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広島電鉄700形電車 (2代)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
広島電鉄700形電車
701号 2007年9月
広島港電停付近にて撮影
基本情報
製造所 アルナ工機
主要諸元
軌間 1,435 mm
車両定員 91(着席37)人[1]
車両重量 20.00t[1]
全長 13,500[1] mm
全幅 2,450[1] mm
全高 3,990[1] mm
台車 NK201(701-707)[1]
FS-85(711-714)[1]
主電動機 HS314-Ar(701-707)[1]
TDK8568-A(711-714)[1]
主電動機出力 52kW [1]
搭載数 2[1] 基 / 両
駆動方式 吊り掛け式(701-707)[1]
平行カルダン式(711-714)[1]
歯車比 59:14=4.21(701-707)[2]
67:11(711-714)[1]
制御装置 ES-116-A-M 間接式(701-704)[1]
ES-119-A-M 間接式(705-707・711-714) [1]
制動装置 HRD-1 電磁直通空気制動(701-707)[3]
備考 全金属製
両数:11両
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710番台711号 2008年6月
広島駅付近にて撮影

広島電鉄700形電車(ひろしまでんてつ700かたでんしゃ)は、1982年広島電鉄で登場、在籍中の路面電車車両である。初代700形については広島電鉄700形電車 (初代)を確認の事。

概要

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市内線専用車としては、550形以来27年ぶりに量産された路面電車である[4] 1980年に試作された3車体連接車・3500形の実績を基に軽快電車のスタイルを取り入れて造られた、全長13.5mの単車体構造の大型ボギー車で[5] 、正面運転台に大型一枚窓を採用した前中戸車で[5] 、中戸は120cmの大型両開き戸を採用している[6] 。また、両手式ワンハンドル制御器による間接制御を3500形に引き続き採用[7] 。その後の、広電の標準仕様になっている[7] 。車内は、高さが10cm上がったことと、冷房機器の張り出しがないため、視覚的に広く感じられるようになっている[7] 。モーター流用車の701-707の1両あたりの単価は、約5,200万円になっている[7] 。車体はアルナ工機で製造された[8]

増備途中に駆動方式の変更が実施されたことから、仕様の相異なる2つのグループが存在する。


現在2022年から全車両にシングルアームパンタグラフが設置されている。

701-704
1982年(昭和57年)に4両製造された[5] 。駆動方式は吊り掛け式で[8] 、台車は『NK201』新製台車を使用し[8] 、軸バネにシェブロンゴムを巻いているが[9] 、モーターは750形の直巻きモーター『HS314-Ar』[1] を再利用している[8] 。制御装置は『ES-116-A-M』を使用し、直並列制御方式となっている。[1] 。また、701号は2014年 3月の定期整備時に冷房装置の更新を実施しており、屋根上の空調機器の形状が異なる。
705-707
1983年(昭和58年)に3両製造された[8] 。足回り関係は、701-704と共通だが[8] 、正面の方向幕が拡大され[9] 、ブレーキ灯が新設された[9] 。また、制御装置も『ES-119-A-M』に変更され、永久並列制御方式となり加速性が向上している。[9] 。運転台周りのレイアウトも若干変更(降車知らせ灯など)され、方向幕制御盤も単動方式から駒指定方式となっている。
711-714
1985年(昭和60年)に4両製造された[8] 。主電動機を新品の『TDK8568-A』に変更[1] 。モーターを含めて全て新製され[7] 、駆動方式も平行カルダン式に改められ[7] 、走行音が静かになっている[8] 。制御装置は変更されていない[9] 。仕様変更の多さから、710番台になっている[8] 。このグループから行先方向幕に英文併記が実施されるようになった(全体では宮島線直通車の3700形が初である)。
書籍によっては710形と表記しているものもあるが、正式名称は701 - 707と同じように700形である。

その後の量産は800形に移行した。

運用

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701〜705・707号は千田車庫に配属され、1号線・3号線・5号線・7号線に、706号・711〜714号は江波車庫に配属され、6号線・8号線に就く。しかし、他の車両の整備時や運用に大幅な乱れが生じた際には融通する場合がある。江波車庫配属の車両は定期整備明けには1週間程度、足慣らしとして千田車庫管轄内の1・3・5・7号線で運用される。現在白島線への定期運用での入線は無いが、2008年白島線へIC乗車カード「PASPY」が導入されて暫くの間、705・713号ではIC対応車両の関係で9号線での定期運用経験を持つ。[要出典 ]

七夕電車による運用

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2000年代頃より705号を「ひこぼし号」、707号を「おりひめ号」とし車体はラッピング装飾(末期はヘッドマークのみ)、車内は短冊などを飾りつけし6月下旬頃から7月7日までの間、七夕電車として1・3・5号線で運行していた(7月7日は毎年地元幼稚園の七夕行事による貸切となる)。2005年頃以降、705号が千田車庫から江波車庫へ転属したため、「ひこぼし号」は703号などが務めていた。

2012年度の運行を最後に、七夕電車は1000形に交代することとなった。

各車状況

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特記がある場合を除き、2019年 9月現在の状態を示す。

車番 竣工 所属車庫 塗装色 備考
701 1982年6月1日[10] 千田車庫 標準色 2014年3月冷房装置更新
702
703
704 デビュー当時はテレビドラマ「西部警察 PART-II18話」映像でも登場。
705 1983年11月4日[10] 2012年まで七夕電車「ひこぼし号」で使用。
706 江波車庫
707 1983年11月7日[10] 千田車庫 2012年まで七夕電車「おりひめ号」で使用。
711 1985年7月[11] 江波車庫
712
713
714

2017年度に2両に対して制御装置の更新が行われた[12] が、直流電動機のままとなっている[13]

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 『鉄道ファン1989年3月号(No.335)』104ページ
  2. ^ 『私鉄の車両3 広島電鉄』132ページ
  3. ^ 『私鉄の車両3 広島電鉄』133ページ
  4. ^ 『広島電鉄開業100年・創立70年史』228ページ
  5. ^ a b c 『広島電鉄開業80創立50年史』本編150ページ
  6. ^ 『広電が走る街今昔』142ページ
  7. ^ a b c d e f 『広島電鉄開業100年・創立70年史』229ページ
  8. ^ a b c d e f g h i 『広島電鉄開業80創立50年史』本編151ページ
  9. ^ a b c d e 『鉄道ファン1989年3月号(No.335)』106ページ
  10. ^ a b c 『私鉄の車両3 広島電鉄』152ページ
  11. ^ 『ローカル私鉄車両20年 路面電車・中小私鉄編』156ページ
  12. ^ 安全報告書 2018 - 広島電鉄株式会社
  13. ^ 東洋電機技法 135号 2017年 - 東洋電機製造株式会社

参考文献

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  • 『ローカル私鉄車両20年 路面電車・中私鉄編』(JTBパブリッシング・寺田裕一) ISBN 4533047181
  • 『広電が走る街今昔』(JTBパブリッシング・長船友則) ISBN 4533059864
  • 『私鉄の車両3 広島電鉄』(保育社・飯島巌) ISBN 4586532033
  • 『鉄道ファン1989年3月号(No.335)』(校友社)
  • 『広島電鉄開業100年・創立70年史』広島電鉄株式会社社史編纂委員会編、2012年11月
  • 『広島電鉄開業80創立50年史』広島電鉄株式会社社史編纂委員会編、1992年11月

現有車両

単行車
(基本的に市内線専用)
連接車
イベント用車両・保存車
定期運用から離脱した車両

過去の車両

単行車
(基本的に市内線専用)
連接車

70形 - 1300形 - 2500形(→3100形)

高床車
(鉄道車両・宮島線専用)

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