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コロナ後の米・中・日経済どうなるコロナ収束後、2010年代という「世界史的バブル」がはじけるワケ

G7各国が国境封鎖や都市封鎖を進めている。もう自由に外出できる先進国は少ない。一方で、金融筋を中心に、この騒動が過ぎれば経済はV字回復をするという読みが語られている。確かに、リーマンショックの時、ギリシャショックや震災が続いた欧州と日本をしり目に、アメリカと中国の経済は急回復を見せた。ただし――。「今回はその逆。米中の回復が遅れ、そして世界全体は『バブル期』が終わったことに気付くはずだ」とジャーナリストの海老原嗣生さんは断言する。
世界的な流行と経済的影響
(注記)写真はイメージです(写真=iStock.com/Ca-ssis)

コロナ前、米国市場で起きていた本当のこと

株価の目安としてPERという指標がある。株価の時価総額と利益のバランスを見たもので、ざっくり言えば、1円利益を上げるのに、いくらの投資が必要か、と考えればいい。標準的には13〜16圏に収まる。日欧中はほぼここに入る。つまり株価は妥当。対して米国は2月時点で22とかなり高かった。それでもバブルの頃の日本は80とかだからそれよりずっと低かったが、ただ、その上がり方がとても「悪い」。

簡単に言うと、中央銀行が市場操作で金利を下げると、株価は上がる。それは以下のようなメカニズムとなる。

1企業が金を借りて投資を行い成長する。
2利子が低いから皆、貯金より株に金を回す。

ここまではまあ、良い意味の株価上昇だが、昨今米国で起きていたのは、別の株高。

それは、

3金利が安いから借金してお金を用立てし、その金で自社株を買う。

これで株の買い手が増えればまず株価は上がるし、結果、市中に出回る株数が減れば、希少価値が高まり、また、1株当たりの配当も増えるので、ますます株価が上がる。

何でそんなことをするかというと、経営者はストックオプションにより安価で自社株を調達できるので、株価が上がればそれを売って大儲けできるからだ。

さらに金融工学はとんでもないいたずらをしている。そういう企業の借金(社債)は、集められて他社の社債と混ぜて証券にして売られるのだ。トランシェ(切り身)なんて呼ばれていたが、今じゃそれは、ミンチにされたハンバーグだ。一般市民は、低金利で貯蓄しても利子がもらえないから、そんな危ないハンバーグを買う。こうしてよこしまな経営者は、いろんな人からの出資でたやすく借金ができ、それで自社株を買う。トランプはそのサイクルをうまく利用して株高を演出した。

掲載: PRESIDENT WOMAN Online

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