中華料理
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中華料理(中国語: 中國菜(zhōngguócài; チョングオツァイ))は、料理の一種であり、中国本場の料理は中国料理ともいう。中華料理はあくまでもほかの国が中国風にアレンジしてつくられたものである。
概要
広大な中国大陸にあって、漢民族に同化していった多彩な民族料理を基層としているために地域差が大きく、地方ごとに食材・調理法が違う。このため、中華料理に共通する性格を上げることは難しいが,元代以降の中国では火を加えた温かい食事をとることが重視されてきたため、日本料理や西洋料理に比べて強い火力を用いる炒め物が目立ち、油(ラード、ゴマ油など)を多用する料理が多いという傾向がある。生野菜の使用や冷たい料理は少ない(伝統的な料理では杏仁豆腐程度)。魚介類については、淡水魚が使用される傾向が強い。
仏教徒向けの精進料理として素菜が、イスラム教徒向けの、豚肉及びその加工製品、ラードを用いない清真菜 がある。
中華料理と中国料理の違い
またNTTのタウンページのジャンルでも「中華料理」と「中国料理」を区別している。
中華料理の進化
海外(日本を含む)の料理や食材を積極的に取り入れ、消化・応用していくことが中華料理の特徴である。麻婆豆腐の唐辛子や、青椒肉絲のピーマンなどは中華料理に欠かせない食材となっているが、中国に伝わったのは16世紀以降と、歴史的な背景からすればつい最近導入された食材にすぎない。また、広東料理には欠かせないオイスターソースは19世紀末に開発され20世紀に入ってから普及したものである。
現在の中華料理で頻用される強い火力が必要な炒め物の技法は、北宋の時代、元々は石炭を加工した骸炭(コークス)が磁器の製作に使用されていて、それが料理用の炉やかまどなどに転用される事によって生み出されたものである。以後南宋から元代にかけて普及した。
しかし、古代の中華料理は現在とはかなり異なっていた。煮込み・直火焼き・羹(あつもの)が多く、今日ではすたれた膾(刺身のような生肉・生魚の料理)もよく食べられており、「羹に懲りて膾を吹く」「人口に膾炙(かいしゃ)する(「炙」は直火焼きの焼き肉)」など、古代中国由来のことわざ・慣用句にも窺うことができる。
また、中華料理の手法も、日本料理を含む海外の料理に大きな影響を受け、独自の発展を遂げる例も珍しくない。 大皿に盛られた料理を取り分けるスタイルから、フランス料理のように一人前ずつ盛った料理をコース順に出し、素材や料理法も現代的に洗練されたヌーベルシノワなどはその一例である。
中国の食に関するマナー
広東料理の一つである飲茶の場合、お茶をつがれる際に、人差し指でテーブルをトントンと叩く。これは注いでくれる相手に対してのお礼である。 これは、中華料理を食する場合、通常は会話を楽しみながら食するので、お茶を注いでくれる人に対して礼を言うと他の人との話の腰を折ってしまうので、それを防ぐ為である。
多くにおいての中華料理を食す際には、皿は手で持たない。 スープ類には散蓮華(ちりれんげ)がついてくるのはその為である。 スープ類、麺類を食す際には、音を立ててすすらない。
客人として訪問した際には、食べきれないほどの料理が出てくることが多い。この際は食べ残して良い。なぜなら、食べきれないほどの料理で供応することがホストとしてのマナーであるからである。全て食べきることは「まだ料理が足りていない」、つまり催促しているという意味になり新たな料理が出てくる。また、残った料理を家に持ち帰る文化があるため、食べ残しを「お持ち帰り(打包)」可能な店も中国には多い。
ちなみに、コースで注文した場合、前菜→スープ→メイン料理→その他料理の順で、麺飯類は最後に出てくる。
外国と中華料理
欧米など諸外国でもチャイナタウンを中心に中華料理は人気があるが、世界的にも中国系住民は広東省からの移住者が多かったという背景もあって広東料理が多い。ちなみに、日本の中華街のほとんどは広東系といわれており、唯一、長崎新地中華街のみが福建系とされる。また日本では四川省出身の料理人陳建民氏がNHK「きょうの料理」に出演しレシピを公開していた事もあり、エビチリ、麻婆豆腐、担々麺などの四川料理が広く浸透している(もっとも後述のように日本人向けのアレンジが大きく施されている)。さらに、旧満州からの引揚者の影響もあって、中国東北部に由来する料理(焼き餃子など)もかなり浸透している。
味付けは、現地の外国人にあわせて変えるケースもある。例えばアメリカではケチャップがたっぷり加えられるなど中国よりもずっと甘くて濃い味付けをされる。こうした料理は中国人の舌にはあわないため、同じ料理でもアメリカ人向けと中国人向けの2種類用意されるケースがある[1] 。
沖縄料理も、沖縄地方の歴史的背景から中国との関わりが深く、ラフテー(東坡肉(トンポーロー)が元祖か)のような豚肉料理やチャンプルーといった庶民的な豆腐と野菜の炒め物など、「沖縄化」された中華料理が多くある。
欧米や日本、東南アジアなどの諸外国においては、中国には存在しない「オリジナル」の中華料理が存在する。例えば日本のラーメン・冷やし中華、アメリカのチャプスイやインドネシア等のナシゴレン、韓国のチャジャンミョン等である。日本でおなじみのエビチリや酢豚、八宝菜、麻婆豆腐なども、中国のものとは異なる場合が多い。
またしゃぶしゃぶは、涮羊肉(シュアンヤンロウ)と呼ばれる羊肉の鍋をヒントに日本で考案されたと言われている。その一方で、アメリカにおいては、大きな鉄板で羊肉を炒めてもらい、自分で調味して食べる「モンゴリアン・バーベキュー」というものもあり、これは拷羊肉と呼ばれる羊肉の鉄板焼きが原型である。これら二つはいずれもモンゴル(後に中国)において羊肉の食べ方として最上の料理法を起源にしているが、原型を留めない。
中華料理の種類
俗に「広東人は二足なら親以外、四足なら机と椅子以外、走るものなら自動車以外、泳ぐものなら潜水艦以外、空を飛ぶものなら飛行機以外なんでも食ってしまう」と言われるように、その食材は多岐多様にわたる。この為その種類は極めて多い。 調理法についても同様で、炒め方ひとつとっても干炒、滑炒、清炒、生炒、爆炒など技法や時間の長短により10種類近くあり、それぞれの炒め方を冠した料理ができあがる。さらにこれに用いる調味料で変化を加えると、青菜の炒め物だけでも100種類を超える料理ができあがってしまう。こうしたことから1人の中華料理人が作れる料理の数は、何万種類にも及ぶ。
中国料理の種類[2] | |||
系統 | 具体例 | 材料 | 特色 |
---|---|---|---|
北方系
(北京料理など) |
北京ダック、炸醤麺(ジャージャー麺)、 | 小麦、豚、羊 | 味が濃く塩辛い |
西方系
(四川料理など) |
麻婆豆腐、乾焼蝦仁(エビチリ)、 | 米、豚、にわとり、大豆 | 香辛料を使った辛い料理が多い |
南方系
(広東料理など) |
ふかひれスープ、シュウマイ、チャーシュー、 | 米、豚、魚介類、岩のり | 薄い味で材料の味を生かす |
東方系
(上海料理など) |
八宝菜、上海ガニの蒸しガニ、小籠包、 | 米、豚、魚介類 | 甘味が強い |
中華料理の調理方法
油系
- 炒(チャオ)
- 油の量が少なめで炒める。
- 中華料理の基準の1つ。
- 短時間で火を通す調理法。
- 爆(バオ)
- 「炒」よりもさらに強熱火で一気に炒める方法。
- 炸(ジャ)
- 揚げ物の調理法。
- 火を均一に通し、むらなく揚げるために材料は大きさや形を揃えて切る。
- 煎(ジェン)
- 両面をよく焼く調理法。
- 燴(ホゥイ)
- あんかけ。とろみをつけて仕上げる。
水系
- 煮(ジュ)
- 煮る。
- 燉(ドゥン)
- (とろ火で)煮込む、煮詰める。
- 煮込む。
- 烹(ポウン)
- 水で揚げた材料をさっと煮る。
- 燜(メゥン)
- 水で揚げたりした材料を煮込む。
- 汆(ツゥアン)
- (お湯で)さっと茹でる。
- 蒸(ジョン)
- 蒸す,蒸気を通す、ふかす。
- 涮(シュアン)
- 薄切りの材料を軽くゆでる。
- しゃぶしゃぶにする。
水と油混合系
- 燒(シャオ)
- 中華料理の基準の1つ。
- 煨(ウェイ)
- 調味料を加え、長時間弱火で煮込む(弱火で焼きにすることを示すこともある)。
火系
- 烤(カオ)
- 焼き。
- 直火で炙り焼く調理法。
- 燻(シュン)
- 醬(ジアン)
- 扒(パー)
漬系
- 醃(イェン)
- 塩漬けにする。(広く)みそ,しょうゆなどにつける。
- 溜(リョウ)
- あんかけにする
- 滷(ルー)
その他
- 拌(バン)
- かき混ぜる、混ぜ合わす。あえる。
- 掛(ゲゥア)
切り方
- 段(ダゥアン)
- 塊(クァイ)
- ぶつ切り。
- 片(ピェン)
- 薄切り、そぎ切り。
- 條(ティアオ)
- 絲(スー)
- 細切り。
- 丁(ディン)
- 角切り、さいの目切り。
- 末(モー)
- みじん切り
- 鬆(スォン)
関連項目
参考文献
脚注
外部リンク
カテゴリ 地域別の料理 | |
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各国の料理 |
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歴史的な料理 | |
様式 | |
ディッシュ | |
調理 | |
関連項目 | |