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「リーマン・ジーゲルの公式」の版間の差分

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[[数学]]における'''リーマン–ジーゲルの公式'''(リーマン・ジ-ゲルのこうしき、{{lang-en-short|''Riemann–Siegel formula''}})は[[リーマンゼータ函数]]の「近似函数等式」(二つの[[ディリクレ級数]]の和によるゼータ函数の近似)の誤差項に対する{{ill2|漸近公式|en|asymptotic formula}}である。この公式は、{{harvtxt|Siegel|1932}} が1850年代からの[[ベルンハルト・リーマン]]の未発表原稿において発見した。ジーゲルはこれを[[#リーマンの積分公式|'''リーマン–ジーゲル積分公式''']](ゼータ函数の[[周回積分]]表示)から導いた。この積分公式はしばしばリーマン–ジーゲルの公式の値の計算に(ときには計算を劇的に速くする{{ill2|オドリツコ–シェーンハーゲ・アルゴリズム|en|Odlyzko–Schönhage algorithm}}と組み合わせて)用いられる。臨界帯に沿って用いるとき、公式は[[ハーディゼータ関数|ハーディゼータ函数]]に対する公式となり、しばしば有用である。
[[数学]]における'''リーマン–ジーゲルの公式'''(リーマン・ジ-ゲルのこうしき、{{lang-en-short|''Riemann–Siegel formula''}})は[[リーマンゼータ函数]]の「近似函数等式」(二つの[[ディリクレ級数]]の和によるゼータ函数の近似)の誤差項に対する{{ill2|漸近公式|en|asymptotic formula}}である。この公式は、{{harvtxt|Siegel|1932}} が1850年代からの[[ベルンハルト・リーマン]]の未発表原稿において発見した。ジーゲルはこれを[[#リーマンの積分公式|'''リーマン–ジーゲル積分公式''']](ゼータ函数の[[周回積分]]表示)から導いた。この積分公式はしばしばリーマン–ジーゲルの公式の値の計算に(ときには計算を劇的に速くする{{ill2|オドリツコ–シェーンハーゲ・アルゴリズム|en|Odlyzko–Schönhage algorithm}}と組み合わせて)用いられる。臨界帯に沿って用いるとき、公式は[[ハーディゼータ関数|ハーディゼータ函数]]に対する公式となり、しばしば有用である。



2024年4月11日 (木) 02:38時点における版

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(2024年4月)

数学におけるリーマン–ジーゲルの公式(リーマン・ジ-ゲルのこうしき、: Riemann–Siegel formula)はリーマンゼータ函数の「近似函数等式」(二つのディリクレ級数の和によるゼータ函数の近似)の誤差項に対する漸近公式 (英語版)である。この公式は、Siegel (1932) が1850年代からのベルンハルト・リーマンの未発表原稿において発見した。ジーゲルはこれをリーマン–ジーゲル積分公式(ゼータ函数の周回積分表示)から導いた。この積分公式はしばしばリーマン–ジーゲルの公式の値の計算に(ときには計算を劇的に速くするオドリツコ–シェーンハーゲ・アルゴリズム (英語版)と組み合わせて)用いられる。臨界帯に沿って用いるとき、公式はハーディゼータ函数に対する公式となり、しばしば有用である。

M, N を非負整数とするとき、ゼータ函数は ζ ( s ) = n = 1 N 1 n s + γ ( 1 s ) n = 1 M 1 n 1 s + R ( s ) {\displaystyle \zeta (s)=\sum _{n=1}^{N}{\frac {1}{n^{s}}}+\gamma (1-s)\sum _{n=1}^{M}{\frac {1}{n^{1-s}}}+R(s)} {\displaystyle \zeta (s)=\sum _{n=1}^{N}{\frac {1}{n^{s}}}+\gamma (1-s)\sum _{n=1}^{M}{\frac {1}{n^{1-s}}}+R(s)} に等しい(近似函数等式)。ただし、 γ ( s ) = π 1 2 s Γ ( s 2 ) Γ ( 1 2 ( 1 s ) ) {\displaystyle \gamma (s)=\pi ^{{\tfrac {1}{2}}-s}{\frac {\Gamma \left({\tfrac {s}{2}}\right)}{\Gamma \left({\tfrac {1}{2}}(1-s)\right)}}} {\displaystyle \gamma (s)=\pi ^{{\tfrac {1}{2}}-s}{\frac {\Gamma \left({\tfrac {s}{2}}\right)}{\Gamma \left({\tfrac {1}{2}}(1-s)\right)}}} は函数等式 ζ(s) = γ(1 − s) ζ(1 − s) に現れる乗因子で、周回積分 R ( s ) = Γ ( 1 s ) 2 π i ( x ) s 1 e N x e x 1 d x {\displaystyle R(s)={\frac {-\Gamma (1-s)}{2\pi i}}\int {\frac {(-x)^{s-1}e^{-Nx}}{e^{x}-1}}dx} {\displaystyle R(s)={\frac {-\Gamma (1-s)}{2\pi i}}\int {\frac {(-x)^{s-1}e^{-Nx}}{e^{x}-1}}dx} の積分路は +∞ を基点(始点および終点)とし、絶対値高々 2πM の特異点をすべて囲む。

この近似函数等式は誤差項の大きさに対する評価を与える Siegel (1932) および Edwards (1974) では、この誤差項 R(s)Im(s) に関する負冪の級数としての漸近展開を与えるために、この積分に最急降下法 (英語版)を適用して、リーマン–ジーゲルの公式を導出している。応用上、s はふつう臨界帯上にとり、正整数 M, N(2πIm(s))1/2 の近くに取る。Gabcke (1979) はリーマン–ジーゲルの公式の誤差に関してよい評価を求めている。

リーマンの積分公式

リーマンは

0 1 e i π u 2 + 2 π i p u e π i u e π i u d u = e i π p 2 e i π p e i π p e i π p {\displaystyle \int _{0\searrow 1}{\frac {e^{-i\pi u^{2}+2\pi ipu}}{e^{\pi iu}-e^{-\pi iu}}}du={\frac {e^{i\pi p^{2}}-e^{i\pi p}}{e^{i\pi p}-e^{-i\pi p}}}} {\displaystyle \int _{0\searrow 1}{\frac {e^{-i\pi u^{2}+2\pi ipu}}{e^{\pi iu}-e^{-\pi iu}}}du={\frac {e^{i\pi p^{2}}-e^{i\pi p}}{e^{i\pi p}-e^{-i\pi p}}}}

を示した。ここで積分路は、01 の間を通過する傾き −1 の直線である (Edwards 1974, 7.9)。

彼はこれを使って、次に示すゼータ関数の積分公式を導き出した。

π s / 2 Γ ( s 2 ) ζ ( s ) = π s / 2 Γ ( s 2 ) 0 1 x s e π i x 2 e π i x e π i x d x + π 1 s 2 Γ ( 1 s 2 ) 0 1 x s 1 e π i x 2 e π i x e π i x d x {\displaystyle \pi ^{-s/2}\Gamma \left({\frac {s}{2}}\right)\zeta (s)=\pi ^{-s/2}\Gamma \left({\frac {s}{2}}\right)\int _{0\swarrow 1}{\frac {x^{-s}e^{\pi ix^{2}}}{e^{\pi ix}-e^{-\pi ix}}},円dx+\pi ^{-{\frac {1-s}{2}}}\Gamma \left({\frac {1-s}{2}}\right)\int _{0\searrow 1}{\frac {x^{s-1}e^{-\pi ix^{2}}}{e^{\pi ix}-e^{-\pi ix}}},円dx} {\displaystyle \pi ^{-s/2}\Gamma \left({\frac {s}{2}}\right)\zeta (s)=\pi ^{-s/2}\Gamma \left({\frac {s}{2}}\right)\int _{0\swarrow 1}{\frac {x^{-s}e^{\pi ix^{2}}}{e^{\pi ix}-e^{-\pi ix}}},円dx+\pi ^{-{\frac {1-s}{2}}}\Gamma \left({\frac {1-s}{2}}\right)\int _{0\searrow 1}{\frac {x^{s-1}e^{-\pi ix^{2}}}{e^{\pi ix}-e^{-\pi ix}}},円dx}

関連項目

ガンマ関数

オイラーの定数

リーマンゼータ関数

ハーディゼータ関数

リーマン・ジーゲルのシータ関数

参考文献

外部リンク

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