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【総合職】福田 依理

【総合職】福田 依理

国際通貨基金(IMF) 日本理事室 理事補 (現 決済機構局 決済システム課 デジタル通貨企画グループ 主査)

2014年4月 国際局入行 2015年1月 福岡支店 2016年4月 発券局 2018年6月 米国シラキュース大学大学院留学 2019年7月 金融市場局 2021年9月 国際通貨基金(IMF)出向

現在、私は出向先であるIMFで、日本理事室のメンバーとして、金融・経済の安定に資するため国際的な議論の一助となるべく働いています。学生時代、ぼんやりと「金融・経済の安定」という公的使命に憧れを感じ志望したものの、私は大学では政治専攻で、入行当時は、中央銀行について圧倒的な知識不足。この間、上司や先輩からの指導のもと、国際収支や地域経済、現金流通から市場調節まで、業務の最前線での経験を積んできました。そうした経験や、今、IMFでの世界各国の課題の議論を通して、日銀を取り巻く状況についても以前よりも広い視座で捉えられるようになっていると実感します。

例えば、金融面でも対応が叫ばれている気候変動分野に関しては、日銀でも新たに気候変動対応オペを導入していますが、IMFでも強靭性・持続可能性トラストを創設し各国への支援を試みるなど、世界共通の普遍的なイシューであることを感じます。また、発展途上国のサーベイランスを通しても、日銀のどの業務も「金融・経済の安定」にとって不可欠だけれども、日銀の存在自体に意義があるのではなく、日々の業務の積み重ねと、それを通じた信頼の維持が重要と痛感しています。

IMFの各国の理事室は、世界の中央銀行や政府当局からの出向者で構成されており、業務内ではもちろん、それ以外でも積極的に交流するように心がけています。特に中銀出身者とは、それぞれの国の金融事情について議論することもあり、こういった出向はネットワーキングの良い機会だと思っています。

また、出向前の所属ではオペ等の金融政策手段の制度設計に携わっていたこともあり、最近はIMFでの担当業務の中でもファシリティの制度設計について、中銀の政策との比較の視点からも関心を持って取り組んでいます。前提となる違いとして、IMFのファシリティは金融政策手段とは異なり、国際収支上の危機への対応を目的としています。それ以外にも財源・財務の性質の違いや、各国の国内法・外交上の事情も絡んで、金融政策手段とはまた違った制度設計の難しさがあり、大変興味深く感じています。

仕事を通じて得た人との繋がりを大切に、どの業務においても、従来のやり方に囚われず新たな課題に取り組む、オープンマインドな中央銀行員でありたいと思っています。中央銀行の役割は伝統的な面も大きいですが、ここ数年でも、デジタル通貨や気候変動対応等、中銀業務のフロンティアは凄まじい勢いで拡大していると感じます。この先も想像しないような変化があると思いますが、金融インフラや金融政策の絶え間ない進化に取り組む重要性を忘れずにいたいと思います。

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