八幡巻
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八幡巻(やわたまき)とは、ゴボウを主な食材として用いる、日本の料理の1つである。八幡村(現在の京都府 八幡市)の郷土料理として知られる。
概要
八幡巻は、煮て下調理したゴボウを軸として、ウナギやドジョウを巻き付けた後に[1] 、さらに煮るか、または、タレを付けて焼き上げるかして作る料理である。
ところで、京都近郊の八幡村(現在の京都府八幡市)は、ゴボウの産地として知られていた[1] [2] 。また、この付近では天然のウナギも獲れたという[2] 。八幡の石清水八幡宮では放生会の行事があり、本来殺生を慎むべきその時期に川魚が食べられるように、ゴボウで巻いて隠して食べていたのが始まりとされている[3] 。
この料理の名称に付く「八幡」とは、この八幡村のことであり、2016年現在では八幡市の郷土料理として紹介されているが、日本全国で食べることができる[1] [3] 。
この他、ウナギやドジョウを使った八幡巻だけではなく、近年ではバリエーションの料理として、アナゴや牛肉を使用する八幡巻も存在する[4] 。また、バリエーションとして鶏肉を使用することもある。なお八幡巻は、京都市を中心として京都府に加えて、大阪府や滋賀県などでも食されている。おせち料理の1つとして利用される場合もある[4] 。
レシピ
以下に、八幡巻が具体的にどのような料理かの説明のために、ウナギを用いるタイプ、かつ、焼くタイプの八幡巻のレシピを記載する。ただし、以下の作り方は、あくまで八幡巻の1つの例に過ぎないことを、予め断っておく。
- まずゴボウを洗った後に4つに裂いておく。
- 裂いたゴボウを、米の研ぎ汁で湯掻き、(日本酒、出汁、味醂、醤油)で6分から7分煮て味付を行う。
- ゴボウの中心に金串を1本通しておく。
- 生きているウナギを背開きにする。
- 背開きにしたウナギの頭部を切り落とす。
- 頭部を切り落とした後は、縦方向に2等分する。
- 金串を切り落としたウナギの頭部に刺す。
- 手に金串とゴボウを持ち、ウナギの腹側を表にしてゴボウの上に螺旋状に重ね気味に巻いていく。
- 巻き終わったら、数か所を竹の皮で留め、両端は紐またはタコ糸で強く結んでおく。
- 扇状に金串を4本打ち、強火で白焼にする。片面が焼ければ裏返して反対側も焼く。
- 白焼が出来上がったら、ウナギの(頭、骨、醤油、味醂、日本酒、黒砂糖)を煮たタレをかけて再度焼き上げる。なお、竹の皮、紐またはタコ糸などは、この後に外す。
- 最後に3cm程度の長さに切って、器に盛り付ければ出来上がり。なお、好みによって、山椒を振りかけて食する場合がある[5] 。
関連項目
出典
- ^ a b c 八幡巻き (八幡市観光協会、2013年4月9日閲覧。)
- ^ a b 鰻重・鰻八幡巻き 辻調理師専門学校、2013年5月3日閲覧。
- ^ a b 京のいっぴん物語 第126回 川と里のであいもん 八幡巻き、KBS京都、2016年4月25日閲覧。
- ^ a b おせち特集/定番とアレンジ/牛肉八幡巻、エキサイト、2016年4月25日閲覧。
- ^ 鰻八幡巻き (辻調理師専門学校 2013年4月8日閲覧。)