1行目:
1行目:
{{Coor title dms|36|32|38|N|138|12|22|E}}
{{Coor title dms|36|32|38|N|138|12|22|E}}
[[File:Matsushiro Seismological Observatory.JPG|280px|thumb|気象庁精密地震観測室]]
'''気象庁精密地震観測室'''(きしょうちょう せいみつじしんかんそくしつ)は、[[長野県]][[長野市]]松代地区の舞鶴山の南山麓の[[松代大本営跡]]にある[[地震]]観測所で、日本最大級の地震観測施設である。
'''気象庁精密地震観測室'''(きしょうちょう せいみつじしんかんそくしつ)は、[[長野県]][[長野市]]松代地区の舞鶴山の南山麓の[[松代大本営跡]]にある[[地震]]観測所で、日本最大級の地震観測施設である。
7行目:
8行目:
海岸からの距離が遠く波浪の影響を受けない、大都市から距離があり生活振動の影響を受けにくい、安定した岩盤(閃緑ひん岩と黒色頁岩)があるなど高感度地震計の設置に適する立地を生かし、1947年に[[中央気象台]]松代分室が設置され地震観測が始まった。[[1965年]][[8月3日]]から始まった[[松代群発地震]]で貴重なデータを採取するなど、日本における地震観測研究の中心的組織である。
海岸からの距離が遠く波浪の影響を受けない、大都市から距離があり生活振動の影響を受けにくい、安定した岩盤(閃緑ひん岩と黒色頁岩)があるなど高感度地震計の設置に適する立地を生かし、1947年に[[中央気象台]]松代分室が設置され地震観測が始まった。[[1965年]][[8月3日]]から始まった[[松代群発地震]]で貴重なデータを採取するなど、日本における地震観測研究の中心的組織である。
[[包括的核実験禁止条約]](CTBT)に基づく地下核実験の探知も行っており、ここの地震計で観測されているデータは[[オンライン]]で[[ウィーン]]にある[[データセンター]]に伝送されている(核爆発による[[人工地震]]は自然現象と波形が異なる)。なお、松代に核実験の震動波が到達するのは日本時間の夜間に多かったため、より高精度な観測が行えた<ref>[http://www.(削除) grn.janis (削除ここまで).(削除) or (削除ここまで).jp/(削除) ~matu-jma (削除ここまで)/gijyutsu9-ishikawa.html 松代地震観測所での地下核実験の観測能力について]</ref>。
[[包括的核実験禁止条約]](CTBT)に基づく地下核実験の探知も行っており、ここの地震計で観測されているデータは[[オンライン]]で[[ウィーン]]にある[[データセンター]]に伝送されている(核爆発による[[人工地震]]は自然現象と波形が異なる)。なお、松代に核実験の震動波が到達するのは日本時間の夜間に多かったため、より高精度な観測が行えた<ref>[http://www.(追記) jma-net (追記ここまで).(追記) go (追記ここまで).jp/(追記) matsushiro/publication/gijyutsu (追記ここまで)/gijyutsu9-ishikawa.html 松代地震観測所での地下核実験の観測能力について](追記) 気象庁地震観測所技術報告 第9号 (追記ここまで)</ref>。
[[アメリカ地質調査所|米国地質調査所]] USGS が運営する LISS(''Live Internet Seismic Server'')と、 IRIS が運営する BUD (''Buffer of Uniform Data'') のデータをインターネット経由でリアルタイムで取得し、全世界の地震の震源や規模(別名:松代マグニチュード<ref>{{PDFlink|[http://www2.jpgu.org/meeting/2002/pdf/s047/s047-004.pdf 遠地地震のモーメントマグニチュードをSTS2地震計を用いて即時推定するための経験式] 地球惑星科学関連学会2002年合同大会 予稿集}}</ref>)を高精度で決定し気象庁本庁に通知する。
[[アメリカ地質調査所|米国地質調査所]] USGS が運営する LISS(''Live Internet Seismic Server'')と、 IRIS が運営する BUD (''Buffer of Uniform Data'') のデータをインターネット経由でリアルタイムで取得し、全世界の地震の震源や規模(別名:松代マグニチュード<ref>{{PDFlink|[http://www2.jpgu.org/meeting/2002/pdf/s047/s047-004.pdf 遠地地震のモーメントマグニチュードをSTS2地震計を用いて即時推定するための経験式] 地球惑星科学関連学会2002年合同大会 予稿集}}</ref>)を高精度で決定し気象庁本庁に通知する。
59行目:
60行目:
* 群列地震観測システム(MSAS) - 直径 10kmの円周上に7地点、ほぼ中央に2地点の合計9地点に高精度の地震計を配置し、データはコンピュータ処理され、「1観測点で捉えられない微弱な地震波を検出」、地震波の到達時間の差から「震源の距離と方向、規模を求める」などを行う<ref>[http://www.(削除) grn (削除ここまで).(削除) janis.or (削除ここまで).jp/(削除) ~matu-jma (削除ここまで)/ 群列地震観測システム]</ref>。
* 群列地震観測システム(MSAS) - 直径 10kmの円周上に7地点、ほぼ中央に2地点の合計9地点に高精度の地震計を配置し、データはコンピュータ処理され、「1観測点で捉えられない微弱な地震波を検出」、地震波の到達時間の差から「震源の距離と方向、規模を求める」などを行う<ref>[http://www.(追記) jma-net (追記ここまで).(追記) go (追記ここまで).jp/(追記) matsushiro (追記ここまで)/(追記) learning/system.html (追記ここまで) 群列地震観測システム]</ref>。
* 石英管式水平歪み計 2基(東西、南北) 各100mの長さ。(4m の石英管を25本連結)
* 石英管式水平歪み計 2基(東西、南北) 各100mの長さ。(4m の石英管を25本連結)
* 電磁式強震計、(機械式強震計は運用終了)
* 電磁式強震計、(機械式強震計は運用終了)
* ボアホール式広帯域地震計 CMG-3TB<ref>[http://www.(削除) grn (削除ここまで).(削除) janis.or (削除ここまで).jp/(削除) ~matu-jma (削除ここまで)/(削除) gijyutu26 (削除ここまで)-tsuyuki-etal.html ボアホール地震計の設置について] 気象庁精密地震観測室技術報告 第26号</ref>。設置深さは、705m。
* ボアホール式広帯域地震計 CMG-3TB<ref>[http://www.(追記) jma-net (追記ここまで).(追記) go (追記ここまで).jp/(追記) matsushiro/publication/gijyutsu (追記ここまで)/(追記) gijyutsu26 (追記ここまで)-tsuyuki-etal.html ボアホール地震計の設置について] 気象庁精密地震観測室技術報告 第26号</ref>。設置深さは、705m。
* 加速度計 CMG-5TB
* 加速度計 CMG-5TB
74行目:
75行目:
* [http://www.(削除) grn (削除ここまで).(削除) janis.or (削除ここまで).jp/(削除) ~matu-jma (削除ここまで)/ 精密地震観測室]
* [http://www.(追記) jma-net (追記ここまで).(追記) go (追記ここまで).jp/(追記) matsushiro (追記ここまで)/ 精密地震観測室]
* [http://www.mlit.go.jp/common/000205562.pdf 現場力 File.15]
* [http://www.mlit.go.jp/common/000205562.pdf 現場力 File.15]
2013年7月18日 (木) 08:40時点における版
座標: 北緯36度32分38秒 東経138度12分22秒 / 北緯36.54389度 東経138.20611度 / 36.54389; 138.20611
気象庁精密地震観測室(きしょうちょう せいみつじしんかんそくしつ)は、長野県 長野市松代地区の舞鶴山の南山麓の松代大本営跡にある地震観測所で、日本最大級の地震観測施設である。
正式名称は気象庁地震火山部地震津波監視課精密地震観測室(きしょうちょう じしんかざんぶ じしんつなみかんしか せいみつじしんかんそくしつ)である。
概要
海岸からの距離が遠く波浪の影響を受けない、大都市から距離があり生活振動の影響を受けにくい、安定した岩盤(閃緑ひん岩と黒色頁岩)があるなど高感度地震計の設置に適する立地を生かし、1947年に中央気象台松代分室が設置され地震観測が始まった。1965年 8月3日から始まった松代群発地震で貴重なデータを採取するなど、日本における地震観測研究の中心的組織である。
包括的核実験禁止条約(CTBT)に基づく地下核実験の探知も行っており、ここの地震計で観測されているデータはオンラインでウィーンにあるデータセンターに伝送されている(核爆発による人工地震は自然現象と波形が異なる)。なお、松代に核実験の震動波が到達するのは日本時間の夜間に多かったため、より高精度な観測が行えた[1] 。
米国地質調査所 USGS が運営する LISS(Live Internet Seismic Server)と、 IRIS が運営する BUD (Buffer of Uniform Data) のデータをインターネット経由でリアルタイムで取得し、全世界の地震の震源や規模(別名:松代マグニチュード[2] )を高精度で決定し気象庁本庁に通知する。
なお、気象庁精密地震観測室と同じ松代大本営跡に松代地震センターがあるため、気象庁精密地震観測室と松代地震センターが混同されることがある。任務も関連しているものの両者は全く別組織であるが、松代地震センター長は気象庁精密地震観測室長が兼務する。
沿革
- 6月25日 STS-2型地震計による観測開始。
組織
室長の下、主任研究官と研究官、および観測係、調査係、総務係が置かれている(2006年7月現在)。
任務
- 中規模以上の地震の精密観測および通報。
- 地殻変動の観測。
- 地震観測機器の保守と試験および改良。
- 各種調査研究業務。
- 地震観測報告の刊行および配布。
- 国際協力
- 包括的核実験禁止条約に基づく共同観測
- IRIS(Incorporated Research Institution for Seismology) の日本観測点。
主要観測機器
- 短周期地震計
- 短周期上下動地震計
- 長周期地震計
- 90型計測震度計
- 群列地震観測システム(MSAS) - 直径 10kmの円周上に7地点、ほぼ中央に2地点の合計9地点に高精度の地震計を配置し、データはコンピュータ処理され、「1観測点で捉えられない微弱な地震波を検出」、地震波の到達時間の差から「震源の距離と方向、規模を求める」などを行う[3] 。
- 石英管式水平歪み計 2基(東西、南北) 各100mの長さ。(4m の石英管を25本連結)
- 水管傾斜計
- 電磁式強震計、(機械式強震計は運用終了)
- STS-2型地震計
- ボアホール式広帯域地震計 CMG-3TB[4] 。設置深さは、705m。
- 加速度計 CMG-5TB
関連項目
脚注
- ^ 松代地震観測所での地下核実験の観測能力について気象庁地震観測所技術報告 第9号
- ^ 遠地地震のモーメントマグニチュードをSTS2地震計を用いて即時推定するための経験式 地球惑星科学関連学会2002年合同大会 予稿集 (PDF)
- ^ 群列地震観測システム
- ^ ボアホール地震計の設置について 気象庁精密地震観測室技術報告 第26号
外部リンク