朝鮮料理
- العربية
- Azərbaycanca
- Български
- Čeština
- Deutsch
- English
- Esperanto
- Español
- فارسی
- Suomi
- Français
- Galego
- עברית
- Magyar
- Հայերեն
- Bahasa Indonesia
- Italiano
- Jawa
- ქართული
- 한국어
- Lietuvių
- Bahasa Melayu
- Nederlands
- Norsk bokmål
- ଓଡ଼ିଆ
- Polski
- Português
- Română
- Русский
- Simple English
- Српски / srpski
- Svenska
- தமிழ்
- ไทย
- Tagalog
- Türkçe
- Українська
- Oʻzbekcha / ўзбекча
- Tiếng Việt
- 中文
韓国料理(かんこくりょうり)、または朝鮮料理(ちょうせんりょうり)は、狭義には韓国の民族料理である。広義には日本料理が、中華料理がそれぞれ韓国風に大きく変化した日式や中式と呼ばれる料理も含まれるが、この項では取り扱わない。
日本で最もよく知られたものにはキムチと焼き肉があり、日本人のイメージにおける代表的な韓国料理店は焼き肉屋である。近年ではトルソッ(石鍋)を用いた料理が多国籍料理などに取り入れられる傾向がある。
韓国料理の特徴
古来より農耕を営んできたので、米食であり、野菜を用いたメニューが多い。また、海に囲まれた地理ゆえ、海産物をよく消費する。日本同様、生の魚介類も食べる。韓国料理=焼肉のイメージが強いため、日常的に肉を多食しているように思われがちだが、一般家庭では肉よりも魚、野菜をメインとした食卓が普通である。
一般におかず類の味付けには醤油、ごま油、ニンニク、ネギ、唐辛子などによるヤンニョムを用いる。日本料理と比べて牛肉を使うものが多いこと、唐辛子を使った辛い料理が多いこと、などに特徴がある。
唐辛子は、他の調味料と異なり中南米起源で、その歴史は比較的浅いが、いまでは韓国料理に溶け込み欠かせない食材となっている。
寒冷な気候から保存食である発酵食品が発達した。テンジャンやコチュジャンといった味噌類やキムチ、マダラの内臓を発酵させたチャンジャがそれに当たる。他の保存食としては日本同様に魚の干物がある。
韓定食と呼ばれる宮中料理も発達している。クジョルパンと呼ばれる陰陽五行説に基づいた色とりどりの食材を小麦粉と卵を用いて作られた皮に包んで食べる料理が有名。
庶民料理としてプンシク(粉食)がある。読んで字の如く米粉や小麦粉を用いた料理群だ。その代表のラーメン(ラミョン)は日本のそれとは異なり、食堂でも即席めんが出される。
ポジャンマチャ(舗装馬車)と呼ばれる屋台も庶民の間で人気がある。チヂミやトッポッキ、スンデや牛の肝臓を蒸したもの、ポンテギなどが非常に安価に売られている。
韓国料理店で比較的よく見かける典型的な食事の構成は、メインメニュー(多くはスープ類)にご飯(白米、赤米であることも)と、キムチ、ナムルなどのサイドメニューが数種類という組み合わせである。食堂である場合、サイドメニューは無料である場合が多い。
韓国料理のマナー
金属製の匙と箸を用いるのが基本である。また、食器も金属製のものが多用される。これは王族、両班が青酸による暗殺を避けるために、化学変化しやすい銀製の製品を愛用した名残と言われる。
左手で食器を持ち上げず、ご飯も匙で食べる。汁物にご飯を入れることはタブー視されず、むしろ一般的だ。しかし、これらのマナーに関して外国人旅行者は特に気をつける必要はないだろう。
儒教の影響が色濃く出ており、目上の人より先に箸をつけない、目上に酌をするとき、もらうときは左手をひじに添えるのは基本である。また、女性は酌をしてはいけない。また、客人として招かれたときは完食せずに残して「十分な量が振舞われた」ことを示すことが美徳とされる。日本との大きな違いとして、正座はせず片膝を立てて座ることが行儀よいとされる。
もっとも、儒教的風習は若年層で廃れつつあるし、飽食批判から残飯を作らぬことが推奨される風潮もある。
韓国料理のメニュー
周辺の日本や中国に比べ、スープ類が多く、唐辛子を用いた料理が多い。
スープ類
鍋(チゲ)類
- キムチチゲ
- プテチゲ
スープ類とチゲ類の区別は非常に曖昧である
ご飯類
チヂミ類
麺類
野菜類
粉食(プンシク)類
肉類
飲み物
酒類
その他
日本の影響
文禄・慶長の役や日本統治時代など日本からの影響を強く受ける時期があり、日本食の影響を受けている部分がある。
日本食を意味する「日式」食堂が非常にポピュラーである。しかし、韓国的に大きく姿を変えており、いわゆる日本料理とは区別する必要があるだろう。
近年でも回転寿司が輸出されたり、ラーメン、クレープ等が日本経由で紹介されるなど、現在進行形で影響を与えている。
影響の具体例
- うどんを一般に食べる。呼び名もそのまま「ウドン」である。
- 弁当も日本から持ち込まれたとされる。中高年世代では「ベント」という語彙が一般的。ちなみに韓国語では「トシラク」
- おでんもそのまま「オデン」で通じる。
- たくあんを「タクアン」と呼ぶ人もいる。
- キムパプは、日本の巻き寿司が元になっている。キム=海苔、パプ=ご飯である。
- 唐辛子が多く使われているが、16世紀〜18世紀の間に日本から伝わった。一説によると文禄・慶長の役の時に加藤清正の軍兵が寒さをしのぐために使っていたものが伝来したともいう。
- 海苔
- 焼き肉 - 日本の焼肉料理店(ホルモン料理)は終戦直後、在日朝鮮人が形成したと言われているが、韓国では特に日式焼肉と表記する場合がある。
- トンカスは、日本のトンカツから来ている。韓国語にはツの発音がないため、スになる。豚肉を薄く引き延ばし揚げてソースをかけたものでポークカツレツに近い。日本のトンカツは日本式トンカツと呼ばれる。
- たこ焼きも最近韓国内で屋台が目立つようになり、「タコヤキ」で通じたりする。
衛生上の配慮
他の先進国に比べ食品衛生意識が低いような、食べがらの殻や骨などをそのまま地面に落とすような食堂も一部存在する。しかし、旅行者向けの店にはこの様な店はまず存在せず、めったに立ち入ることもないので特に注意する必要はない。
韓国のいわゆる飲み水としての上水道事情は浄水場から圧送される水圧に新旧の水道管のうち老朽管が追従できず、2003年3月11日付けの韓国紙国民日報によると老朽管の漏水率は25%と報道している。漏水が起きると水道管内の水圧は低くなり高台に位置する建物や高層住宅等では断水が発生し、老朽箇所では雨水や汚水の浸入の可能性が高まる。加えて一部の浄水場や家庭の水道水からアデノウイルスやエンデロウイルス等の一種が検出された報道などから、事業所・飲食店・家庭では自前の浄水器の設置、広く普及している配達サービスによるミネラルウォーター、煮沸したもの等を飲用しており、水道水は飲用しない。
参考文献
- 姜仁姫著『韓国食生活史――原始から現代まで』藤原書店 ISBN 4894342111