上屋以外の販売室などに設けられたひさしの面積も含まれるものであること。
イ 上屋にルーバーを設ける場合は、原則としてルーバーの部分も水平投影面積に算
入すること。
(平元.3.1 消防危第 14 号)
ウ 建築物の上屋のはりのうち、幅 50 cm以上のものは水平投影面積に算入すること。
なお、看板等の突き出した部分については水平投影面積及び床面積には算入しな
い。
エ 上屋の吹き抜け部分は、水平投影面積に算入しない。=I及びIIから35
≦1/3(屋外給油取扱所の例)
1建築物の給油取扱所の用に
供する部分の水平投影面積
2建築物の給油取扱所の用に供する部分
(床又は壁で区画された部分に限る)
販売室、ポンプ室、油庫、コンプレッサー室
店舗、整備室、洗車庫、住居、本店事務所等-3上屋(キャノピー)面積
(建物のひさし含む)
4給油取扱所の敷地面積 2 5敷地内の空地面積- =III 第 13 給油取扱所13-5(2) 周囲空地の地盤面との関係(昭 44.11.25 消防危第 276 号質疑)
給油取扱所の周囲の地盤面が、道路の改修等(かさ上げ)のため、危政令第 17 条第1
項第1号に規定する給油空地及び同項第1号の2に規定する注油に必要な空地
(以下
「注
油空地」という。
)よりも高くなり、同項第2号の規定に適合しなくなる場合は、次に掲
げる措置を講じることにより、
同項第2号の規定に適合するものとみなすことができる。
(第 13-2図参照)
1 かさ上げ道路と給油取扱所の境界との差が 60 cm以下であること。
2 当該境界部分の高低差を埋める盛り上げ部分が、固定給油設備の基礎(通称「アイ
ランド」という。
)の道路に面する側から2m以上離れていること。
3 盛り上げのこう配が2/5以下であること。
道路
上屋部分は(B+D+E)
ひさし部分は(A+B+C)
上屋面積は(A+B+C+D)
平面図BA CDE
事務所等
上屋
ひさし
防火塀
上屋の面積に
算入されない部分
上屋
第 13-2図
第 13-1図 上屋面積の算定例
第 13 給油取扱所13-6(3) 自動車等が出入りする側
1 危政令第 17 条第1項第 19 号に規定する「自動車等の出入りする側」とは、幅員が
4m以上の道路(危省令第1条第1号に規定するもの)に接し、かつ、給油を受ける
ための自動車等が出入りできる側をいうものであること。
(昭 51.11.16 消防危第 94 号質疑、
平9.3.25 消防危第 27 号質疑、平 10.10.13 消防危第 90 号質疑)
(第 13-3図参照)
2 危政令第 17 条第1項第2号の間口に面する自動車等の出入りする側に、
ガードレー
ル等が設けられている場合で幅 10m以上の出入口が確保できない場合は、幅5m以上
の出入口を2箇所以上設けるものとし、当該幅5m以上の出入口2箇所以上は、給油
取扱所の空地のうち、間口 10m以上、奥行6m以上の矩形部分の間口の全面にとらな
ければならないこと。
(昭.45.5.4 消防危第 81 号質疑)
(第 12-4図参照)
第 13-3図
第 13 給油取扱所13-73 前2に掲げる部分以外の部分に危政令第 17 条第1項第 19 号に定める自動車等の出
入りする側を設ける場合は、当該自動車等の出入口の有効な幅員は5m以上とするよ
う指導する。
(第 13-5 図参照)
事務所
第 13-4図
6m以上
第 13-5図
第 13 給油取扱所13-8(4) 給油空地
1 給油空地は、固定給油設備の配置、給油を受ける自動車等の大きさ、車両の動線等
を考慮して判断すべきものであること。
2 給油空地には、間口(主たる道路に面する側であって、原則として自動車等の出入
りが可能な連続した範囲をいう)10m以上、奥行6m以上の矩形部分が含まれている
必要があること。
なお、給油空地は、乗入部から固定給油設備に至る動線も含み、給油空地全体の形
状が矩形である必要はないものとする。
また、この場合の道路とは、危省令第1条第1号に規定する道路のほか、私道(幅
員4メートル以上のものに限る。
)であっても現に道路としての形態を有し、一般の用
に供されており、自動車等の通行が可能なものも含まれるものとする。(平9.3.25 消防
危第 27 号質疑)
3 「安全かつ円滑に通行することができる」ため、すれ違い時の車両間に十分な間隔
が確保される必要があること。
4 「安全かつ円滑に給油を受けることができる」ため、自動車等の周囲に給油作業等
に必要と考えられる十分な空間が確保されていること。
5 給油空地は、給油及び自動車等が出入りするために必要な空地であり、洗車、灯油
等の注油、駐車等給油以外の用途に使用することはできないものであること。
なお、給油取扱所の空地には、給油空地及び危政令第 17 条第1項第3号に規定する
注油に必要な空地(以下「注油空地」という。
)以外に洗車機等を設置することができ
る「給油に支障がない場所」が含まれるので、危政令 17 条第1項第4号及び第5号の
規定の適用に当たっては、当該「給油に支障がない場所」も状況に応じ、規制対象と
して指導すること。
6 給油空地(注油空地を含む。
)の間口及び奥行の測定点は、給油取扱所の建築物の壁
の外側及び防火塀の内側からとすること。
なお、犬走り、花壇等が設けられている場合は、当該部分は除外すること。
7 給油空地(注油空地を含む。
)には、固定給油設備及び固定注油設備(アイランドを
含む。
)以外の設備等は設けないこと。ただし、その設置がやむを得ないと認められる
設備又は上屋の支柱等を設ける場合は、この限りでない。
(昭 62.4.28 消防危 38 号通知)
(5) 注油空地
1 注油空地は、給油空地以外の場所に設けるものとし、容器等への小分けのみを目的
とする場合は、4m2(×ばつ2m)以上とするよう指導すること。
(運用事項)
2 容器の置き台等を設ける場合は、当該置き台等を注油空地に包含すること。
3 4,000l 以下のローリー等に注油する場合は、車両がはみ出さない十分な広さの空
地とすること。
(第 13-6図参照)
なお、注油空地周囲の排水溝及び油分離装置は、給油空地のものと兼用できる。(平元.3.3 消防危第 15 号通知)
第 13 給油取扱所13-94 給油空地及び注油空地は、許可申請書の添付書類においてその位置(範囲)を明示
しておくこと。
(平元5.10 消防危第 44 号質疑)
5 移動貯蔵タンクに詰め替えるための注油空地は、給油空地以外の場所で固定給油設
備から規則 40 条の3の4第1号で規定する距離以内の部分、
専用タンクの注入口から
3m以内の部分及び専用タンクの通気管から 1.5m以内の部分以外の場所に保有する
こと。
(昭 62.4.28 消防危 38 号通知)
(6) 給油空地及び注油空地の舗装
1 危省令第 24 条の 16 に規定する性能を有する舗装の例としては、鉄筋コンクリート
があること。
なお、コンクリート内の鉄筋は、埋設配管に接触させないこと。
2 前1の舗装に加え、地盤面舗装材料を用いる場合は、準不燃材料又はJIS難燃2
級以上のもので、導電性(体積固有抵抗値 108
Ω・cm以下又は表面固有抵抗値 109
Ω以下)、耐油性、車両荷重に対する強度、排水性を考慮すること。
3 給油空地及び注油空地以外の部分はアスファルトによる舗装とすることができる。
(平 31.4.19 消防危第 81 号質疑)
(7) 給油空地等の滞留及び流出防止措置
1 可燃性蒸気の滞留防止措置
排出設備等の設備による措置ではなく、給油取扱所の構造で措置する必要があるこ
と。
なお、措置例としては給油空地等の地盤面を周囲の地盤面より高くするとともに、
その表面に適当な傾斜をつける方法があるが、地盤面の傾斜は当該給油空地等に近い
道路側に可燃性蒸気が排出されるよう措置すること。
2 危険物の滞留防止措置
給油空地等に存するいずれの固定給油設備又は固定注油設備(以下「固定給油設備
等」という。
)から危険物が漏れた場合においても、危険物が空地内に滞留しないよう
措置する必要があること。
なお、措置例としては空地の地盤面を周囲の地盤面より高くするとともに、その表
面に適当な傾斜をつける方法があること。
3 危険物の流出防止措置
給油空地等に存するいずれの固定給油設備等から危険物が漏れた場合においても、
危険物が給油取扱所の外部に流出することがなく、
危告示第4条の 51 に規定する危険
物の数量が貯留設備に収容されるよう措置する必要があること。
油分離装置として油分離槽を設ける場合にあっては、4連式を設置するよう指導す
る。
(資料編第1-4参照)また、FRP製等で耐油性を有し、自動車の荷重により
容易に変形等を生じないものも設置することができる。
(昭 47.5.4 消防危第 97 号質疑、昭
49.10.16 消防危第 121 号質疑)
ア 水に溶けない危険物(第4「製造所」
、4(12)に定めるものをいう。以下同じ。)の 第 13 給油取扱所
13-10
みを取扱う給油取扱所における措置例としては排水溝及び油分離装置を設ける方法
があるが、この場合、排水溝及び油分離装置については、次によるものとする。
ア 排水溝の構造
排水溝は、幅 10 センチメートル以上、深さ 10 センチメートル以上で、有効に
排水できる構造とし、自動車等の出入りする部分の排水溝の上端及び側面は、鉄
枠とするよう指導すること。
なお、排水溝の機能を損なわない限りにおいて、グレーチングのふたを設置す
ることは差し支えないこと。
イ 油分離装置の設置位置
危省令第 24 条の 17 第2号に規定する「火災予防上安全な場所」とは、給油空
地等、注入口の周囲及び附随設備が設置されている場所以外の部分で、車両や人
の出入り及び避難に支障とならない部分であること。
ウ 油分離装置の収容能力
油分離装置の危険物の収容能力については、排水パイプの管底以上貫通下部以
下の容積が、危告示第4条の 51 に規定する危険物の数量以上とすること。
(資料
編 第1-4参照)
(平 18.9.19 消防危第 191 号質疑)
イ 水に溶けない危険物以外の危険物を取り扱う給油取扱所(水に溶けない危険物を
取り扱う給油取扱所に併設するものを含む。
)における措置例としては、
「メタノー
ル等を取り扱う給油取扱所に係る規定の運用」
(平6.3.25 消防危第 28 号通知)
第2・1に
よる方法があること。
(8) 給油空地の特例
歩行者又は自転車のための独立した通行空間の確保を図るため、給油空地の間口と乗
り入れ部を同一のものとして確保できない場合は、
次の事項を満足すれば危政令第 23 条
を適用できるものであること。
(第 13-7図参照)
(平 13.11.21 消防危第 127 号通知)
第 13-6図 給油空地及び注油空地の例
第 13 給油取扱所
13-11
1 給油空地は、間口(主たる乗り入れ部へ通じる給油空地の1辺の長さ)を 10m以上
とし、奥行きを6m以上とすること。
2 乗り入れ部は、車両の出入りが円滑にできる幅を確保すること。
なお、車両の出入りが円滑にできる幅は5m以上とする。
(運用事項)
3 主たる乗り入れ部と給油空地とは充分見通せる位置関係とすること。
第 13-7図 給油空地の特例に関する例
第 13 給油取扱所
13-12
(9) 専用タンク及び廃油タンク等
1 専用タンク及び廃油タンク等の設置方法は、第9・4の例によること。
2 専用タンク及び廃油タンク等は、当該給油取扱所の敷地内に設けるよう指導する。
(運用事項)
3 専用タンクを2以上の室に仕切り、それぞれ品名の異なる危険物を貯蔵する場合に
は、ガソリンと灯油とを隣接した室としないよう指導する。
4 危省令第 25 条第2号に規定する「ボイラー等」には、給湯用ボイラー及び冷暖房用
ボイラー等のボイラーのほか、自家発電用設備等が含まれること。
(昭 62.4.28 消防危 38
号通知)
5 潤滑油タンクは、廃油タンク等に該当しないこと。
(昭 62.6.17 消防危第 60 号質疑)
6 タンクの注入口(運用事項)
ア 注入口は、遠方注入口とするよう指導すること。
なお、廃油タンクの注入口は、整備室内に設けても差支えないものとする。
イ 注入口の位置は、危政令第 27 条第6項第1号チの規定趣旨に鑑み、洗車機、整備
室(リフト室等)の開口部及び駐車スペースから3メートル以上離れた給油取扱所
の空地内とするよう指導すること。
また、洗車機等との間に3メートル以上確保できないときは、不燃材料の塀を設
けて洗車機等に可燃性蒸気が流出しない措置を講じるよう指導すること。
ウ 灯油専用の注入口は、他の注入口(ガソリン、軽油)と区分して、専用のためま
す等の措置を講じるなど、灯油専用の注入口である旨を明確にするよう指導する。
エ 専用タンクの注入口には、危険物の品名(化学名)を明記するよう指導する。
オ 専用タンクの注入口付近の適当な位置に静電気除去装置を設けること。
カ 地下式注入口を設ける場合は、専用タンク直上及び給油空地等以外とすること。
キ 遠方注入口は、不燃材料で作った箱の中に納めるか、又は注入口の直下に囲いを
設ける方法のいずれかにより危険物の漏れを防止すること。
7 配管
ア 危険物を取扱う配管で、地盤面以上に設けるものは、衝撃により容易に損傷を受
けることのないよう防護措置を講じるよう指導する。
イ 地上に設ける配管であって、点検困難な場所又は屋上に設ける配管の接合部は溶
接継手とするよう指導する。
(運用事項)
ウ 危険物配管が上屋の上部若しくは内部に設けられ、又は給油空地に面しない外壁
に沿って敷設されているものは、危省令第 13 条の5第2号に規定する「ただし、火
災によって当該支持物が変形するおそれのない場合」に該当するものとすることが
できる。
エ 上屋上部等の配管の防食は、高濃度亜鉛塗料、エポキシ塗料等により行うよう指
導する。
なお、直射日光による配管内の圧力上昇を防止するための措置を講ずる場合は、
第 13 給油取扱所
13-13
配管上部に遮熱板を設ける方法により行うよう指導する。
(運用事項)
オ 危険物配管が上屋内部に設けられるものにあっては、有効に目視できる点検口を
設けるよう指導する。
(運用事項)
カ ポンプ室から給油設備に至る配管のうち、地下埋設となる部分は、漏えいが早期
に検知できる措置(二重配管等)を講じるよう指導する。
8 通気管
ア 屋外に設置するものは、さび止め塗装をすること。
イ 建築物内に設置するものは、点検空間を設置するとともに、さび止め塗装をする
こと。
ウ 地下に設置する部分は、
危政令第9条第1項第 21 号ニに規定する腐食防止措置を
すること。
エ 専用タンクの通気管の先端の位置は、貯蔵油種にかかわらず、給油取扱所の敷地
境界線から水平距離 1.5 メートル以上離れた給油取扱所内とするとともに、危政令
第 27 条第6項第1号チの規定趣旨に鑑み、洗車機、整備室(リフト室等)の開口部
及び駐車スペースから水平距離 1.5 メートル以上離れた場所とするよう指導するこ
と。
オ 専用タンクに設ける通気管の敷地境界線からの離隔距離については、隣地との境
界線から 1.5m離れた場所とする。
(昭 62.9.9 消防危第 91 号質疑)
(10) 固定給油設備等への配管
ア 固定給油設備又は固定注油設備(以下「固定給油設備等」という。
)への専用タンク
又は簡易タンク以外のタンクからの配管、例えば屋外タンク貯蔵所、地下タンク貯蔵
所等の他の危険物施設からの配管の接続は認められないものである。
(平元.3.3 消防危
第 15 号通知)
イ 固定給油設備と専用タンクの接続
固定給油設備を複数の同一の油種の専用タンクに接続することは差し支えないが、
この場合、専用タンクの吸油管には逆止弁を設置し、サイフォン現象を生じないよう
にすること。
(昭 51.7.12 消防危第 23-12 号)
ウ 配管とは、固定給油設備等本体の内部配管であって、ポンプ吐出部から給油ホース
等の接続口までの送油管のうち弁及び計量器等を除く固定された送油管部をいうもの
であること。
また、漏えいその他の異常の有無を確認する水圧試験として、水以外の不燃性の液
体又は不燃性の気体を用いて行うことができる。
なお、ポンプ機器とホース機器が分離して設けられている場合、当該機器間を接続
する配管は固定給油設備等本体の内部配管ではなく、専用タンクの配管に該当する。
(平5.9.2 消防危第 68 号通知)
(11) 固定給油設備等の構造
1 固定給油設備等の位置
第 13 給油取扱所
13-14
ア 危政令第 17 条第1項第 12 号又は第 13 号に規定する固定給油設備等は、
道路境界
線に防火塀又は壁を設けた場合は、
それぞれ2m又は1m以上とすることができる。
この場合において、道路境界線(塀又は壁を設けるものを除く。
)に設ける防火塀又
は壁は、固定給油設備等の中心との間に最大給油ホース全長又は最大注油ホース全
長に応じた道路境界線との離隔距離以上の間隔が確保できる部分まで設けること。
(第 13-8図参照)
イ 給油ホース又は注油ホース(以下「給油ホース等」という。
)の取付部が移動する
固定給油設備等については、給油ホース等を道路境界線、敷地境界線及び建築物の
壁に最も接近させた状態において、当該取付部が危政令第 17 条第1項第 12 号又は
第 13 号に規定する間隔(給油ホースについては、自動車等の洗浄を行う設備、自動
車等の点検整備を行う設備から危省令第 25 条の5第2項第1号及び第2号に規定
する間隔)をそれぞれ確保すること。
ウ 二以上の固定給油設備相互間又は固定注油設備相互間の距離規制はないものであ
ること。
(昭 62.4.28 消防危 38 号通知)
2 固定給油設備等の構造等
ア ポンプ機器の構造(平5.9.2 消防危第 68 号通知)
ア 一のポンプに複数の給油ホース等が接続されている場合には、各給油ホース等
から吐出される最大の量をもって当該ポンプの最大吐出量とすること。
イ 最大吐出量を 180l /min 以下とすることができるのは、
固定注油設備が複数の
ポンプを有する場合において、車両に固定されたタンクにその上部から注入する
用のみに供する注油ホースに接続されているポンプ機器に限られるものであるこ
と。
ウ 固定給油設備等のポンプ機器として油中ポンプ機器を用いる場合には、ポンプ
機器を停止する措置としてホース機器に取り付けられた姿勢検知装置がホース機
器の傾きを検知した場合にポンプ機器の回路を遮断する方法等による措置が講じ
られていること。
油中ポンプ機器は
「油中ポンプ設備に係る規定の運用について」
第 13-8図 給油空地の特例に関する例
第 13 給油取扱所
13-15
(平5.9.2 消防危第 67 号通知)によること。
なお、ホース機器が給油取扱所の建築物の屋根に固定されている等転倒するお
それのないものである場合には、当該措置は必要ないものであること。また、油
中ポンプ機器を使用する場合には、接続する埋設配管は二重配管(耐油性、耐食
性及び強度を有している場合は、材質を問わない。
)とし、検知装置を設けるよう
指導するとともに、固定給油設備等(懸垂式を除く。
)には、固定給油設備等が転
倒した場合に、危険物の漏えい拡散防止を図るための立ち上がり配管遮断弁を取
り付けるよう指導する。
エ 固定給油設備等の内部のポンプ吐出配管部には、ポンプ吐出側の圧力が最大常
用圧力を超えて上昇した場合に配管内の圧力を自動的に降下させる装置が設けら
れていること。ただし、固定給油設備等の外部の配管部に配管内の圧力上昇時に
危険物を自動的に専用タンクに戻すことのできる装置を設ける場合には、当該装
置を設ける必要はないものであること。
イ ホース機器の構造(平5.9.2 消防危第 68 号通知)
ア 著しい引張力が加わったときに給油ホース等の破断による危険物の漏れを防止
する措置としては、
著しい引張力が加わることにより離脱する安全継手又は給油、
注入若しくは詰替えを自動的に停止する装置を設けること。この場合、安全継手
にあっては、2,000N以下の力によって離脱するものであること。
イ ホース機器に接続される給油ホース等が地盤面に接触しない構造として、給油
ホース等を地盤面に接触させない機能がホース機器本体に講じられ(第 13-9図
参照)
、給油ホース等が地盤面に接触しないようにゴム製、プラスチック製等のリ
ング、カバーが取り付けられ(第 13-10 図参照)又はプラスチックで被覆された
給油ホース等が設けられていること。
(第 13-11 図参照)
第 13-9図 給油ホース等を接触させない機能
第 13 給油取扱所
13-16
ウ 危険物の過剰な注入を自動的に防止する構造は、車両に固定されたタンクにそ
の上部から注入する用に供する固定注油設備のホース機器のうち、最大吐出量が
60l /min を超え 180l /min 以下のポンプに接続されているものが有することし
て支障ないものであること。
なお、ホース機器に複数の注油ホースが設けられる場合には、車両に固定され
たタンクにその上部から注入する用に供する注油ホースであって、最大吐出量が
60l /min を超え 180l /min 以下のポンプに接続されているものが対象となるも
のであること。
a 危険物の過剰な注入を自動的に防止できる構造としては、タンク容量に相当
する液面以上の危険物の過剰な注入を自動的に停止できる構造、1回の連続し
た注入量が設定量(タンク容量から注入開始時における危険物の残量を減じた
量以下の量であって 2,000l を超えない量であること。
)以下に制限される構造
第 13-10 図 リング、カバーが取り付けられた給油ホース等
第 13-11 図 プラスチックで被覆された給油ホース等の構造
(断面)
第 13 給油取扱所
13-17
等注入時の危険物の漏れを防止する機能を有する構造があること。
b 車両の固定されたタンクにその上部から注入する用に供する注油ホースの直
近には、専ら車両に固定されたタンクに注入する用に供するものである旨の表
示がなされていること。
エ 油中ポンプ機器に接続するホース機器には、当該ホース機器が転倒した場合に
当該ホース機器への危険物の供給を停止する措置として、ホース機器に取り付け
られた姿勢検知装置がホース機器の傾きを検知した場合にホース機器の配管に設
けられた弁を閉鎖する方法等により停止する装置が設けられていること。
なお、ホース機器が給油取扱所の建築物の屋根に固定されている等、転倒する
おそれのないものである場合には、当該措置は必要ないものであること。
オ 固定給油設備等のうち、懸垂式以外のものの給油ホース等の全長とは、原則と
して給油ホース等の取出口から弁を設けたノズルの先端までの長さをいうもので
あること。
(第 13-12 図参照)
ウ 可燃性蒸気流入防止構造は「可燃性蒸気流入防止構造等の基準」
(平 13.3.30 消防危
第 43 号通知、一部改正:平 24.3.16 消防危第 77 号通知)によること。
エ 危険物保安技術協会において実施した試験確認で合格品となった固定給油設備等
の給油ホース等を用いるよう指導する。
(資料編第1-8参照)
(運用事項)
オ 地上式の固定給油設備等は、
地盤面よりおおむね 15 cm以上高くしたコンクリート
第 13-12 図 給油ホース全長(例)
(懸垂式以外)
第 13 給油取扱所
13-18
製のアイランド上に設置するか又は防護措置を講ずること。なお、アイランド上に
設置する場合であっても、固定給油設備等の水平投影の一部がアイランドをはみだ
し、衝突等のおそれがあるものについては、防護措置を講ずること。
カ 外装に用いる難燃性を有する材料とは、準不燃材料及びJIS K7201「酸素指数
法による高分子材料の燃焼試験方法」により試験を行った場合において、酸素指数
が 26 以上となる高分子材料であること。ただし、油量表示部等、機能上透視性を必
要とする外装の部分については、必要最小限の大きさに限り、難燃性を有する材料
以外の材料を用いることができるものであること。
キ 給油ホース等及びこれらの先端のノズルに蓄積される静電気を有効に除去するた
め、先端のノズルから固定給油設備等の本体の外部接地工事端子までの抵抗値は、
1,000Ω未満であること。
ク 可燃性蒸気の滞留するおそれのある場所に設ける電気設備にあっては、防爆性能
を有すること(資料編第8参照)
。この場合において、防爆性能は、電気設備に関す
る技術基準を定める省令(昭和 40 年通商産業省令第 61 号)第 69 条によるものであ
ること。
ケ 危省令第 25 条の3第2号に規定する品目とは、ガソリン、軽油、灯油等の油種名
をいうものであるが、レギュラー、ハイオク等の商品名としてよい。
コ 自動車等に給油した危険物の量又はその料金等を標示する設備は、給油に支障の
ない位置に設けるとともに地盤面に設ける場合は、衝撃に耐える構造とすること。
3 懸垂式の固定給油設備等は前記のほか次によること。
ア 懸垂式の固定給油設備等のホース機器の引出口の高さ及び給油ホース等の長さは、
次によること。
(第 13-13 図)
ア ホース機器の引出口の高さとは、地盤面からホース機器の外装の下端までの高
さをいうものであること。
(平元.3.3 消防危第 15 号通知)
イ 懸垂式の固定給油設備等の取付け高さは給油等に支障がない高さで、かつ、上
屋、ひさし、上階の床又はポール等に堅固に取り付けること。
ウ 給油ホース等の長さは全長 5m以下となるよう指導すること。
第 13 給油取扱所
13-19
イ 緊急停止装置
ア 設備の故障その他の事故により危険物が流出した場合に、ポンプ機器を停止又
はポンプ二次側配管を閉鎖できる装置とすること。
イ 当該装置の操作部を設ける場所は、当該固定給油設備等のホース機器設置場所
付近の事務所外壁など見やすい位置とし、緊急停止装置である旨の表示等をする
こと。
(平元.3.3 消防危第 15 号通知)
4 KHKの型式試験確認証を貼付した固定給油設備等及び油中ポンプ設備は、構造に
関する技術基準に適合しているものと認められる。
(昭 63.5.30 消防危第 74 号通知)
(12) 建築物の用途制限等
1 危省令第 25 条の4第1項第1号の2から第4号の用途とは、
壁等で区画された部分
をいう。
2 給油取扱所には、建築物以外の工作物(立体駐車場、ラック式ドラム缶置き場、大
規模な広告物等)の設置は認められないものであること。
(昭 62.4.28 消防危 38 号通知)
3 危省令第 25 条の4第1項第1号の2に規定する用途には、
会議室、
更衣室、
休憩室、
応接室、倉庫、廊下、洗面所、便所等機能的に従属する部分も含まれるものであるこ
と。
(昭 62.4.28 消防危 38 号通知)
4 危省令第 25 条の4第1項に規定する用途には、トラック運転手用簡易宿泊所、給
油取扱所の従業員の寄宿舎等及び公衆浴場等の用途は認められないものであること。
(昭 62.4.28 消防危 38 号通知、昭 62.6.17 消防危第 60 号質疑)
5 建築物の屋根等の火災予防上支障のない場所であれば、PHS等のアンテナを設け
ても差し支えないものであること。
(平9.3.25 消防危第 27 号質疑)
6 次のものは危省令第 25 条の4第1項第1号の用途とすること。
(平元5.10 消防危第 44
号質疑)
懸垂式固定給油(注油)設備
3m以下 3m以下
4.5m以下
半径3m以下の円0.5m給油ホース等の長さ
(5m以下)
第 13-13 図
第 13 給油取扱所
13-20
ア ポンプ室及び油庫
イ 給油又は灯油の詰替えのための作業場と一体となっており、かつ、壁等で区画さ
れていない自動車等の点検・整備を行う作業場及び洗車場
ウ コンプレッサー室(コンプレッサーが点検・整備を行う作業場で用いられる場合
にあっては、
当該コンプレッサー室は危省令第 25 条の4第1項第3号の用途に該当
するものとする。
(平6.7.29 消防危第 66 号質疑)
7 トイレは、危省令第 25 条の4第1項第1号の2の用途とすること。
(平元.5.10 消防危
第 44 号質疑)
8 危省令第 25 条の4第1項第2号の店舗、飲食店又は展示場は、次によること。
ア 店舗、飲食店又は展示場においては、物品の販売、展示又は飲食物の提供だけで
なく、物品の貸付け、行為の媒介、代理、取次等の営業ができるものであり、これ
らの営業に係る商品、サービス等の種類については、制限はないものであること。
(昭 62.4.28 消防危 38 号通知)
また、ドライブスルー形式又は窓を介しての物品の販売は、販売に供する窓を給
油空地又は注油空地に面して設けない場合には、認めることができる。
(平9.3.25 消
防危第 27 号質疑)
イ 併設する物販店舗等のみの営業は、給油空地等の危険物を取扱う部分に係員以外
の者を出入させないための措置を講じるとともに、物販店舗等から給油空地等の監
視を指導する。また、危険物保安監督者と物販店舗等の係員の連絡体制を確立し、
その内容を予防規程に規定すること。
(平 13.11.21 消防危第 127 号通知)
ウ キャバレー、ナイトクラブ、パチンコ店、ゲームセンター等は、給油、灯油・軽油
の詰替え又は自動車の点検・整備若しくは洗浄のために給油取扱所に出入りする者
を対象とした店舗、飲食店又は展示場の用途から除かれるものであること。
(昭 62.
4.28 消防危 38 号通知)
エ 危省令第 40 条の3の6第2項第1号の容易に給油取扱所の敷地外へ避難するこ
とができる場合とは、建築物の2階から直接、給油取扱所の敷地外へ避難すること
ができる構造となっている場合をいうものであること。
(第 13-14 図参照)
(平元.3.
3 消防危第 15 号通知)
第 13-14 図 敷地外へ直接避難できる構造例
第 13 給油取扱所
13-21
オ 給油取扱所内に販売目的のタイヤを展示するガレージ(鉄骨鉄板製で、前面開口
部に火災時に随時容易に閉鎖できるシャッターを設けたもの)を給油行為等に支障
のない場所に設置し、開放して展示販売しても差し支えないものであること。(平10.10.13 消防危第 90 号)
なお、建築物の周囲において物品販売等の業務を行う場合は、令和2年6月 22 日
筑太消本予第 314 号通知によること。
9 自動車の部分的な補修を目的とする塗装業務は、
危省令第 25 条の4第1項第3号に
規定する自動車等の点検・整備を行う作業場に含まれる。
(平 14.2.26 消防危第 29 号通知)
10 自動車等の点検・整備を行う作業場において、作業説明等のため、係員同伴で一時
的に顧客が出入りする場合は、当該顧客を係員として扱えるものとし、
「給油取扱所の
係員のみが出入する部分」として危省令第 25 条の4第2項の面積から除外できる。た
だし、安全上必要な注意事項を当該作業場に掲示すること。
(平 13.11.21 消防危第 127 号通知)11 危省令第 25 条の4第1項第5号の他の給油取扱所の業務を行うための事務所
(以下
「本店事務所等」という。
)とは、当該給油取扱所の設置者又は運営者の本店・支店等
の事務所
(給油取扱所従業員対象のトレーニングルーム・会議室等の関連施設を含む。)等をいうものであること。
(13) 建築物の構造等
1 建築物の壁のうち、次のア又はイの間仕切壁については、危令第 23 条を適用して、
難燃材料(建基政令第1条第6号に規定する難燃材料をいう。以下同じ。
)を使用する
ことができる。
(第 13-15 図参照)
(平9.3.26 消防危第 31 号通知)
ア 危険物を取り扱う部分と耐火構造若しくは不燃材料の壁又は自閉式の防火設備に
より区画された危険物を取扱わない部分に設ける間仕切壁
イ 危険物を取扱わない建築物に設ける間仕切壁
給油空地等
店舗
バック
ヤード
休憩室
整備室
販売室
事務室 洗面所
危険物取扱う部分
耐火構造若しくは
不燃材料の壁
(自閉式防火設備を含む)
間仕切り壁
(難燃材料)
第 13-15 図 特例により不燃材料以外の建築材料で造ることのできる間仕切り壁の例
第 13 給油取扱所
13-22
2 事務所等の窓又は出入口にガラスを用いる場合(屋内給油取扱所を除く。
)は、網入
りガラス以外のガラスを用いた防火設備を使用できること。
3 危省令第 25 条の4第1項第1号の2、
第2号及び第5号の用途に供する建築物の給
油空地側に開口部を設ける場合は、当該窓等はフィックスを指導する。
(運用事項)
4 危政令第 17 条第1項第 17 号に規定する給油取扱所の所有者、管理者若しくは占有
者が居住する住居又はこれらの者に係る他の給油取扱所の業務を行うための事務所
(以下「本店事務所等」という。
)とその他の給油取扱所の用途との区画の必要な部分
は、第 13-16 図のとおりである。また、当該区画は、危省令第 25 条の4第4項の給
油取扱所の敷地に面する側の壁に出入口のない構造とするとともに、給油取扱所敷地
内から本店事務所等へ立ち入ることができない構造とすること。
(平元.5.10 消防危第 44 号
質疑)
5 危省令第 25 条の4第1項第3号及び第4号の自動車等の点検・整備を行う作業場及
び自動車等の洗浄を行う作業場での自動車等の出入口に戸(第 13-17 図1部分)を設
ける場合は、不燃材料とすることができること。
(昭 62.6.17 消防危第 60 号質疑)
6 1階販売室等の建築物の壁体に敷地外へ通じる連絡用(避難用)出入口を設置する
場合は、
必要最小限度の自閉式の特定防火設備とすること。
(昭 62.6.17 消防危第 60 号質疑)
7 危政令第 17 条第1項第 18 号の事務所その他火気を使用するものには、自動車等の
点検・整備を行う作業場及び自動車等の洗浄を行う作業場は除かれているが、事務所
等火気を使用する場所と当該作業場の出入口(第 13-17 図2部分)については、危省
令第 25 条の4第5項の可燃性蒸気の流入しない構造の適用を受けるものであること。
:開口部のない耐火構造の床又は壁の部分
キャノピー
本店事務所等
事務所等➁雑品庫
(工具室)
コンプレッ
サー室1機械室 トイレ
第 13-16 図
第 13-17 図
耐火構造又は不燃構造の部分を示す
防火設備を示す
可燃性蒸気が流入しない構造とした
部分に設ける防火設備を示す
内装を不燃とする部分を示す
休憩室
応接室
販売室
リフト室
(注油室)
固定給油設備 固定給油設備
本店事務所等
事務所等
第 13 給油取扱所
13-23
8 可燃性蒸気が内部に流入しない構造として、犬走り等にスロープを設ける場合は、
次によること。
(平9.3.14 消防危第 26 号通知)
ア スロープの最下部から最上部までの高さが 15cm以上であること。
イ スロープは給油又は注油に支障のない位置に設けること。
ウ スロープ上において給油又は注油を行わないこと。
なお、スロープの構造は、次により指導する。
ア 地盤面を嵩上げしてスロープを設置する場合は、コンクリート等の耐油性を有
する材料により造られたスロープとすること。
(第 13-18 図参照)
イ 地盤面にボルト等で固定するスロープ、又は固定することなく移動が容易な可
搬式スロープを敷設する場合は、不燃材料で造られ、かつ、スロープ下部に可燃
性蒸気が滞留しない構造のスロープとすること。
(第 13-19 図参照)
9 自動閉鎖の出入口として自動ドア(電動式)を設ける場合は、販売室及び事務所の
出入口に限るものとし、可燃性蒸気の滞留するおそれのない場所で片引戸又は引分け
第 13-18 図 コンクリート製スロープ設置例
第 13-19 図 可燃性蒸気滞留防止構造例
第 13 給油取扱所
13-24
戸とすること。
なお、停電時においても自動閉鎖できるものであること。
10 事務所の壁体の一部に採光のためガラスブロックを用いることができる。
この場合、
防火性能を有すること。
11 販売室等にカーテンやじゅうたん等を使用する場合は、防炎性能を有するものとす
ること。
12 上屋に採光等のためにガラスを使用することについては、当該ガラスが次に適合し
ている場合に限り、危政令第 23 条の規定を適用し、認めて差し支えないものであるこ
と。
(平 13.3.16 消防危第 33 号通知)
ア 地震による震動等により容易に破損・落下しないように、ガラス取付部が耐震性
を有していること。
イ 火災時に発生する熱等により容易に破損しないよう、網入ガラス等を使用してい
ること。
ウ 万一破損した場合においても、避難及び消防活動の観点から安全上支障がないよ
う、飛散防止フィルム等により飛散防止措置をしていること。
エ ガラスを使用する範囲については、破損により開口が生じた場合においても、周
囲の状況から判断し、延焼防止に支障ないものであること。
(14) 防火塀
1 防火塀の構造
給油取扱所の周囲に設ける防火塀は、資料第1-2により指導する。
(運用事項)
2 塀に隣接する自動車車庫等の出入口
自家用の車両等の車庫を給油取扱所の塀で遮断した場合、塀の一部に出入口を設け
て自動車を通すことができる。この場合において、車両等が通過する部分は、給油空
地及び注油空地外とするほか、出入口は特定防火設備で必要最小限の大きさとし、使
用時以外は閉鎖しておくこと。
3 防火塀の一部に設けるガラス
交通事故防止等必要やむを得ない場合に限り、危政令第 23 条を適用し、必要最小限
の防火設備のガラス戸(フィックスに限る。
)を設けることができる。
(平9.3.26 消防危
第 31 号)
なお、上記によるほか、次によること。
ア 必要やむを得ない場合とは、車両の出入りにおいて見通しが悪く、歩行者等との
交通事故の起こる可能性が高いと判断される場合をいうものであること。
イ ガラスについては、網入りガラスに限定する必要はないこと。
ウ ガラス戸は、第 13-20 図のとおり、自動車等の出入りする部分に接した防火塀
の部分に設置できるものであること。
第 13 給油取扱所
13-25
4 延焼のおそれのある部分
危政令第 17 条第1項第 19 号に規定する給油取扱所に設ける塀(以下「防火塀」と
いう。)で、
「塀又は壁を高くする範囲」
となる部分は、
耐火構造とするよう指導する。
5 防火塀又は壁の高さ
塀又は壁の高さが2mであるとした場合に、給油取扱所等に隣接する建築物の外壁
及び軒裏における輻射熱が危告示で定める式を満たすかどうかにより、塀又は壁を2
mを超えるものとすることが必要であるかどうかの判断については、
アの基準により、
イの申請者による計算方法又はウの運用事項により判断すること。
ア 危告示第4条の 52 第3項及び第 68 条の2第3項で定める式における燃焼時間
及び燃焼開始からの経過時間は次の基準によること。
【危告示で定める式】∫ q2te0
dt ≦ 2,000
ア 燃焼時間(te)は、最低 10 分とすること。
イ 燃焼開始からの経過時間(t)は、最低 10 分とすること。
イ 申請者による計算の場合は、アの時間に輻射熱の理論値を積算させること。こ
の場合において、危告示で定める式を満たさない場合は、隣接する建築物の外壁
及び軒裏における輻射熱が危告示で定める式を満たす理論的な塀又は壁の高さと
させること。
ウ 運用事項の場合
ア 給油取扱所等に隣接する建築物とは、次に規定する「第1種又は第2種隣接
範囲」内にその一部を有する建築物(開口部が非防火設備の場合を含む。
)とす
る。
a 第1種隣接範囲
第1種隣接範囲とは、固定給油設備又は固定注油設備(簡易タンクに設け
られた給油設備を含む。
)を中心とする半径5m、高さ3mのプール火災を想
第 13-20 図 防火塀の一部にガラスを用いる場合の設置例
第 13 給油取扱所
13-26
定した仮想円筒を給油取扱所等の給油又は注油空地(以下「空地」という。)の傾斜に沿って下流方向にその中心を道路境界線又は排水溝その他危険物の
収容設備に達するまで移動させたとき、当該移動区間内で仮想円筒が接触又
は交錯する塀又は壁の部分から水平距離が1m以下で、かつ、空地のからの
高さが2mを超え3m以下となる範囲とする。
(第 13-21 図参照)
b 第2種隣接範囲
第2種隣接範囲とは、地下専用タンクの注入口を中心とする半径8m、高
さ5mのプール火災を想定した仮想円筒を給油取扱所等の地盤面の傾斜に沿
って下流方向にその中心を道路境界線又は排水溝その他危険物の収容設備に
達するまで移動させたとき、当該移動区間内で仮想円筒が接触又は交錯する
塀又は壁の部分から水平距離が2m以下で、
かつ、
地盤面からの高さが 1.5m
を超え5m以下となる範囲とする。
(第 13-22 図参照)
エ 輻射熱の求め方
輻射熱(q)は、次により算出する。
ア 火炎の放射熱(輻射熱)は、式A2.14(E=φRf)を用いる。
イ 放射発散度は、給油取扱所等において給油又は注油される危険物の中でも放射
熱が強いガソリンの値(×ばつ103
)とする。
ウ 形態係数は、
アの第1種又は第2種隣接範囲で規定する円筒形の火炎を想定(プ道路境界線
第 13-21 図 第1種隣接範囲
第 13-22 図 第2種隣接範囲
固定給油設備等建築物給油取扱所等防火塀2m3m1m非防火建築物5m道路境界線8m注入口建築物建築物
防火塀2m給油取扱所等2m5m非防火建築物
第 13 給油取扱所
13-27
ール火災を想定)したものであること。この場合、受熱面は火炎底面と同じとす
る。
(第 13-23 図参照)
エ 火炎の規模による放射発散度の低減
(火炎に伴い生じる煙が遮へいする放射熱)
は、原則として考慮しない。
オ アからエによる計算結果は次表のとおりである。
(J/m2s)
H(火炎の高さ:m)
R(火炎の半径:m)
3 4 5
5 21,615 23,039 23,985
6 24,078 24,485 24,657
7 24,548 24,977 25,159
8 24,901 25,356 25,548
(注記)ただし、L≧Rと仮定する。
オ 塀を高くする範囲及び高さ
アの基準で燃焼時間及び燃焼開始からの経過時間をそれぞれ 10 分とした場合、塀又は壁が2mで満たされる輻射熱(放射熱)の値は 14kw/m2と求められるが、アの
隣接する建築物の外壁及び軒裏における輻射熱はイの計算のとおり危告示で定める
式を満たさないため、塀又は壁を高くする範囲及び高さを次のとおりとする。
ア 塀又は壁を高くする範囲
塀又は壁を高くする範囲は、給油取扱所等に隣接する建築物に対面する区間及
び当該区間の両端から、
第1種隣接範囲にある部分に対しては 0.5m、
第2種隣接
範囲にある部分に対しては1mの位置までの区間とすること。
なお、給油取扱所等に隣接する建築物が輻射熱の計算対象外とされている耐火
第 13-23 図 円筒形火炎と受熱面の位置関係
第 13 給油取扱所
13-28
構造、準耐火構造又は防火構造であっても、第1種又は第2種隣接範囲内にある
開口部が非防火設備の場合は、当該開口部に対面する区間及び当該区間の両端か
ら、
第1種隣接範囲内にある開口部に対しては 0.5m、
第2種隣接範囲内にある開
口部に対しては1mの位置までの区間とする。
イ 塀又は壁の高さ
隣接範囲
の区分
塀又は壁から隣接範囲
内の建築物又は開口部
までの水平最短距離
空地又は地盤面から隣接範
囲内にある建築物の上端又
は開口部上端までの高さ
塀 又 は 壁 の
高さ
第1種隣
接範囲
1.0m以下 2.0mを超えるもの 2.5m
第2種隣
接範囲
1.0m以下
1.5mを超え 2.0m以下 2.5m
2.0mを超え 3.0m以下 3.0m
3.0mを超えるもの 3.5m
1.0mを超え 1.5m以下
1.5mを超え 2.0m以下 2.5m
2.0mを超えるもの 3.0m
1.5mを超え 2.0m以下 1.5mを超えるもの 2.5m
6 道路境界線に沿って洗車機が設置された場合は、当該部分に係る防火塀を設置しな
いことができる。
(第 13-25 図参照)
第 13-24 図 塀等を高くする範囲
非防火建築物1m1m
対面区画
壁又は塀を高くする範囲
第2種隣接範囲
注入口8m 第 13 給油取扱所
13-29
7 給油取扱所に設ける建築物の外壁は、
防火塀等として兼用することができる。
(昭 37.
4.16 自消丙予発第 44 号質疑)
8 防火塀への看板設置は差し支えないが、塀の上部への設置は防火上の機能に支障が
生じるものであってはならない。
(昭 63.7.26 消防危第 91 号質疑)
(15) ポンプ室等
1 共通事項
ア 危政令第 17 条第1項第 20 号に規定するポンプ室等には、油庫のほか危険物を
取り扱う整備室等が含まれるものであること。
(平元.3.3 消防危第 15 号通知)
なお、自動車等の点検・整備を行う作業場であって三面が壁で囲まれたものは、
整備室として取扱うものであること。
(平元.5.10 消防危第 44 号質疑)
また、給油取扱所内で潤滑油等の保有、小分け等を行う場合は、油庫を設置する
よう指導する。
イ 同号ロに規定する「ポンプ室等に必要な採光、照明」は、採光、照明のいずれか
かが設置されていれば足りるものであること。
(平元5.10 消防危第 44 号質疑)
ウ 同号ロに規定する「換気設備」は、同号ハに規定する排出設備を設けた場合に当
該設備と兼用することができる。
エ 同号ハに規定する「可燃性蒸気の滞留するおそれのあるポンプ室等」とは、引火
点が 40°C未満の危険物を取扱うポンプ室、整備室が該当する。また、
「屋外に排出す
る設備」の屋外は、給油空地に面する部分も含むものであること。
(平元5.10 消防危第
44 号質疑)
2 ポンプ室
前1によるほか、次により指導する。
ア ポンプ室は1階に設けること。
イ ポンプ室は天井を設けないこと。
ウ ポンプ室に設けるポンプ設備は、点検が容易に行えるよう、ポンプ設備と壁との
間に 50 cm以上の間隔を、ポンプ設備相互間には 30 cm以上の間隔を確保すること。
エ ポンプ室に設ける排出設備は、ポンプ設備に通電中、これに連動して作動する自
動強制排出設備とするとともに、排出口の先端は、建物の開口部、敷地境界線及び
防火塀
事務所等
洗車機
5m以上の車両の出入り口
第 13-25 図
防火塀を省略できる部分
第 13 給油取扱所
13-30
電気機械器具から、1.5m以上離れた敷地内とすること。
3 油 庫
前1ア、イ及びウによるほか、油庫の換気設備は、第 17「換気設備」の例によるこ
と。
4 整備室
前1によるほか、次によること。
ア 整備室に設ける可燃性蒸気を排出する設備のうち、整備室の使用に際し前面側を
開放して使用する形態のものにあっては、壁体等に設ける室内換気用の換気扇をも
って排出設備とすることができる。
イ 整備室に設けるためますのうち、油分離装置に通じる配管を設ける場合は、ため
ますのすぐ近くに閉鎖バルブを設けること。
5 道路境界線等から間隔を保つことを要しないポンプ室
危政令第 17 条第1項第 12 号ただし書のポンプ機器を設けるポンプ室は前(15)1ア、
イ、ウ及びエ並びに2によるほか、次によること。
ア 当該ポンプ室の建物構造等については、危省令第 25 条の3の2の適用のほか、そ
の他の設備等については、危政令第 17 条第1項第 20 号が適用となるものであるこ
と。
イ 危省令第 25 条の3の2に規定する「ポンプ室の出入口は、給油空地に面する」と
は、従業員等が業務中において常時監視等できる位置であって、かつ、事務所への
可燃性の蒸気の流入を防止し、火災等の影響を排除することを目的としたものであ
り、給油空地に直接面する必要はないこと。
(第 13-26 図参照)
(平元.5.10 消防危第 44
号質疑)
(16) 電気設備
電気設備は、製造所等の電気設備と同様に電気工作物に係る法令の規定によるほか、
次によること。また、屋内給油取扱所(一方開放の屋内給油取扱所を除く。
)にあっても
同様とする。
第 13-26 図 ポンプ室の設置例
第 13 給油取扱所
13-31
なお、給油取扱所における危険場所(可燃性蒸気が滞留するおそれのある場所)は、
第 19 電気設備によるほか、
「給油取扱所に電気自動車用急速充電設備を設置する場合に
おける技術上の基準の運用について」
(平 24.3.16 消防危第 77 号通知)別紙2の範囲(
「可燃性
蒸気流入防止構造の基準」
(平 13.3.30 消防危第 43 号通知)
の構造のものを除く。)によること。
(17) 附随設備
1 附随設備は、給油空地内、注油空地内、専用タンク上部及び廃油タンク上部に設け
ないこと(昭 62.4.28 消防危第 38 号通知)。2 附随設備は、注入口から3m以内の部分及び通気管の先端から 1.5m以内の部分に
設けないよう指導する。
(運用事項)
3 固定給油設備との間隔については、次によること。
ア 洗車機を建築物内に設ける場合の固定給油設備との間隔については、洗車機の可
動範囲全体が壁等で覆われている場合は2m以上確保するよう指導すること。
(第 13-27 図)
(運用事項)
イ 洗車機の可動範囲の一部がはみ出している場合は、可動先端部まで固定給油設備
の最大給油ホース全長に応じ危省令第 25 条の5第2項1号ロで定める距離以上を
それぞれ確保すること。
(第 13-27 図)
4 自動車等の点検・整備を行う設備とは、オートリフト、オイルチェンジャー、ウォ
ールタンク、タイヤチェンジャー、ホイルバランサー、エアーコンプレッサー、バッ
テリーチャージャー等をいうものであること。
(昭 62.4.28 消防危第 38 号通知)
また、火気を使用する等の方法による当該設備は、建築物内で可燃性蒸気の流入し
ない構造の区画した室に設置するよう指導する。
5 油圧式オートリフト、オイルチェンジャー、ウォールタンク等危険物を取扱う設備
のうち危険物を収納する部分は、次表に定める厚さの鋼板又はこれと同等以上の強度
を有する金属板で気密に造るとともに、原則として屋内又は地盤面下に設けるよう指
導する。
(運用事項)
第 13-27 図 固定給油設備と洗車機との間隔
第 13 給油取扱所
13-32
危険物を収納する部分の容量 板 厚
40l 以下 1.0 mm以上
40l を超え 100l 以下 1.2 mm以上
100l を超え 250l 以下 1.6 mm以上
250l を超え 500l 以下 2.0 mm以上
500l を超え 1,200l 以下 2.3 mm以上
1,200l を超え 2,000l 以下 2.6 mm以上
2,000l を超えるもの 3.2 mm以上
6 危険物を取扱う設備は、
地震動により容易に転倒又は落下しないように設けること。
(昭 62.4.28 消防危 38 号通知)
7 ウォールタンクには、通気管、液面計等を設けるとともに、外面にさび止めのため
の措置が講じられていること。
8 ウォールタンクの位置、
構造及び設備は、
5から7によるほか、
次により指導する。
(運用事項)
ア 設置位置は、油庫又はリフト室等の屋内の1階とする。
イ タンクは気密性を有するものとする。
ウ タンクの空間容積は、タンク内容積の 10%とする。
エ 注入口には、弁又はふたを設ける。
オ 通気管は、内径 20 mm以上とする。
カ ガラスゲージの計量装置には、危険物の流出を自動的に停止できる装置(ボール
入り自動停止弁等)又は金属保護管を設ける。
9 油圧式オートリフト設備等の地下に埋設された油だめ及び配管の外面防食措置は、
危政令第 13 条に掲げる地下貯蔵タンク及び配管の例により指導する。
(運用事項)
10 尿素水溶液の供給機
尿素水溶液の供給機を設置する場合は、次によること。
(平 17.3.31 消防危第 67 号質疑、
平 23.12.1 消防危第 273 号質疑)
ア 尿素水溶液の供給機の取扱い
危険物の規制に関する規則第 25 条の5第2項第2号に規定する自動車等の点検・
整備を行う設備として取扱うこと。
イ 尿素水溶液の供給機の位置
危険物の規制に関する規則第 25 条の5第2項第2号イに規定する離隔距離を確
保すること。この場合において、尿素水溶液の供給機は地盤面にアンカー等で固定
されていること。
なお、
危険物の規制に関する政令第 17 条第3項第6号に規定する自家用給油取扱
所において、記離隔距離が確保されない場合は、危険物の規制に関する政令第 27 条
第6項第1号チに規定する部分以外に尿素供給機の供給場所をマーキングで明示さ
第 13 給油取扱所
13-33
せることにより、危険物の規制に関する政令第 23 条を適用して差し支えないこと。
(18) 附随設備以外の設備
1 給油に支障がある設備(危政令第 17 条第1項第 23 号)とは、自動車等の転回が困
難となり、自動車等の固定給油設備への衝突等を招きかねないような設備をいうもの
であり、これに該当するか否かの判断は、火災予防上の観点からのみ行われるもので
あること。
例えば、空地外の場所に設置するサインポール、看板等の設備は、原則として、給
油に支障ないものとして取扱うものとするほか、必要最小限のPOS用カードリーダ
ー、プリペイドカード販売機(給油の支払いに係るものに限る。
)等の設備でその設置
がやむを得ないと認められるものを空地内のアイランド上に設けること。
また、
樹木、
花壇等についても、給油に支障がないと認められる限り、設けることができる。
(昭 62.
4.28 消防危 38 号通知)
この場合、次の設備については、給油空地内に必要最小限の範囲で設けることがで
きる。
ア クイックサービスユニット(附随設備を用いることなく自動車の給油時に行う易
なサービス業務に供する設備で、コンセント等を設けていないものに限る。)(昭 62.
6.17 消防危第 60 号質疑)
イ 現金自動釣銭機
2 自動販売機、公衆電話は、給油取扱所の販売室内に設ける場合以外は認められない
ものであること。
(昭 62.6.17 消防危第 60 号質疑)
3 給油作業に支障ないと認められる場合には、グリーンベルト、植込、池等を設ける
ことができる。ただし、植込の高さは、防火塀以下とすること。
(昭 46.4.23 消防予第 65 号
質疑、昭 47.1.7 消防予第 13 号質疑)
(19) 配管
1 危険物を取扱う配管で、地盤面以上に設けるものは、衝撃により容易に損傷を受け
ることのないよう防護措置を講じるよう指導する。
2 地上に設ける配管であって、点検困難な場所又は屋上に設ける配管の接合部は溶接
継手とするよう指導する。
(運用事項)
3 危険物配管が上屋の上部若しくは内部に設けられ、又は給油空地に面しない外壁に
沿って敷設されているものは、危省令第 13 条の5第2号に規定する「ただし、火災に
よって当該支持物が変形するおそれのない場合」
に該当するものとすることができる。
4 上屋上部等の配管の防食は、高濃度亜鉛塗料、エポキシ塗料等により行うよう指導
する。
なお、直射日光による配管内の圧力上昇を防止するための措置を講ずる場合は、配
管上部に遮熱板を設ける方法により行うよう指導する。
(運用事項)
5 危険物配管が上屋内部に設けられるものにあっては、有効に目視できる点検口を設
けるよう指導する。
(運用事項)
第 13 給油取扱所
13-34
6 ポンプ室から給油設備に至る配管のうち、地下埋設となる部分は、漏えいが早期に
検知できる措置(二重配管等)を講じるよう指導する。
(20) 看板等
1 キャノピー上で給油取扱所の業務に支障ない範囲であれば、直接関係のない家電製
品等の広告を設けることができる。
(平 10.10.13 消防危第 90 号質疑)
2 看板等を防火塀上に設けるものにあっては不燃材料として、それ以外の場所に設け
るものにあっては難燃性能を有する材料又はこれと同等以上の防火性能を有するもの
とすること。
3 合成樹脂類の看板について(運用事項)
ア 形態
ア 上屋の側面若しくは天井面に取り付け又は埋め込むもの
イ 建物外面、上屋の柱又は相互間に取り付けるもの
ウ 上屋の屋上、サインポール等に取り付けるもの
エ 防火塀の内外面に取り付けるもの
イ 材質
ア 材質は、難燃性能を有する合成樹脂材料(JIS K6911 のA法による自消性の
もの)等であること。ただし、上記アウに設けるものにあっては、一般アクリル
樹脂材料を使用することができる。
イ JIS K6911 に定める合成樹脂材料を使用した看板類には、商品名を記した
シールが添付されていること。
ウ 防水性
電気設備を有するもので、雨水が浸入するおそれのある看板の外郭カバーは防雨
型(JIS C0920 に定める保護等級3のもの)とし、外郭カバーが防雨型以外のも
のにあっては電気器具を防滴型とすること。
エ 取り付け方法
建物、
キャノピー等に取り付けるもの及びインジケーターの裏面に設けるものは、
看板本体と建物等が接する部分を不燃材料等により防火上有効な措置が講じられて
いること。なお、耐火構造の規制を受ける天井面等に埋め込む場合は、当該天井面
等を耐火区画とすること。
4 防火塀上に看板等を設ける場合は、防火塀を含めた耐震耐風圧構造とすること。
5 危省令第 25 条の 10 第1項第3号に規定する「屋根又は耐火性能を有するひさし」
の前面に看板を設ける場合は、難燃性能を有する材料又はこれと同等以上の防火性能
を有するものを使用すること。
6 看板の大きさ、取り付け位置については、給油業務や自動車の通行に支障のない範
囲とする。
(21) その他
1 給排水等の集水ますのうち、油分離装置の最終槽へ流入するもの又は直接下水に流
第 13 給油取扱所
13-35
入するもののふたは防水型とするよう指導する。
(運用事項)
2 給油取扱所には、給油設備の電源を遮断する感震電源遮断器を設置するよう指導す
る。
3 廃油タンクに注入用受け口、
配管を設ける場合は、
コック、
バルブ等を設けること。
また、注入用受け口は、整備室又は油庫に設けるよう指導する。
(運用事項)
4 自動車を駐停車する場合は、給油のための一時的な停車を除き、危政令第 27 条第6
項第1号チの規定によるほか、努めて給油に必要な空地以外の場所で固定給油設備か
ら危省令第 40 条の3の4第1号で規定する距離以内の部分以外の部分、
専用タンクの
注入口から3m以内の部分以外の部分及び専用タンクの通気管から 1.5m以内の部分
以外の部分に白線等で明確に区画された駐停車スペースを設けて、使用するよう指導
する。
(第 13-27 図参照)
(運用事項)
5 給油取扱所の一部を自動車の保管場所として使用する場合には、次の条件を満足す
ること。
(運用事項)
ア 自動車は、給油取扱所が、その業務を行うために保有するもの及び当該給油取扱
所の所有者、管理者又は占有者の保有するものに限ること。
イ 自動車の保管場所は、給油空地及び注油空地以外で、かつ、給油等の業務に支障
ない空地とすること。
なお、給油取扱所内の駐車スペースに指定数量未満の危険物移動タンク車を保管
場所とすることは認められるが、移動タンク貯蔵所の常置場所にすることは認めら
れない。
(昭 62.6.17 消防危第 60 号質疑)
6 道路運送車両法(昭和 26 年法律第 185 号)第 80 条第1項第2号に基づき、同法第
78 条第2項に定める「業務の範囲を限定して行う自動車分解整備事業の認証」を受け
るために車両整備作業場、部品整備作業場、点検作業場及び車両置場(以下「作業場
等」という。
)を設定する場合は、危政令第 17 条第1項第1号及び第1号の2に規定
第 13-27 図 駐停車スペースの例
第 13 給油取扱所
13-36
する給油空地等以外の場所で、かつ、危省令第 25 条の5第2項第2号に規定する距離
以上離れた場所とするとともに、
危省令第 40 条の3の4第2号に規定する部分以外の
場所に設定すること。
(第 13-28 図、第 13-29 図参照)
7 コインランドリー及び事務所において使用する燃料を貯蔵するLPGバルク貯槽
(1t未満)が、次に掲げる事項を満足する場合には、給油取扱所の敷地内に設置す
ることができる。
(平 10.10.13 消防危第 90 号質疑)
第 13-28 図 作業場等(網掛け部分)として認められる設置例
第 13-29 図 作業場等(網掛け部分)として認められない設置例
第 13 給油取扱所
13-37
なお、圧縮機及び充てん用ポンプは設置しないものであること。
ア LPGバルク貯槽及び附属設備(以下「バルク貯槽等」という。
)は、給油空地等
以外に設置すること。
イ LPGバルク貯槽は、地下に設置すること。
ただし、地下タンクの注入口から8m以上の離隔距離を確保できる場合には、地
上に設置することができる。
ウ バルク貯槽等は自動車等の衝突防止措置が講じられていること。
エ バルク貯槽等に係るガス配管は、アによるほか自動車等が衝突するおそれのない
場所に設置すること。
オ LPGタンクローリーの停車位置は、給油空地等以外、地下貯蔵タンクの注入口
から8m以上離れた場所とし、その場所が明示されていること。
カ 予防規程にLPGタンクローリーから受入中の安全対策について定めること。
上記によるほか、LPG配管と危険物配管は、同一ピット内に敷設しないよう指
導する。
第 13 給油取扱所
13-38
5 屋内営業用
(1) 屋内型の共通基準
2及び3によるほか、次のとおりとする。
1 危政令第 17 条第2項の適用
建築物内に給油取扱所の用に供する部分の全部又は一部が設置されているもの及び
危省令第 25 条の6に規定する上屋等の空地に対する比率が1/3を超えるものは、屋内型として危政令第 17 条第2項を適用するものである。
2 給油取扱所を設ける建築物
施行令別表第一(6)項に掲げる用途に供する部分を有する建築物内には、設置できな
いものである。この場合、当該部分が事務所等の診療室等機能的に従属しているとき
は、主たる用途である事務所等に含まれるものとするが、みなし従属としては含まれ
ないものである。
(平元.3.3 消防危第 15 号通知)
また、階段等の出入口が、事務所等の中に設けられ可燃性の蒸気の滞留を防止する
措置が講じられている場合には、地階を設けることができる。
(平元.5.10 消防危第 44 号質疑)3 オートリフト収納用地下ピット等の取扱い
(平 9.12.3 消防危第 112 号質疑消防実務質疑応答集)
ア オートリフトの収納用地下ピット(長さ ×ばつ×ばつ深さ 0.4m)は、危政
令第 17 条第2項第 10 号に規定する可燃性の蒸気が滞留するおそれのある穴、くぼ
み等(以下「穴、くぼみ等」という。
)に該当するものとして取り扱うこと。
イ ブレーキテスター収納用地下ピット(長さ ×ばつ×ばつ深さ 0.5m)を危険
場所以外の場所に設置する場合、当該地下ピットは、穴、くぼみ等に該当しないも
のとする。ただし、深さが 40 cmを超えるブレーキテスター収納用地下ピットを危険
場所に設置する場合、当該地下ピットは、穴、くぼみ等に該当するもとして取扱う
こと。
ウ ア又はイの穴、くぼみ等に該当する地下ピット内に可燃性の蒸気を検知する警報
設備を設け、かつ、ピットの内部に滞留した可燃性蒸気を屋外の高所に有効に排出
する設備を設ける場合は、二方開放の屋内給油取扱所に限り、穴、くぼみ等として
取り扱わないことができる。ただし、特例適用申請を行うこと。
4 二方開放
ア 二方が道路に面している場合
危政令第 17 条第2項第9号本文に規定する「二方については、自動車等の出入す
る側に面するとともに壁を設けないこと」とは、給油のために必要な空地の間口に
接する道路部分にあっては、原則として全面が開放され、かつ、奥行き側の道路部
分にあっては、奥行き以上の幅の部分に壁又は防火塀が設けられていないことをい
う。
(第 13-30 図参照)
第 13 給油取扱所
13-39
イ 一方が通風及び避難のための空地に面している場合
ア 危省令第 25 条の8に規定する通風及び避難のための空地(以下「避難空地」と
いう。
)は、次によること。
(第 13-31 図参照)
a 給油空地、注油空地、自動車等の点検・整備を行う作業場及び自動車等の洗
浄を行う作業場以外の場所(平元.3.3 消防危第 15 号通知)のほか、漏えい拡大防止
の措置がとられた場所以外の屋外の場所とすること。
なお、
「屋外の場所」とは、上屋等一切の建築物の設けられていない場所をい
うものであること。
(平元.3.3 消防危第 15 号通知)
ただし、空地上のキャノピーのはりは、屋外の場所とみなすことができる。
(平元.5.10 消防危第 44 号質疑)
b 車両等の出入口又は出入する通路としては認められないものであること。
(平元.3.3 消防危第 15 号通知)
イ 専用タンクの埋設、防火塀の上方又は側面の看板、空地内にない通気管の立ち
上がりは認められる。
(平元.5.10 消防危第 44 号質疑)
ウ 避難空地には、漏れた危険物が流入しないように、当該空地と給油空地等その
他の空地との境界には排水溝を設けること。
エ 避難空地内には、油分離装置を設けないこと。
第 13-30 図 二方開放の例
第 13-31 図 避難空地
第 13 給油取扱所
13-40
5 自動表示装置
危政令第 17 条第2項第4号に規定する専用タンクに設ける
「危険物の量を自動的に
表示する装置」とは、計量口を開けることなく液量を確認できるフロート式、エアパ
ージ式、静電容量式等の装置をいう。
6 過剰注入防止装置
危政令第 17 条第2項第4号に規定する過剰注入防止装置は、
タンクローリー等によ
る過剰な注入を防止するため、タンクの液面をフロート等により直接又は液面計と連
動して自動的に受入れを停止するものとする。この場合、装置は、タンクの最大許可
容量の範囲内で作動させること。
7 外壁の高さ
上屋等が防火塀(建築物の壁体を兼ねる場合を含む。
)に水平距離で、1m以内で近
接している場合は、当該防火塀は上屋等まで立ち上げ一体とすること。
(平元.5.10 消防
危第 44 号質疑の一部内容変更)この場合、立ち上げた壁体の面が道路境界である場合を除き
開口部を設けないこと。
8 屋内に設ける通気管
危省令第 20 条第5項に規定する
「可燃性の蒸気が滞留するおそれのない場所」
とは、
換気のよい自動車等の出入口付近の場所をいうものであること。
(平元.3.3 消防危第 15 号
通知)
通気管の先端は、上階への延焼防止するために設けられたひさしを貫通して設置す
ることができる。この場合、貫通部は、埋戻し等の措置を講じられていること。
(平元
5.10 消防危第 44 号質疑)
(2) 一方開放型
1 危省令第 25 条の9第1号イに規定する避難に要する事務所等
ア 同号イの敷地外とは、屋外の安全な場所又は路地等により道路上へ通ずる通路を
いう。
(第 13-32 図参照)
なお、通路の幅は 90 cm以上とするよう指導する。
(運用事項)
イ 同号イに規定する「事務所等」とは、危省令第 25 条の4第1項第1号の2又は第
2号に掲げる用途とする。
ウ 同号イの事務所等の窓にはめごろし戸である防火設備を設ける範囲については、
当該事務所等が給油空地側及び危険物を取扱う室に面する部分とする。
エ 同号イに規定する避難口の設置数は、延焼防止等の観点から必要最小限とするこ
と。
(平元.5.10 消防危第 44 号質疑)
2 危省令第 25 条の9第1号ロに規定する「屋外の空地」とは、給油又は灯油・軽油の
詰替えのための作業場の用途に供する建築物と道路との間にある空地をいうものであ
る。
(第 13-32 図参照)
(平元.3.3 消防危第 15 号通知、平元.5.10 消防危第 44 号質疑)
第 13 給油取扱所
13-41
3 危省令第 25 条の9第2号に規定する「避難上支障のある場所」とは、避難に要する
事務所等の出入口付近のほか、自動車等の出入口付近も該当するものであること。(平元.3.3 消防危第 15 号通知)
4 衝突防止措置
危省令第 25 条の9第5号に規定する
「固定給油設備等に設ける自動車等の衝突を防
止するための措置」は、固定給油設備等を懸垂式のものにしたもの、固定給油設備等
を金属製のパイプ等で防護したもの又はアイランドの高さなどを利用して防護するも
の等がこれに該当するものであること。
(第 13-33 図参照)
(平元.3.3 消防危第 15 号通知、
平元.5.10 消防危第 44 号質疑)
第 13-32 図 避難通路の確保例
第 13-33 図 衝突防止措置の例
第 13 給油取扱所
13-42
(3) 上部に上階を有するもの
1 危政令第 17 条第2項第 11 号に規定する「上部に上階がある場合」又は危省令第 33
条第1項第6号若しくは危省令第 38 条第1項第1号ホに規定する
「上部に上階を有す
るもの」
(以下「上部に上階のある場合等」という。
)とは、給油取扱所の規制範囲に
対して上部に上階が全部又は一部有するもので、
上階の用途が危省令第 25 条の4第1
項で規制されたもの以外の用途であること。
(第 13-34 図参照)
ア 「上部に上階のある場合等」に該当しない例
イ 「上部に上階のある場合等」に該当する例
2 本店事務所等を有する屋内給油取扱所では、当該本店事務所等を給油取扱所の規制
範囲に含めるか他用途部分とするかは、設置者の選択によることができる。
(平元.3.3
消防危第 15 号通知)
3 1により、上部に上階のある場合等は、屋根を耐火構造とするものであるが、第 13
-35 図のような上部に上階のある給油取扱所の屋根(キャノピー)部分は、危省令第
25 条の 10 第3号のひさしと兼用しない場合のみ不燃材料とすることができる。
第 13-34 図 上部に上階のある場合
第 13 給油取扱所
13-43
4 他用途との区画
危政令第 17 条第2項第5号に規定する
「開口部のない耐火構造の床又は壁で当該建
築物の他の部分と区画されたものであること」とは、建基法第2条第7号に定める耐
火性能を有する構造で区画されたものであればよいこと。ただし、当該区画は、施行
令第8条に規定する区画とするよう指導する。
5 本店事務所等との区画
危政令第 17 条第2項第6号に規定する危省令で定める部分の区画は、
前4と同様の
区画とすること。
6 他用途に報知する設備(平元.5.10 消防危第 44 号質疑)
ア 危省令第 25 条の7に規定する
「屋内給油取扱所で発生した火災を建築物の給油取
扱所以外の用途の部分に報知するための設備」とは、第 13-36 図の例のとおりとす
る。
イ 当該設備を自動火災報知設備による場合には、
第 22
「警報設備」
の例によること。
ア 他用途に自動火災報知設備が設置されている場合
第 13-35 図
第 13 給油取扱所
13-44
イ 他用途に自動火災報知設備が設置されていない場合
7 危省令第 25 条の 10 第1号に規定する「注入口及び固定給油設備等の上階への延
焼防止上安全な場所」とは、火災が発生した場合、上階への火炎の噴出を防止するた
め、注入口(漏えい拡大防止措置部分を含む。
)及び固定給油設備等を上屋(上階のあ
る場所は上階の床)内に設けることをいう。
(第 13-37 図参照)
(平元.3.3 消防危第 15 号
通知)
8 危省令第 25 条の 10 第1号に規定する「屋根は上階への延焼防止上有効な幅を有し
て外壁と接続し、かつ、開口部を設けないもの」については、上部の上階に設置され
ている開口部以上の幅を有する上屋で、かつ、建物外壁と上屋とを接続し、上屋上部
への延焼経路となる開口部を設けないこと。
(平元.3.3 消防危第 15 号通知)
9 漏えい局限化措置
危省令第 25 条の 10 第2号に定める漏えい局限化設備及び収容設備「漏えい局限化
措置」は、次によること。
(第 13-38 図参照)
ア 注入口の周囲(注入口に移動タンク貯蔵所から荷卸しするために停車する側)に
は 15 m2の漏えい拡大防止措置を講じ、
漏れた油を収容するための収容槽を設けるこ
第 13-36 図 他用途に報知する設備の例
第 13-37 図
第 13 給油取扱所
13-45
と。
(平元.5.10 消防危第 44 号質疑)
この場合、設置場所は移動タンク貯蔵所の停車位置を十分考慮すること。
イ 収容槽の材質は、金属、コンクリート又はFRP等とし、埋設による土圧、水圧
等に耐えられるものであること。
ウ 収容槽は、実収容量を4m3以上とし、空気抜き、漏れた危険物の回収用マンホー
ル又は抜取り用配管を備えること。
なお、当該収容槽は専用タンク及び廃油タンク等とは兼用できない。
エ 漏えい拡大防止措置は、
注入口の周囲に排水溝を設け、
収容槽への配管を直径 100
mm以上とするとともに、地盤面は約1/50 の勾配を設けること。
オ 日常における維持管理上、集水ますを設けるとともに、注入口使用時以外は収容
槽への雨水及び可燃性蒸気の流入を防止するためのバルブ等を設けること。
カ 漏えい拡大防止措置を講じた部分には、専用タンク、廃油タンク等は設けないよ
う指導する。
(運用事項)
10 延焼防止上有効な屋根又はひさしの設置
ア 危省令第 25 条の 10 第3号に定める延焼防止上有効な 1.5m以上の屋根又はひさ
し(以下「ひさし等」という。
)の取扱いについては、次によること。
(第 13-39 図
参照)
なお、ひさしは、ベランダ等他の用途としての使用は認められない。
ア 開口部A1及びA2に対するひさしの長さはl とする。
イ 開口部A3に対するひさしの長さは、l =0とする。
ウ 開口部に対するひさしの長さl は、1.5m以上とする。
第 13-38 図 漏えい局限化措置の例
第 13 給油取扱所
13-46
イ 危省令第 25 条の 10 第4号ロに規定する
「延焼防止上有効な措置を講じた開口部」
については、JIS R3206 で規定された強化ガラスを用いたはめごろし窓とする
こと。
(平元.3.3 消防危第 15 号通知)
ウ ひさし等の上階の外壁からの張り出しは、1.5m以上とすること。ただし、ひさし
等の先端部に次に掲げるドレンチャー設備を設ける場合は、
1.0mとすることができ
る。この場合、危省令第 25 条の 10 第4号に規定するひさし等の外壁からの張り出
した水平距離は、1.0m未満とすることはできない。
(平元.3.3 消防危第 15 号通知)
ア ドレンチャーヘッドは、ひさし等の先端部に当該先端部の長さ 2.5m以下ごと
に1個設けるとともに、はり等により散水が妨げられるおそれのある場所には、
さらにヘッドを増設すること。
イ 水源は、その水量がドレンチャーヘッドの設置個数に 1.3 m3を乗じて得た量以
上の量となるように設けること。
(平元.3.3 消防危第 15 号通知)
ウ ドレンチャー設備は、すべてのドレンチャーヘッドを同時に使用した場合にそ
れぞれのヘッドの先端において、放水圧力が 0.3MPa 以上で、かつ、放水量が 130
l /min 以上の性能のものとすること。
(平元.3.3 消防危第 15 号通知)
エ ドレンチャー設備は手動式とすること。ただし、閉鎖型スプリンクラーヘッド
を感知ヘッドとした自動起動方式を併用することができる。
オ 加圧送水装置、電源、配管等は屋内消火栓設備の例によること。
(4) 可燃性蒸気検知警報設備
危省令第 25 条の9第4号及び危省令第 25 条の 10 第2号に規定する
「可燃性蒸気を検
知する警報設備」は、次によること。
1 可燃性蒸気を検知する警報設備は、検知器、受信機及び警報設備から構成されるも
のである。
2 警戒区域は、可燃性蒸気が滞留するおそれのある室又はその部分とする。
第 13-39 図 延焼防止上有効な屋根又はひさしの設置例
第 13 給油取扱所
13-47
3 検知器は、検知箇所から水平距離2m以内とし、床面から 0.15m以下の位置に設け
る。
(平元.5.10 消防危第 44 号質疑)ただし、出入口等外部の空気が流通する箇所は除く。
4 検知器の検知濃度は、
爆発下限界の1/4の範囲とする。
(平元.5.10 消防危第 44 号質疑)
5 受信機は、常時人がいる場所に設置する。
(平元5.10 消防危第 44 号質疑)
6 受信機の主音響装置の音圧及び音色は、他の警報設備の警報音と区別できるものと
する。
7 警報装置の音量は、その中心から前方1m離れた場所で 90dB 以上とする。
8 可燃性蒸気検知警報設備には、非常電源を附置すること。
(5) 誘導灯
誘導灯の基準は、施行令第 26 条第2項第1号、第2号及び第4号の例によること。
6 航空機給油取扱所(危政令第 17 条第3項第1号、危省令第 26 条)
(1) 航空機給油取扱所は、次のとおり分類される。
1 直接給油方式(危省令第 26 条第3項第4号)
2 ハイドラント方式(危省令第 26 条第3項第5号)
3 給油ホース車(サービスサー)方式(危省令第 26 条第3項第6号)
専用タンク 固定給油設備を用いて給油する方式
屋外タンク貯蔵所
屋内タンク貯蔵所
地下タンク貯蔵所
固定給油設備を用いて給油する方式
専用タンク 給油配管及びホース機器を用いて給油する方式
専用タンク 給油配管及び給油ホース車を用いて給油する方式
屋外タンク貯蔵所
屋内タンク貯蔵所
地下タンク貯蔵所
給油配管及び給油ホース車を用いて給油する方式
屋外タンク貯蔵所
屋内タンク貯蔵所
地下タンク貯蔵所
給油配管及びホース機器を用いて給油する方式
第 13 給油取扱所
13-48
4 給油タンク車(レフューラー)方式(危省令第 26 条第3項第7号)
注1: は、一の航空機給油取扱所を示す。
注2:給油タンク車は、移動タンク貯蔵所として規制される。
(2) 危省令第 26 条第3項第6号に規定する給油ホース車の基準は、第 11「移動タンク貯
蔵所」6(5)を参照すること。
(3) 危省令第 26 条第3項第3号ロに規定する
「漏れた危険物の流出を防止することができ
る措置」とは、当該航空機給油取扱所に油流出防止に必要な土のう又は油吸着剤等を有
効に保有していることをいうものであること。
(平元.3.3 消防危第 15 号通知)
(平元.5.10 消防
危第 44 号質疑)
(4) 危省令第 26 条第3項第4号の直接給油方式の航空機給油取扱所と危省令第 26 条第3
項第5号のハイドラント方式の航空機給油取扱所との形態上の差異は、ポンプ機器を給
油取扱所の給油空地に設置しているか否かによるものであること。
(5) 危省令第 26 条第3項第6号の給油ホース車は、
航空機給油取扱所の設備として位置づ
けられるものであり、その帰属を明確にしておくこと。
7 船舶給油取扱所(危政令第 17 条第3項第2号、危省令第 26 条の2)
(1) 船舶給油取扱所は、次のとおり分類される。
1 直接給油方式(危省令第 26 条の2第3項第4号)
2 ハイドラント方式(危省令第 26 条の2第3項第5号)
給油タンク車を用
いて給油する方式
屋外タンク貯蔵所
屋内タンク貯蔵所
地下タンク貯蔵所
ローリー詰めの
一般取扱所
移動タンク貯蔵所
(給油タンク車)注2専用タンク 固定給油設備を用いて給油する方式
屋外タンク貯蔵所
屋内タンク貯蔵所
地下タンク貯蔵所
固定給油設備を用いて給油する方式
専用タンク.給油配管及びホース機器を用いて給油する方式
屋外タンク貯蔵所
屋内タンク貯蔵所
地下タンク貯蔵所
給油配管及びホース機器を用いて給油する方式
第 13 給油取扱所
13-49
3 給油タンク車(レフューラー)方式(危省令第 26 条の2第3項第6号)
注1: は、一の船舶給油取扱所を示す。
注2:給油タンク車は、移動タンク貯蔵所として規制される。
(2) 危省令第 26 条の2第3項第3の2号の
「危険物が流出した場合の回収等の応急措置を
講ずるための設備」として保有する油吸着材の量は次の表のとおり、タンクの容量の区
分に応じたものであること。
(平元.3.3 消防危第 15 号通知)
(平 20.5.22 消防危第 264 号通知)
なお、当該タンクが複数存する場合は、そのうちの最大容量のタンクの容量に応じた
量とすること。
8 鉄道給油取扱所(危政令第 17 条第3項第3号、危省令第 27 条)
鉄道給油取扱所は、次のとおり分類される。
(1) 直接給油方式(危省令第 27 条第3項第4号)
(2) ハイドラント方式(危省令第 27 条第3項第5号)
注: は、一の鉄道給油取扱所を示す。
専用タンク又は貯蔵タンクの容量の区分 吸着できる油の量
タンク容量 30 kl未満のもの 0.3 kl以上
タンク容量 30 kl以上 1,000 kl未満のもの 1kl以上
タンク容量 1,000 kl以上のもの 3kl以上
屋外タンク貯蔵所
屋内タンク貯蔵所
地下タンク貯蔵所
ローリー詰めの
一般取扱所
移動タンク貯蔵所
(給油タンク車)
給油タンク車を用
いて給油する方式注2専用タンク 固定給油設備を用いて給油する方式
屋外タンク貯蔵所
屋内タンク貯蔵所
地下タンク貯蔵所
固定給油設備を用いて給油する方式
専用タンク 給油配管及びホース機器を用いて給油する方式
屋外タンク貯蔵所
屋内タンク貯蔵所
地下タンク貯蔵所
給油配管及びホース機器を用いて給油する方式
第 13 給油取扱所
13-50
9 圧縮天然ガス等充てん設備設置給油取扱所(危政令第 17 条第3項第4号、危省令第 27
条の2〜第 27 条の4)
圧縮天然ガス等充てん設備を設置する給油取扱所については、
「圧縮天然ガス等充てん設
備設置給油取扱所の技術上の基準に係る運用上の指針について」
(平 10.3.11 消防危第 22 号、改
正:平 29.1.26 消防危第 31 号)通知によること。
10 圧縮水素充てん設備設置給油取扱所
(危政令第 17 条第3項第5号、
危省令第 27 条の5)
圧縮水素充てん設備を設置する給油取扱所については、
「圧縮水素充てん設備設置給油取
扱所の技術上の基準に係る運用上の指針について」
(平 27.6.5 消防危第 123 号通知、改正:令元.8.27
消防危第 118 号通知)によること。
給油取扱所において、改質装置を設けるときは、
「危険物から水素を製造するための改質
装置の遠隔監視に必要な安全対策について」
(平 24.5.23 消防危第 140 号通知:改正平 24.12.18 消防危第
263 号通知)によること。
11 自家用給油取扱所(危政令第 17 条第3項第6号、危省令第 28 条)
前3及び4(1)、(2)、(6)から(17)、(19)、(20)又は5によるほか、次によること。
(1) 空地
給油空地は、給油する自動車等の一部又は全部がはみ出たままで給油することのない
広さを確保すること。
(2) 自動車等の出入りする側
自動車等の出入りする側とは、給油取扱所の敷地から4m以上建築物が離れており、
かつ、実際に自動車等の出入りが可能な側であること。
(3) 灯油の専用タンク
自動車等の暖房用として自動車に設けられた灯油タンクに給油するため又は関係建築
物の暖房のため、灯油の専用タンクを設けることができる。
(4) キー式計量機
キー式計量機の設置は、自家用給油取扱所にのみ認められる。
12 メタノール若しくはエタノール又はこれらを含有するものを取り扱う給油取扱所(危政
令第 17 条第4項、危省令第 28 条の2〜第 28 条の2の3)
(1) メタノール又はエタノールを含有する燃料を給油取扱所において取扱う場合には、メ
タノール又はエタノールの含有率にかかわらず、位置、構造及び設備が危険物の規制に
関する政令第17条第4項に規定する技術上の基準に適合している給油取扱所において
行うことが必要であり、当該基準に適合しない給油取扱所で行うことは認められないも
のであること。
(平 11.8.3 消防危第 72 号通知)
(2) メタノール等の給油取扱所の基準は、前2から4まで、及び「メタノール等を取り扱
う給油取扱所に係る規定の運用」
(平6.3.25 消防危第 28 号通知)によるものとする。
第 13 給油取扱所
13-51
(3) エタノール等の給油取扱所の基準は、前2から4まで、及び「エタノール等を取り扱
う給油取扱所の技術上の基準に係る運用について」
(平 24.1.11 消防危第2号通知)
によること。
12 顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所(危政令第 17 条第5項、危省令第 28 条の2の4
〜第 28 条の2の7)
顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所については、次によること。
(平 10.3.13 消防危第 25 号
通知)
(1) 定義
顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所(以下「セルフ給油取扱所」という。
)は、顧客
に自ら自動車若しくは原動機付自転車(以下「自動車等」という。
)に給油させ、又は灯
油若しくは軽油を容器に詰め替えさせることができる給油取扱所であること。この場合
において、
自動二輪車は自動車に含まれるものであること。
また、
当該給油取扱所では、
顧客にガソリンを容器に詰め替えさせること及び灯油又は軽油をタンクローリーに注入
させることは行えないものである。
(2) セルフ給油取扱所(屋外)の位置、構造及び設備の技術上の基準は、危省令第 28 条の
2の5の規定によるほか、次によること。
1 セルフ給油取扱所の表示
セルフ給油取扱所である旨の表示の方法は、
「セルフ」、「セルフサービス」
等の記載、
看板の指示等により行うことで支障ない。また、一部の時間帯等に限って顧客に自ら
給油等をさせる営業形態の給油取扱所にあっては、当該時間帯等にはその旨を表示す
ること。
なお、表示の方法等は、次によること。
ア 看板等による場合は、4(20)による。
イ 移動式の看板等による場合は、敷地内の給油等に支障がない位置に掲出場所を確
保して行う。
ウ 表示の位置例
ア 顧客が通常進入する入口付近の見やすい箇所
イ 容易に視認できるサインポール、看板、防火塀、建築物外壁、キャノピー支柱
等の見やすい箇所
エ 表示方法例
ア 防火塀、壁、地盤面等にペイント等で直接表示する方法
イ キャノピー、防火塀等に固定した看板を掲出する方法
ウ 着脱又は覆い等が可能な看板、電光掲示板等による方法
2 顧客用固定給油設備
ア 給油ノズルには、手動開閉装置を開放状態で固定する装置を備えたもの(ラッチ
オープンノズル)及び手動開閉装置を開放状態で固定できないもの(非ラッチオー
プンノズル)の二種類があるが、固定する装置を備えたものにあっては、次のアか
第 13 給油取扱所
13-52
らウによること。
ア 給油開始時のノズル制御装置
構造等の例としては、次のものがある。
a 手動起動方式(使用者が給油ノズルをノズル掛けから外してからポンプを手
動で起動するもの)
(a) 満量停止制御装置の作動等により給油ノズルへの危険物の供給が停止され
た場合に、手動開閉装置が開放状態であっても自動的にポンプを停止し、又
はノズルの弁を閉鎖(給油停止)するもので、手動開閉装置を一旦閉鎖する
まで給油ができない構造としたもの。
(b) 給油ノズルをノズル掛けに戻すとラッチの固定が機械的に解除
(給油停止)
される構造としたもの。
なお、
ラッチの固定解除は、
確実に行われるもの
(解除が不完全な場合は、
ノズル掛けに戻せない等)とし、又は解除が不完全なままノズル掛けに戻さ
れた場合には、ポンプが再び起動した場合にあっても手動開閉装置を一旦閉
鎖するまで給油ができない構造とすること。
b 自動起動方式(給油ノズルをノズル掛けから外すとポンプが自動的に起動す
るもの)
(a) 前a(a)、(b)に示す構造のもの。
(b) 給油ノズルをノズル掛けから外したとき
(制御卓で給油許可
(ポンプ起動)
を行ったとき)に、直ちに危険物の供給が開始(計量開始)された場合は、こ
れを異常と判断し、自動的にポンプを停止する構造としたもの。
なお、給油ノズルは、手動で開閉することができる弁が設けられたもので
あり、弁を閉鎖した状態において危険物が漏れない構造であること。
イ 脱落時停止制御装置
構造等の例としては、次のものがある。
a 給油ノズルに落下等の衝撃が加わった場合に、ラッチの固定が解除され給油
を停止する構造としたもの(第 13-40 図参照)。第 13-40 図 脱落時停止制御装置の構造例
第 13 給油取扱所
13-53
b 給油ノズルが給油口から離脱したことを感知した場合に、ラッチの固定が解
除され給油を停止する構造としたもの
なお、給油ノズルは、給油口から容易に脱落しない給油口に差し込まれるノ
ズルの部分に、らせん状の脱落防止装置等を備えた構造とするよう指導するこ
と。
ウ 給油ノズルに設ける可燃性蒸気回収装置
給油ノズルに設ける可燃性蒸気回収装置の具体的な例としては、給油ノズルに
付帯する配管から可燃性蒸気を吸引した後、専用タンクの気相部への回収による
処理、燃焼による処理又は高所放出による処理を行うことができる構造を有する
ものがある。燃焼処理、高所放出処理等を行うものにあっては、火災予防上適切
な位置及び構造を有する必要があること。
なお、この場合において、可燃性蒸気回収装置の性能は、給油口の周囲に放出
される可燃性蒸気の濃度が、当該危険物の燃焼下限値未満(ガソリンの場合は、
1.4%未満)となること。
構造等の例としては、次のものがある。
a バランス式可燃性蒸気回収装置
給油ノズルに付帯するベローズ(蛇腹部分)の先端を給油口に密着させるこ
とにより、給油による燃料タンク内の蒸気圧力の上昇を利用して、給油口から
放出される蒸気をベローズに接続する回収配管内に導き、専用タンク内等に回
収する構造としたものである。
なお、ベローズの先端部が給油口から外れた場合に、回収された蒸気が逆流
して放出されることのない構造(給油口に密着していないと給油ができないも
の、逆流防止措置を講じたもの等)であること。
b アシスト式(吸引式)可燃性蒸気回収装置
給油ノズルに付帯する蒸気吸入口から、ポンプ機器等により強制的に蒸気を
吸引して回収配管内に導き、
専用タンク内等に回収する構造としたもの
(第 13-
41 図参照)
なお、
放出蒸気と一緒に給油口周囲の空気を吸引することから、
過剰吸引(加圧)により専用タンク等に影響を与えないものとするとともに、蒸気回収
用ポンプ機器等に電気設備を用いる場合には、防爆構造のものとする等の措置
が講じられていること。
上記によるほか、次により指導する。
(a) 可燃性蒸気の回収配管(固定給油設備の本体内並びに給油ホース若しくは
給油ノズルに附随する部分を除く。
)は、通気管と同様の材質、構造とするこ
と。
(b) 可燃性蒸気の回収は、原則として専用タンク内の気相部に回収するものと
第 13 給油取扱所
13-54
し、燃焼処理又は高所放出処理は行わないこと。
なお、専用タンク内の気相部への回収が困難な場合等で高所放出による処
理を行う場合は、
放出部の位置及び構造は、
通気管の先端部の例によること。
第 13-41 図 可燃性蒸気回収装置の構造例
イ 満量停止制御装置
給油ノズルの手動開閉装置を開放状態で固定する装置を備えたものにあっては、
固定する装置により設定できるすべての吐出量において給油を行った場合に機能す
ること。また、手動開閉装置を開放状態で固定できないものにあっては、15l /min
程度(軽油専用で吐出量が 60l /min を超える吐出量のものにあっては、25l /min
程度)以上の吐出量で給油を行った場合に機能すること。
なお、当該装置が機能した場合には、給油ノズルの手動開閉装置を一旦閉鎖しな
ければ、再び給油を開始することができない構造であること。
第 13 給油取扱所
13-55
1 給油前の状態及び各部の名称
2 給油時の状態
3 オートストップ機構作動後の状態
(1) レバーを引き上げると、クラッチがロ
ックされていることから、A点を支点とし
て弁棒を押し上げ主弁が開く。
(2) 液は主弁を通過し、チャッキ弁を押し
て流出される。
(3) この時、負圧発生装置より負圧が発生
するが、パイロット孔より空気が補給さ
れるため、ダイヤフラム室への負圧は高
くならない。
(1) 液面が上昇しパイロット孔を塞ぐと、
空気の補給がなくなり負圧は急激に高ま
る。
(2) ダイヤフラム室のダイヤフラムは負圧
によって上方へ移動し、クラッチのロッ
クが解除されレバーは支点を失う。
(3) 主弁バネの力により主弁が閉じ、液の
流れは止まる。
(4) レバーを元の位置に戻すと、給油前の
状態に戻り、次の補給に備える。
第 13-42 図 満量停止制御装置の構造例
第 13 給油取扱所
13-56
ウ 給油ホース(緊急離脱カプラー)
給油ホースは、著しい引張力(2,000N)が加わったときに安全に分離するととも
に、分離した部分からの危険物の漏えいを防止できる構造であること。構造等の例
(緊急離脱カプラーをホースの途中に設置するもの)としては、次のものがある。
緊急離脱カプラーは、通常の使用時における荷重等では分離しないが、自動車等
の給油口に給油ノズルを差したまま発進した場合等には安全に分離し、分離した部
分の双方
(固定給油設備側及び給油ノズル側)
を弁により閉止する構造であること。
なお、緊急離脱カプラーを効果的に機能させるためには、当該カプラーの離脱直
前の引張力が作用しても、ホースの他の部分が破断することなく、かつ、固定給油
設備が当該引張力によって転倒しないよう堅固に固定しておくこと。
エ 誤給油防止制御装置
誤給油防止制御装置は、ハイオクガソリン及びレギュラーガソリン相互、又は軽
油及びプレミアム軽油相互については、対象外であること。
構造等の例としては、次のものがある。
ア コンタミ(Contamination=汚染)防止装置によるもの
給油ノズルに、燃料タンク内の可燃性蒸気を測定(吸引)して油種を判定する
装置を設け、給油ノズルの油種と一致した場合にのみ、給油を開始することがで
きる構造としたものであること。
イ 油種別ポンプ起動によるもの
次のいずれかの方法により、顧客が要請した油種の給油ポンプだけを起動し、
顧客が当該油種のノズルを使用した場合にのみ、給油を開始することができる構
造としたものであること。
a 監視者が、顧客の要請油種をインターホン等で確認し、制御卓で油種を設定
するものであること。
b 顧客が自ら固定給油設備で油種を設定するもの
この場合、顧客側のインターホン端末及び油種設定装置は、給油に支障のな
い位置(同一アイランド上など)に設置すること。
ウ その他
ガソリン又は軽油のいずれかの油種のみを取扱う顧客用固定給油設備(一の車
両停止位置において、異なる油種の給油ができないものに限る。
)は、誤給油を有
効に防止できる構造を有しているとみなす。
オ 定量・定時間制御装置
定量・定時間制御装置の設定は、危険物保安監督者の特別な操作により変更が可
能となるものとし、
顧客又は監視者の操作により容易に変更されるものでないこと。
なお、給油量にあってはガソリンを 100l 以下、軽油を 200l 以下とし、給油時を
4分以内に、それぞれ設定するよう指導する。ただし、大型トラック専用の給油取
扱所に設置するものにあっては、給油取扱所の実態に見合った設定量及び給油時間
第 13 給油取扱所
13-57
とする。
(平 12.2.1 消防危第 12 号通知)
構造等の例としては、次のものがある。
ア 制御装置
次の制御機構等により、固定給油設備の1操作あたりの連続した給油量又は給
油時間が設定値に達したときに、自動的に給油ポンプを停止させる機能を有する
構造としたものであること。
a 固定給油設備に組み込んだマイコンによるもの(上限値は、当該マイコンで
設定する。)b POSと固定給油設備を連動させたもの
(上限値は、
POS本体で設定する。)イ 設定を容易に変更できない構造等
前アのマイコン又はPOSにより上限値を設定(変更)する場合に、暗証番号
の入力、専用のキー、カードの使用等、特別な操作を行わなければ設定変更がで
きない機能を有する構造としたものであること。
カ 感震自動停止制御装置
地震を感知する感震器は、震度階級「5強」の衝撃又は震動を感知した場合に作
動するものであること。感震器は、顧客用固定給油設備又は事務所のいずれにも設
置することができること。
なお、既存の感震器にあっては、感知精度が同等程度であれば使用して差し支え
ないものであること。
構造等の例としては、次のものがある。
顧客用固定給油設備又は事務所等に感震器を設置し、当該感震器が震度階級「5
強」の衝撃又は震動を感知した場合に、給油ポンプを停止させる等により、危険物
の供給を自動的に停止させる機能を有する構造としたものがあること。
キ 給油時に人体に蓄積された静電気を有効に除去することができる構造
引火点が 40 度未満の危険物を取扱う給油ノズルに、
人体に蓄積された静電気を有
効に除去することができる構造等の例としては次のものがあること。
ア 給油ノズルの握りの部分、レバー等の金属部分が直接手に触れる構造であるこ
と。
イ 給油ノズルの握りの部分のカバー、レバー等の部分のカバーのどちらかに導電
性がある構造であること。
ク 顧客に危険物が飛散しないための措置
すべての給油ノズルで、給油時に吹きこぼれても人体にかかるのを防ぐ措置例と
しては、つば状の部品(スプラッシュガード)を設置したものであること。
3 顧客用固定注油設備
ア 注油ノズル
注油ノズルは、手動開閉装置を開放状態で固定できないもの(非ラッチオープン
ノズル)とすること。
第 13 給油取扱所
13-58
イ 満量停止制御装置
自動的に停止する構造は、15l /min 程度以上の吐出量で注油を行った場合に機
能するものであること。
なお、当該装置が機能した場合には、注油ノズルの手動開閉装置を一旦閉鎖しな
ければ、再び注油を開始することができない構造であること。
ウ 定量・定時間制御装置
定量・定時間制御の設定は、危険物保安監督者の特別な操作により変更が可能と
なるものとし、顧客又は監視者の操作により容易に変更されるものでないこと。
なお、注油量及び注油時間の上限をそれぞれ 100l 以下及び6分以内に設定する
よう指導する。
(平 12.2.1 消防危第 12 号通知)
エ 感震自動停止制御装置
地震を感知する感震器は、震度階級「5強」の衝撃又は震動を感知した場合に作
動するものであること。感震器は、顧客用固定注油設備又は事務所のいずれにも設
置することができるものであること。
4 固定給油設備及び固定注油設備並びに簡易タンク
(以下
「固定給油設備等」
という。)の衝突防止措置等
衝突防止措置等の措置は、対象を顧客自ら用いる設備に限るものではないこと。
ア 衝突防止措置
ア 構造等の例としては、次のものがある。
a 共通事項
(a) 車両の進入・退出方向に対し固定給油設備等からの緩衝空間が確保され
るよう、ガードポール、アイランド等を設置するもの。
(b) 運転者の不注意、操作ミス等による固定給油設備等への衝突を防止する
機能を有するもの。(衝突を完全に防止するための構造、強度は要しない。)
(c) ガードポール又はアイランドを設置する場合は、緩衝空間を考慮し、当該
固定給油設備等と十分な距離を確保して設置するよう指導する。
(d) 大形トラック等が利用する固定給油設備等の衝突防止措置は、ガードポー
ル、十分な高さと緩衝空間を確保したアイランド又は防護壁等とするよう指
導する。
b ガードポール等によるもの
固定給油設備等の進入側及び退出側に、金属製のパイプ等を設置するもの。
この場合、固定給油設備等は、必ずしもアイランド上に設置することを要しな
い。
c アイランドによるもの
(a) 固定給油設備等をコンクリート製等のアイランド上に設置するもの
(b) アイランド等は、高さ 15 cm程度以上で、車両の前進・後退時等に固定給油
設備等から突出しているホース機器等に接触しない幅と、車輪がアイランド
第 13 給油取扱所
13-59
端に接触した場合でも固定給油設備等に衝突しない長さ(奥行き)を有する
もの
イ 懸垂式の固定給油設備等は、衝突防止装置を要しないものであること。
ウ 第 13.5(2)一方開放型屋内給油取扱所における衝突防止措置その他の既存の
措置で同等の機能を有するものは、当該衝突防止措置等によることができる。
イ 転倒時の漏えい拡散防止措置
ア 構造等の例としては、次のものがある。
a 立ち上がり配管遮断弁
(a) 当該遮断弁は、
一定の応力を受けた場合に脆弱部がせん断されるとともに、
せん断部の双方を弁により遮断することにより、危険物の漏えいを防止する
構造のものとすること。(第 13-43 図参照)
第 13-43 図 立ち上がり配管遮断弁の構造例
(b) 当該遮断弁は、車両衝突等の応力が脆弱部に的確に伝わるよう、固定給油
設備等の本体及び基礎部に堅固に取り付けること。
(第 13-44 図参照)
1 吐出部
2 熱圧力膨張弁 熱膨張による圧力上昇を逃がす。
3 二次側遮断弁 固定給油設備側からの危険物の
流出を防止する。
4 燃料流路
5 破断部
6 一次側遮断弁 地下タンク側からの危険物の流出
を防止する。
7 本体構造
第 13 給油取扱所
13-60
第 13-44 図 立ち上がり配管遮断弁の取り付け例
b 逆止弁
逆止弁は、転倒時にも機能する構造のものとし、固定給油設備等の配管と地
下から立ち上げたフレキシブル配管との間に設置すること。
イ 懸垂式の固定給油設備等は、転倒時の漏えい拡散防止措置を要しないものであ
ること。
ウ 危省令第 25 条の2第2号トに規定する油中ポンプに接続されたホース機器に
取り付けられた遮断弁が、固定給油設備等及びこれに接続する配管の両方を遮断
できる構造である場合には、当該遮断弁によることとして差し支えないこと。
5 固定給油設備等及びその周辺への表示
ア 顧客用固定給油設備等である旨の表示
顧客用である旨の表示の方法は、固定給油設備又は固定注油設備、アイランドに
設置されている支柱等への、
「セルフ」、「セルフサービス」等の記載、看板の掲示等
により行うことで支障ない。また、一部の時間帯等に限って顧客に自ら給油等をさ
せる固定給油設備等にあっては、当該時間帯等にはその旨を、それ以外の時間帯等
には従業者が給油等をする旨を表示すること。
なお、表示の位置等は、次によること。
ア 表示の位置は、顧客用固定給油設備等のほか、アイランドに設置されている支
立ち上がり配管遮断弁とアイランドの固定用アングル取付け用
第 13 給油取扱所
13-61
柱等とすることができる。
イ 表示方法は、前aの位置に直接記載し、又は看板の掲示等により行うことがで
きる。
イ 自動車等の停車位置等の表示
自動車等の停止位置として長さ5m、幅2m程度の枠を、灯油又は軽油の容器の
置き場所として2m四方程度の枠を、地盤面等にペイント等により表示すること。
なお、自動車等の停車位置又は容器の置き場所の枠は、給油空地又は注油空地か
らそれぞれはみ出さないこと。
ウ 使用方法・油種等の表示
使用方法の表示は、給油開始から終了までの一連の機器の操作を示すとともに、
「火気厳禁」、「給油中エンジン停止」、「ガソリンの容器への注入禁止」、「静電気除
去」
(平 13.8.13 消防危第 95 号通知)等保安上必要な事項を併せて記載すること。
(第 13-
45 図参照)
なお、懸垂式の固定給油設備等にあっては、近傍の壁面等に記載すること。危険
物の品目の表示として、文字、文字の地(背景)又は給油ホース、ノズルカバー、ノ
ズル受け等危険物の品目に対応した設備の部分に彩色をする場合には、危省令第 28
条の2の5第5号ロの「色」欄に定めた色とすること。この場合の彩色には、無彩
色(白、黒又は灰色をいう。
)は含まないものであること。したがって、これらの部
分以外の部分については、彩色の制限の対象とはならないものであること。
また、エンジン清浄剤等を添加した軽油を別品目として販売する場合において、
これを軽油の範囲で区分するときには、文字に「プレミアム軽油」を、色に黄緑を
用いることができる。
なお、使用方法及び危険物の品目については、必要に応じて英語の併記等を行う
よう指導する。
◯給油前に必ず自動車のドア・窓をお閉め下さい
◯静電気除去のため、作業前には必ず自動車の金属部分に触れてください。
◯給油作業は必ずお一人で行ってください。
◯給油口付近にお子様が近付かないように注意してください。
◯その他、ガソリンスタンド内に掲示されている注意事項を守ってください。
危険 警告
油種確認
エンジン停止 火気厳禁 給油禁止
容器への
第 13-45 図 保安上必要な事項の表示例
第 13 給油取扱所
13-62
エ 顧客用以外の固定給油設備等の表示
ア 表示の場所
固定給油設備等には、顧客自らが用いることができない旨を見やすい箇所に表
示すること。
イ 表示の内容
「フルサービス」、「従業員専用」等の記載、看板の掲示等により行うこと。
6 制御卓、その他の設備
ア 制御卓の位置
すべての顧客用固定給油設備等における使用状況を直接視認できるとは、給油さ
れる自動車等がない場合において顧客用固定給油設備等における使用状況を目視で
きることをいうものであり、壁等により死角となる部分がないこと。
なお、コンビニエンスストア等が併設されている給油取扱所において、制御卓が
設置されている場所にレジを設置し監視者がレジ業務を兼ねることは、顧客自らに
よる給油作業等の監視・制御及び顧客に対する必要な指示が行えることが確保され
ていれば認めることができる。
(平 10.10.13 消防危第 90 号質疑)
上記によるほか、次により指導する。
ア 制御卓を設置する室は、
危省令第 25 条の4第1項第1号の2に規定する用途と
して取扱うものであり、給油空地内等に制御卓を設置したコントロールブース室
を設けないこと。
イ 一の制御卓で1人の監視者が全ての顧客用固定給油設備等を監視できる視野の
範囲は、180 ゚以内を目安とすること。
ウ 一の制御卓から最遠の顧客用固定給油設備等までの視認距離は、30m以内とす
ること。
(運用事項)
イ 監視設備
監視設備としては、モニターカメラ及びディスプレイ等が考えられる。また、視
認を常時可能とするとは、必要な時点において顧客用固定給油設備等の使用状況を
即座に映し出すことができるものをいう。
上記によるほか、次により指導する。
ア モニターカメラは、顧客用固定給油設備等の使用状況を有効に確認できる位置
(例えば、キャノピー下部、支柱、建物外壁等)に設けること。
イ 監視設備の性能は、自動車等の給油口や運搬容器の注入口に給油ノズルが差し
込まれた状態、又は顧客の作業等が確認できるものであること。
ウ 制御卓の制御装置等
制御装置には、給油等許可スイッチ及び許可解除のスイッチ並びに顧客用固定給
油設備等の使用状況等の表示装置が必要であること。
なお、顧客用固定給油設備等を、顧客が要請した油種のポンプだけを起動し、顧
客が当該油種の給油ノズルを使用した場合に給油等を開始することができる構造と
第 13 給油取扱所
13-63
したもので、制御卓で油種設定をする構造のものにあっては、油種設定のスイッチ
を併せて設置すること。
エ 可搬式の制御機器
(令 2.3.27 消防危第 87 号通知、
令和2.6.22 筑太消本予第 315 号通知、
令2.12.15
筑太消本予第 1025 号通知)
上記ウによること。また、可搬式の制御機器を用いて給油許可を行うことができ
る場所の範囲は、各給油取扱所のレイアウト等を考慮の上、従業者が適切に監視等
を行うことができる範囲となるよう設定することが適当であるため、位置に応じて
当該機器の給油許可機能を適切に作動させ、又は停止させるためのビーコン等の機
器を配置すること。ビーコン等はキャノピー下部、支柱等に設置すること。また、
給油取扱所外での給油許可操作は行えないものであること。
なお、可搬式の制御機器の給油停止機能及び一斉停止機能は、火災その他災害に
際して速やかに作動させること等が必要であることから、上記エの範囲を含め、給
油空地、注油空地及びその周辺の屋外において作動させることができるようにする
こと。
オ 供給一斉停止制御装置(緊急停止スイッチ)
火災その他の災害に際し速やかに操作することができる箇所とは、給油空地等に
所在する従業者等においても速やかに操作することができるものであり、給油取扱
所の事務所の給油空地に面する外壁等がある。
なお、制御卓以外の場所に設ける制御装置には、緊急停止スイッチである旨を表
示するよう指導する。
カ 会話装置・放送機器
ア 会話装置
顧客と容易に会話することができる装置としては、インターホンがあり、イン
ターホンの顧客側の端末は、顧客用固定給油設備等の近くに設置し、懸垂式の顧
客用固定給油設備等にあっては、近くの壁面等に設置すること。
イ 放送機器
a 機器の設置については次によること。
(a) スピーカーの設置位置は、
音響効果を妨げる障害物がない場所とすること。
(b) スピーカーは、顧客がいるすべての場所に指示ができるように設置し、有
効な音量、音質が確保されるようにすること。
b 放送機器の機能を有する既設の有線放送設備を顧客の給油作業等について必
要な指示を行う放送機器として用いることができる。ただし、有線放送よりも
指示の放送が優先されるものであること。
(平 10.10.13 消防危第 90 号質疑)
キ 固定消火設備制御装置(起動スイッチ)
制御卓には、固定消火設備の起動装置を設置すること。起動スイッチは透明な蓋
で覆う等により、不用意に操作されないものであるとともに、火災時には、速やか
に操作することができるものであること。
第 13 給油取扱所
13-64
ク 制御卓の複数設置
制御卓は、顧客用固定給油設備等を分担することにより複数設置することができ
る。この場合、すべての制御卓に、すべての固定給油設備等への危険物の供給を一
斉に停止するための制御装置を設置すること。
14 急速充電設備
給油取扱所に電気自動車の急速充電設備(急速充電設備以外の充電設備を含む)を設け
る場合にあっては、
「給油取扱所に電気自動車用急速充電設備を設置する場合における技術
上の基準の運用について」
(平 24.3.16 消防危第 77 号通知)によること。
15 工事現場等の屋外自家用給油取扱所(昭 48.11.6 消防予第 146 号質疑)
(1) 給油設備を備えたタンク車両を専用タンクとする場合
ダム工事現場、大規模な土地造成場、土砂採取場等(以下「工事現場等」という。)において給油設備を備えたタンク車両を専用タンクとして、工事現場等で使用する重機車
両等に給油する取扱所については、当該場所が火災予防上支障なく、かつ、次の各号に
適合するときは、工事現場等の特殊性にかんがみ、危政令第 17 条第1項(第4号を除
く。
)の規定は適用しない。
1 取扱う危険物は、軽油又は潤滑油であること。
2 給油取扱所の周囲
(作業車の出入口を除く。)は、
さく等により明確に区画すること。
13-46 図 セルフ給油取扱所の設置例
固定給油設備等
(顧客用)
固定式泡
消火設備注油空地顧客用固定注油設備顧客用である旨の表示容器置き場所
(枠表示)
モニターカメラ
モニターカメラ
モニターカメラ
固定給油設備
(顧客用以外)
泡放出口
凡例窓事 務 所 等
監視者
進入路 退出路
道 路
顧客に自ら給油等をさせる
給油取扱所である旨の表示
自動車停車位置
(枠表示)
顧客用以外である旨
の表示
緊急停止スイッチ
出入口
顧客用である旨の表示
衝突防止
装置
スピーカー
スピーカー給油空地
制御卓
モニター画面
給油許可・解除スイッチ
油種別ポンプ起動スイッチ
油種設定スイッチ
緊急停止スイッチ
放送機器及びインターホン
消火設備起動スイッチ など
第 13 給油取扱所
13-65
3 給油取扱所には、第四類の危険物の火災に適応する第4種及び第5種の消火設備を
それぞれ1個以上設けること。
4 危政令第 17 条第1項第1号に規定する空地については、前 10(1)の例によること。
5 給油のための装置は、
漏れるおそれがない等火災予防上安全な構造とするとともに、
先端に弁を設けた給油ホース及び給油ホースの先端に蓄積される静電気を有効に除去
する装置を設けること。
6 給油設備を備えた車両は、次によること。
ア 給油設備を備えた車両は、道路運送車両法(昭和 26 年法律第 185 号)第 11 条に
定める自動車登録番号標を有しないものであること。
イ 給油設備は、車両のシャーシフレームに堅固に固定されていること。
ウ 危険物を収納するタンクの構造及び設備は、
危政令第 15 条に定める移動タンク貯
蔵所の構造及び設備の基準に適合すること。ただし、潤滑油を収納する専用のタン
クにあっては、厚さ 3.2 mm以上の鋼板で気密に造り、かつ、当該タンクの外面は、
さび止めのための塗装をすれば足りること。
エ 潤滑油を収納するタンクの配管の先端には、弁を設けること。
オ 給油のための装置のエンジン(以下「エンジン」という。
)及びエンジンの排気筒
は、危険物を収納するタンクとの間に 0.5m以上の間隔を保つこと。
カ エンジンの排気筒には、引火を防止するための装置を設けること。
キ 給油設備を備えた車両は、作業車の出入りに支障のない場所に固定し、かつ、接
地すること。
(2) 屋外タンクを専用タンクとする場合
屋外タンクを専用タンクとする場合も前(1)と同様に取り扱うことができる。
なお、屋外タンクは、次によること。
1 タンクの容量は、20,000l以下であること。
2 タンクの位置、構造及び設備は、危政令第 11 条に規定する屋外タンク貯蔵所の基
準の例によること。
15 緊急用発電機及び可搬式ポンプ
(1) 緊急用発電機の設置
電気設備の設置に該当するため、確認を要する軽微な変更として、製造所等変更届を
要すること。
なお、届出を受理する場合には次のことに留意すること。
1 保管場所が室内となる場合は、第5種消火設備の配置が必要であること。ただし、
分電盤等の電気設備が同室内にある場合はこの限りでない。
2 分電盤の分岐工事において切替盤や配線が適切に施工されること。
なお、外壁及び防火区画を貫通する場合は変更許可を要すること。
3 屋外で使用されることから、発電機使用時にスパークする部分が地盤面からの高さ
第 13 給油取扱所
13-66
60 cm以上であること。
(2) 可搬式ポンプの設置
手動式であり、使用目的が緊急車両への給油及び給油取扱所の暖房器具への補給に使
用されることから、ポンプ設備ではなく地震対策の機械器具として変更工事の対象とし
ないこと。
(3) 予防規程の変更
緊急用発電機及び可搬式ポンプのいずれかを設置する場合でも予防規程における地震
対策の規定変更を要し、変更の認可を受ける必要があること。
16 建築物の屋上に設置する航空機給油取扱所
建築物の屋上に航空機給油取扱所を設置する場合の安全対策については、平成 27 年 12
月8日消防危第 268 号に基づき、運用すること。

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