ダウルロング
ダウルロング |
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骨格図。スケールバーは10センチメートル。
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地質時代 |
前期白亜紀 アプチアン期 |
分類 |
学名 |
Daurlong Wang et al., 2022 |
タイプ種 |
Daurlong wangi Wang et al., 2022 |
ダウルロング[1] (学名:Daurlong、「ダウールの竜」の意)は、中華人民共和国に分布する下部白亜系 アプチアン階の龍江層 (Longjiang Formation) で化石が産出した、ドロマエオサウルス科に属する絶滅した恐竜の属。本属はほぼ完全な骨格から知られるタイプ種D. wangiのみを含む単型の属であり、鳥類に近縁な恐竜で腸が保存されて記載された最初の例である[2] 。
発見と命名
[編集 ]ダウルロングのホロタイプ標本IMMNH-PV00731は中華人民共和国 内モンゴル自治区 モリンダワ・ダウール族自治旗 Pigeon Hill に位置する龍江層の堆積物中で発見された。この産地の層序年代は下部白亜系のアプチアン階とされている。本標本は保存が良い個体であり、ほぼ完全に関節した頭蓋骨が含まれている。圧縮された二次元的なホロタイプ標本の足下には、部分的なカエルの骨格も保存されていた[2] 。
Daurlong wangi は王旭日 (Wang Xuri) らにより2022年に新属新種として記載された。属名はダウール族と中国の竜に由来し、種小名は内モンゴル自然史博物館の王軍有 (Wang Junyou) への献名である[2] 。
特徴
[編集 ]ダウルロングは中型のドロマエオサウルス科恐竜であり、全長約1.5メートルであった。体サイズはティアンユラプトルのホロタイプ標本の85%、 Zhenyuanlong のホロタイプ標本の93%である。頭蓋骨長は大腿骨長の94%に相当し、前肢長は後肢長の60%未満である。標本には頭蓋骨の後部と頸部に沿って羽毛が保存されており、尾の先端にも存在する。大羽の風切羽と尾羽は化石に含まれていない。ダウルロングの胸郭に保存された青色がかったレイヤーはスキピオニクスのホロタイプ標本に見られる腸管と合致する[2] 。
分類
[編集 ]Wang et al. (2022)の系統解析でダウルロングはドロマエオサウルス科の属とされた。 以下は同論文の系統樹に基づくクラドグラム [2] 。
出典
[編集 ]- ^ "こんな恐竜知っている? どの図鑑にも載っていない最新の恐竜たちを図鑑MOVEが解説!". 講談社の動く図鑑move. 講談社 (2024年3月14日). 2024年6月23日閲覧。
- ^ a b c d e Wang, Xuri; Cau, Andrea; Guo, Bin; Ma, Feimin; Qing, Gele; Liu, Yichuan (2022年11月19日). "Intestinal preservation in a birdlike dinosaur supports conservatism in digestive canal evolution among theropods" (英語). Scientific Reports 12 (1): 19965. doi:10.1038/s41598-022-24602-x. ISSN 2045-2322. PMID 36402874.