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目の自己回復チャンスは1日2万回ある1時間に1秒行うだけで視力が回復する...目が乾きすぎた現代人に眼科医が勧める"完全まばたき"のすごい効能

疲労、肩こり、目の疲れ。夏の体調管理にまずすべきことは何か。眼科医の綾木雅彦さんは「病は目からやってくる。デスクワークやスマホを見る時間が長い人は、目の保湿機能が平均2割以上も低下している」という――。
スキャンされる目の網膜のイメージ
写真=iStock.com/venuestock
(注記)写真はイメージです

目のトラブルの多くは「涙不足」が原因

多くの人は、まばたきを意識することがさほどありません。

でも、人は1日に2万回、まぶたを閉じたり開いたり、つまり「まばたき」をしています。その理由は、とても単純。目は、閉じるたびにダメージから回復するからです。

試しに、上まぶたを完全におろし切って、下まぶたとしっかり1秒、くっつけてみてください。そして、目を開けてみましょう。いかがですか。目がすっきりして、手元、あるいは遠くがくっきり見えてきたのではないでしょうか。

目は、涙によって守られています。目を開けたままでいると乾燥してしまうので、それを防ぐために、私たちはまばたきをするのです。

人の涙は、「油層」「水層」「ムチン層」の3つの層から成り立っています

最も表面を覆う「油層」は、涙が蒸発するのを防ぐ役割があります。この油は「マイボーム腺」という、まぶたの際にある器官から分泌されます。

真ん中は、涙の約98%を占める「水層」。おもに水分ですが、たんぱく質や酸素、脂質なども含まれます。

3つめの「ムチン層」は粘り気のあるムチンからなっていて、涙が流れ落ちないよう、目の表面(角膜)に糊のように粘着しています。

以上、涙の3つの層が何らかの理由で均一でなくなり、目の表面からなめらかさが失われてデコボコになると、光が適正に目に入らず、散乱します。すると、目がかすんだり、見えにくくなったり、まぶしさを感じたりするのです。

まばたきが減っている現代人

想像以上に涙液の分泌が大事なことが、おわかりいただけたかと思います。

この分泌かつ涙液を均一に目の中に広げる方法、それが、まばたきです。

十分に涙を生み、3層の成分をきちんと整えて眼内にゆき渡らせることは、まばたきにしかできないのです。

「人は1日に2万回、まばたきをしている」と先述しましたが、実は、現代人はまばたきの回数が減っています。すると、目は涙が不十分になって乾いてしまい、それによってさまざまな目のトラブルが生じてしまいます。

まばたきの回数が減っている主な原因は、「ストレス」と「スクリーン(デジタル画面)の凝視」。この2つといえるでしょう。

忙しく仕事に追われていたり、人間関係で頭を悩まされたりなど、ストレスがかかって緊張していると、自律神経のうちの交感神経が優位になります。

交感神経が優位になると目が開き、まばたきの回数が不十分になります。さらに、涙の分泌量も減ってしまいます。

また、パソコンやスマホなどの画面を凝視するなど、集中してものを見ていると、おのずとまばたきが減ります。

オフィスで長時間パソコンと向き合っていたり、スマホのゲームに夢中になったりしていると、目がパシパシと乾く感覚を覚えることがありませんか。それが「ドライアイ」です。では、ドライアイについて詳しく説明しましょう。

掲載: PRESIDENT WOMAN Online

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