ごんざ
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奈良県
[編集 ]ごんざは奈良県の郷土料理で、大根、にんじん、里芋などの根菜類と、厚揚げ、こんにゃく、昆布などを醤油味の出汁で煮込んだ行事食である[1] 。
大和 国中(くんなか)の農村では、秋祭りの宵宮に季節の収穫物を炊いた醤油味の煮物を大量に作り、お神酒と共に氏神に供えて氏子中で食べる習慣がある。また、浄土宗の寺院で10月 - 11月に行われる十夜法要の際にも、小豆粥と共に食べられていた[2] [3] 。
名前の由来
[編集 ]「ごんざ」という名前の由来には次の2説がある[2] 。
- 「ごった煮」の「ごった」がなまって「ごんざ」と呼ばれるというもの。
- 秋祭りに氏神に供えて共にいただく意味からこの料理を「権座(ごんざ)」と呼ぶというもの。
類する料理
[編集 ]- 奈良市内で春日若宮おん祭の際に食べられる行事食「のっぺ(奈良のっぺ)」もほぼ同様の料理であるが、奈良のっぺは昆布と椎茸出汁の精進料理となっている。
- 里芋・大根・ごぼう・こんにゃく・クジラのコロを煮干しの出汁で煮る「ごちゃ炊き」という料理があり、ごんざから派生した料理とも言われる[2] 。
ごんざが登場する作品
[編集 ]映画『GONZA』(千村利光監督、2023年):「ごんざ」が映画タイトルの由来であると共に、作品テーマと関わる重要な食べ物として扱われている[4] 。
福井県
[編集 ]ごんざは、福井県の郷土料理で、打豆とダイコンの煮物である[5] 。ごんじなます、ごんべとも呼ばれる[5] 。鯖江市、越前市ではこじわりと呼ばれる[6] 。ばばころしと呼ぶ地域もある[6] 。
報恩講の際に食される精進料理としても出されるため、馴染み深い料理である[6] 。
名前の由来
[編集 ]- 「ごんざぶろう」という名前の人物が作ったことから「ごんざ」[5] 。
- 太く切った千切りが、すりこぎを思わせることから、すりこぎを意味する「ごんべ」と呼ばれるようになった[5] [6] 。
- 美味しいので食べ過ぎて死んでしまうことから「ばば殺し」[6] 。
「こじわり」の由来は不明[6] 。
脚注
[編集 ][脚注の使い方]
出典
[編集 ]- ^ 奈良市「学校給食 令和2年11月の給食紹介」2023年6月27日閲覧。
- ^ a b c 全国学校栄養士協議会「郷土食・伝えたい行事食 奈良県 権座」2023年6月27日閲覧。
- ^ 奈良県庁「ごんざ(権座)」2023年6月27日閲覧。
- ^ 今井邦彦 (2023年6月3日). "奈良舞台の映画「GONZA」公開へイベント". 朝日新聞DIGITAL. 2023年9月15日閲覧。
- ^ a b c d "ごんざ/ごんじなます 福井県". うちの郷土料理. 農林水産省. 2024年3月12日閲覧。
- ^ a b c d e f 日本調理科学会「〈福井県〉 こじわり」『いも・豆・海藻のおかず』農山漁村文化協会〈伝え継ぐ日本の家庭料理〉、2021年、49頁。ISBN 978-4540191916。
参考文献
[編集 ]- 冨岡典子『大和の食文化』奈良新聞社、2005年9月。ISBN 4-88856-054-4。
関連項目
[編集 ]外部リンク
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