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業務局 総務課 総合企画グループ
大学では政治学を学んでいたこともあり、物価の安定、金融システムの安定を通して人々が安心して暮らせる社会を支える、という中央銀行が担う公的役割に魅力を感じ、日本銀行を志望しました。
現在は業務局総務課総合企画グループで、RPA(Robotic Process Automationの略、人手で行っていた操作を自動化するPC上で稼動するソフトウェアロボット)を用いた業務効率化に携わっています。RPAはデータ入力や情報の取得等、様々な作業をロボットに代行させることができるため、多くの民間企業でも導入が進んでおり、「銀行の銀行」「政府の銀行」の実務を担う業務局においても、人手に替わる手段として、金融機関や官庁との取引実務に積極的にRPAを活用しています。
特に苦労した案件として、「伝票の自動入力RPA」の開発があります。
国庫金の受払で用いる伝票は、従来、人手でシステムに入力しており、その数は毎日100件近くにおよんでいました。RPAの開発案件は、この入力について、伝票を専用のOCRスキャナでデータ化したうえで自動化する、というものです。着任直後ではありましたが、OCRスキャナとRPAの組み合わせは、日本銀行初の取組みという中で、事務フローの検討から開発作業までほとんどの作業を主担当者として任されました。全くの手探り状態で開発に取り掛かり、当初は伝票上の数字の読取率が悪いなど困難な状況もありましたが、チームのサポートもあり、試行錯誤を重ねた結果、何とか完成させることができた時には、非常に達成感がありました。
現在業務局では13個のRPAが稼動しています。開発・維持管理を通じて、ユーザーから「RPAのおかげで作業がとても楽になった、ありがとう」と言っていただくことも多くあり、非常に嬉しく感じるとともに、ユーザーの役に立てることで自身の成長も実感します。
自身の業務が、政府や民間企業ではどのように進められているか、非常に興味を持ちながら仕事に取り組んでいます。
業務局内でRPAを活用した業務効率化に携わる身として、政府や民間企業でのRPA活用を含めた業務の効率化・合理化事案には常にアンテナを張り、業務局でも応用できるアイディアがないか、様々な媒体を通じ情報収集に努めています。
2022年には金融機関との間で行う書類の授受をオンライン化する大規模なシステムが稼動予定で、現在はそのシステムにかかるRPAの開発も行っています。局内の大多数がユーザーとなる規模の大きいRPAとなるため、ユーザーの声は勿論、様々なRPA活用事例等も参考にしながら、使い勝手の良いRPAを提供できるよう、尽力したいと思っています。
入行後は、業務局の統括課と国庫業務課で、「銀行の銀行」と「政府の銀行」の実務を経験しました。「日銀ネット」と言われる日本銀行と金融機関を結ぶ決済システムの運行管理や、国庫金の支払事務等に携わる中で、何兆円もの金額を動かす仕事や、年金や給付金の支払いといった国民の生活に直結する仕事も担当し、生活に欠かすことのできない業務に携わる使命感、やり甲斐を感じました。同時に、影響力が大きくミスが許されない業務のため、事務を堅確に取り扱う力やチームプレーを身につけられたと感じます。
また、現在携わっているRPA業務を通じて、スキルだけでなく、ユーザーのニーズを実現するにはどうすれば良いか、あらゆる可能性を考える思考力や交渉力も身についたと考えます。
これまで培った経験を生かし、周囲の先輩方のように、その道のエキスパートとして信頼される中央銀行員となれるよう、研鑽を重ねたいと思っています。