「ヒューレット・パッカードの電卓」の版間の差分
2019年2月2日 (土) 08:39時点における版
ヒューレット・パッカード(HP)の電卓は、電卓の初期からRPN(逆ポーランド記法)入力方式を特徴としており、電卓の世界で一時代を築いた。
歴史
1968年に発売された HP 9100A がヒューレット・パッカードの最初の電卓であった。世界初の関数電卓 であり、プログラミングも可能であった。入力方式は 3 Level RPN であった[1] 。
1972年に HP-35 が発売された。世界で最初の「ポケットに入る関数電卓」であった。入力方式に 4 Level RPN を採用し、この方式は現在でも使われている[2] 。
1987年に HP-28C が発売された。ヒューレット・パッカード初のグラフ電卓であり、最初の CAS(数式処理システム)搭載電卓であった。さらに HP-28C は RPL プログラミング言語を採用した。Forth を元にした RPL は非常に強力な言語であり、当時の電卓やポケコン用のBASIC言語よりも遥かに強力であった。
1990年代の中旬になると、ヒューレット・パッカードの電卓の販売は苦戦するようになり、新機種の投入間隔が長くなった。例えば、1993年に HP 48G/GX を発売したが、次の機種は5年後の HP 48G+ であった。
1999年に発売された HP 49G は粗末なグラフ電卓であった。この時期になっても速度の遅い HP Saturn CPU を採用しており、キーはゴム製に退化した。HP 49G は、RPN 入力方式に加えて他社の電卓に似た ALG 入力方式も採用していた。この時期、すでに電卓は低価格化が進んでおり、ヒューレット・パッカードは電卓の低価格化に適応できていなかったと思われる。
2001年にヒューレット・パッカードの電卓部門が閉鎖された[3] 。電卓部門の社員は大半が解雇され、それ以降の電卓の開発は台湾の Kinpo Electronics (英語版) によって行われることになった。
2015年にヒューレット・パッカードは、HP Inc. とヒューレット・パッカード・エンタープライズに分割された。電卓は HP Inc. が引き継いでいる。
電卓一覧
1968年
- HP 9100A(世界最初の関数電卓)
1971年
- HP 9810A
1972年
- HP-35(世界最初のポケットに入る関数電卓)
- HP 9820A
- HP 9830A
1973年
- HP-45
- HP-46
- HP-80(世界初の金融電卓)
- HP-81
- HP 9805
1974年
1975年
1976年
- HP-25C(電源OFFしてもメモリーが維持できる電卓の末尾に C が付いた)
- HP-27
- HP-67
- HP-91
- HP-97
- HP 9815A
- HP 9825A
1977年
1978年
- HP-31E
- HP-32E
- HP-33E
- HP-37E
- HP-38E
1979年
1980年
- HP-41CV
- HP 9815S
1981年
1982年
1983年
1984年
- HP-71B
1985年
- HP-75D
1986年
- HP-18C
- HP-94D
- HP-94E
- HP-94F
1987年
- HP-10B
- HP-28C(ヒューレット・パッカードの最初のグラフ電卓)
1988年
1989年
- HP-10B
- HP-14B 50th Anniversary Limited Edition(ヒューレット・パッカード創業50周年記念)
- HP-20S
- HP-21S
1990年
- HP 17BII
- HP-19BII
- HP 48SX(Equation Writer という数式自然表示機能搭載)
1991年
1993年
1995年
1998年
1999年
- HP-30S
- HP 49G
- HP-6S
- HP-6S Solar
2000年
2001年
- HP 10bII
- HP Xpanderの販売中止
2003年
ここから台湾 Kinpo Electronics が開発した電卓になる。
2006年
2007年
2008年
- HP 20b
2010年
2011年
- HP 10bII+
- HP 39gII
2013年
出典
グラフ電卓: | |
---|---|
プログラマブル関数電卓: | |
関数電卓: | |
金融/ビジネス向け電卓: | |
その他: | |
関連項目: |