平成30年7月豪雨生活・生業再建支援パッケージ


平成30年7月豪雨 生活・生業再建支援パッケージ
(1)生活の再建
 廃棄物、がれき、土砂の処理
 住宅再建等
 金融支援等
 切れ目のない被災者支援
 観光業の風評被害対策
 地域の雇用対策
・廃棄物、がれき、土砂の処理や被災した廃棄物処理施設の復旧に対し
市町村等への的確な財政支援
・まちなかの廃棄物、がれき、土砂を市町村が一括撤去できる制度構築
・被災者自らが廃棄物、がれき、土砂を撤去した場合の費用を事後請求
できるよう、運用上の取扱いを明確化
・生活福祉資金貸付の貸付対象を被災世帯にも
拡大するとともに、償還期限を最大2年まで延長
・保険料減免等の特別措置を実施した保険者・自治体に対して財政支援
・被災者の方々に対する応急仮設住宅の供与、住宅の応急修理
・応急的な住まいの提供可能戸数を一元的に把握し、被災者に情報提供
・住居が全壊した世帯等に対して最大300万円の
被災者生活再建支援金を支給
・住宅を失った方のため、災害公営住宅の整備
・孤立防止等のための見守り、日常生活上の相談支援、心のケア等
・専用の消費者相談ダイヤルの周知を図るとともに、架空請求対策を実施
(4)災害救助
 応急救助
 自衛隊の活動
・避難所の設置、飲料水供給、応急仮設住宅の供与、住宅の応急修理等(一部再掲)
・災害援護資金の貸付け、災害弔慰金の支給
・自衛隊の災害派遣活動等を通じ、がれき処理、防疫、
入浴、給水支援等の実施
・宿泊料金等の低廉化(1人1泊当たり最大6,000円)を支援し、今夏より、被災地域の
観光需要を迅速に喚起
・SNSやメディア等を通じ、正確な被災地情報等を発信
・雇用調整助成金の受給要件の緩和、助成率引上げ
(中小企業2/3→4/5、大企業1/2→2/3)等
・雇用保険の失業手当について、災害による事業所の休業
で賃金を受け取れない場合等にも支給
1.基本方針
 被災地の生活・生業の再建に向け、緊急に対応すべき施策を取りまとめ、速やかに予備費等で対応を進めていく。今後も、本パッケージに基づ
き、被災者の安心感を確保し、被災自治体が財源に不安なく安心して復旧・復興に取り組めるよう、随時、予備費等の措置を講じていく。
 地域ごとの災害の特性を踏まえたきめ細かな災害応急復旧を早急に進めていくとともに、被災した中小企業等が事業継続に向けて予見性と希
望をもって取り組めるよう、被災地における地域経済の再生に向けた寄り添い型の支援を迅速に実施する。
2.緊急対応策
(3)災害応急復旧
 災害復旧事業の迅速化
 河川の浚渫、樹木の撤去、岩・土砂等への対応
・被災自治体の災害査定に要する業務、期間等を縮減する等、公共土木施設等、
水道施設、学校・社会教育施設、医療・福祉施設等の災害復旧事業を迅速に実施
・国管理河川改修等を迅速に行い、県管理河川も、国が積極的
に技術的支援を行いつつ、防災・安全交付金等を活用して支援
・二次災害の懸念のある岩・土砂の応急対策を早急に実施
 中小企業・小規模事業者の支援等(「寄り添い型支援」の創設)
 農林漁業者の支援(営農維持・一日も早い経営再開)
・グループ補助金:被害を受けた中小企業等グループが復興事業計画を作成し、認定を
受けた場合に施設等の復旧費用を補助(最大3/4)。事業者負担分は無利子融資
・持続化補助金:個社への補助上限額を50万円から最大200万円に引上げ。機械・車両
購入・店舗改装、再開時の広告宣伝まで幅広く補助(2/3)。事業者負担分(1/3)も支援
・日本公庫の低利融資枠の拡大による資金繰り支援や商店街補助金等を措置
・共同集出荷施設・農業用ハウス・機械の再建、農薬・肥料の購入等の支援
・農地・農業用施設等の農林漁業関係施設の早期復旧
・果樹の植替(かんきつ:23万円/10a等)、未収益期間の支援(22万円/10a)
・農業用ため池の緊急点検・応急整備
(2)生業の再建
平成30年7月豪雨
被災者生活支援チーム 1平成 30 年7月豪雨 生活・生業再建支援パッケージ
平成 30 年8月2日
平成 30 年7月豪雨被災者生活支援チーム
1. 基本方針
平成 30 年 7 月豪雨の発生から 1 か月が経過しつつある中、これまで、
被災自治体等とともに、夜を徹して人命の救助・捜索活動にあたってき
たほか、道路や水道等の生活インフラの復旧、及び復興の妨げとなる大
量の災害廃棄物の撤去等に全力で取り組んできた。
また、
被災された方々
の命を守るため、暑さ対策にも配慮しつつ、生活必需品やクーラー等の
物資を、予備費を活用してプッシュ型で調達、配送し、更に、生活再建
の前提となる罹災証明書の早期発行や当面の住まいの確保、被災された
中小企業・小規模事業者の不安に寄り添った当座の資金繰り支援等に、
スピード感を持って取り組んできた。
今回、政府として、被災地の生活の再建と生業の再建に向け、緊急に
対応すべき施策を取りまとめ、速やかに予備費等で対応を進めていく。
さらに、今後も、被害の実態が明らかになるにつれて顕在化する課題に
もしっかりと対応し、本パッケージに基づき、被災者の安心感を確保す
るとともに、被災自治体が財源に不安なく安心して復旧・復興に取り組
めるよう、随時、予備費等の措置を講じていく。
あわせて、迅速な災害査定の実施を図り、二次災害を防止する観点か
らも、地域ごとの災害の特性を踏まえたきめ細かな災害応急復旧を早急
に進めていくとともに、被災した中小企業等が事業継続に向けて予見性
と希望を持って取り組めるよう、被災地における地域経済の再生に向け
た寄り添い型の支援を迅速に実施する。
政府としては、引き続き、被災自治体等とともに、被災者の目線に立
ち、一日も早い被災地の応急復旧、生活の再建、そして生業の再建等に
全力を尽くしていく。
また、今回の被災地以外も含め、今後、起こりうる豪雨や台風等への
対応に万全を期し、被害の発生を最小限に抑えるよう、関係機関が一体
となって取り組む。 22. 緊急対応策
(1)生活の再建
しろまる廃棄物、がれき、土砂の処理
今般の災害によって生じた廃棄物、がれき、土砂の収集・運搬・処
分、
被災した廃棄物処理施設の復旧を行う市町村等に対して的確に財
政支援を行う。
従来、廃棄物、がれき、土砂の処理は、各省毎の支援制度に基づき
個別に実施されてきたが、
今般、
まちなかに堆積した廃棄物、
がれき、
土砂を迅速に撤去し、
被災者の方々の生活や生業の早期再建につなげ
るため、国土交通省と環境省が連携して、撤去に関連する支援制度を
一体的に運用することとし、市町村が地区単位で堆積した廃棄物、が
れき、土砂を一括撤去し、その費用を事後的に両省間で精算すること
を可能とする、新たなスキームを構築する。
これと併せて、被害の大きい地区での工程表作成、関係府省のリエ
ゾン等による技術支援、
手続きの簡素化や自治体の実質的な負担軽減
などを実施する。
また、被災者自らが廃棄物、がれき、土砂を撤去した場合の費用を
事後請求できるよう、制度の運用上の取扱いを明確化し、こうした運
用を周知・徹底することにより、廃棄物、がれき、土砂の迅速な撤去
を図る。
しろまる住宅再建等
被災者の方々に対し、応急仮設住宅の供与、住宅の応急修理といっ
た応急救助を行う。また、被災者が利用可能な応急的な住まい(公営
住宅、UR賃貸住宅、国家公務員宿舎、民間賃貸住宅、旅館・ホテル
等)の提供可能戸数を一元的に把握し、被災者に情報提供する。
住居が全壊した世帯等に対して最大300万円の被災者生活再建
支援金を支給することにより生活基盤の再建を支援する。さらに、今
般の災害により住宅を失った方の恒久的な住まいの確保のため、
災害
公営住宅の整備を進める。
しろまる金融支援等
通常は低所得世帯等に当座の生活費等の貸付けを行う生活福祉資 3金貸付について、貸付対象を被災世帯にも拡大するとともに、償還期
限を最大2年まで延長する等の貸付条件の緩和などの特例措置を実
施する。
医療保険や介護サービス等における窓口・利用者負担や保険料の減
免等の特別措置を実施した保険者・自治体に対して財政支援等を行う。
被災の影響により、住宅ローン等の既往債務を返済できなくなっ
た被災者について、
「自然災害による被災者の債務整理に関するガイ
ドライン」を活用した債務整理を円滑に進めることにより、生活再
建に向けた動きを後押しする。
しろまる切れ目のない被災者支援
仮設住宅に入居する被災者等が安心した日常生活を営めるよう、孤立防止等のための見守りや日常生活上の相談支援等を行うとともに、
被災地における心のケアや修学・学習等の支援を行うなど、被災者に
対する総合的な支援を推進する。あわせて、被災地・避難所における
感染症の発生予防やまん延防止等を進める。
また、生活再建に取り組んでいる被災者の方々の安心確保のため、
専用の消費者相談ダイヤルの周知を図るとともに、
架空請求対策を着
実に実施する。
さらに、被災地の物資や旅客輸送を円滑に行うため、渋滞対策を実
施する。
(2)生業の再建
しろまる中小企業・小規模事業者の支援等
今般の災害により被害を受けたことによって、
仮に中小企業等の多
くが事業継続を断念する事態となれば、
当該中小企業等にとどまらず、
被災地域の経済・雇用にとって大きな打撃となる。このため、事業継
続について被災中小企業等の心が折れることのないよう、
被災中小企
業等が事業継続に向けて予見性と希望を持って取り組むために必要
な復旧・復興支援策を、
被害の実態に応じて十分に講じていく。
また、
被災中小企業等のニーズにきめ細やかに対応する「寄り添い型支援」
を創設する。
具体的には、
被災中小企業等がグループで復興事業計画を作成して
認定を受けた場合に、工場・店舗などの施設や、生産機械などの設備 4の復旧費用を補助(補助率:最大3/4)するグループ補助金を、特
に被害が甚大だった岡山県、広島県、愛媛県について措置するととも
に、残りの事業者負担分についても、無利子融資による支援を行う。
また、被害を受けた事業者が個社であっても生産機械・冷蔵庫・車
両購入・店舗改装、事業再開時の広告宣伝まで広く補助(補助率:2/3)する持続化補助金を災害救助法が適用された全ての府県につい
て措置するとともに、残りの事業者負担分についても、小規模企業共
済制度による無利子融資や、
マル経融資の災害対応特枠による低利融
資をはじめとする支援を行う。
加えて、
直接被害を受けた事業者に対する日本政策金融公庫の融資
金利を 0.9%引き下げる枠の1千万円から1億円への拡大、既往債務
の返済繰延べや債務カットに必要な事業再生計画策定や債権者調整
などの資金繰り支援の拡充、アーケードや電灯の改修(補助率:最大
3/4)から、仮設店舗の設置(補助額:定額)
、集客イベントの開催
(補助額:定額)までを支援する商店街補助金等、SS(サービスス
テーション)等の機能回復等を被害の実態に応じて措置する。
そして、これらの措置について、持続化補助金の補助上限を従来の
1件 50 万円から個々の中小企業等の被災の程度等に応じて1件 200
万円まで引き上げるなど、
被災中小企業等のニーズに応じて柔軟かつ
きめ細やかに対応するとともに、
被害の実態が明らかになるにつれて
顕在化する課題にもしっかりと対応する、寄り添い型で支援を行う。
しろまる農林漁業者の支援
今般の災害により被災された農林漁業者の方々が離農することに
なれば、当該農林漁業者の方々のみならず、地域の主要産業である農
林水産業、ひいては地域経済に大きな影響を与えることとなる。この
ため、
一日も早く被災された農林漁業者の方々が経営再建できるよう
に総合的な対策を講ずる。
具体的には、今般の災害により被害を受けた農地・農業用施設等の
農林漁業関係施設の早期復旧の支援、
下流の家屋等に被害を与える可
能性のある全ての農業用ため池の緊急点検・応急整備、航空レーザ計
測により被災地域を広域かつ迅速に把握・分析し、被災地域の二次災
害防止等の対策を検討するための調査を行う
(国が実施
(全額国費))。
また、共同集出荷施設、農業用ハウス・機械の再建を支援する。 5用配水施設被害によってかん水(水やり)ができない果樹の樹体保
護のためのせん定作業(補助額:上限 5,600 円/人・日)
、収穫物運搬
設備復旧までの間の運搬、被害果樹の植替え(補助額:かんきつ:23
万円/10a、ぶどう・もも・なし等:17 万円/10a)や植替えに係る収益
の無い期間に要する肥料代・農薬代等の経費(補助額:22 万円/10a)
を支援する。
被災に伴い追加的に必要となる農薬・肥料、種子・種苗の購入、被
災していない他の集出荷施設へ農産物を輸送する経費(補助額:上限
7,000 円/トン)
、不足する粗飼料の購入(補助額:上限 5,000 円/トン)、畜舎の補改修、家畜導入等の経費等を支援する。
農業水利施設等の復旧と併せて行う水管理・維持管理の省力化や長
寿命化対策、防災減災対策等の取組を支援する。また、農地等の復旧
等と一体的に行う大区画化、畑地化などの耕作条件の改善や、高収益
作物への転換等を図る取組、被災した鳥獣被害防止施設の復旧・再整
備等を支援する。
また、被災した木材加工流通施設、特用林産振興施設等の復旧・整
備などの林野関係の支援、漁場等に堆積・漂着する流木の回収・処理
などの水産関係の支援を行う。
被災農林漁業者の運転資金、
被災した施設の復旧のための資金の貸
付利子の5年間実質無利子化等を実施するとともに、農業共済、森林
保険、漁業共済・漁船保険について、損害評価を迅速に行い、共済金
等の早期支払を実施するなどきめ細かく、
被災農林漁業者に寄り添っ
て支援を行う。
しろまる観光業の風評被害対策
風評被害の払しょくに向けて、
被災地域における周遊旅行等の需要
を迅速に喚起するため、今夏より、宿泊料金等の低廉化(1人1泊当
たり最大 6,000 円)を支援する。
SNSやメディア等を通じ、
被災地域における観光地としての魅力
と正確な被災地情報を発信するとともに、
被災地域での観光客の消費
拡大に向けて、各種専門家の派遣等も活用した、地域資源の磨き上げ
や地域産品等のプロモーションの支援を行う。また、旅行会社向けの
商談会の開催や被災地域への招請等を通じた誘客促進を行う。 6しろまる地域の雇用対策
事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、
休業等により従業員の
雇用を維持した場合に支給する雇用調整助成金について、
受給要件を
緩和するとともに、助成率の引上げ(中小企業は2/3→4/5、大
企業は1/2→2/3)等を行う。
また、雇用保険の基本手当(失業手当)について、事業所が災害で
休業したことにより、
労働者が休業し賃金を受け取ることができない
場合等についても支給する。
(3)災害応急復旧
しろまる公共土木施設等の災害復旧事業の迅速化
公共土木施設等について、机上査定限度額の引上げ、現地において
決定できる金額の引上げ、設計図書の簡素化を含む「大規模災害時の
災害査定の効率化」の事前ルールを適用し、被災自治体の災害査定に
要する業務や期間等を縮減するなど、順次、災害復旧事業を迅速に進
める。さらに、公共土木施設等とともに、鉄道施設、水道施設、工業
用水道施設、学校・社会教育施設、医療施設や社会福祉施設等の災害
復旧事業についても迅速に進める。
また、
緊急災害対策派遣隊
(TEC-FORCE:テックフォース)
等が被災
した公共土木施設に対する応急措置及び復旧工法等の指導・助言を行
うことにより、災害復旧事業の迅速な実施を支援する。
しろまる河川の浚渫、樹木の撤去等への緊急対応
土砂の堆積や樹木の繁茂等により流下能力が不足している河川に
ついては、国管理区間について迅速に河川改修等を行うとともに、都
道府県管理区間については、国が積極的に技術的支援を行いつつ、防
災・安全交付金等を活用して支援する。
また、今回の豪雨で明らかになった課題を踏まえ、昨年に実施した
河川の点検を更に深掘りしていく。
しろまる二次災害の危険のある岩・土砂への対応
渓流内に残存する岩・土砂の流出による二次災害への懸念に対し、
監視態勢の確保や通常の降雨による流水を安全に流す流路整備等の
応急対策を早急に実施するとともに、災害関連事業等により、順次、 7砂防堰堤等の整備を迅速に進める。
上記のうち、被災自治体において実施する応急対策等に対しては、
国が積極的に技術的支援を行う。
(4)災害救助
しろまる応急救助
被災者の方々に対し、避難所の設置、炊き出しや飲料水の供給、応
急仮設住宅の供与、
住宅の応急修理といった応急救助を行うとともに、
生活再建のための災害援護資金の貸付けを行う(一部再掲)。また、今般の災害により死亡した住民の遺族に対し、災害弔慰金の
支給を行う。
しろまる自衛隊の活動
自衛隊による災害派遣活動やそのための態勢確保等を通じ、
がれき
の処理や防疫、入浴、給水支援などを実施する。

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