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【特定職(専門分野特定タイプ)】田中 香林

【特定職(専門分野特定タイプ)】
法律専門
田中 香林

業務局 総務課 営業・国債業務企画グループ

2014年4月 業務局入行 総務課 営業・国債業務企画グループ

学生時代は、法学部で学び、特に民事に関する様々な手続きに関する法律をゼミ等で専攻してきました。就職に際しては、こうした専門性を活かして、社会に広く貢献できる仕事がしたいと考える中で、日本銀行の法律専門職に出会いました。

日本銀行は、「政府の銀行」として国庫金の受払に関する事務を取扱っていますが、このほか法令に基づき、国が発行する債券である「国債」に関する事務を取扱っています。一口に国債に関する事務といっても、企業の発行する社債と同じルールによって取り扱う事務もあれば、国債ならではのルールに基づく事務もあり多岐に亘ります。私は入行以来、これらの業務の企画に、様々なプロジェクト(例えば、債券投資に関する課税方法の見直しに伴い、国債の元利金を支払う際の税の徴収にかかる仕組みの変更など)を通じて携わってきました。

これらのプロジェクトでは、主に、日本銀行や国債を取扱う金融機関等が効率的かつ確実に事務を実施するための仕組みづくりや、そうした事務の根拠となる手続き(規程)の作成を担当してきました。

国債に関する事務は、国、金融機関、業界団体、国民の方々を含めて関係者が多岐にわたります。この中で新たな事務を構築したり、既存の事務を変更するために常に求められるのが、法令や各種制度に関する正確な知識はもちろん、異なる立場に沿った視点を持ちつつ、論理性をもって妥当な結論を見出し、関係者を説得する力であると感じています。

例えば、私が近年携わったプロジェクトに、海外の資金決済システムと日本銀行が運営する国債の決済システムを繋ぎ、外貨と日本国債の受渡しを同時に行うための仕組みづくりがあります。これは日本で初めて実現される決済の仕組みということから、手探りのことも多い中で、必要となる手続きについて1つ1つ法令上の論点の有無を検討し、海外を含む様々な関係機関との調整に尽力してきました。途中、様々な苦労もありましたが、予定どおり、制度開始にこぎつけた際には、今まで自身が大切であると考えてきた力の重要性を再認識すると同時に、自身の成長と、大きな達成感を感じることができました。

現在、私が担当している主なプロジェクトの1つが、金融機関との間で授受する書面の電子化や押印の見直しです。金融機関との間で行う取引や手続きについては、既に効率化のための取組みが多くなされてきましたが、近年の政府の取組み方針や、対面取引の削減等に関する社会的な要請もあって、一層の検討を加速させているものです。現行の手続きが採られている背景や金融機関ごとに異なる様々な事情を適切に理解しつつ、社会情勢の変化や技術革新に常に敏感であることで、時代に沿った効率的かつ確実な手続きの在り方を考えていきたいと思っています。大学で民事に関する各種手続きを専攻してきた自分がこうした仕事に携わることができたことに、とてもやりがいを感じています。

様々な点で変化が大きい現代社会において、今後、日本銀行も一層の変革や柔軟性のある対応を求められると考えます。

各種の法令や金融制度の知識を更に深めつつ、その変化を的確にとらえて、既存の仕組みに過度にとらわれることなく、新しい制度の創設や現行制度の見直しを進めていくことができる人材でありたいと思っています。この点、日本銀行という職場の魅力の1つは、才に溢れた知的な上司・同僚・後輩が多く、自らの提案や問題提起に真摯に向き合い、課題解決のために共に協力し合う環境があることだと感じています。高い志を持った仲間と共に、自らの専門性にも磨きをかけながら、時代に応じた仕組みづくりに貢献していきたいと思います。

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