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困ったときに、最初に声をかけてもらえる営業でありたい -アイティメディア 執行役員 酒井利佳さん【前編】

お客様と「共犯」する

長い営業経験のなかでは、当然景気変動のなかで業績が達成しにくい環境もありますし、私自身、ヒューレット・パッカードからマイクロソフトへ、その後リクルートへと身を転じるなかで、担当したばかりで大きな目標額を任されることもありました。しかし私は一貫して、目の前の方のお役に立つこと、目の前の方のその先の方々が、どんな世界が実現すると嬉しいのかを大切にすることで、リーマンショック期も含めて目標を達成してきました。

また、会社の目標設定に文句を言ったこともありません。会社の目標設定には、多少の不都合、不合理はあるものです。担当営業時代には、概ね正しい方向に向かっているのであれば、それでよいと私は考えました。よいといったん感じたら、私はルールに従う。ただ、そのやり方は私なりのやり方でやります。

営業は、もちろん数字も大切にしますが、結果として「数字だけを見ていても数字はいかない」というのが、私の経験則です。まずは自社商品のことは脇に置いておいて、お客様が実現したいことは何か、それはどのようにしたらより望ましい形で実現できるのかを、お客様と議論しながらつくりあげます。

よくお客様から、「酒井さんの数字にならないのになんでそこまでしてくれるの?」「なぜ酒井さんのサービスとは関係ないことなのに、一緒についてきてくれて段取りまでしてくれるの?」といったことをおっしゃっていただくことも多いのですが、私からすると、その時にはすでに私自身も実現したい気になっているので「必要だと思うことはあらゆることをやるのが当然!」という感覚です。

ある知人に、「酒井さんって、『共犯者力』がありますね」と言われたことがありますが、たしかにお客様と一緒に、ワクワクちょっと悪巧みをしているような感覚もあるかもしれません。

掲載: PRESIDENT Online

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