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全米製作者組合(Producers Guild of America〈プロデューサーズ・ギルド・オブ・アメリカ〉, 略称:PGA)は、アメリカ合衆国の映画、テレビ、その他ニューメディアにおけるプロデューサー全体の権利を代表し保護・促進を目的とする501(c)(6) 業界団体である^[5] 。

世界中のプロダクション関係者8,400人以上が組合員となっている^[6] 。2024年7月現在、会長はステファニー・アレインとドナルド・デ・ライン (英語版)が共同で務めている^[7] 。

PGAは組合員に対し、IMDb Proやデルタ航空など様々なサービスの割引、1対1でのメンター制度、組合員向けの求人情報、オスカー・シーズン中のスクリーニング招待など、様々な特典を提供している^[8] 。以前は、健康保険や年金の援助も行っていた^[8] 。

PGAのルーツは、ウォルター・ミリッシュのリーダーシップのもと、1962年に映画製作者組合とテレビ製作者組合が合併したことに遡る。

やがてPGAはその影響力を拡大し、さまざまなプロダクション部門の協議会、ニューヨークのPGAイーストのような地域支部を設立し、2002年にはニューメディア協議会を設立して新興メディアに対応した。2012年には、プロデューサーが映画製作に多大な貢献をしたことを示す認証マークを導入した。また、業界におけるセクシャル・ハラスメントと闘うための積極的な対策を講じ、ガイドラインの制定、タスクフォースの設置、反ハラスメント研修の義務化などを実施している。ハーヴェイ・ワインスタインのスキャンダルが報じられた際には、PGAは彼を組合から追放した。

1950年、映画プロデューサーらが集まり、PGAの前身となる映画製作者組合(Screen Producers Guild)を設立。ウィリアム・パールバーグ (英語版)が初代会長に選ばれた。これに続き、1957年にテレビプロデューサーらがテレビ製作者組合(Television Producers Guild)を設立。ベン・ブレイディが初代会長に選出された。

1962年、ベン・ブレイディと映画製作者組合の会長ウォルター・ミリッシュが両組織を合併へと導き、全米製作者組合(Producers Guild of America)が誕生した。

1975年、パラマウントおよびユニバーサルと最後の労働協約を締結。この契約満了後、PGAは業界団体として活動を始めた。

1983年、ビデオテープ・テレビのアソシエイト・プロデューサー団体によって、アメリカン・アソシエーション・オブ・プロデューサーズ(AAP)が結成される。Gayle Maffeoが会長に選ばれた。

1990年、PGA主催の映画賞ゴールデン・ローレル賞 (英語版)(後の全米製作者組合賞 (英語版))が開催された。リチャード・D・ザナックとリリ・フィニー・ザナック (英語版)が『ドライビング Miss デイジー』で劇場映画賞を受賞した。

1994年、セミナー・プログラムを設立し、パネルディスカッションや実践的なワークショップを通じて組合員にユニークな学習機会を提供し始める。

2001年、PGAとAAPが合併し、1960年代以降、PGAのメンバー構成と方向性が最も急進的に変化した年となった。また、PGAは初めてプロデューサーやエグゼクティブ・プロデューサー、ポストプロダクションのスーパーバイザーやプロダクションコーディネーターなど、プロデュース・チーム全体を代表する組織となった。

2002年、PGA規約の一連の改正により、ウェブベースのプロジェクトやゲーム、CD-ROM、その他さまざまなデジタルおよびニューメディアのプロデューサーを代表するニューメディア協議会が設立される。

2005年、映画芸術科学アカデミーは、アカデミー作品賞のノミネートを決定する際に、PGAの資格基準および仲裁手続きを活用することに同意した。

2006年、PGAダイバーシティ委員会は、多様な映画/テレビプロデューサー志望者を支援するため、第1回となる夏期ワークショップのを開催した。このワークショップは、開発、パッケージング、予算管理、マーケティング、ニューメディアなど、リアリティのある製作過程を10週間で学ぶ短期集中コースで、毎年無料で開催される。

2007年、PGAはE!エンターテインメント・テレビジョンで違法な条件下で働くプロデュース・チームのメンバーのために介入し、和解交渉を行った。両者の和解により、アソシエイト・プロデューサーおよびその他公正労働基準法が適用される従業員の残業代(3年前まで遡及)の支払いを認めさせた。

2009年、第1回プロデュース・バイ・カンファレンスがソニー・ピクチャーズ・スタジオで開催された。1,000人以上の参加者や講演者、ゲスト、スポンサーが集まり、初年度のイベントは完売した。

PGAは、1998年の第71回アカデミー賞で、作品賞を受賞した『恋におちたシェイクスピア』に5人のプロデューサーがクレジットされて以来、プロデューサーのクレジット数を抑えることを重要課題としてきた^{[9] [10]} 。

2001年に最初のクレジット裁定を行い、2004年にはクレジット規約を公布し、2005年には映画芸術科学アカデミーがPGAのクレジット決定プロセスを作品賞ノミネートのガイドラインとして使用することを発表し、注目を集めた。

2010年、プロデューサーズ・マークのコンセプトを発表し^[11] 、J・J・エイブラムス、アヴィ・アラッド、キャスリン・ビグロー、ブライアン・グレイザー、ロン・ハワード、イアン・ブライス、ジェフリー・カッツェンバーグ、ジョージ・クルーニー、リドリー・スコット、フランシス・フォード・コッポラ、ジョン・ラセター、ショーン・レヴィ、トビー・マグワイア、クリント・イーストウッド、デヴィッド・フィンチャー、フランク・マーシャル、スティーヴン・スピルバーグ、ロバート・ゼメキスなど、144人の著名なプロデューサーがこれを支持した^{[12] [13]} 。

2012年、ソニー、20世紀フォックス、ユニバーサルの合意により、「プロデューサーズ・マーク」が導入された^{[9] [13] [14]} 。2013年には、さらにディズニー、パラマウント、ワーナーが署名した^[15] 。

これはクレジットで使用される認証マークで、承認されたプロデューサーは自身のクレジットに「p.g.a.」という表記を追加することができる。また、PGA組合員でないプロデューサーもこのマークを使うことが出来る^[16] 。

クレジットに表示される他のポスト・ノミナル・レターズ(例:A.C.E.、C.S.A.)とは異なり、このマークはPGAの組合員であることを示すものではない。クレジットされたプロデューサーが、その映画作品におけるプロデュース業務の大部分を行ったことを証明するものである。このマークは、映画ごとにクレジットでの使用が許可されている。プロデューサーが以前の映画でマークを取得していたとしても、現在あるいは将来のクレジットでこの認証マークを使用するかどうかには影響しない。

2012〜13年にかけて、当時のPGA会長ホーク・コッチとマーク・ゴードンは、ハリウッドの全ての主要スタジオと交渉を行い、スタジオが社内で開発・製作した映画を「プロデューサーズ・マーク」の認定を受けるために提出することを義務付ける個別の契約を取り付けた。初めてマークを取得したのは、『欲望のバージニア』(プロデューサーのルーシー・フィッシャー (英語版)とダグラス・ウィックがマークを取得)となった^[17] 。それ以来、何百もの映画が「プロデューサーズ・マーク」によってクレジットを認証されている。

映画の所有者または配給者からの最初の申請やプロデューサーからの率直な意見、さらに映画監督、脚本家、編集者、撮影監督、その他部門長を含む多くの第三者からの意見を必要とする、徹底した審査プロセスを経て、どのプロデューサーが「プロデューサーズ・マーク」の認証を受ける資格があるかをPGAが決定する。PGAは、PGA主催のダリル・F・ザナック賞や映画芸術科学アカデミーのアカデミー作品賞など、プロデュースの栄誉や賞の受賞資格があるプロデューサーを推薦する際にも、同じプロセスを採用している。

アメリカで設立された配給会社が配給する映画の著作権者であれば、誰でも「プロデューサーズ・マーク」を申請することができるが、申請や使用は、個々のプロデューサーの任意となっている。

1990年、PGA会計のジョエル・フリーマン主導の下、会長のレナード・スターン (英語版)の承認により、映画やテレビコンテンツの創造と実行の背後にいる先見者たちを称えることを目的とした第1回ゴールデン・ローレル賞 (英語版)が開催された。2002年、名称が全米製作者組合賞 (英語版)に変更された。

第35回までの全米製作者組合賞 劇場映画賞受賞作のうち25作品がアカデミー作品賞を受賞しているなど、PGA賞はアカデミー賞の成功を占う重要な指標となっている^[18] 。

• 全米製作者組合賞 劇場映画賞
• 全米製作者組合賞 ドキュメンタリー映画賞

1. ^ "C0245246 Producers Guild of America, Inc." Business Search Entity Detail. California Secretary of State. Retrieved February 25, 2020.
2. ^ ^{a b c d e f} "Form 990: Return of Organization Exempt from Income Tax". Producers Guild of America Inc. Internal Revenue Service. June 30, 2018. Archived February 25, 2020, at the Wayback Machine..
3. ^ "Staff". Producers Guild. 2024年7月11日閲覧。
4. ^ ^{a b} "Region". Producers Guild. 2024年7月12日閲覧。
5. ^ "The Producers Guild of America". web.archive.org (2013年3月1日). 2024年7月12日閲覧。
6. ^ "The Membership". Producers Guild. 2024年7月11日閲覧。
7. ^ "Board of Directors". Producers Guild. 2024年7月11日閲覧。
8. ^ ^{a b} "Benefits of Membership". Producers Guild. 2024年7月12日閲覧。
9. ^ ^{a b} McNary, Dave (2012年11月8日). "Fox, Sony and Universal agree to PGA mark" (英語). Variety. 2024年7月20日閲覧。
10. ^ McNary, Dave (2014年6月7日). "PGA Credits Certification Gains Momentum with 150 Movies" (英語). Variety. 2024年7月20日閲覧。
11. ^ Finke, Nikki (2010年10月13日). "Producers Guild Plans New 'P.G.A.' Mark" (英語). Deadline. 2024年7月20日閲覧。
12. ^ "Producers Mark Letter". Deadline. 2024年7月20日閲覧。
13. ^ ^{a b} Team, The Deadline (2012年11月8日). "Sony, Fox, Universal Sign On For PGA’s Producers’ Mark Credit Program" (英語). Deadline. 2024年7月20日閲覧。
14. ^ "映画のプロデューサー表記、米制作者組合が裁定 : 映画ニュース". 映画.com. 2024年7月11日閲覧。
15. ^ McNary, Dave (2013年7月11日). "Disney, Paramount, Warner Sign PGA’s Producers Mark Certification" (英語). Variety. 2024年7月20日閲覧。
16. ^ "Producers Mark (p.g.a.)". Producers Guild. 2024年7月11日閲覧。
17. ^ McNary, Dave (2012年5月31日). "PGA makes its mark with ‘Lawless’" (英語). Variety. 2024年7月21日閲覧。
18. ^ "米製作者組合賞ノミネート発表 「君たちはどう生きるか」がアニメ映画部門の候補に! : 映画ニュース". 映画.com. 2024年7月12日閲覧。

• 公式ウェブサイト (英語)

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