HTTP リクエストのログについて
HTTP リクエストの動作
Chrome 端末のデバッグログを解析するには、HTTP リクエストについて理解する必要があります。端末が Wi-Fi ネットワークを見つけて接続すると、新しいページまたはファイルに移動する必要があるたびに HTTP リクエストを送信します。リクエストが成功すると、ユーザーはウェブ上の必要な情報にアクセスできます。ほとんどの端末は、同じ方法で HTTP リクエストを処理します。
以降の記事では、HTTP リクエスト プロセスをステップごとに詳しく説明し、各ステップで成功した HTTP リクエストのサンプルログも紹介します。組織の Chrome 端末ログを分析する際に、これらのログと例を参考にしてください。
標準ログより多くの情報を確認するには、詳細ログを有効にします。ff_debug コマンドと wpa_debug コマンドを使用すると、サンプルログに VERBOSE
を含む追加の行が表示されます。
各ステップの例を解釈する際の前提
最初、端末では Wi-Fi がオフになっています。閲覧履歴、キャッシュ、動的ホスト構成プロトコル(DHCP)の情報はクリアされています。
- 管理対象端末は 2 つのネットワーク(Network1 と Network2)に接続するよう指定されています。Network1 が利用可能であれば、端末は自動的に Network1 に接続するように設定されています。
- 追加のネットワークが最大で 3 つ(Network3、Network4、Network5)あります。
- 読みやすくするために一部の行がログから削除されています。
- 太字の行は、トラブルシューティングの際に役立ちます。
- 理由コードまたはステータス コードを含むログが表示されることもあります。認証解除理由コードとアソシエーション ステータス コードについては、こちらをご覧ください。
冗長ログをオンにする
ff_debug を使用する
ff は FlimFlam の意味で、FlimFlam とは Shill の派生元である接続マネージャです。Shill とは Chrome OS で動作する接続マネージャ デーモンで、ネットワーク接続において多くの役割を担っています。
- Chrome 端末で Ctrl+Alt+T キーを押して crosh ターミナルを開きます。
- 次のコマンドを実行します。
ff_debug +wifi+dhcp+service+device+inet+manager
ff_debug --level -2
wpa_debug を使用する
wpa_debug コマンドを使用すると、wpa_supplicant のデバッグレベルを設定できます。wpa_supplicant とは、スキャン、ローミング、セキュリティ プロトコルを含む 802.11 ワイヤレス接続を処理するツールです。
-
Chrome 端末で Ctrl+Alt+T キーを押して crosh ターミナルを開きます。
-
次のコマンドを実行します。
wpa_debug msgdump
>
wpa_debug excessive