精液検査を受けたくなるデータ
妊活女子のお悩みの常連といえば、「夫が検査を受けてくれない」というもの。そこで吉川さんが用意したのが、精子の真実を伝えるデータです。こちらは、WHOが発表した自然妊娠するための最低ラインを示した「精子の基準値」。
正常な精子は4%以上で基準値クリア
「実は男性も、自分の精子についてほとんど知らないんです。学校の性教育で習うのって、丸い頭に尻尾がついたおたまじゃくしみたいな精子が、一回の射精で一億匹出ます、といった程度。それがすりこまれていて、『元気なニョロニョロが大量に発射されて、そのなかで最強のヤツが卵子にたどり着く』と思っている男性が多数派です。
でも、実際には、動かない精子もいれば、頭が2つあったり尻尾がちぎれたりした奇形の精子もいる。WHOの基準では、正常な精子が4%以上いること、となっています。つまり、多くの精子は奇形、ということ。こうしたデータを見ると、『俺の精子はどうなんだろう?』と興味が湧いてくるのではないでしょうか」
精子の実態を知ることが「精子によい生活」を意識するきっかけになった、という男性も多いそう。
「僕はよく、『私生活の乱れは精子の乱れ』という話をします。精液のコンディションは、日によって大きくばらつきがあります。二日酔いや徹夜明けの日は、精液検査の結果も最悪。バランスのいい食事、質のいい睡眠、適度な運動などを心がけることで、精子も元気になる。一度の検査で結果が悪かったとしても絶望することはない、ということも知っておくと、さらに検査へのハードルが下がりますね」
『やさしく正しい妊活大事典』(プレジデント社)
女性が中心に進むことの多い「妊活」や「不妊治療」。しかし、男性側にも原因がある割合は48%にものぼる。本書では女性だけではなく、男性も理解しておくべき妊娠のメカニズムから、体外受精、パートナーのメンタルケア、不妊治療に掛かるお金の話までを網羅。主人公のサラリーマン「せいじ」と産婦人科専門医「きょうこ先生」の対話を通して学ぶことができる。
- 著者
- 吉川 雄司
著者プロフィール