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余談ながら、FEN時代の1980年代に[[ソニー]]がFEN東京810kHz固定のカード型単局ラジオを出したことがある。これはソニーの単局ラジオの先駆けとなった。
余談ながら、FEN時代の1980年代に[[ソニー]]がFEN東京810kHz固定のカード型単局ラジオを出したことがある。これはソニーの単局ラジオの先駆けとなった。

一般向けラジオで最も感度の良い810kHzを米軍が利用している点は日本の戦後が終わっていない象徴とも言える。


東京局住所:東京都福生市横田空軍基地3266号棟 第10報道分遣隊第5091分隊
東京局住所:東京都福生市横田空軍基地3266号棟 第10報道分遣隊第5091分隊

2007年10月14日 (日) 03:22時点における版

AFN(American Forces Network-米軍放送)は、世界各地の米軍が駐留する地に設けられた基地関係者とその家族向けの放送局(ラジオ部門、テレビ部門、ニュース製作部門の3つから成る)であり、米軍の商標である。日本でのサービスは、1997年までFEN (Far East Network - 極東放送)と呼ばれていた。 放送を行うのはBroadcast Journalistと呼ばれる下士官兵卒の現役軍人が中心で、彼らの兵科Public Affairs(広報科:陸軍空軍海兵隊)、Mass Communications Specialist(MC:報道員:海軍のみ)である。

日本

日本では東京都 多摩地域(福生市)にある横田基地をスタジオに、埼玉県 和光市の 米軍アンテナ施設(旧米軍朝霞キャンプ:Camp Drake の唯一未返還の土地で和光市の理化学研究所和光本所に南接。送信アンテナは2本あり、230°(南西南)を向き、主な米軍基地がある神奈川方面に向き指向性を持たせている。)から発射(発信)しているAFN Tokyoの他、AFN Misawa、AFN Iwakuni、AFN Sasebo、AFN Okinawaの各局がある。AFN も含め、米軍無線局は全て日米安保に基づく電波法適用対象外の局であるため、コールサイン免許を持たず、機器メンテナンスのために日中に停波することさえある(軍施設へは有線配信のため、関係なく聴ける)。原則として午前0:00を起点にして毎日24時間放送が行われている。ほぼ全て英語で放送される。

軍が運用する放送局のため、いわゆる商用コマーシャルはなく、代わりに「地域における米兵としての心構え」や「日本生活における注意点」のような啓蒙メッセージや、フリーマーケット情報など軍人生活に関連する情報が挟まれる。

また日本の一般の放送局の放送との顕著な違いとして、相当頻繁に気象情報(海上・航空含む)・為替レート(ベース内 Military Banking Facility の円/ドルレート)が流れることが挙げられよう(自局制作音楽番組では MC アナウンサーが代読することもある)。台風接近・通過時など一定の災害警戒状態(基本的に米軍の気象観測施設に基づき発令されるものであり、必ずしも日本気象庁の発令する警報・注意報とは連動しない)になると、「現在しろまるレベルの警戒状態です。**への準備を怠らないようにしましょう」といった注意が放送されるようになる。

軍人への緊急通達(災害や保安関係)が稀に臨時で放送されることもあり、その場合はアナウンス前に"長点1回・長点2回・長点2回・長点2回"のブザー音で告知する。2001年 9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件の直後に、米軍基地に勤務する日本人従業員への連絡のため、基地業務関連などに関する放送を一部日本語で行った。ベース内には英語が通じない日本人従業員もいるため、連絡を徹底させるためだったと推測される。

以前は基点となる午前0:00のニュース明けにジャンクションとして日本国歌君が代」と米国歌「星条旗」が演奏されていた。なお、東京局が "Eagle 810" 、三沢局が "The Edge, 1575" 、岩国局が"Power 1575"、沖縄局が"Surf 648"(AM)・"Wave 89"(FM)、佐世保局が"Thunder Radio"の愛称を持つ。

FEN当時は「This is the Far East Network.」のアナウンス後に"ポーン"の音で時報を流していたが、改称後は、「This is AFN.」「This is American Forces Network.」「You are listening to AFN.」「This is your country, American Forces Network.」などのアナウンスの後、まれに正時のタイミングのみにバックグラウンドで時報トーンが発出される。省略される事が多い。2007年の編成では、正時にはほぼ、APラジオニュースが放送されるようになっている。

基本的に基地内向けケーブル放送と基地外に向けてAMラジオで放送を行うが、AFN Okinawa はAMラジオだけでなくFMラジオやテレビでも放送しており、FM放送は主に本島中南部で明瞭に聴取可能である。テレビ放送は放送周波数がアメリカバンド8chであるが、VHF6chで視聴可能である。また、AFN Misawa や AFN Iwakuni でも出力は AFN Okinawa に比べると弱いものの、TV放送を行なっている(こちらはアメリカバンド66chであるため、日本向け販売の一般的なテレビでは視聴不可能)。

また、過去に通常の短波放送で放送を行っていたことがある。現在は短波SSB(モードはUSB、受信には通信型受信機が必要)を使用し送信している。日本で受信できるAFNの主なSSBの局はグアムハワイにある。これは上記のAM波AFNとは番組内容が全く違ったものである。番組編成などはmy AFNのページから参照できる。

AMの番組は各AFN局で制作される番組と、衛星で配信される番組の2種類である。

余談ながら、FEN時代の1980年代にソニーがFEN東京810kHz固定のカード型単局ラジオを出したことがある。これはソニーの単局ラジオの先駆けとなった。

一般向けラジオで最も感度の良い810kHzを米軍が利用している点は日本の戦後が終わっていない象徴とも言える。

東京局住所:東京都福生市横田空軍基地3266号棟 第10報道分遣隊第5091分隊

歴史

  • 1942年5月 - アメリカ軍直営のラジオ局、AFRS(the Armed Forces Radio Service)がアラスカコディアック島に開局。
  • その後、各地で兵士や兵士の家族向けに放送をする局が開局。兵士向けの野戦局は送信機、コンソール、レコード一箱という機材構成だったとか。
  • 1945年7月 - 米軍により沖縄にAFRSが開局。
  • 第二次世界大戦末期、AFRSが米軍の支配下にある島々の日本軍に対して、抵抗を止めて降伏するよう勧告する放送を行う。また、同様の告知は日本軍のいる島々に偵察機からビラを撒くという形でも行われる。
  • 1945年 9月12日 - 米軍はNHKの本部を使いWVTRというラジオを開局。AFN Tokyoの原型となる。1952年まで継続。なお、現在のテレビの1chを米軍が使用していた為、NHKは3chに開局せざるを得なかったという話も有名である。
  • WVTR東京、WVTMマニラ、WLKI別府、WVTX硫黄島、WLKA鹿屋、WLKH小倉、WLKF熊本、WLKB大分、WXLH沖縄、WVTQ大阪、WLKD札幌、WVTO佐世保、WLKE仙台、WVTPソウル、WLKC釜山の各局が整う。後にFEN(エフ・イー・エヌ。"フェン"ではない)と改名される。
  • 午前6:30から午後11:30までの英語放送をはじめる。
  • 1953年9月までに、スタジオはすべて米軍基地内に移る。
  • 1959年 - 新潟に新たに開局。拡大縮小などから日本国内に9局ができる。
  • 同年11月、沖縄でテレビ放送開始。
  • その後、拡大縮小が相次ぐが、FENとして日本各地で放送をおこなう。
  • 1997年 - AFN (American Forces Network) に改名。
  • 2004年 9月15日 - AFN|prime、AFN|spectrum、AFN|news、AFN|sports、AFN|movie、AFN|familyの6チャンネル制へと変更(沖縄で放送されている軍基地外でも映るチャンネルはAFN|primeへ名称変更、AFN|spectrum・AFN|movieは1997年から続いているためロゴの変更のみ、AFN|news・AFN|sportsはもともとAFN・NewsSportsだったものがそれぞれ分離、AFN|familyは新たに開設)。
  • 2006年 - AFN Tokyoは1月から6月にかけ、埼玉県和光市にある米軍アンテナ施設の810KHzの送信アンテナ2本を建て替える。
  • 2006年 9月1日 - AFN Tokyoは平成18年度東京都・足立区合同総合防災訓練の一環として英語による地震情報をラジオで放送した。

在日米軍にある放送局

日本国内のAFN各局はAir Force News Agency(空軍報道局 テキサス州 サンアントニオ、ラックランド空軍基地内)の指揮下にある。

沖縄県のAFN放送局(スタジオ)はキャンプフォスター(キャンプ瑞慶覧)内。またスポラディックE層発生中は、本州でもAFN Okinawa FMが受信ができることもある。
  • 沖縄県:キャンプフォスター(キャンプ瑞慶覧) US8(テレビ放送。日本の6chとほぼ同じ、NTSC方式だがステレオ方式はアメリカ方式。県内ではAFNテレビを視聴できる施設(ホテルなど)・世帯がある。また本島中部地方の世帯で豊見城市高安にあるNHK沖縄放送局RBCOTVの送信所に向けてアンテナを設置している家庭の6chにも鮮明ではないが映る。)

自局製作のテレビ番組

  • AFNのTV放送は、殆どがNBCCBS等のアメリカのテレビ局からの番組を配信しているため、ラジオとは違い自局製作の番組は少ない。
  • PACIFIC REPORT
  • AFN Tokyo Today(AFN Tokyoのみ)
  • Inside Iwakuni(AFN Iwakuniのみ)
  • EXTENDED FORECAST
  • Space-A Forecast
  • PACIFIC WEATHER UPDATEなど

番組購入

AFNを通して日本で見ることのできる番組

世界のAFN

  • AFN Korea(韓国駐留軍向け)
  • AFN Hawaii(西太平洋部隊向け)
  • AFN Kwajalein(南太平洋駐留部隊向け・マーシャル諸島クワジェリン島)
  • AFN Europe(ヨーロッパ駐留軍向け)
  • AFN Antarctica(南極にも局がある)
  • AFN Honduras(中米駐留軍向け)
  • AFN Iraq(イラク駐留軍向け)

AFNのチャンネル一覧

以下の衛星放送を視聴するには米軍人や軍属向けに販売されている専用のデコーダを購入する必要がある。 ただし、沖縄の一部地域では地上波のAFN Prime Pacificを日本向け販売のTVで視聴可能である。

  • AFN Prime Pacific(太平洋向け放送・総合チャンネル)
  • AFN Prime Atlantic(大西洋向け放送・総合チャンネル)
  • AFN Prime Freedom(中東向け放送・総合チャンネル)
  • AFN Spectrum(ディスカバリーチャンネルやヒストリーチャンネルを流している)
  • AFN Xtra(WWEX Gamesなど)
  • AFN News(ニュース専門チャンネル)
  • AFN Family(家族向け)
  • AFN Movie(映画専門チャンネル)
  • AFN Sports(スポーツ中継が主なチャンネル)
  • Pentagon Channel(世界各地のAFNや駐留部隊が制作したニュース番組や軍高官の記者会見など)

以下は音声のみ。

  • AFN Voice Channel(ニュースやトークショウなど総合音声チャンネル。短波放送と同じであると思われる。)
  • Adult Rock & Roll(60〜80年代のClassic Rockが中心)
  • Bright AC(80年代から最近のラップやヒップホップを含まないラジオヒット曲が中心)
  • Country(最近のカントリーミュージックが中心)
  • ESPN Plus(ESPN Radio)
  • FOX Sports Plus(Fox Sports Radio)
  • Hot AC(80年代から最近のラジオヒット曲が中心)
  • NPR(National Public Radio)
  • Oldies Radio(50年代から70年代までのヒット曲が中心)
  • The Touch(70年代から最近のアーバンミュージックが中心)
  • Z Rock(最近のHR/HMが中心)

外部リンク


NHK(NHKラジオ)
FM補完放送を行うAMラジオ
FMラジオ局
短波ラジオ局
コミュニティFM
放送終了
関連項目
備考

FM補完放送を行うAMラジオ局・AMラジオ局・FMラジオ局・短波ラジオ局の欄の網掛の凡例
しかく...JRN系、しかく...NRN系、しかく...JFN系、しかく...JFL系、しかく...MegaNet系、しかく...独立ラジオ局

県別一覧はデジタル放送 チャンネルID順(NHKは総合テレビのみ)
NHK(公共放送)
民放福岡県
佐賀県
長崎県
熊本県
大分県
宮崎県
鹿児島県
沖縄県
関連組織
備考

民放テレビ局の網掛の凡例
しかく...NNNNNS系列局、しかく...ANN系列局、しかく...JNN系列局・Gガイドホスト局(通常は兼務)、しかく...TXN系列局、しかく...FNNFNS系列局、しかく...クロスネット局
備考
1. ^  JNN系列のRKB毎日放送はかつては民放テレビ局はFNN・FNS系列局のみの佐賀県にもアナログGガイドの番組データの配信を対応していた
2. ^  FNN・FNS系列のSTSサガテレビはJNN系列局が存在しない地域のGガイドホスト局(デジタルGガイドのみ。かつてのアナログGガイドはJNN系列のRKB毎日放送が対応していた。)
3. ^  TOSテレビ大分はNNN・NNS系列、FNN・FNS系列のクロスネット局
4. ^  UMKテレビ宮崎はFNN・FNS系列主体でNNN系列、ANN系列とのクロスネット局
5. ^   FNN・FNS系列のOTV沖縄テレビはNNN・NNS系列との提携関係あり

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