ページの先頭です。
清華大学 (現 名古屋支店 営業課 経済調査グループ)
私は、大学ではゼミで国際経済学を中心に学びました。そこで経済理論を学びつつ、政策提言に関する論文を執筆する中で、「物価の安定と金融システムの安定という公的な使命を達成する」という日本銀行の役割を知り、自分もその中に身を置き、日本経済に貢献したいという思いを抱き、日本銀行を志望しました。
入行後に配属された金融機構局では、地域金融機関のモニタリングに従事しました。支店で約1年間、産業調査を経験したのちに配属された金融市場局では、為替市場や債券市場のモニタリングを経験しました。これらの仕事の経験が生かされたと感じたのは、2020年入り後、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、わが国債券市場も含む各金融市場が大きく変動した時のことです。当時は、激変する市場環境下、市場参加者の方々と意見交換、情報収集をし、市場の動向をタイムリーに把握、適切に行内に還元するという仕事の一部を担うことになりました。そうした際、様々な方々とヒアリングをしてきた経験、日々の市況を報告する中で培った技術が、時間に制約のある中でも的確な報告をすることに生かされたと感じています。
私は金融市場局への配属の後、留学の機会を得ることができ、2020年7月から、2年間のプログラムで中国に留学しています。1年目は、上海交通大学において中国語を勉強しました。同大学には、世界各国から留学生が集まっており、こうした異文化の学生と交流・切磋琢磨する中で、中国語の運用能力を高めることができました。
2年目の現在は、清華大学の五道口金融学院に移り、経済理論のほか、中国の金融・経済に関する専門科目を履修しています。1年目と異なり、学生はほぼ全て中国人となっています。授業はもちろん、中国人学生との討論はすべて中国語であり、不安を感じる毎日ではありますが、日々彼らから刺激を受け、勉強に励んでいます。プレゼンに向けたグループワーク等を通じた議論において、現地学生の優秀さには驚かされることが多いのですが、私も日本銀行での経験・知識等を還元し、貢献できるように努めています。このほか、授業では当然中国に関することについて多く学ぶのですが、彼ら中国人ならではの視点からみた米国や日本について言及されることも数多くあり、自らの視野を広げるチャンスになっていると感じています。
留学後は、留学中に得た中国語力、経済理論の知識や経験をもとに、日本銀行の中国関連業務に貢献し、さらにはそれにとどまらず、日本・世界の金融システムの安定化に貢献していきたいと考えています。今後、様々な仕事に従事し、新たな経験、苦労をすることになると思いますが、そうした中でも、中央銀行員として、公的な使命のもと日本経済の発展に貢献するという志を忘れることなく、日々の業務に取り組んでいきたいと考えています。