物語は一冊の本に
2024年09月14日
[佐賀県]
赤い翼(2)
今から88年前、脊振山の山頂付近に飛行機が墜落。
フランス人パイロット、アンドレ・ジャピーは村人の必死の救出活動で奇跡的に一命をとりとめました。
そのエピソードは一冊の本によって後世へと伝えられていったのです。
パリ―東京間100時間飛行にチャレンジするも脊振山に墜落したアンドレ・ジャピー。
墜落時の激しい音は麓の村にも響き渡りました。異変を察知した村人たちは道無き険しい山を登り、大きく破損した機体とジャピーを見つけます。
地元の医師も駆けつけ、急ごしらえの担架で山の9合目から村の診療所まで運んだのです。あと2時間発見が遅れていたら命はなかったのでは...ともいわれています。
翌日には福岡市の病院へ搬送。全治三ヶ月に及ぶ重傷でしたが順調に回復し無事帰国を果たしたのです。
それから半世紀以上を経て、一冊の本が出版されます。著者は佐賀市在住の(児童文学)作家、権藤千秋さん。関係者への取材と資料を丹念に紐解き5年の歳月をかけて書き上げたといいます。
作家権藤千秋さんの娘・順子さん
「普遍の愛というのが母のテーマだったので、脊振の方々の素晴らしい熱意というか、人間同士大事にしましょうということを伝えたかったんじゃないかなと。」
この本の出版を機に、赤い翼の物語は第2章へと展開していくことになるのです。