韓国時代劇は宮廷ものが面白い! 今回紹介する『カンテク〜運命の愛〜』は、これまでに描かれることがなかった"お妃選び=カンテク"という宮廷のしきたりを教えてくれる一作だ。このドラマの魅力や見どころを、6回にわたって、多角的に紹介していく。第5回のテーマは、「正反対の双子の姉妹ウンボとウンギ」。
第5回 正反対の双子の姉妹ウンボとウンギ
しとやかな姉と活発な妹 性格は正反対の双子の姉妹
王妃選びの重要な行事でありながら、公の史料には詳細が残されていない揀択(カンテク)。2017年の第9回ドラマ脚本公募で大賞を受賞した本作は、脚本家が記録にはない彼女たちの戦いは一体どんなものだったのだろう、と興味を抱いたところから発想されたものだという。そして、ヒロインのカン・ウンボが生み出された。
ウンボは王妃の座ではなく、王イ・ギョンと共に銃撃されて命を落とした双子の姉、王妃ウンギの死の真相を求めて揀択(カンテク)に臨む。
ここで効果的なのが双子の姉妹という設定。幼いころにウンボと出会い心引かれたギョンは、彼女の父の名前だけを聞いて、本人の名前を教えられていなかったことから、最初の揀択(カンテク)に参加したウンギをウンボその人だと思い込む。
ギョンから会ったことがあると聞いて、ウンギはそれが自分ではなくウンボなのだろうと薄々感じつつ、王の誤解を解くことはしないまま彼の元に嫁ぐ。年月を経て彼女と再会したことを喜ぶギョンは、昔とは印象が変わってすっかりしとやかになった、と言いながらもよもや彼女が別人だとは思わない。
一方、子ども時代に不慮の出来事から家族と離ればなれになったウンボは、記憶を失ったまま成長し、客の求めるものをなんでも売る、都で知られた情報屋の芙蓉客主となっていた。
自分の才覚を信じて世の中を渡り歩いてきた彼女には、同時に星宿庁の巫女というもう一つの顔もある。巫女のウンボがギョンの遺体に近づいたことで、一度は死んだ彼が蘇生するのは二人の運命を感じさせる場面。
控えめで思慮深いウンギと大胆で向こう見ずなウンボ、顔は瓜二つでも彼女たちの性格は正反対。チン・セヨンが二人を見事に演じ分けた。