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S/2004 S 30

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Beli[1]
仮符号・別名 S/2004 S 30
Saturn LXI[2]
見かけの等級 (mv) 25.4[3]
分類 土星の衛星
軌道の種類 北欧群 (スカジ群)
発見
発見年 2019年 [4]
発見者 S・S・シェパード
軌道要素と性質
軌道長半径 (a) 20,396,000 km[4]
離心率 (e) 0.1198[4]
公転周期 (P) 1121.69 日[4] (3.07 年)
軌道傾斜角 (i) 157.51028°[4]
土星の衛星
物理的性質
直径 3 km[3]
大気圧 なし
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Beli(仮符号 S/2004 S 30)は、土星の第61衛星である[2]

発見と名称

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2019年 10月7日に、スコット・S・シェパードデビッド・C・ジューイットジャン・クレイナによる観測チームにより小惑星センターのサーキュラーで発見が報告され、S/2004 S 30 という仮符号が与えられた[4] 。観測にはすばる望遠鏡が用いられ、2004年 12月12日から2007年 3月21日にかけての観測で得られたデータ中から発見された[4] [5] 。発見報告が2019年であるにもかかわらず、仮符号が 2004 となっているのはそのためである。なお一連の観測では、合わせて20個の土星の新衛星が発見されている[5] [6] [7] 2021年 8月10日小惑星センター (MPC) が発表した小惑星回報「MPC 133821」にて、Saturn LXI という確定番号が与えられた[2] 。なお、小惑星センターによる当初のサーキュラーでは、データ生成時のミスにより誤って Gerd(S/2004 S 25)と全く同じ軌道要素の値が発表されていたが[8] [9] 、これは直後の別のサーキュラーで訂正された[4]

S/2004 S 30 を含む20個の新衛星の発見が報告された際には、同時にこれらの衛星の固有名を一般公募することが発表された[5] [10] 。この衛星は北欧群に属するため、北欧神話に登場する巨人にちなんだ名称が与えられることになり[5] [10] 、公募は2019年 10月7日から12月6日にかけて行われた[10] 。公募された名称案の選考を経て、2022年 8月24日国際天文学連合の惑星系の命名に関するワーキンググループ (WGPSN) は、北欧群に属する10個の逆行衛星の正式な名称を公表し、この発表にて S/2004 S 30 は Beli と命名された[11] 。Beli という名称は、北欧神話に登場する神であるフレイによって殺された巨人ベリに由来している[1]

特徴

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Beli は推定される直径が 3 km の小さな衛星である[3] 軌道傾斜角 158° の逆行軌道を持ち、北欧群に属する[3] 。また、北欧群中の副群であるスカジ群に属すると考えられる[3] 。群に属する他の小さい衛星と同様、この衛星はかつての大きな母天体が衝突によって破壊された際の破片である可能性がある[5]

出典

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  1. ^ a b "Planet and Satellite Names and Discoverers". Working Group for Planetary System Nomenclature (WGPSN). 国際天文学連合. 2022年8月28日閲覧。
  2. ^ a b c "M.P.C. 132213 - 133822" (PDF). Minor Planet Center (2021年8月10日). 2021年8月30日閲覧。
  3. ^ a b c d e Scott S. Sheppard. "Saturn Moons". Carnegie Science. 2019年11月2日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h A. U. Tomatic (2019年10月7日). "MPEC 2019-T140 : S/2004 S 30". Minor Planet Center. 2019年11月2日閲覧。
  5. ^ a b c d e "観測成果 - すばる望遠鏡が土星の衛星を新たに 20 天体発見 - すばる望遠鏡". すばる望遠鏡 . 国立天文台 (2019年10月7日). 2019年11月2日閲覧。
  6. ^ "Saturn surpasses Jupiter after the discovery of 20 new moons and you can help name them! | Carnegie Institution for Science". カーネギー研究所. 2019年11月2日閲覧。
  7. ^ "土星に20個の新衛星を発見、太陽系で最多に | ナショナルジオグラフィック日本版サイト". ナショナルジオグラフィック (2019年10月9日). 2019年11月2日閲覧。
  8. ^ A. U. Tomatic (2019年10月7日). "MPEC 2019-T137 : S/2004 S 30". Minor Planet Center. 2019年11月2日閲覧。
  9. ^ A. U. Tomatic (2019年10月7日). "MPEC 2019-T132 : S/2004 S 25". Minor Planegt Center. 2019年11月2日閲覧。
  10. ^ a b c "Help Name 20 Newly Discovered Moons of Saturn! | Carnegie Institution for Science". カーネギー研究所. 2019年11月2日閲覧。
  11. ^ "Nomenclature News | Names Approved for 10 Small Satellites of Saturn". USGS/NASA (2022年8月24日). 2022年8月28日閲覧。
2019年に発見された天体
主な太陽系外惑星
主な小惑星
主な衛星
主な彗星
その他
各群の衛星は土星からの軌道長半径が近い順に列記しており、分類は [1][2] における軌道要素に基づく
羊飼い衛星群
軌道共有衛星
G環
内大衛星群
(およびトロヤ衛星)
アルキオニデス(副群?)
外大衛星群
イヌイット群 (13)
キビウク群 (5)
パーリアク群 (1)
シャルナク群 (7)
ガリア群 (7)
北欧群 (100)
フェーベ群 (2)
不明
関連項目: テミス(誤認された衛星)・土星の環太陽系の衛星の一覧

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