コンテンツにスキップ
Wikipedia

ボノム・リシャール (強襲揚陸艦)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ボノム・リシャール
基本情報
建造所 インガルス造船所
運用者 アメリカ合衆国の旗 アメリカ海軍
艦種 強襲揚陸艦
級名 ワスプ級強襲揚陸艦
愛称
  • Revolutionary Gator
  • Bonnie Dick
  • BHR
  • Rusty Roku
モットー I have not yet begun to fight!
母港 カリフォルニア州 サンディエゴ
艦歴
発注 1992年 12月11日
起工 1995年 4月18日
進水 1997年 3月14日
就役 1998年 8月15日
除籍 2021年 4月14日
要目
満載排水量 40,500 トン
全長 257 m
水線長 237 m
水線幅 32 m
吃水 8.2 m
主機 蒸気タービン 2機、2軸
出力 70,000 hp
最大速力 20 ノット
航続距離 9,500 海里
乗員
  • 乗組員:士官・104名、下士官兵・1004名
  • 上陸部隊:1894名
兵装
搭載艇 LCAC-1級揚陸艇 ×ばつ3隻 / LCU上陸用舟艇 ×ばつ2隻 / 機動揚陸艇 ×ばつ12隻
以上、作戦内容により変化。
搭載機 標準構成
AV-8B ハリアーII / F-35B ライトニングII ×ばつ6機
AH-1W スーパーコブラ / AH-1Z ヴァイパー ×ばつ4機
MV-22B オスプレイ ×ばつ12機
CH-53 シースタリオン ×ばつ4機
UH-1Y ヴェノム ×ばつ3 - 4機
強襲作戦時
MV-22B オスプレイ ×ばつ22機
制海作戦時
テンプレートを表示

ボノム・リシャール(USS Bonhomme Richard, LHD-6)は、アメリカ海軍強襲揚陸艦ワスプ級強襲揚陸艦の6番艦。艦名はジョン・ポール・ジョーンズの座乗した有名なフリゲート(フランス語で「善良なるリチャード、:Goodman Richard」の意。ベンジャミン・フランクリンの著書『貧しきリチャードの暦』から)に因む。その名を持つ艦としては3隻目。

ボノム・リシャールは、ミシシッピ州 パスカグーラインガルス造船所1995年 4月18日に起工し、1997年 3月14日に進水、1998年 5月12日海軍に移管され、1998年8月15日に就役した。

ボノム・リシャールは8月8日にパスカグーラを出港し、8月15日にペンサコーラに到着する。ペンシルベニア州選出下院議員 ジョン・P・ムーサ (英語版)が就役式で演説を行い、海軍長官 ジョン・H・ドルトン (英語版)が就役を命じた。

ムーサの妻ジョイスが1997年5月に命名を行い、ムーサ夫人は艦に対して伝統の命令「Man our ship and bring her to life!(総員乗艦、艦に生命あれ)」を下した。

就役式にはこのほかミシシッピ州選出下院議員ジーン・テイラー、海軍作戦副部長ドナルド・L・ピリング提督、海軍教育訓練部長パトリシア・A・トレーシー中将、インガルス造船副社長が出席した。

2006年 3月13日フリゲート・初代「ボノム・リシャール (英語版)」の残骸捜索隊の名誉旗艦に任命された。アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦ジョン・ポール・ジョーンズ」も同じく名誉旗艦に任命された。

2011年 8月19日2012年春に佐世保配備の同型2番艦「エセックス」とのシップ・スワップを行うことが発表された[1]

2012年 4月23日より、「エセックス」に代わり佐世保に配備された。

2018年 1月14日母港であった佐世保基地F-35Bを運用可能に改修された同型艦1番艦「ワスプ」が本艦との機能移転のために入港した。母港をサンディエゴ海軍基地に移し、移転作業が行われた後、本国でワスプ同様の近代化改修工事を行う予定であった[2]

炎に包まれる「ボノム・リシャール」

サンディエゴ現地時間の2020年7月12日の午前8時30分頃に火災を起こした[3] 。メンテナンス中で消火設備が無効化されており対応が遅れ、火災は発生から4日後の16日に鎮火された[4]

その後放火の疑いも含めて調査と検証が行われていたが、2020年11月30日に海軍は本艦を退役させ、解体する方針を明らかにした[5] 。火災によって飛行甲板を含む艦全体の6割が損傷し[6] 、元通りに修復するには5〜7年の期間と25億〜32億ドル(日本円で約2600億〜約3340億円)かかること[5] 、残存部分を病院船など別種の艦船に転用するにも10億ドル以上のコストがかかり新造艦を建造する方が安くつく[5] ため、退役させて解体することが最善策と判断された。本艦は火災原因調査終了後に退役・解体される見通しとなっており[6] 、それにかかるコストは3000万ドル、作業期間は9〜12カ月と見積もられている[5] 2021年 4月14日に退役式が行われた。同型艦に流用できる機器が撤去された後、テキサス州 ガルベストンに曳航され、解体された[7]

2021年7月29日第3艦隊は、放火などの疑いで火災当時ボノム・リシャールの乗組員だった水兵1人を訴追したと発表した[8] [9] 。2022年9月19日、サンディエゴ海軍基地で被告の裁判が始まった。2週間の裁判を経て9月30日、判事はこの水兵を両方の容疑(放火と船舶への故意危害)で無罪とした[10] [11]

  1. ^ "USS Bonhomme Richard to replace USS Essex". U.S. Navy (2011年8月19日). 2016年3月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年2月14日閲覧。
  2. ^ "USS Wasp to Japan Next Year in Support of Marine F-35B Squadron Next Year; USS Bonhomme Richard to San Diego". USNI News (2016年10月24日). 2018年3月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年3月17日閲覧。
  3. ^ "米強襲揚陸艦で大規模火災、21人負傷". 産経新聞ニュース (2020年7月13日). 2020年7月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月13日閲覧。
  4. ^ "米強襲揚陸艦の火災鎮火". 沖縄タイムス (2020年7月26日). 2020年7月18日閲覧。
  5. ^ a b c d "火災被害の米海軍強襲揚陸艦、退役・解体へ". CNN.co.jp. 2020年12月2日閲覧。
  6. ^ a b "火災の強襲揚陸艦、修理断念 米海軍に大きな痛手". 時事ドットコム. 2020年12月1日閲覧。
  7. ^ "佐世保に前方展開したボノム・リシャール、4月14日に退役式". FlyTeam (2021年4月14日). 2021年7月31日閲覧。
  8. ^ "米艦火災、放火疑いで水兵を訴追 損傷激しく解体、動機不明". 東京新聞 (2021年7月30日). 2021年7月31日閲覧。
  9. ^ "昨年の強襲揚陸艦火災、米海軍が要員1人を訴追". CNN (2021年7月30日). 2021年7月31日閲覧。
  10. ^ "Trial Begins for Sailor Accused of Arson in Fire Destroying USS Bonhomme Richard". City News Service (Times of San Diego). (September 19, 2022). https://timesofsandiego.com/military/2022/09/19/trial-begins-for-sailor-accused-of-arson-in-fire-destroying-uss-bonhomme-richard/ 19 September 2022閲覧。 
  11. ^ "Military Judge Acquits Sailor Accused of Arson in USS Bonhomme Richard Fire". City News Service (The Times of San Diego). (September 30, 2022). https://timesofsandiego.com/military/2022/09/30/military-judge-acquits-sailor-accused-of-arson-in-uss-bonhomme-richard-fire/ 30 September 2022閲覧。 

関連項目

[ソースを編集 ]

外部リンク

[ソースを編集 ]
ウィキメディア・コモンズには、ボノム・リシャール (強襲揚陸艦) に関連するカテゴリがあります。

AltStyle によって変換されたページ (->オリジナル) /