水素7
表示
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
水素7 | |
---|---|
概要 | |
名称、記号 | 水素7,七重水素,7H |
中性子 | 6 |
陽子 | 1 |
核種情報 | |
天然存在比 | 0 |
半減期 | (6.52±5.58)×ばつ10−22 秒[1] |
同位体質量 | 7.05275(108) u |
スピン角運動量 | 1/2+ |
余剰エネルギー | 49140± 1010 keV |
結合エネルギー | 940.1 keV |
水素7 (すいそ7、Hydrogen-7・7H) とは、水素の同位体の1つ。
概要
[編集 ]7Hは、陽子1個と中性子6個から構成されている、最も重い水素の放射性同位体である[2] [3] 。陽子に対して中性子が6倍も多い極端な中性子過剰核であり、この割合は10Heや12Liよりも多く、全ての核種で最大である[2] 。
7Hの崩壊モードの詳細は不明です。2個の中性子を放出する中性子放出で崩壊し、5Hに変化する可能性があります。5Hもやはり8.6×ばつ10−23 秒という短い半減期をもって2個の中性子放出で3Hに変化し、最終的には12.32年の半減期を以って3Heにベータ崩壊する[1] 。
合成
[編集 ]7Hは2003年、理化学研究所の装置を用いた日本・ロシア・イギリス・フランス・スウェーデンの共同研究チームにより初めて合成された。18Oから生成した8Heを加速し、軽水素分子 (1H2) に衝突させることで行われた。合成の成功は、(1Hと8Heが衝突することで生じる2個の陽子 (1H) を理研テレスコープで捉えることにより確認された。この成功以前には、水素の同位体は5Hまでしか合成することが出来ないと考えられていた[4] 。
{\displaystyle ,円_{2}^{8}\mathrm {He} +,円_{1}^{1}\mathrm {H} \to ,円_{1}^{7}\mathrm {H} +2,円_{1}^{1}\mathrm {H} }
2006年には、9Beや11Bにπ-を照射することにより7Hの合成に成功したことが発表された[5] 。2007年には、GANILを用いたヨーロッパの研究チームにより、8Heを12Cに照射することで7Hが合成されたことが発表された[6] 。
出典
[編集 ][脚注の使い方]
- ^ a b Kondev, F.G.; Wang, M.; Huang, W.J.; Naimi, S.; Audi, G. (2021年03月01日). "The NUBASE2020 evaluation of nuclear physics properties *". Chinese Physics C (IOP Publishing) 45 (3): 030001. doi:10.1088/1674-1137/abddae. ISSN 1674-1137.
- ^ a b The NUBASE evaluation of nuclear and decay properties National Nuclear Data Center
- ^ 7H
- ^ Hydrogen-7 makes its debut physics world
- ^ Searches for the superheavy hydrogen isotope 7H in the absorption of stopped π − mesons ingenta connect
- ^ Discovery of hydrogen-7, the most exotic nuclear system ever observed. National Center for Scientific Research