川崎医療福祉大学 学長椿原 彰夫Tsubahara Akio
人のために役立つ職業に就きたいと考えている高校生の皆さん、本学で「医療福祉人」への道を目指してみませんか?世界中には、社会的に不利な立場に置かれているさまざまな人々がいます。たとえば、病気や障害で不自由な生活を強いられている方々や、障害児あるいは認知症者の介護とケアに苦労している方々、貧困によって食生活を脅かされている人々、親を失ったために心の支えをなくした子ども達、戦争や民族紛争などによって生活の基盤を失った難民など、種々の人々が苦痛を抱いて生活しています。私たちは、自分の利益ばかりを考えるのではなく、「弱者」と呼ばれるこれらの人々への支援が重要であると考えるべきではないでしょうか?川崎医療福祉大学では、特に、心身の健康や福祉を護れる専門的職業人を育成し、その能力を獲得した人々を「医療福祉人」と呼んでいます。
「医療福祉人」という言葉は、川崎学園創設者の川﨑祐宣先生が昭和の時代に唱えられました。「医療を担うすべての者は、医療のことだけを考える医療人ではなくて、生活の視点からも援助できる医療福祉人でなければならない」との理念によって、1970年(昭和45年)に学校法人川崎学園ならびに川崎医科大学を創設しました。そして、1991年(平成3年)には、医師以外の医療福祉人を育成するために、世界で初めての4年制医療福祉大学として、川崎医療福祉大学を開学しました。
本学では、医療の分野のみでなく、社会福祉や保健、介護福祉、教育など、人の身体や心に関係する分野で働きたいと願う学生に対しても、しっかりとした医学的知識と技術、社会福祉の教育を行います。さらに、患者さんや障害者、高齢者、小児に対して、最良の医療福祉サービスを提供できる力や、優しい心と気配り、懇切丁寧に説明できるコミュニケーション能力、医療福祉チームにおける連携の力を備えたプロフェッショナルを育成しています。
本学には現在、5学部16学科<医療福祉学科(ソーシャルワークコース、初等・特別支援教育コース)、臨床心理学科、医療保育学科、保健看護学科、理学療法学科、作業療法学科、言語聴覚療法学科、視能療法学科、臨床検査学科、診療放射線技術学科、臨床工学科、臨床栄養学科、健康体育学科(保健体育教員・養護教員・救急救命士・健康運動指導士・等のコース)、医療データサイエンス学科、医療コミュニケーション学科、医療福祉デザイン学科>ならびに、大学院(修士課程/博士後期課程)3研究科があります。そして、医療系の専門職を目指す学生には、社会福祉に関する知識も習得するよう求めています。また、社会福祉分野や医療マネジメント分野(医療系事務職員、等)の専門職を目指す学生には、医学と医療に関する学問も併せて教育することとしています。学生には、それぞれの学科に特有の専門資格を取得することを推奨し、国家試験あるいは認定試験に合格して社会へと巣立っていきます。
すべての卒業生は、人のために役立つ仕事に就いて活躍していますが、同時に健康や疾患についての知識も豊富です。そのため、ご自身やご家族の健康を護ることも可能です。具体的には、しっかりとした健康診断を自身も受けることが可能となり、癌や心疾患、糖尿病、高血圧などの生活習慣病の早期発見、早期治療が可能で、優れた医療専門家に関する正確な情報ももっています。そのため、体力を保持して100歳まで豊かな生活が可能です。一家にひとり医療福祉人がいることは、大きな安心につながります。
卒業生の多くは、一般企業で言う大手企業に匹敵する大病院や総合福祉施設、公的機関に就職しています。年収が高いとされているプロのスポーツ選手ほどの高収入は約束できないですが、全業種の平均以上の給与が安定して与えられ、卒業生の生活は生き甲斐で満ち溢れています。医療福祉分野では働き方改革が十分に浸透しており、自身も健康で幸せな家庭生活を送ることが可能です。
本学での教育を希望する高校生の皆さんには、どのような職業に就きたいのかを十分に考えた上で、目標達成への意欲をしっかりと抱いて入学していただきたいと思います。私たち教育者は、すべての入学生が「弱者ファースト」の心をもった一流の医療福祉人へと成長し、それぞれの希望を確実に実現できるよう、最大限の努力を払って教育することをお約束いたします。それによって、患者さんや障害者などの弱者に温かい支援の手が差し伸べられ、真の幸福が得られる国際的な福祉社会を築くことが私たちの願いです。