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キリンで一番「オヤジっぽい」女 -キリンR&D本部 神崎夕紀さん【2】

女性で初めて醸造部部長に

キリン R&D本部 酒類技術研究所 副所長 神崎夕紀さん

醸造担当に異動になってから、私は神戸の新工場、横浜工場の新生産設備の立ち上げなどに携わってきました。やっぱり実際に製造の現場で実感したのは、自然の農産物と生きものである酵母を最大限に活かして、お客様に喜ばれる商品を作り出していくことの醍醐味でした。

ビールというのは工業製品ではないので、決められたレシピを設備でただ混ぜるだけではダメなんです。その年によって麦の質は違うし、季節によって釜の温度の上がり方や下がり方も全て異なる。そうした自然界の振れ幅を見ながら、プロセスの1つひとつをゴールに向けて微調整していく必要があるんですね。

どのような状況であっても、お客様のイメージするキリンの商品の味を同じように作り出す。だから、ビールの場合は「造る」ではなくて、「造り込む」というか、いわゆる「醸成させる」という言葉がしっくりときます。そこが面白い。多くの工程と多くのスタッフの全てが調和するように、その製造のプロセスを管理していくところが醸造部の腕の見せ所ということですね。

私が醸造担当の部長になったのは2006年のことでした。これは女性としては初めてのことでした。キャリアを積んでいく中で、明確に昇格も意識しはじめました。これはどんな仕事も同じだと思いますが、キャリアというのは積めば積むほどやりたいことが増える。設備をこうしたい、プロセスをこういうふうに変えたい......というように。

それを提案するだけではなく、議論が行われている土俵に自分が乗って、最終決定の場に参加するためには、それ相応の立場が必要です。経験を積み、職場を良くしたい、現場を変えたいと思えば思うほど、自分自身がステップアップしていかなければならないのが、会社という組織で働くということなんだと私も理解していくようになりました。特に工場は1つのチームですから、自分たちが努力して作り上げたものを最終的に評価する場所に自分もいたい、と強く感じるようになったんです。

掲載: PRESIDENT Online

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