「人の心の温かさに感激」

南海地震(昭和21年12月)

人の心の温かさに感激

(徳島県海部郡 70代 女性)

津波も引いて、家のようすを見に行ったら、下に置いてあるものは、ふとんも畳もみんな浮いていました。

でも、親子4人が無事だったから、それだけで有り難いと思いました。「家のことは、また何とかなるだろう」と父も言って。

家で炊事ができるようになるまで、1週間から10日ぐらいかかりましたね。いつまでも山の人たちにお世話になるわけにもいかんし、2階は水につからず、ふとんも置いてあったから、2階で寝起きすることになりました。

私が小さいころ、うちは小さな宿屋をしていたんですが、その時のお客さんが二人ほど、野菜とお米とお金も持ってきてくれました。10年ぐらい経って、それも戦後の品物がない時にね。

当時、それこそ貧乏暮らしで、津波でみんな流されて、ほんまに1円もなかったんですよ。どのぐらいのお金か私は知りませんけど、涙が出るぐらいありがたかった。今でも思い出すと涙がでます。

私は、あの時のふとんを、記念に1枚、今でも家に置いてあるんですよ。

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