稲むらの火の語り部活動(減災への取組)

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和歌山県に伝わる災害伝承「稲むらの火」を地域の方言で語り伝えることで、地域住民への防災学習に役立てている。

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婦人会による文化活動と防災活動を結びつけた取組である。

稲むらの火の語り部活動は、婦人会による地域活動と、地域防災の強化に向けた取組を、「地域文化」を通じて緩やかにつなげる試みとして実施されている。

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和歌山市鳴神団地婦人会は、和歌山市地域婦人団体連絡協議会を構成する40余の単位婦人会の一つである。会員には、地域の婦人防火クラブにも参加している者も多い。

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自治会と連携して、防災訓練や歳末の「火の用心」の夜回りなどの地域活動にも参加しているほか、消防庁舎の見学、古い着物を持ち寄った「防災ずきん」を作る活動などの自主的な活動も行っている。

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「稲むらの火の語り部活動」は、数年前に、稲むらの火の舞台となった和歌山県広川町に行き、稲むらの火の主人公である濱口梧陵が築いた大防波堤「広村堤防」などの見学会を行ったことがきっかけとなった。

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その後、婦人会の文学や人権学習などを中心とする公開講座の講師となった地域文化の専門家との交流を通じ、地域の方言による稲むらの火を学び、さらに、それまで行ってきた民話の語り部活動の一環として、婦人会関連の事業などを通じた「稲むらの火の語り部活動」にも取り組んでいる。

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なお、和歌山市地域婦人団体連絡協議会においても、人権・防災学習の一環として、婦人会リーダー自らが演じる「劇団Q」の活動に取り組む中で、人権問題や地域・家庭の問題などのテーマに「防災ずきん」の作成を盛り込んだ設定の演劇の上演などを行っている。

※(注記)

「稲むらの火」の概要は、以下のとおり。

• 江戸時代(1854年)、安政南海地震による大津波が広村(現在の和歌山県広川町)を襲った。大津波が襲った際、濱口梧陵(当時儀兵衛、35才)は暗闇の中で逃げ遅れていた村人を、「稲むら」に火を放って高台にある神社の境内に導き、多くの命を救った。
• 上記実話は、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)による「A Living God」、中井常蔵による「稲むらの火」などにまとめられ、戦前には小学校教科書にも掲載された。
• 現在でも、小学校の道徳副読本に掲載されるなど、子どもたちに対する防災教育用教材として、広く活用されている。